第十二章「赤焔」
黄巾党の件も終わり陳留に戻った華琳達はそれぞれの持ち場についた。
「今から警備隊の隊長及び副隊長を発表する。隊長は楽進。」
「はっ」
「副隊長は李典と于禁とする」
「はいな」
「了解なの~」
一刀が凪・沙和・真桜の前で発表した。
「なお、李典及び于禁の給金に付いては隊長である楽進に全て任せる。仕事をサボったら減給でかまわないよ。凪」
「はっ」
「そんな~。酷いで隊長」
「そうなの~。贔屓なの」
「別にちゃんと仕事をすればちゃんとした給金が来るんだ。仕事はちゃんとしろよ」
「ぶぶ~~~~」
「ぶぶ~~なの~」
「いい加減にしろ、真桜・沙和。お前達がちゃんと仕事をしていたらこんな事にはならなかったはずだ」
「そうゆう事。まぁ~、自業自得ってことだよ」
「浅はかな。自分の使命がちゃんと出来なくて何が武人だ」
「椿。言いすぎだよ」
「いっ!」
一刀は椿のデコにデコピンをした。
「それじゃ、これからは凪の言うことをしっかり聞くように」
「ありがとうございました。隊長。いままで色々教えていただいて」
「もう隊長じゃないよ。凪」
「では、これからは一刀様とお呼びします。真桜・沙和行くぞ」
「了解や」
「新しいお洋服の為に~なの」
三人は張り切って警邏に出た。
「それじゃ、一度城に戻ろうか椿・雫」
「はっ」
「わかりました。お兄ちゃん」
一刀と雫・椿は城へと戻って行った。
「華琳。凪達に警備隊の隊長と副隊長の報告すんだぞ」
「ごくろうさま。一刀」
「だから聞てるの」
城に戻ると華琳の前には張三姉妹がいた。
「ええ、聞てるわ。つまりあなた達は世話役が欲しいのね」
「そうよ。いくらなんでもちぃ達ができるのにも限界があるの」
「それに、華琳様との連絡にも城の誰かを来て貰わないといけないので」
「お姉ちゃんはね~。一刀がいいな~」
「「「なっ!」」」
天和の爆弾発言に華琳に春蘭・秋蘭と玉座にいた全員が驚いた。
「どうして一刀なのかしら」
「だって一刀は曹操軍の中じゃ一番強いから私達を護衛してもらいたいし。華琳さんとも仲がいいから連絡係にも最適だもの」
「それもそうね。ちぃも賛成」
「・・・一刀の意見は」
「う~~ん。正直言ってわからない。今さっき警備隊の隊長を凪に付かせて、今から春蘭と新兵の訓練と華琳に頼まれていた農業の考案の続きとそれから・・・・」
「一刀。お前本当に大丈夫か」
「何がだ。秋蘭」
「働きすぎだ。いくらなんでもそれではいつ倒れるかわからんぞ」
「でも・・」
「でもじゃない。もうこれ以上私や華琳様達に心配させないでくれ」
秋蘭が涙目で一刀に言った。
「秋蘭・・・」
「華琳様。今からでも一刀に休みにして頂けないでしょうか」
「そうね。秋蘭の言う通りだわ。一刀。今から貴方に休みを与えます。今日一日絶対に仕事をしないこと。もししているのを見つけたら。・・・そうね~。私自ら一刀に罰を与えましょう。いいわかった」
「・・・・・はい」
「ちょっとちぃ達の意見はどうなるのよ」
「そうですよ、華琳様。こいつ等のことはどうでもいいですが、今日やるはずだった私との仕事はどうなるんですか」
「どうでもいいってどうゆう事よ」
「あたり前だろう。いちいち護衛が欲しいだの甘えおって」
「二人とも黙りなさい!」
「「!?」」
華琳の大声で二人は一瞬で静かになった。
「しかし、華琳様」
「もう一度言うわよ。春蘭。黙りなさい」
「はい~~」
華琳の言葉で春蘭は静かになった。
「地和。あなた達の護衛の件は、もう少し待ちなさい。しかる時にちゃんと行かすは。それと春蘭。一刀はもう我が軍最強の武人なの。もしその一刀が倒れたりしたら士気にも影響するは、だから今日は諦めなさい」
