ここは路地裏
オガワラ軍とカムクラ正規騎士団が戦いを繰り広げていた
オガワラ兵「駄目です!!ゼスト様!!前線がもちません!!」
ゼスト「うろたえるな!!
第二小隊は第一小隊の援護にまわれ!!
第三小隊は遊撃隊として横撃をかけろ!!」
彼の名はゼスト
オガワラ軍の重騎士を従える小隊長である
その身に漆黒の鎧に漆黒のマスクを纏い、手には漆黒の馬上槍と大きな円盾を携えている
ゼスト「本隊はオレに続け!!
敵の本隊を叩くぞ!!」
そう言ってゼストは自分の隊を率いて戦場を突っ切っていった
ゼスト「オラオラ~!!どけどけ~!!
オレの前に立ちふさがる敵はすべて叩き潰す!!
死にたい奴はかかって来い!!死にたくなくば背を向けろ!!」
ゼストが槍を振るうたびに敵が弾き飛ばされていく
反撃に出た剣も大きな盾に弾かれる
まさに重騎士の名に相応しい戦いだった
そうして混戦を抜けると、ドネラ率いるカムクラ正規騎士団の本隊が見えてきた
ドネラ「がっははは~!!お前がゼストか?
噂は聞いているぞ!!」
ゼストは背中に嫌な汗が伝うのを感じていた
(こいつはヤバい・・・流石は騎士団長といったところか・・・)
ゼスト「ドネラの相手はオレがする!!お前達は周りの雑魚を一掃しろ!!」
ドネラ「がっははは~!!かかって来い!!胸くらいは貸してやるぞ!!」
こうしてゼストとドネラの一騎打ちが始まった
先に仕掛けたのはゼストのほうだった
ゼスト「セイッ!!」
ドネラの鎧の隙間を狙うように槍を繰り出すゼストだったが、ドネラの大剣にあっけなく弾かれた
ドネラ「どうした?その程度か?なら反撃といくぞ!!」
槍をはじいたドネラの大剣が勢いそのままにゼストの頭上を襲った
ゼスト「くっ!!」
体勢を崩しながらも円盾で防ごうとするゼストだったが、崩れた体勢では十分に受け切れず、致命傷は免れたものの、吹き飛ばされてしまう
ゼストが起き上がり素早く体勢を整えると、円盾ははるか後ろに弾き飛ばされていた
(だめだ・・・取りに行っている時間はない・・・こうなったら・・・)
ゼスト「行くしかねぇ!!」
馬上槍を諸手に抱え、腰溜めに構えた状態でゼストはドネラに向かって突進していった
ドネラ「がっははは~!!その心意気や良し!!」
ドネラも大剣を大上段に構えゼストに向かって突撃していった
ガキイィィィィィィィィィィィン
馬上槍と大剣が交錯する
膝をついたのはゼストのほうだった
ゼストが自分の手を見ると、馬上槍は半ばで真っ二つに折れていた
マスクにも罅が入って視界がすこぶる悪い
ゼストは立ち上がり、マスクを脱ぎ捨てると痺れの残る拳を握りしめた
ドネラ「がっははは~!!まだ立つのか?見上げた根性だ!!」
ゼスト「当たり前だ!!オレの背中にはオレの部下達がいるんだ!!
部下達が戦っているのにオレが倒れるわけにはいかねぇ!!」
ゼストは握りしめた拳をドネラに向かって放ったが、それが届くことはなかった
オガワラ兵「・・・様、・・ト様!ゼスト様!!」
部下の呼びかけで目を覚ましたゼストはあたりを見渡した
ゼスト「カムクラの騎士団はどうした?」
オガワラ兵「撤退しました、我々の勝ちですよ!ゼスト様!!」
部下の声とは裏腹にゼストの声は沈んでいた
ゼスト「オレは・・・負けたのか・・・」
横には半分に折れた馬上槍が転がっていた
オガワラ兵「ゼスト様・・・今日はたまたま運がなかっただけですよ」
部下の言葉にゼストは静かに首を振った
ゼスト「いや・・・完全にオレの敗北だったぜ・・・」
その言葉に部下達は沈黙した
そんな雰囲気を吹き飛ばすようにゼストは宣言した
ゼスト「だが、次に戦った時は必ずオレが勝つ!!」
その言葉にゼスト隊全体が活気付く
ゼスト「こうして見ると少なくない奴らが散っていったようだな・・・」
オガワラ兵「ええ・・・我が隊の被害も甚大で・・・」
その一言にまた沈みかける部下達を激励するかのようにゼストが叫んだ
ゼスト「仲間の死を悼むのを悪いとは言わない・・・
だが、ここで立ち止まっていたんじゃ散って逝った奴らに申し訳が立たねぇ!!
オレ達は散って逝った奴らのためにも戦い続けるんだ!!」
ゼストは続けて言い放つ
「とにかく今日は勝ったんだ!!城に帰って祝杯をあげるぜぇ!!」
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思いつくままにゼスト様
ゼスト様カコイイ!!