No.147291

真恋姫無双 美陽攻略戦 第二十三ターン

Thyleさん

第23回目の投稿です。
読みにくい点やあやしいニホン語があるかもしれませんが、宜しくお願い致します。

今後の参考に致しますので感想・コメント頂けたら幸いです。 宜しくお願い致します。

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2010-06-02 21:05:49 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:1383   閲覧ユーザー数:1301

美陽攻略戦

 

 

 

 

 

 

             (はじめに)

 

 

 

 

 

                 シスの暗黒卿、ホンゴウカズト・・・

 

 

 

 

                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第二十三ターン

 

 

               「チワチワ、上手くやってくれるやん」

 

 

霞は馬謖の部隊の伝令兵からの報告を受け

官軍の騎兵を滅殺しその馬を奪いとるという智羽の武功を賞賛した。

 

馬上の霞は己が率いている兵達の面構えを見た。

 

皆一騎当千の兵(つわもの)であり、霞と共に中原を駆け巡った連中である。

霞の命令に忠実で信頼に足るには十分な能力を持っていた。

県城 子午谷から十数理いった小高い丘に霞たちの騎兵は布陣していた。

 

 

          ときおり西から冷たい風が吹き、寒さで馬が嘶く声が響いていた。

 

 

野営地のたき火以外は周囲は暗黒に支配されており、

たき火の光によってこの部隊の所属を現す牙門旗はなびいていた。

 

牙門とは軍隊が駐屯する陣営の門のことを意味する言葉で、

その守備隊が独立したものがはじまりとされている。

そして現在では兵数は千単位程度で将軍が指揮するよりも少なく、

独立して作戦する部隊に兵達の統率の象徴として備え付けられていた。

 

そして、この牙門旗には藍色の布に金糸で大きく『張』の一文字

すなわち指揮官が張遼であることが示されていた。

 

 

 

 

 

 

夜空は厚い雲に覆われこれから官軍に対して奇襲をかけるには格好の条件となっていた。

暫くすると、偵察に出していた騎兵が戻ってきた。

 

 

霞は早速報告を聞き会心の笑みを浮かべた。

 

 

「そうかー、やっこさんら、

 

    行軍中ぶつくさ文句ぶーたれてたか。そらえらい難儀やな」

 

 

行軍中に文句を言う兵がいることは、士気は平均以下であることが考えられる。

今頃は野営準備をしているだろうことから兵達を統率できない指揮官達は

周囲を警戒するどころかこっそりと酒でも飲んでいるのだろう。

 

 

               この戦で己の頸がとぶかもしれない。

 

 

霞は兵が容易した小壺にいれた火酒を一息に飲み干した。

 

                 自分が死ぬかもしれない。

 

         だが、そこにある緊張感こそが霞にとってたまらない感覚であった。

 

 

 

「ヨッシャ!自分ら。この戦もろったで、ほな行くで!」

 

 

霞の号令により牙門旗を先頭に野営地をあとにした。

 

 

 

 

 

 

 

                     同時刻、

 

 

詠達は一刀の腹案を聞いて、それぞれ思い思い考えていた。

 

敵を官軍に引きつけ、その間に敵の駐留拠点を短時間で攻略する。

現在の并州軍から率いてきた兵だけで県城を攻略できるか。

 

この命題を聞いたとき、月・詠・恋・ねねは

軍の編成、兵種、軍事物資等あらゆる側面を考慮してそれぞれの考えを開陳した。

 

 

 

            ……賊軍は虎の子である大騎馬軍団を持っている。

 

 

        うん。その能力を十二分に発揮できる平原での決戦を望むのは自明よね。

 

 

        騎兵には拠点防御は不向きな兵種だし、

         賊軍さんは異民族の助力を受けていることから日頃略奪等の被害を

           受けている住民にとって異民族に反感を持っているようだけど……

 

 

        大騎馬軍団は兵達の食糧もさることながら、馬のエサや水等が大量に

         必要になりそれを賄うだけの軍事物資や補給経路がどうなっている

          のかなのです。

 

 

               ……ゴハンなければ……みんな戦えない。

 

 

            一刀は少女達が協議する様子を冷笑した顔で見ていた。

 

