ああ、これが夢なら覚めないでほしい。
これが現実なら睡眠なんて必要ない。
これが幻覚なら消えないでほしい。
「姉さん、どうかしましたか?」
「姉さん、どうかしましたか?」
今、目の前に私の妹のサイが二人並んでいる。
どうしてこうなったなんてどうでもいい。
彼女が好きなネコなら誰もが目の前の光景が幸せと言うだろう。
私もその一人だ。
だから、私は吹き出しそうな鼻血を押さえながら二人に近づく。
すると、二人が私を挟むかのように隣へやってきた!
「必殺!」
「サイサンド!」
その言葉を聞いて一瞬耳を疑ったが、そんなことはどうでもいい。
私の愛するサイが両隣に立っているんだ。両手に花とはこのことを言うのだろう。
これほどの幸せを私は自分から壊したくもない。
「姉さん、大好きですよ」
「姉さん、大好きですよ」
まさにその刹那だった。
私の鼻から赤い液体が大量にふきだした。
この状態なら昇天しても構わない。
死んだっていい。
ああ、私の可愛いサイ。
いつまでも幸せにいようねっ。
「はあ・・・。あぁあ、ジャルスったらまた・・・」
リロットがため息をついた。
その視線の先にあったのは、ジャルスが寝ていた場所が真っ赤に染まってその中心にジャルスが悶えている光景だった。
「姉さん、大丈夫ですか・・・?」
本人が寝ているのは分かっているがサイは思わず声をかける。
「・・・いつものことじゃないの、それよりも早く朝飯を食べないとオス猫たちにとられるよ?」
リロットはその様子にあきれた様子でサイの発言に突っ込むと朝食を食べにいくことを促す。
「わかりました・・・」
サイはジャルスを心配しながらもリロットの言うことに従って彼女と一緒に朝食を済ませに行った。
「ああ、サイ。わたし、しあわせぇ・・・★」
ジャルスは誰も聞いていない寝言を幸せそうに呟いた。
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まさにカオス。ただそれだけ。