~~~~~大陸~~~~~
一人の少女がある池のほとりで佇んでいる…。
綺麗な金色の髪をなびかせながら…じっと《ソコ》を見つめている…。
あの悲しい夜から1年…彼女は…いや、彼女達は前に進むことができずにいた…。
話は3ヶ月前にさかのぼる。洛陽の城門にて…
「だぁかぁらぁ~曹操ちゃんにあわせなさいよ~」
一度見ると二度と忘れる事などできないような筋骨隆々の男?が魏武の大剣こと春蘭と言い争っている。
「誰が貴様のような怪しすぎる奴を華琳様の元につれていけるか!」
「どぅぁぁぁれが一度見たら夢にまで出てきて悪さするですってぇぇぇぇぇぇ」
「だ、誰もそこまでは言っておらん!」
ワイワイギャイギャイと言い争っていると
「何を騒いでいるのですかー」
おっとりとした声が響く。
「おお!風!お前も言ってやってくれ!このような奴に華琳様はお会いにはならんとな!」
「…ぐー」
「「寝るな!」」
「おお、あまりにも直視したくないために現実逃避してしまいました~」
「ふむー…しかしですよ?春蘭ちゃん?」
「ん?なんだ?」
首をかしげる春蘭に風はそっと囁く…
「ボソボソボソ」
「なに!?それは誠か風!」
「ここは風にまかせるですよ~」
「おお!頼むぞ!ご褒美の為に!」
「もういいかしらん?」
「はいはい~。それで貴方?貴女は?どういった方でどのような用があってここまでいらしたのでしょうか~?」
「北郷一刀…といえば貴女達ならわかるんじゃなくて?」
「ビク!?」
「んな!?何故貴様がその名前を知っているっ!」
まるでバチンっと音が聞こえてきそうなウィンクをしながらとんでもない事を喋る怪物。
「少々お待ちくださいね~華琳様に聞いてまいりますので~」
「待て!風!」
風は焦っていた。春蘭の声も聞こえないほどに。いなくなってしまった大切な人物の手掛かりが手に入りそうなことに。
宴会の後の風景を思い出す…
「みんな集まったかしら?」
「いえ!華琳様!北郷の馬鹿がまだきておりません!あいつめ華琳様の呼び出しだというのにまだ寝ておるな!」
「落ち着け姉者」
はやる春蘭を注意する妹の秋蘭。
「構わないわ。一刀はここにはいないから」
「は?どういうこっちゃ?一足先に帰ったんか?」
と、霞が言う。
「言葉の通りよ。一刀は天に帰ったの。ただそれだけ」
・・・・・・・・・・・
沈黙が場を支配する。
「「華琳様!」」「大将!」
3人が一斉に声を上げる。彼を隊長と慕っていた魏の三羽烏達。
「そりゃちょっと冗談がすぎまっせ!」
「そうなの~。たいちょうが沙和達を置いてくなんてありえないの~」
「…どういう事なのですか?」
「言葉通りの意味よ。彼は天命をまっとうしたの。ただそれだけ、なの、よ…」
華琳の声が最後まで聞こえない。
「嘘、やろ…?どっかその辺に隠れとんのやろ?出てきぃや!一刀!」
「認めなさい!彼はもういない!話はそれだけよ。今日は一日休みとする。誰であろうと私の天幕に近づく者は容赦しない…解散!」
この日三国が手を取り合い、魏の大切な彼は天へと帰った。
それからこれまでの魏は酷かった…。城からは毎夜毎夜誰かの泣き声が聞こえてきた。政務も滞った。それくらい酷い状況だったのが今はやっと落ち着いてきたのだ。今この話を本当に華琳に伝えてもいいのか、風は考えていた。
しかし、風も彼に会いたいという思いは誰にも負けないつもりでいた。
「ええい!待てと言うに!」
風に追いついた春蘭が風を止める。
「お前はこの話を信じて華琳様に報告するのか?」
いつに無く真剣な表情の春蘭。
「そうですね~。春蘭ちゃんはお兄さんにあいたくないと?」
「そうではない!我々がこれまで見付けれなかった手掛かりをあんな奴が持っているのか?という事だ!」
「おお~、春蘭ちゃんも成長しましたね~」
ニコニコ顔で春蘭を褒める風。
「私だってあいつに会いたいのは一緒だ…」
ボソっと大胆発言をする春蘭に
「おやおや素直にもなってますね~」と
意地悪な笑顔を絶やさない。
「ええい!うるさいうるさい!」
顔を真っ赤にしている春蘭をこっそり見つめる影…
「あぁ…姉者は可愛いなぁ」
秋蘭だった。
そこへ怒声が響く。
「どういう事だ!その話は本当なのか!?」
凄い剣幕の華琳が春蘭に詰め寄る。
「華、華琳様…」
「その者をすぐにここへつれて来い!」
