No.143416

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~ 最終話 未来×美羽 

ちいたさん

投稿です。生暖かく見守ってください。

2010-05-16 03:29:25 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:19546   閲覧ユーザー数:14522

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~

この作品は原作のキャラの性格が変化したり時代背景が変わったりします。またオリジナルな展開などもいれようと思っています。

なので原作好きの方また特定のキャラが好きな方はスルーしてください

 

前回のあらすじ

曹操を赤壁の戦いで降した一刀達。美羽達は戦乱の終結に喜ぶ。しかし、戦乱の終結とともに一刀は美羽の前から姿を消した。

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~始まります。

 

大陸の平定から二年後……

美羽は一人執務室にいた。机の上にはたくさんの書簡がありその仕事量に美羽はため息をついた。

美羽「仕事が終わらないのじゃ……」

赤壁の戦いから二年は美羽を成長させた。身長も伸び、体つきも女性特有の丸みを帯び始めていた。また華琳に王として色々と教授を受けたおかげか精神的にも成長した。政務も七乃や詠に立花

といった文官に教えてもらいできるようになった。一刀がどれだけ苦労したのかを肌に感じた美羽であった。そこでふと手を止める美羽。

美羽「……一刀……」

そう呟く美羽。一刀が消えてから二年の歳月が流れた。一刀が消えた後、一人で泣いていると美羽を捜していた七乃が現れた。泣いている美羽に駆けつけ七乃は理由を聞いた。美羽がその理由を話すと七乃は驚いていたがすぐに美羽を優しく抱きしめた。

七乃「美羽様……今は泣くだけ泣いておくといいですよ~」

美羽「七乃……」

そう言って美羽の背中を優しくさする七乃。美羽はそのまま泣きつかれるまで七乃の胸で泣いた。あれほど泣いたのはあの時だけであろう。

美羽「あれから……二年か……」

一刀が消えたことを告げると残念がる者、怒る者、寂しがる者などいたがみんな一様に悲しがっていた。

美羽は執務室を出てある場所にむかった。そこは一刀の部屋であった。毎日、月などが一刀の部屋を掃除していて当時のまま残っていた。美羽は一刀の部屋に入るとそのまま部屋にあった椅子に座る。ここで一刀は政務などをこなし自分は一刀の膝の上に座っていたのである。それを思い出す美羽。一刀が消えてからしばらくは一刀が帰ってくると思い一刀の部屋の寝具で寝ていたりもしていた。

美羽「……一刀……」

そう呟き美羽は机に伏せるのであった。

 

仲の首都である荊州の南陽では現在祭りの準備に追われていた。これは三国同盟の結成を祝うものでありまたその記念式典を開催するのである。その開催まであと三日に迫っていた。街はお祭りムード一色であった。現在は美羽が雪蓮に江東を返還して揚州の建業を首都に呉を建国したので四国同盟とも言われている。太守である美羽もその準備に追われていた。現在は仕事が一段落したので中庭で休憩をしていた。

七乃「お疲れ様です~」

美羽「疲れたのじゃ~」

月 「お疲れ様です……どうぞお茶です」

美羽「ありがとうなのじゃ~」

美羽達は月からお茶を貰うとそれを飲む。

美羽「おいしいのじゃ」

月 「ありがとうです」

美羽からの感想を受け笑顔になる月。

詠 「とりあえずほとんど終わったかしら?」

立花「はい……完璧です」

音々音「あとは三国の面々が来るのを待つだけです」

一週間を残して準備が終えたことにほっとする一同。各々が談笑する。

七乃「今年の天下一武闘祭はどうなりますかね~」

音々音「恋殿の優勝に決まっています!!」

天下一武闘祭は各国の武将たちが自慢の武を競う大会である。昨年は恋が優勝している。

詠 「まあ恋は強いからね…でも他の面子も黙っていないわよ」

月 「そうだね」

立花「北郷様がいればまた違ったかもしれ……すみません!!」

立花は最後まで言おうとしたが周囲の空気が変化したことに気づき慌てて謝罪をした。

美羽「立花が謝ることではないのじゃ……」

そう言って空を見る美羽。美羽の様子に周囲の人間は沈黙した。

美羽「悪いが席を外すのじゃ……」

そう言って茶碗をおくと美羽は席を離れた。美羽が去ったあとを残りの面々は見送った。

詠 「やっぱりまだ駄目ね」

月 「うん……」

七乃「こればかりはどうしようもありませんね~」

立花「すみません……私があんなことを言ったばかりに」

音々音「立花のせいじゃないです」

美羽はいまだに一刀の話をすると先程みたいな感じになるのであった。七乃はため息をつくのであった。

 

