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真・恋姫†無双 外伝 - 鬼を従えし、天の御遣い - 第五章

注意書き:オリジナル色が強い作品ですので、もし苦手でしたら推奨できません。

休止中の結城つきみんです。

今回は、多忙な中での気分転換に書いたものなので次回は未定です。

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2010-05-30 01:13:46 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1867   閲覧ユーザー数:1693

 

 

 

 

真・恋姫†無双 外伝 - 鬼を従えし、天の御遣い -

 

 

 

第三章 『神の娘?!いきなりの許嫁に騒然!!修羅場の開始5秒前!!・後編』

 

 

 

 

 

 

戦国武将3人から冷たい視線に、孫堅と張勲からの刺々しい視線やら

 

袁術が眼に涙をいっぱい溜めて、服の袖を掴んで上目遣いでこちらをじっと見とるだけ。

 

魅麗は、一人だけにやにやしとるだけで……

 

 

 

あぁ、やはりこの人が原因なんやと。

 

 

 

眼の前には瑶姫さんっていう人が、興味津津ってな感じで眼を輝かせて

 

人間観察するかのごとく視線を向けてくる。

 

 

 

 

俺って、女難から逃れられへんのかなぁと現実逃避しはじめていた。

 

 

 

 

何故このような事態になってるという、事の起こりは瑶姫さんと出会ってからの事である。

 

 

 

 

 

 

 

SIDE:樹夜

 

 

山賊騒動などが治まり、民も散り散りに家に戻っていく。

長老の家で詳しい話などすることになり、御礼とばかり宿を貸してくれるようだ。

向かった先にある家は裕福な屋敷のようであった。

 

大広間で皆がくつろいでる中、樹夜は屋敷の事を長老に聞く事にした。

 

「あのぉ長老さん?邑で、こないな屋敷をもっとるんですか?」

 

「あぁ、やはりこの屋敷は目立ってしまようじゃの……儂は、この邑の出身ではない。

 

 儂の名は張魯。そして、豪商であり道教集団の教祖だった張衡が父だったのじゃが

 年には勝てず父も亡くなってしもうた。その後を継いだのが儂だったんじゃ」

 

 

『な、なんやて。この人が張魯やなんて……

 

 邑に留まる様な人物じゃないはずなんやけどなぁ……続きを聞いてみるしかないなぁ』

 

「張魯さんは、何でこの邑に来たんです?豪商の貴方なら、城下の方が商売にはええんやないですか?」

 

張魯は遠い目をしつつ、続きを語り出した。

 

「儂はな、金なんぞにあまり興味はないからの。生活は、質素倹約で充分。

 民草の為にできる事があれば、その事に金を使うくらいじゃ。

 

 そんな折に、益州の牧である劉焉殿から漢中を攻めよという風に命じられての。

 行軍を共にする張脩に、暗殺されかけ命からがら逃げおせた。

 

 そして、儂は重傷負いながら逃げてきた所でこの屋敷の持ち主に介抱されたのじゃが

 その長老であった恩人は、余命を悟ると儂にこの屋敷と邑を託したのだ」

 

 

「それで、この屋敷で長老として住む事になったんですね」

 

『劉焉から命じられたという所は同じやけど、知っている歴史とは逆やな……

 

 邑で、長老として過ごすなんて知らんしなぁ』

 

 

「安心してるのも束の間で、張脩に儂が生きている事がばれての

 山賊やら盗賊やらがこの邑を頻繁に襲うようになって来たのじゃ。

 

 儂が若い内は抵抗も出来たのじゃが、最近では古傷が疼いて庶人の老人変わらぬようになった。

 今日、あの時が人生の最後かと思うたが助けられて生きている。

 

 今回の事は、何かの縁だと思うのじゃよ」

 

 

張魯は、そう話し終えると少し休むという事で自室にもどった。

後の世話は、使用人に任せる都の事だった。

 

 

 

 

樹夜は思考の海に耽っていると、隣に瑶姫が座ってきた。

 

「改めて初めしまして。瑶姫って呼んでください。

 先程の事で、少しお話をさせて貰うとですね。

 

 あの時に、助けに入ったのが私でよかったですよ。

 山賊のようでしたが、きっと軍人崩れの輩でしたので庶人には危険な相手ですね」

 

「あっ、初めまして。俺のことは樹夜って呼んでな。

 そうそう、長老を助けてくれてありがとうな♪」

 

何故か、瑶姫は樹夜に直球で感謝されてもじもじと照れていた。

 

にやにやと笑みを浮かべていた魅麗も樹夜の逆隣に座り、会話に入ってきた。

 

「黄色の布を巻いた盗賊やらは、黄巾党じゃろうな。

 近くに布陣しておるのは、式に探らせて分かった事じゃ。

 樹夜も黄巾党は知っておるじゃろ?」

 

「うん、知っとるで。でも、張角って民草の事を思って漢を恨んどるはずやろ?