「しかしですね~華琳様が会うのはやめたほうがいいと思うのですよ~?」
風の進言にも聞く耳をもたず城門まで会いに行く始末。そして
「きゅう…」っと可愛い声をだして気絶してしまう華琳。
「まぁ、風もあれにはきびしいですからね~」
そして何気に落ち込んでる筋肉達磨。
こんなやり取りのあった後日。魏の将はおろか、そこには何故か蜀も呉も集まっていた…。
「何で桃香や雪蓮がここにいるの?」
「多分雪蓮さんたちもそうだと思うんですけど、夢を見てここまできたんじゃないですか?」
「ええそうね。って事は桃香達もみんな見たの?」
「はい。一刀さん…いいえ、ご主人様の夢です!」
「どういうことなの!?」
イラッと声を荒げる華琳を豹蝉は止める。
「今からその話もするから静かにしてちょうだい?」
美女達の真ん中に筋肉達磨というおかしな状況の中で、ついに怪物は口を開く。
「質問は後で受けるからまずは話をきいてちょうだいねん。そうね…まずはなぜみんなにご主人様の記憶があるかだけど、ご主人様が天界に帰った事で外史が一つになりつつあるわ。どの外史でも彼はみんなを精一杯愛したから…。それの影響ねん」
(どれだけ手を出してるのよ!あの馬鹿!)
毒ずく華琳。
「まぁそのせいでしょうねん。」
「それと、ここからが大切なのだけれど…彼は凄く苦しんでいるわ。それはなぜか?みんなに会えないのもそうだけど、天界の人たちが彼の話を信じてないから彼は狂人だと罵られ精神がおかしくなったと思われている。いたって健康そのものなのにねん」
シーーーーンとなる城内。
そこで叫ぶ者が数名いた。
「「「どうすれば一刀(ご主人様)を救えるの!?」」」
各国の王達だった。
「本当はこういうのもだめなんだけどねん」
そういって貂蝉はビキニから銅鏡を取り出す。
「それがなんだというのだ!」
まくし立てる華琳に苦笑いをしつつ説明を続ける
「思いの一番集う日にこの鏡から彼の世界にいけるのよん」まぁ、いけてもほんの少しの間だけどねんとつけたす。
「思、いの集、う日?」
「そうねん、後三月で彼が天に帰った日ね?その日しかないわね」
辺りがざわめきだす。
「静まれ!」
リンとした声が城内に木霊する。
「これは何人が一刀に会いに行けるのだ?」
雪蓮の質問に豹蝉は答える…
「一人しか行けないわん、それも王様直々になっちゃうのよね…これでも精一杯なのよねん。ここで彼に元気になってもらってあっちの世界、天界で鏡を見付けてもらえばまた会えるわ」
ガタッ!ガヤガヤ
「ただし!半端な激励じゃだめなのよん…あの状態じゃ…」
誰か一人だけ少しの間みんなで考えて頂戴…豹蝉はそういうと消えてしまった。
「ご主人様はまだ私たちの事思い出してないみたいだから華琳さんがいくのがいいと思います」
「そうね、一刀に会いに行って真名を呼ばれないんじゃ行く意味も無いしね」
「私でいいの?」
心配そうに二人を見る華琳…
「自身もっていきなさいよ!」雪蓮が華琳を激励する。
桃香も華琳の事を抱きしめながら「華琳さんしかいないんですよ!」
なんてことを言ってくれた…。
「一刀の事は任せなさい!」
笑顔で華琳が叫ぶ。
「やっといつもの顔になったわね♪」
「ですよね~、最近じゃ眉間に皺ばっかりよせてましたからね」
ニコニコと二人に励まされる。ああこういうのも悪くない。心からそう思えた時だった。
そうだ…
ここからまた始まるんだ!
一人そこにいながら華琳はここにいたるまでを思い出していた。
しっかりしろ!これが最後なわけが無い!まるで自分に言い聞かせるように。
そしてついに華琳と一刀は再び巡り合う。
この先がどうなるかはまだわからない…。
どもーたこやんです!一気に2話かいてしまいもうした・・・
あれ?へんだな?と思う事があればどしどしいってやってください!
拠点風ななにかもいってみたいとおもっていますので誰がいいかは皆さんにアンケとるかもです!
最後にここまで読んでくださってありがとうございます。次回もがんばって書きたいと思います!
であノノシ
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なんか眠くないので続きを投稿しまふ!後1個で見習い卒業なんでがんばりました!
期待してくれる方もしてない方も生暖かい目で見ましょう!!