彼女らの現状を考えれば、朝廷にはウラミこそあれ、恩など無いに等しい。

そうなれば、彼女らは自然に一刀の危険で魅惑的な案に身をゆだねるであろう。

 

 

 

 

 

 

                  ホンゴウカズトの紡ぐ言葉

   

              それは悪魔のように黒い人々の本質を照らし

   

              それは地獄のように熱く人々の心を揺さぶり

   

              そして天使のように純粋で本能に忠実であり

   

              まるで恋のように甘く誘惑的な言葉をであった。

 

 

それからしばらくして少女達は一刀の策にのる結論に達した。

 

「それにしても、

  方士の秘術である火薬といい、このような奇策を考えるなんて……

        アンタの言っていたガッコウというには凄いものなのね」

 

 

                  詠は率直な感想を述べた。

 

 

            しかし、一刀は顔に手をお当て考え込んでいた。

 

「イヤ、学校では火薬の製造方法なんか……教えていない。

  それどころか……」

 

 

 

 

一刀は頭に映し出される光景見て困惑していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

             目の前には金髪のツインドリルをした少女

            と黒髪の長身の少女、ネコ耳の頭巾をした少女

 

 

                何やら自分に話しかけている。

 

 

                  話し声は聞こえない。

 

 

                しかし、何やら激論をしていた。

 

 

 

 

            鉄の製造方法、鉄砲の製造方法 大砲の製造方法 etc、etc……

 

 

            頭の中で様々な発明の理論・構造・製造法が駆け巡った。

 

 

 

                 (コロセ、コろせ、もっと殺せ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              強い光と共に脳内に出てきた光景が一転した。

 

 

 

                  荷馬車に乗っている自分

 

         

        その目の前には桃色の髪をした少女、黒髪の少女、トラの髪飾りした少女

 

 

                  なにやら談笑をしていた。

 

 

                    声は聞こえない。

 

 

             しかし、何やら話題で盛り上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「チョット、アンタ青い顔してどうしたの」

             

                   詠の叫び声が聞こえた。

 

 

しかし、一刀は身体を大きく、くの字に曲げ、一刀の頭には様々な知識が駆け巡っていた。

 

 

        ニュークリアーウェポンの製造方法、マザー オブ ウェポンetc、etc……

 

 

     大量殺戮兵器の製造方法、一刀はわからない数世紀先の大量殺戮兵器の製造方法の数々

 

               

                 (コロセ、コろせ、もっと殺せ)

 

 

             「俺は…何を、一体何を見ているんだ……」

 

                  月の叫び声が耳に聞こえてきた。

 

一刀の頬には冷たい地面の感触があった。

 

一刀の意識が暗黒に消えるなか……

 

 

                脳に映し出された最後の光景は

                 道衣をきた青年が冷笑を挙げ

              多くの人が死ぬ光景を喜んでいるのが見えた。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

張温将軍は驚愕の表情で伝令兵からの報告を聞いて顔を青くしていた。

 

 

                「先陣の孫や周は何をしてるんだ」

 

 

伝令はこれから来る敵兵に恐れをなし狼狽していた。

 

「将軍、孫別部司馬は先行しすぎて本陣から離れ、

 また周別部司馬は敵の補給拠点攻撃の為に本陣からはなれております」

 

そのような事は解っている、と言って張温は近くにあった椅子を蹴り倒した。

張温は自らの身を守る為に両別部司馬を先陣にし、己は安全な後曲に本隊を置いた。

 

しかし、孫別部司馬の部隊は武功をあせるばかりに本隊からかけ離れ先行していき、

周別部司馬の部隊は敵の補給拠点を攻撃すべくこの行軍から離れていた。

 

             その為、己を守るのは己の率いている部隊しかいない。

 

 

行軍の中央部に向かってくる砂塵の塊が疾走してきた。

 

                  遼来来!  遼来来!  遼来来!

 

風に乗って聞こえる言葉に兵達はえも知れぬ恐怖を憶えた。

砂塵から垣間見える多数の軍馬と張の牙門旗が見た。

 

                  遼来来!  遼来来!  遼来来!