その夜、美羽は中庭にいた。月を見ながら美羽はお酒を飲んでいた。

美羽「……美味しくないのじゃ……」

気晴らしに七乃に内緒で初めてお酒を飲んでみるがその良さがわからない。雪蓮とかに言うときっとまだ子供だと言われるに違いない。美羽はふと自分の左鎖骨辺りにある傷跡に触れて一刀が残したマントを見る。

美羽「……駄目じゃの……」

いまだに一刀の話がでるだけで先程のような態度をとってしまうのである。忘れることができれば楽であるが美羽にとって一刀と過ごしたあの時間を忘れられるわけがない。目を閉じれば一刀のことが浮かんでくる。そして、目を開けて再び空を見ると美羽はあるものに気づく。

美羽「……あれは……流れ星……」

流れ星が流れるのを見ると初めて一刀と出会った時を思い出す。七乃と流れ星が落ちた場所にむかうとそこに一刀がいたのである。

美羽「あの星が一刀だといいのに……」

美羽はそう呟いた。ふと前を見ると美羽は中庭に二人の男女がいることに気づいた。

美羽「……誰じゃ……お主らは」

美羽の問いかけに二人は何も答えない。美羽は誰か呼ぼうと思ったが二人から感じる雰囲気は嫌なものではなかった。むしろどこか懐かしい感じがした。すると二人は突然どこかに向かい始めた。

美羽「あっ!待つのじゃ!!」

美羽は席を立つと近くに置いてあった一刀の漆黒のマントを纏う。そして急いで二人のあとを追いかけた。

 