 其れなのに、張角を慕ってる部下がこんな行動起こすなんてあるやろか」

 

「樹夜よ、太平要術の書こそが根幹なのだ。

 南華老仙の奴が、暇つぶしで民に書を与えたのが事の起こりじゃ。

 

 太平要術の書は想念を力に変える書なのじゃが、

 善き想念ならば善行の力に作用するが、悪き想念ならば悪行の力に作用してまうのじゃ」

 

 

樹夜は改めて考えてみると、不思議に思った。

 

先程は、この世界でも同じく同じ想いを持っているかもしれないと思ったが、

この世の張角達と現代の歴史の張角達の存在自体が違うのだから想いも違うのではないかと。

 

それでは、何故に悪行の力が作用しているのか。

 

 

「今の張角達は、どんな想念抱いてるんや?」

 

 

「この世界では、張角三姉妹というのがいてな貧しい旅芸人をやっているのだが

 何の経緯かは知らぬが、その三姉妹の手にあるようじゃ」

 

張角達は三姉妹と女性になっていて旅芸人をやっているようだ。

では、なぜ悪行の力に作用してしまったのか?と魅麗に聞いてみた。

 

「それはのぅ、この三姉妹は旅芸人をやっている事で歌を歌う事が得意での。

 大陸全土に広めたい。自分達の歌を大陸一にしたいと思ったんじゃよ。

 

 まさしく、天下を獲りたいという念であり。貧しい生活から逃れたいという念。

 我欲や金欲から生まれる念は邪念に入るのだから、当然の様に悪行の力に作用してしまったのじゃ。

 

 そして、三姉妹の歌を通して邪念の力は聞いた者を三姉妹を崇拝させ信者にさせると同時に

 我欲や金欲を理性などで押さえていた道徳などの心にある理性の枷が外し獣に堕としてしまうのだ」

 

 

太平要術の書による力の恐ろしさは、三姉妹の知らぬ所で働いてる邪念の力という事である。

 

 

 

 

閃いた様に樹夜が、魅麗に提案してみる。

 

 

「そういえば、その手渡した南華老仙さんに頼んでみるは駄目なんか?

 持ち主なら、何か解決方法があるかもしれんやん」

 

「駄目じゃ!! 奴だけは、頼ってはいかんのだ!!

 

 女仙時代の頃から、同じ女仙として張り合ったものじゃ。

 奴は気まぐれで行動するから困り者での、それに妾の気にいったものを欲しがる癖がある」

 

何故か、即却下されてしまった。

 

「そ、そうなんや」

 

興奮気に話す魅麗に少しだけ腰が引けてしまった樹夜である。

話は止まることなく続いていた。

 

「じゃから、樹夜も気をつけるのじゃぞ?

 

 それに、今回頼ろうものならお主の貞操の危機になるやもしれんからな。

 あやつは、夜の営みの手練手管は妾を超えるものがあらからの。

 

 話を脱線してしまったが、張脩を討つにしても

 小規模であるが黄巾党の部隊を潰さねばなるまい」

 

豊満な体をぎゅいぎゅいと押し付けられるものだから

樹夜は、自然と恥ずかしさで熱くなるのを感じてしまう。

 

何かを察知した瑶姫は、何故か腕を絡めてしなだれて来た。

 

「樹夜、にやけていますよ。

 別に、側室作るくらいいいですけど遊びすぎて火傷しちゃ駄目ですよ♪」

 

 

この瑶姫の発言こそが、冒頭の状況を生み出すきっかけになってしまった。

 

 

 

すでに、女達の戦いの火蓋はきられた。

 

 

 

樹夜の女難は、これからのようだ。

 

 

 


 
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