 

呪詛のように馬速と一緒に声が鳴り響いてきた。

 

こちらの騎兵や主力部隊は前面に出しており、

何かあれば即長安に引き返せるように張温は後方の補給部隊と一緒にいた。

 

 

 

               安全地帯にいると考えていたのが裏目にでた。

 

 

              敵の間者が張温の居場所を調べての奇襲であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

張温は顔を引きつらせ太った太鼓腹を叩き、砂塵のある方向を見た。

すぐに前方にいる騎兵や主力を引き戻すことはできない。

今いる補給部隊を守る兵で応戦しなければならない。

 

 

「敵はわずか少数。何をうろたえている。迎撃せよ」

 

騎兵は息もつかせせぬ突入と馬体を利用した蹴散らしは

歩兵部隊を壊滅させる戦力を有している。

 

そして騎兵の迅速な進軍は伝令の情報速度を超え、敵陣営の虚をつく事ができる。

霞の率いる騎兵は通常の騎兵の進軍速度を上回る神速で

将軍がいる敵本陣奥地まで突入してきた。

 

 

                「弩兵前!  うっ、打て、」

 

前線指揮官の号令により等間隔に立ち並んだ弩兵は一斉射撃をした。

しかし霞の前衛はそれを見通したかのように左右に展開して後方に回った。

矢を射出したその間は弩兵は次の矢を装填するために無防備状態になる。

 

 

 

 

 

 

 

                   「馬上攻撃や!」

 

 

霞の命令により馬の隊列は三角形状の隊列に変形し、

抜刀した騎兵は馬を疾駆させながら長い刀を右から左、

左から右にと素早く連続的に振り回し敵の戦列を崩した。

 

 

張温のいる本陣まで目と鼻の先とまで来た時、盾持ちの槍兵は密集し進撃を遮った。

 

 

                   「チッ、騎射! 」

 

 

馬のまたがり手綱を放しバランスを保ちながら弓矢を放つ騎射は

北の異民族の得意技であったが霞の兵達は高度の馬術により

これを体得しており兵達は一斉射撃をした。

 

弓持ちの騎兵が敵の側面にいる弩弓兵に対してかく乱を行ったあと、

霞は間髪をおかず長槍を持った騎兵は陣中に突入した。

長柄をしっかりと小脇にかかえ、馬の鼻ずらよりもかなり前方に刃鋒を突き出して突撃し、

敵の歩兵の顔面から胸にかけた部分を突き刺していった。

 

 

 

 

 

弩弓による弾幕を突破され盾持ちの歩兵という遮蔽がなくなれば、

歩兵部隊は槍持ちの騎兵部隊にあがなうことはできない。

 

そして隊列の乱れた部分を霞の率いる騎兵一列が

刀を波打つよう振りながら次々と歩兵の頸を刎ねていった。

 

官兵達の返り血を浴び人馬もろとも赤く染まった霞は

もはや敵の総大将の頸を取る位置まできた。

 

 

                       ひっ

 

 

張温は腰に下げていた長剣をやたらめったら振り回した。

しかし、霞の一撃で甲高い音を立て剣は吹き飛ばされた。

 

               「はぁはぁ…… 自分往生せいや!!」

 

霞の重さ八十斤の飛龍偃月刀(ひりゅうえんげつとう)で

総大将 張温の両断すべく飛龍偃月刀を高く掲げた。

 

       しかし、その振り下げた偃月刀は張温をかずめ地面を切り裂いていた。

 

 

                      「誰や」

 

 

霞は鬼のような形相で偃月刀を振りかざした瞬間に石弓を打ち込んできた方向を見た。

 

 

 

 

 

 

(あとがき)

 

 

 

 

       はじめまして、この度は 真恋姫無双 美陽攻略戦 第二十三ターン

 

       をご覧になって頂きましてありがとうございました。

 

 

        う~まとまった時間が欲しい!と苦悩しております。

         これから総大将 張温を助けた人との一騎打ちになるのですが

         それまで書く時間がありませんでした。

         

          続きは次回に持ち越しとなります。

        

        面白いのかどうかわかりませんので何か感想等のコメントを頂けたら

        大変ありがたいです。

 

       最後まで、本編を読んで頂きまして大変ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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