「うぅぅ~~~。承知しました」
「そんなに拗ねないの。・・・そうね春蘭。今日は私の閨に来なさい。可愛がってあげる」
「は・はい」
春蘭は華琳の誘いで元気になった。
「あぁ~~~。姉者はかわいいなぁ~」
「どうしてあんな脳筋の春蘭が呼ばれるのよ・・・・」
「人和ちゃん。私達とんでもない所に来ちゃったみたいだね」
「気のせいよ。天和姉さん」
「だといいけど」
張三姉妹が呆れていた。
「それじゃ、俺は休むよ。何かあったら風か万里に言ってくれたれいいよ」
「そうするわ」
「雫は何時も通り警邏に行きなさい。椿は・・・どうする」
「そうですね。私はこれといった仕事もありませんので主に付いていきます」
「そう」
一刀は玉座を出て行った。
「秋蘭。貴女さっきの涙はどうゆう事」
「ああでもしないと一刀は私たちの知らない間に絶対に仕事をします。それにこの涙は自然と出ましたので、一刀を心配したことは本音です、華琳様」
「そう。なら一刀にはその内罰を与えないとね。私の大事な秋蘭を泣かせたのだから」
「でしたら、その罰は私にやらせて下さい」
「えぇいいわよ。秋蘭」
街の外にある森の奥に行った所に小川がある。一刀と椿はそこに来ていた。
「こんな所があるとは知りませんでした」
「たまたま城壁の上にいた時に見つけたんだ。まさかここまで綺麗だとは思わなかったよ」
小川の近くにある岩の上に腰を下ろして、長々と会話を始めた。
「そろそろ、戻ろうか」
「そうですね。丁度昼時ですし」
「そうだな。椿は何が食べたい。奢るよ」
「そうですね。炒飯がいいですね」
「了解。・・・あれは」
「あ・主」
一刀は突然走り出したので、椿も後に続いた。
「おい。大丈夫か」
「主どうなされたので・・・この者は」
椿が一刀に追いついたとき一刀は女の子を抱いていた。
「うぅぅ~~~~」
「大丈夫か、おいしっかりしろ」
ギュゥゥゥ~~~~~~
「「へ?」」
「お・お腹すいた」
「ハ・ハ・ハ。ま・まさか空腹で倒れるとわな」
「い・いうな。ワタシだって恥ずかしいのだから」
と、言いつつ炒飯をがっついていた。
「いいかげん。笑うのをやめなさい。けど、どうしてあんなところで倒れていたんだ」
「実は」
「焔耶。また貴様は喧嘩をしたな」
「しかし、桔梗様。あれは向こうから仕掛けてきたのです」
「いいわけなど聞きとうないは、貴様は何度注意しても喧嘩ばかりしおって。自分が大陸で一番強いとでも思っているのか」
「もちろん・・・」
「この馬鹿者。いいか、貴様よりも強い奴などこの大陸に五万とおるわ。それとな、焔耶よ。お前ワシとの約束覚えておるだろうな」
「も・もちろんです」
「なら、貴様は破門じゃ。即刻この城から出て行け」
「そ・そんな。桔梗様」
「だまれ、師の約束も守れん奴に武術など教えられは。そんなにワシの事を見返したいなら大陸一の武人になってこい」
「うぅぅ~~。桔梗様の馬鹿野郎」
「と。いうわけです」
「愚かな」
「それで、君は何しにこの陳留に来たの」
「それは、ここにいる天の御遣い北郷一刀が大陸で一・二ほどの武人だと聞き勝負しに来た」
「ふ~~~~ん」
「何がふ~ん、ですか主。それは主の事ですよ」
「えっ!そうなの。俺ってそんなに有名?」
「えぇ、主は天の御遣いと言う名で大陸には広まっていましたし。今回の乱で主の名はもはや知らない人はいないほどになっています。ですので、曹操軍には北郷ありというまでに各国の太守が見境なしに間者を送りつけているのです」
