No.143763 真・恋姫†無双 頑張れ一刀 その52010-05-17 21:26:50 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:11416 閲覧ユーザー数:8562 |
黄巾党を倒した桃香たちのもとに一人の兵士が駆け込んできた。
「申し上げます!」
「はいはーい。どうかしたの?」
慌てた様子の兵士に桃香がのほほんと聞く。
「可愛い…………じゃなくて! 陣地の南方に官軍らしき軍団が現れ、我らの部隊の指揮官にお会いしたいと……」
一瞬桃香に見とれた兵士は慌てて内容を伝える。
「官軍らしき、とはどういうことだ?」
兵が言うには、本来官軍が用いる旗を使用せずに『曹』と書かれた旗を掲げているとの事らしい。
「曹と言えば……許昌を中心に勢力を伸ばしている、曹操たんかと」
雛里があわあわと答える。
「そ、曹操?」
三国志の主人公格である曹操と聞いて一刀は驚いた。そして次はどんな幼女になっているのかと思考をはりめぐらせた。
「どうする、桃香」
「曹操さんって味方でしょ? じゃあ挨拶はしておいた方が良いと思う」
桃香はお友達に会うかの様にニコニコしている。
「そうですね。上手くいけば共同戦線を張れる可能性もありますし」
朱里もその事に賛成した。
そしてしばらく話し合い曹操に会うことにするのだった。
「じゃあ曹操さんに、歓迎しますって伝えて来てくれるかな?」
「はっ。あの、こちらでお会いされるのですか?」
やや戸惑う兵士に愛紗が答える。
「ああ。向こうが声をかけて来たのだから、こちらから出向かなければならない道理はない。相手が諸侯と言えども、我らは堂々、ここで迎える」
「ちょっと待ったー!」
愛紗が言い終えると一刀が待ったをかけた。
「ど、どうかしたのですかご主人様?」
愛紗が怒られたのかと思いビクッとする。
「あのね、いくら相手から会いたいって言って来たからってそんな高飛車なことしたらダメだよ? 良い関係を築くには対等な立場から始めないとね」
何か間違っているぞ一刀。
「は~い、ごめんなさい」
「申し訳ありません……」
シュンとなる二人の頭に一刀の手が乗せられた。
「怒ってないから次からはちゃんとしようね」
そしてワシャワシャと頭を撫でた。
「うんっ!」
「はいっ!」
嬉しそうに二人は微笑みあった。
「それじゃあこっちから会いに行けばいいの?」
「そうだね。そしたら相手も桃香のことを良い子だ、って気にいってくれると思うよ」
「わーい♪ それじゃあしゅっぱーつ!」
『オー!』
一刀は幼女たちを引き連れ曹操の陣に向かった。
「いったいどんにゃ者たちが率いているのかちらね?」
「劉の牙門旗を掲げているそうです」
「誰だろうと倒ーーす!」
そんな幼女三人組とすれ違ったとは気付かなかった。
「ええっ!? 曹操さんいないのー?」
いざ曹操軍の陣に来てみれば曹操はいなかった。
「は、はい。義勇軍の指揮官に会いに行くと仰ってたのですが……」
行き違いになってしまったようだった。
「どうしよ~ご主人様?」
「そうだね~…………戻ろっか」
結局戻ることにするのだった。
一刀は幼女たちを引き連れ自陣へと戻るのだった。
帰る途中に一刀たちは幼女三人組に出会った。二回目なのだが。
「我がにゃは曹操。官軍に請われ、黄巾党をせいばちゅするために軍を率いててんしぇんしている人間よ」
一刀はところどころ聞き取りづらかったが目の前にいる金髪ドリル幼女が曹操だと言うことが分かった。
しかし幼女ながらも全身から覇気が満ち溢れておりさすがは曹操と言ったところだ。
「ほら桃香、降りて挨拶しなさい」
「は~い」
一刀に抱っこされていた桃香は一刀から降りて曹操に向き直った。
「こんにちは。私は劉備って言います」
「劉備。……良いにゃね。あなたがこの軍を率いてたにょ?」
「それは私じゃなくてご主人様だよ~」
軽い感じで言う桃香。そこで一刀が名乗り出た。
「俺がそれ。……北郷一刀。よろしくね」
曹操は一刀をチラッと見て、若干顔を赤らめて桃香を睨んだ。
「べ、べちゅに羨ましくなんかないんだかりゃにぇっ!」
一刀が気にいったようだ。
そしてなんやかんやで曹操軍と協力して黄巾党を討伐するのだった。
<おまけ>
曹操軍から戻る時。
「ご主人様~」
「どうしたの桃香?」
「抱っこして~」
「ん、いいよ」
「いけません桃香様! ご主人様に迷惑ばかりかけてはいけません!」
「大丈夫だよ愛紗。これくらいなんてことないから」
「で、ですが……」
「愛紗ちゃんも抱っこして欲しいんだよね~♪」
「なっ!」
「そうなの愛紗?」
「……………………はい」
「鈴々もしてほしいのだー!」
「はわ!」
「あわ!」
「んー困ったな。それじゃあじゃんけんだ」
「絶対に」
「負けられない」
「はわっ、た、戦いが」
「ここにはあるのだ!」
「あわ!」
こうして今回は桃香が勝利したのである。
完。
すすまねーw
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