魏side
「これは由々しき事態ね・・・・」
「こうも、奴らの防御が固いとは思っていませんでした」
「さすがにあんなに堅いとは思うとらんかったし」
予想外の呉の守りに、魏の面々は焦っていた、予定では一刀をこちら側に寄せている予定であったのが、まったくもって寄せることができていない。
「それでも、一つだけ方法があるのですよ~」
「風、話してみなさい」
「はい~一国で立ち向かうので分が悪いのですよ~」
「それはもしや・・・・・」
「そのまさかなのですよ」
「蜀と同盟・・・・・しかし、北郷を獲得した場合は・・・・」
「そこは評議次第ですね~」
「でも、方法はそれしかないみたいね・・・・」
一条の光明が見えた、しかし光明の先に何が待っているのかはわからない。
「それでは華琳様、行きましょう」
「行くで!」
「え?も、もう行くの?」
「思い立ったが吉なのですよ~」
一番乗り気なのか、風が先陣を切って歩きだす。
「お兄さんは魏に来てもらうのですよ」
珍しくその目にはやる気があふれていた。
蜀side
何処か重苦しい空気が流れている蜀陣営。
その中で一人だけ嬉しそうな顔で、手を撫でているものがいた・・・・・愛紗である。
「愛紗、笑ってる・・・・・・・どうして?」
「おそらく御遣い殿と手が触れあったことを思い出しているのだろうな」
「あらあら、愛紗ちゃんも恋してるのね」
「ねーおかーさん、愛紗おねーちゃんどうしたの?」
全員の視線を受けても全く気付いていない。
「恋、愛紗の手を握ってやれ」
「ん・・・・・わかった」
気配を消して近づきその無防備な手を握る。
「ひぅ!」
一瞬にして絶望に染まる愛紗の顔、その手を無表情でつかんでいる恋、ニヤニヤとして眺めている星と紫苑。
気づかぬまま恋は、愛紗に馬乗りになられていた。
「恋・・・・・・お前・・・・・」
「愛紗、よく考えろ勝てば思うがままだ、そのために我等は来たのだろう?」
「そ、それはそうだ・・・・・恋、すまない」
立ち上がり、恋に手を貸して立ち上がらせる。
「いい、恋も一刀ほしい」
「目下の問題は呉の強靭な守りだ」
「そうね・・・・あそこまでとは思ってなかったわ」
頭を完全に抱える蜀の面々。
「お困りのようですね~」
魏蜀side
「魏が何の用だ?」
「やけに刺々しい言い方ね、関羽」
「曹操殿・・・・・」
「あなた達にお願いがあってきたの」
「帰れというのは聞きませんよ」
蜀陣営全員が牙をむき出しの状態で返答を持つ。
「違うわ、今回は蜀と北郷一刀を奪い取るための同盟を結びに来たわ」
「なるほど、魅力的な提案だが・・・・・」
「あら、諸葛亮と鳳統を欠くあなた達の戦術で奪い取れると思ってるの?」
痛いところを突かれ、黙る蜀陣営。
「そこで共同戦線を張ることで奪いやすくするということか・・・・」
「幸いこちらには軍師が2人いるわ」
ここで風と稟が前に歩み出る。
「よろしくなのですよ~」
「よろしくお願いします」
「わかりました、その同盟組みましょう」
呉side
「そうか、わかった」
「冥琳どうかしたの?」
「蜀と魏がかず・・・・北郷を盗るために同盟を組んだそうだ」
「なんですって!」
「何じゃと!」
予想道理の反応を示した2人をよそに冥琳は亞莎の方を向く。
「亞莎どう考える?」
「そ、そうですね・・・・・今回は守りを固める方に行った方がいいと思います」
「ということは常に誰かが一人一刀にずっとついておくということかの?」
「いえ、ここは魏と蜀側に入り込んだ方が効果的だと思います」
同じことを考えていたのか頷いて肯定する。
「私は一刀のそばに居る方を押すわ」
「ワシも策殿の方を押すの」
「私もお姉ちゃんの方がいいな~」
三人の反対を受け、劣勢に立った冥琳と亞莎。
「それに魏は軍師が2人来てるわけでしょ?」
「そうだ」
「ということは、入っても軍師にいいように扱われるのが関の山ね、まぁ勘なんだけど」
「いや、雪蓮の勘はよく当たる、そちらの方でいくとしよう、よいな亞莎」
「は、はい」
三国それぞれの思惑が入り混じる中、交差する考え、今後どうなるのか全く予想がつかない、一番の問題は奪い合われている本人は一切気づいていないことである。
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GWからだいぶ忙しくて、更新することができませんでした。
なるべく今後は更新を速くしたいと思います