「その間者は風・稟・万里と椿で何とかしているわけ?」
「そうです。けど半数以上は主がやっているのでしょう」
「そりゃ、不審者は見逃せないからね。色々情報を吐かせてから帰しているよ。もちろん鎌はかけているけどね」
「それで。お主は一体何者なんだ」
「ごめん。まだ名乗ってなかったね。俺の名はさっき君が言った。北郷一刀。天の御遣いより魏の懐刀の方を今は名乗っているよ」
「拙者の名は徐晃。字を公明と申す」
「なっ!貴様が北郷か。ならワタシと勝負しろ」
「・・・いいけど。あいにく俺はここの太守から身体を休めろと言われていて、勝負できないんだ。明日の朝まで待ってもらえないかな」
「ふん。太守の命令なら仕方が無い。けど約束は守れよ」
「自分の師との約束を守れない奴に言われたくないけど」
「うっ」
「それに、俺と椿は名乗ったのに君はまだ名乗っていない。それは武人としてどうかな?」
「そ・そうだな。私の名は魏延。字は文長だ。これでいいだろう」
「あぁ。それじゃ、城に行こうかどうせお金も無いんだろう。城の客間を貸してあげるよ」
一刀はお金を払い、店を出た。
「見つけましたよ。一刀様」
「どうしたんだ。稟」
「実はつい今しがた涼州より馬の商人が着きましたので、報告にきました」
一刀はそれを聞き稟に付いていった。
「わざわざ涼州から来ていただいてありがとうございます」
「いえいえ。私共は馬を売るのが商売です。その為でしたらどこでも行きます」
商人と軽い挨拶をして一刀は例の馬を見ようとした。
「どうしてここにいるんだ?」
「一刀が馬を買うと桂花から聞いて、どんな馬か見に来たの」
「私の情報網を舐めないで下さい。一刀さん」
一刀は自分の前にいる赤い馬と目を合わせた。その馬はどこか、寂しそうで悲しい目をしていたので、一刀が触れようとした時。
「いけません。その馬はけして人には懐きませんし、不幸の馬とも呼ばれています」
「どうゆう事」
「その馬が生まれてすぐに母馬は死に。人が触ろうとすると怒って触らせようともしません。ですので、不幸の馬と呼ばれているのです。それにこの馬はどうゆう事か真草を食べません。ここまで生きている事が不思議なぐらいです」
「そうですか」
一刀は手を引きそのままどこかへ行った。
「一刀」
「一刀様」
「主」
数分後。一刀は大量の真草と桶に入った水を持ってきた。
「ほら、食べな」
馬は一刀の目を見続けた。
「いいから」
馬は真草を食べ始めた。
「おぉ・・」
「食べた」
「食べましたね」
そこにいる皆が驚いた。
「寂しかったんだよな。母親に死なれて、周りの人からも冷たい目で見られ続けられたことが。でも、もう大丈夫だからな、俺がちゃんと面倒見るから」
一刀は馬を優しく撫でてやると馬も嬉しいのか一刀に鼻をこすりつけて、また食べ始めた。
「そんなに急がなくても沢山あるんだから」
一刀が笑いながら言うと、馬もゆっくり食べだした。
「ありがとうございました。この子を買わせていただきます」
「いえ。私もいいものを見せてもらいました。まさかこの馬が寂しがっていたとは、私もまだまだです」
「それで、お礼言ってお願いがありまして。他の馬も見せていただけないでしょうか」
「いいですよ」
商人は喜んで一刀に他の馬も見せた。
「一刀。貴方、馬の良し悪しがわかるの?」
「まぁ~、ちょっとは。俺のいた世界。華琳達で言う天の世界で剣道部の先輩の家に行った時に、何度か見せてもらったから」
一刀は馬を一頭、一頭見て回った。
「いい馬達ですね」
「そりゃ、私の自慢の馬達ですから」
「でしたら。全部買います」
