潮風が髪を弄ぶ。
ホテルに戻ったら念入りに洗わないと。
海無し県民故に、そんなことを心配してしまう。
とはいえ同じ土地出身のはずの同行者は全力でこの海辺の公園を満喫していた。
その後姿が、愛おしいと思うようになってどれくらいになるのか。
母親に似たのだという、成長しない背は、過ぎた日々を丸ごと預かっているようだとおもう。
別段、彼女の体が、その母のように弱いとは思っていないのだけれども遠くなると何故こんな儚さを印象付けるというのか。
いや、それより。
「ん?」
なにか、風が変わった気がした。
自分は神社の娘だが、特にその手のオカルトに敏感というわけではない。
それでも普通の場所とそうでない場所を感覚的に理解するという裁量はあった。
対する、先を行く彼女もその感覚は鋭い。
ある種の動物的な意味で。
果たして、彼女との出来た間に。
突然、雷が落ちた。
「へ?」
「かがみ!」
理解できないことを前にぽかんとする自分とは対照に、危険と理解したのだろう彼女の声と、飛び込んでくる姿。
「ばっ?!あんたなにわざわざ危ないとこ飛び込んでっ!」
思わず制止の声を上げる。
自分の危険には無頓着でも、彼女に危機が迫るなら顔色を変えて当然という選択肢。
だが小さな体が勢いよく飛び込んできて、ふぉごぉ?!とベッドの中でなかなか豪快に誘われていたのならば絶対あげないマヌケな悲鳴と共に重力に反して真横に吹っ飛び、植え込みまでつっこんだ。
なんて締まらないと思う間もない。
木々の折れる気配を背中に感じながら・・・・・・
安定しない視界が、「異界」に染まるのを確認した。
「え?」
果たして。
世界から「色」が消えた。
光が走る。
どこか愛らしい赤と、金。
二つの光が、天で交わり、離れ、弾け、踊る。
灰色の世界でその色彩は鮮烈で、なによりも物騒だった。
だが傍観者たる彼女には、それはどこまでも「会話」の域を出なかった。
「つーかなんつー物騒な"会話"だ・・・・・・
こなた?」
自分の上にのっかっているはずの少女の名を呼ぶ。
彼女も見ているだろうと勝手に思い込んで。
そこで初めて気づくのだ。
「彼女の重さ」が自分に圧し掛かっていないことを。
自分が「ひとり」であることを。
「こなたっ?!こなたっ!!」
大切な少女の名を呼び、あたりを見回す。
だがどこまでみても世界は灰色で、あの夏の空のような髪をみつけることはできない。
「やだっ、どこいったのよ、隠れてないででてき・・ッ」
立ち上がり、駆け出す。
赤と金の乱舞をバックに、さっき彼女が走っていた場所をなぞるように・・・・・・
そして。
くん、と後ろに引っ張られた。
無防備な手に、なれたぬくもりを感じる。
「え?」
そして。
その瞬間、世界は彩を取り戻し、世界は大きくため息をつく。
「ちょっとかがみ、どこいくんだよぅ」
彼女という、太陽の笑顔に見惚れて。
・・・・・・・・・
でーと・・・?
てか続けよコレはさすがに
それにしても「赤」じゃないよね、どっちかってーと
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らき☆×なのは
の、あたまだけ。
コレは続けたいけどなぁと思いつつ
(そんなんばっかやお前
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