二人のあとを追いかけていると美羽は城の近くの川にたどり着いた。

美羽「おかしいの……確かにこの辺に来たはずなんじゃが…」

二人を捜すがいつのまにかその姿は見えなくなっていた。美羽は周囲を見渡すが誰もいる気配がない。

美羽「……何か懐かしい感じがしたのじゃが……まるで一刀のような…」

美羽はそのまま城に帰ろうと来た道を戻ろうとした。しかし、奥のほうから青白い光がでていることに気づいた。

美羽「あれは……」

美羽は光が気になりその方向に歩き出した。そして、光の場所にむかうとそこに一人の青年が立っていた。

青年「どうしたんだ……『白夜』に『月詠』が氣もなしに光るなんて……」

青年の声と彼が発した名前に美羽は聞き覚えがあった。美羽は思わずその名前をだした

美羽「…か…ず…と?」

美羽がそう呟くと青年が美羽の方を向いた。振り向いたその青年の顔を美羽は忘れるはずがなかった。

  「……美羽?」

美羽「一刀なのか?」

  「……ああ」

美羽「一刀!!」

美羽は駆け出してそのままの勢いで一刀に抱きついた。そんな美羽を優しく抱きとめる一刀。

  「ただいま……美羽」

美羽「一刀、一刀、一刀、一刀…」

しばらく一刀に抱きついた美羽だがようやく一刀から離れる。

  「ごめん……美羽……勝手に消えてしまって……」

美羽「本当じゃ…妾の許可なしに勝手にいなくなって…」

  「……美羽……まだそこに俺の居場所はあるかな?俺は…美羽と一緒にいてもいいのかな?」

一刀の言葉を聞き一刀を見る美羽。そこで美羽は一刀に背中を向けた。

美羽「……当たり前のことを聞くではない……一刀の居場所はずっとここじゃ……」

  「……ありがとう」

美羽の言葉を聞き笑顔を浮かべる一刀。そこで美羽はまた一刀の方を向き一刀に指をさす。

美羽「ただし!!二度目はないのじゃ!!今度勝手にいなくなったら許さないのじゃ!!約束じゃぞ!!」

  「ああ……約束するよ…」

美羽は一刀の言葉を聞いて満足そうに笑った。そして一刀の手を引っ張った。

  「美羽?」

美羽「早く七乃達に一刀が帰ってきたことを伝えるのじゃ!!」

  「そうだな…でもまだみんな寝てるんじゃないかな」

そう言って二人は手を繋いで歩き出した。

美羽「あっ!!一刀……言い忘れていたのじゃ……」

  「ん……何を?」

美羽がふと何かを思い出した。そして次の瞬間に満面の笑顔で言った。

美羽「おかえりなのじゃ!!一刀!!」

  「うん……ただいま……美羽」

夜が明けてきて空には太陽が昇り始めている。二人はそのまま城に向かい歩き出した。ここから青年と少女の新しい物語が始まる。

 

後書き

真恋姫無双~ありえたかもしれない外史~無事(?)に完結しました。本当はもっと別バージョンの終わり方を考えたのですがこちらは個人的に没にしました。皆様この作品を見てくださり本当にありがとうございました。初めての作品だったので色々と拙い物でしたので美羽や一刀の良さが伝わりきらなかったかもしれません。これからの予定ですがとりあえずネタが思いつけば作品を執筆していきたいと思います。

候補としては

この作品のアフターストーリーと番外編です。番外編は本編中の日常などをAFは一刀が帰還した後の物語を少し書けたらと思います。AFは新しい敵などをだすことはないと思います。一刀と美羽の日常を書きたいなと思っています。また新作の恋姫作品も書けたらと思います。ではみなさん次の作品までまた

 

おまけ 没エンド

大陸の平定から数十年……

あの赤壁の戦いから幾分の月日がたった。まだ幼かった美羽も年齢を重ねていて老人となっていた。美羽は現在中庭でたくさんの子供達に囲まれ話をしていた。

美羽「……というお話じゃ…」

子供達に話を終えると美羽は静かに微笑む。そして手を叩く。

美羽「さてお話はここまでじゃ……皆今から勉強じゃろ?」

美羽がそう言うと後ろから文官がやってきて子供達を連れて行く。美羽は文官に一言言うと文官は頭を下げてその場を離れた。美羽は城で隠居生活をしており時々子供達にこうやって話をするのが楽しみになっている。先程、子供達に話していたのは自分がまだ幼かった時の出来事である。特に『天の御使い』の話は子供達がとても興味をひくものであった。子供達が手を振っていく姿を我が子のように見る美羽であった。

 

一刀が美羽の前から消えたあと、美羽は王としてひたすら精進した。七乃達と協力して平和の礎を築いた。そのおかげか美羽は雪蓮と桃香と華琳と共に『四賢王』と呼ばれ民達から慕われていた。しかし、現在この大陸の礎を築いた者達は美羽を除いて皆いなくなってしまったのである。七乃も雪蓮も月も詠もみな死んでしまったのである。美羽自身も誰かと結ばれることはなかったがそれは美羽自身が望んだことである。しかし、美羽は寂しくはなかった。何故ならそれは彼女らが残していった子供達やその孫達がいるからである。子供達のあの笑顔を見るだけで自分が頑張ったことが無駄ではなかったと思う。空を見上げる美羽。

美羽「……一刀……妾は頑張ったぞ……今なら胸を張って言えるぞ……」

そう言って笑う美羽。

  「……そうだな……さすが美羽だ」

後ろから声が聞こえ振り向く美羽。そこには数十年前と変わらない容貌の一刀がいた。

美羽「か…ずと」

驚く美羽に近づき抱きしめる一刀。

  「ごめん……美羽遅くなって……」

美羽「本当じゃ……こんなになるまで妾を待たせて……」

抱きしめられた美羽の顔から涙が流れる。ここに青年は少女との約束を守るために戻ってきた。

美羽「おかえりなのじゃ……一刀……」

 

と言った感じのエンドでした。でもAFを書きたいと思ったので没にしました。文が短いのは途中で書くのを止めたからです。まあおまけなので軽くスルーしてください。ちなみに中庭にいた子供達は七乃や月などの孫や曾孫と思ってください。美羽は結婚していません……

 

 

 


 
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