「「「えっ!」」」
「一刀。本気なの」
「もちろん。こんなんにいい馬そうはいないよ。それに、あの子を遠くから連れて来てくれたお礼に」
一刀は商人にお金を渡した。商人はその金額にびっくりした。
「こんなに。多すぎます」
「いいんだ。あの子と、他の馬を貰うんだ。それ位ださないと」
「・・・わかりました。でしたら、またいい馬が手に入ったら真っ先にこちらに伺います」
「お願いします」
商人は一刀と約束して街を出て行った。
「それで、一刀。その馬にはもう名前は考えているの」
「名前か、そうだな・・・」
「それに、その馬もう大人でしょう。少し小さいよううだけど」
「何言ってんだ、華琳。この子はまだ子供だよ」
「「「!?」」」
「なんと。これでまだ子馬ですか、主」
「いくらなんでも大きすぎじゃない」
「私も一刀様に頼まれて、取り寄せましたが。ここまでとは」
「この子は、俺の世界じゃ三国一の名馬なんだ。名は赤兎馬と呼ばれていて、一日に千里も走るんだ」
「なんと。それは本当ですか」
「本当だとも」
「それで、この子馬の名はどうするの」
「華琳はもう決めたのか」
「もちろん。一刀は」
「決めたよ。せ~ので、行く?」
「えぇ」
「せ~の」
「「赤風{セキカ}」」
一刀と華琳の声が綺麗に重なった。
「その由来はなんですか」
桂花の質問に一刀と華琳は互いに見つめた。
「幾多の戦に出て」
「赤き風のごとく走る」
「「それが赤兎馬なり」」
「いい名前ですね」
稟が言うとそこにいた皆がうなずいた。
「それで、椿の後ろにいる人は誰ですか」
「「「!?」」」
桂花の一言で、平和だった時が一変し戦場と化した。
「えぇ~と、彼女は」
「一刀。あなたは」
「一刀様。私もそろそろ実家に帰っても宜しいですか」
「だから、違うって。魏延からも言ってくれ」
「ん?ワタシはただ、そこにいる北郷一刀と勝負がしたいだけだが」
「そう。でも知っていると思うけど一刀は、大陸でも一、二の武将よ。それども戦うの」
「もちろんだ。ワタシは大陸一の武将になりたいのだから」
「それはいいけど。一刀は今日。鍛錬おろか仕事もさせないわよ」
「それは、そやつから聞いている。だから明日の朝にやる」
「そう、ならいいわ。桂花、城に戻るわよ」
「はい。華琳様」
「それと、一刀。あなたの買った馬は私の騎馬隊に使うわよ」
「あぁ。そのための買ったんだ。好きに使ってくれ」
華琳と桂花は城の戻り。一刀は近くにいた兵に魏延を城の客間まで送るよう命じ。自分は赤風と他の馬を連れて行った。連れて行く途中、赤風か一刀から離れようとしなかった。
「まるで赤風の母親ですな。主」
「ここまで懐かれるなんて、そうありませんよ」
「そうだな。大切にしないとな」
一刀は赤風を撫でながら稟と椿と一緒にゆっくりと歩いた。
夜。一刀の部屋
「ほ~。風達が仕事をしている間にそんな事があったのですか」
「たしか厳顔さんは蜀の地方の有名な太守ですね。今度から何人かの勘者を派遣しておきます」
「後、董卓ですが、今は洛陽にいるようです。それで明日その洛陽の何進将軍から使者が来るようです」
「何しに」
「なんでも。曹操殿に西園八校尉を授けるようです」
「それよりな、稟」
「なんですか、一刀様」
「あの・・・。いつになったら、華琳と仲良くなるんだ」
「それは、私に曹操殿に真名を預けろと」
「別にそこまで言ってないけど。もう少し仲良くしてもいいじゃないか」
「ハァ~~。お兄さんはまるでわかっていませんね」
「なにがだ?」
呆れる風に一刀は不思議がった。
「グゥ~~~~」
「起きろ、風」
「おぉ・・・。あまりにも馬鹿げた事なのでつい眠ってしまいました。そうれは、お兄さんと稟ちゃんで話合って頂かないと。それじゃ、風達は帰りますので、お休みなさい」
風・雫・万里・椿は一党の部屋を出た。
「・・・」
「あの~~。稟さん」
「なんですか、一刀様」
「怒っていますよね・・・」
「別に怒っていませんよ」
「いやいや。確実に怒っていますよ」
「・・・一刀様が悪いんですよ。確かに一刀様は曹操殿の臣下ですが、私や風達にとっては主なのです。本当は一刀様に旗揚げしてもらい天下を取っていただきたかった」
稟の目に涙が出てきた。
「それでも・・・。それでも貴方に付いて行く事を決めました。そして貴方を誰よりも愛した」
「稟・・ん・・」
一刀は稟の肩に手を乗せて唇を塞いだ。
「ん・・・ちゅ・・。一刀様」
「ごめんな、稟。でも俺は華琳を天下人にするって決めたから」
「ひ・酷いです。そんな事言われたら、許すしかないじゃないですか。そのかわり」
「あぁ・・。今日は精一杯愛してあげるよ」
「絶対ですよ。・・ん・・」
一刀は稟を寝台に倒して、夜が明けるまで愛し続けた。
「ん。ん~~」
「おはよう、稟」
「か・・一刀様」
目が覚めた稟は一刀を見てびっくりした。
そこで、一刀は稟を優しく抱いた。
「稟、落ち着いて」
「は・はい。・・・もう大丈夫です」
「ごめんな。稟の寝顔が余りにも可愛いからつい見とれていた」
「い・いえ。・・・ん・・ちゅ・・」
「稟・・ちゅ・・」
一刀を見つめていた稟が突然一刀の唇を奪った。積極的に一刀の唇を吸う稟の態度に応じる一刀。すると次第に一刀の口の中に稟の舌が入っていきお互い目線が離れない。長い口付けの中、さすがの稟も苦しくなってきた事がわかった一刀は離れようとするが、稟は離れないように身体を近づける。まるで離してしまったら終わるみたいな感じが稟の目から感じた一刀は稟の気が済む口づけを続けた。
「落ち着いた」
「はい・・・。その・・すみませんでした」
「別に稟が誤る事はないよ」
「しかし・・・」
「俺は気持ちよかったよ。稟はどうなの」
「気持ち・・・・よかったです」
「ならいいじゃないか。それよりも早く服を着替えよう。魏延が待っている」
「はい」
一刀と稟は急いで服を着替えた。着替えを待った一刀は愛刀の斬月と日陰を持って稟と一緒に部屋を出た。
「ごめん、ごめん。遅くなって」
「お前は一体ワタシとの勝負をどう思っているのだ」
「だからごめん。なんだ、華琳達も見に来たのか」
「えぇ。自分の将が戦うのだから主として見守る義務があるは」
「そう結うものなのか」
「そう結うものなの」
「春蘭達はどうして来たの」
「なんだ、一刀。私と姉者は来てはいけなかったのか」
「いや。そう結うわけじゃないけど」
「フフ・・。わかっているよ。ただ、姉者が一刀の事が心配で見に行きたいと言って聞かんのだ」
「秋蘭。私がい・いつよの様な事を言った。私は別に一刀の事など心配しとらん」
「姉者。今の態度では、心配していると言っている様なものだ」
「なっ!なぬ」
「ありがとう、春蘭。心配してくれて」
「だから、私は心配などしておらん」
「「あぁ~。可愛いな姉者(春蘭)は」」
秋蘭と一刀は春蘭を少し煽って困った顔を堪能していた。
「おい、北郷。さっさと勝負するぞ」
一人で待っていた魏延は得物の鈍砕骨を振り回していた。
「あぁ、今行く。・・・華琳これもっていて」
「えぇ」
一刀は愛刀の一本日陰を華琳に渡し魏延の方に行った。
「二人とも覚悟はいいな」
「あぁ」
「無論」
「でわ、始め」
「はぁぁぁぁぁぁぁ」
ドン!
魏延は鈍砕骨を思いっきり振り下ろした。
一刀はその一撃を受けずに回避した。
「秋蘭。貴方から見て彼女はどうなの?」
「初手の一撃は良かったかと、並みの兵や将なら倒せましょうが、私や姉者では不十分です。まして相手は一刀ですからまず負ける事はありません」
「当然ですよ、華琳様。一刀は私が唯一負ける武人だ。そう、容易く負けるものか」
「そうね。一刀は我が軍最強の武将だったわね」
「一刀様。頑張ってください」
「隊長、頑張ってなの~」
「一応骨は拾ったるで」
「「「縁起でもないことを言うな」」」
「うぅ~~。皆からツッコまれた」
「それだけ、信頼されているの」
「雫殿、よく見ときなさい。主の戦い方を見るのも修行の一環ですよ」
「わかっていますよ、椿さん」
椿と一緒に雫も見に来た。二人は戦や春蘭の相手で何度か一刀の戦い方を見てきたが他の将の戦いは初めてなので、一刀が始めての相手にどう態様するのか興味があった。
「はぁぁぁぁぁ」
ガチン
一刀の一振りが魏延の鈍砕骨を押していく。
・・・つ・強い。これが大陸一・二と言われる武の強さか。しかし、ワタシだって
「はぁぁぁぁぁぁ」
ドゴン
鈍砕骨を振り下ろす魏延。しかし、一刀は魏延の放つ一撃は一度も受けずただ避けるだけ。
「貴様。なぜ、ワタシの攻撃は受けないんだ」
「そんなのを受けたら刀が折れちまうよ」
ドゴン
「チッ!ちょこまかと」
「さて、次で終わらせるぞ。魏延」
一刀は斬月を地面と平行にし、魏延に向かって走り出した。
「甘いは。はぁぁぁぁぁぁぁ」
ドゴン
魏延が放った一撃は地面を砕いたが一刀には当たらなかった。
カチャ
「勝負あったな」
「「「!?」」」
「い・いつのまに私の後ろに」
その場にいた者が不思議がった。確かに魏延が放った一撃があった間では一刀は魏延の前にいた。しかし、いつの間にか一刀は魏延の後ろにいた。
「一刀流剣術水鏡。君みたいな大降りの人に使える剣術だよ」
「そうか・・・」
「なぁ、魏延。君と俺の違いわかるかな」
「違いだと・・」
「そう。君には夢や目標が無いし、守りたい人もいない」
「夢ならある。大陸一の武人になるって夢が」
「うん。それは良い夢だしこれからも持ち続けるめきだ。しかし、大陸一の武人になって君は何がしたいのかな」
「大陸一になってワタシは、桔梗様に認めてもらう」
「それだけ」
「あぁ・・」
「俺は違うな。俺はここにいる華琳や春蘭・秋蘭。凪・沙和・真桜と俺のことを知っている全ての人を守りたい」
「・・・」
「そのためなら俺は、例え悪魔と呼ばれたっていい。みんなの笑顔がいつまでも続くのなら」
「一刀・・・」
・・・一刀はそこまで覚悟を決めている。なら、私は一刀に認めてもらうよき主君になろう
華琳は再度確認した。自分のなす、すべき事を。
「お・お館」
「「「!?」」」
急に魏延は土下座をして一刀のことをお館と言った。
「魏延さん、どうしたよ。いきなり頭を下げるなんて。それにお館て?」
「今さっきの言葉を聞いてワタシは決めました。お館、ワタシを貴方の部下にしてください。その証としてワタシの真名をお館に預けます。ワタシの真名は焔耶ともうします。これからお願いします」
「あ・・・あの・・・」
「してあげなさい、一刀」
「華琳。でも・・」
「貴方、真名の意味知っているでしょ。それを預けられたのだから、部下してあげないのは彼女に対する無礼よ」
「・・・わかった、焔耶。これから宜しく」
「は・はい」
一刀は右手をだし焔耶と握手した。
・・・お館の手って暖かいな。まるで、太陽のようだ
こうして一刀の下に新たな仲間が加わった。そしてこの後に来る乱世に予兆がこの後に来る事も知らずに。
第十二章 完
「第十二章終了。今回は少し遅くなってすみません」
「本当だぜ。どうして遅くなったんだ?」
「テストがありまして、そっちの勉強をやらせていただきました」
「それならしかたがないか。でみ、なんで焔耶を仲間にしたんだ。蜀の将だろ」
「まぁ~~。最後は魏の将にたって馬岱にやられるからいいかな~~と思って」
「自由人だなお前は」
「それより黒竜」
「な・なんですか華琳様」
「どうして郭嘉ばかり一刀としているのかしら、理由を教えてくれる?」
「え~~~とですね。本作のほうじゃ華琳様LOVEだったので一刀LOVEもいいかな~~と思いまして」
「なら私はいつ一刀とできるのかしら?」
「そ・それは」
「それは」
「わかりませ~~~ん」ビュッ
「あ!こら、待ちなさ~~~い」
「え~~~と。華琳と黒竜が居なくなったのでここまでとします」
「でわでわ皆さんまたあいましょ~~ばい」
「ふ・風!」
「いいとこどりですよ~~。お兄さん」ヴイ
「BY]
「こ~く~りゅ~う~」
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とうとう一刀の前に赤兎馬がきた。華琳と一緒に名前を考える果たしてどんな名前か