No.141146

真恋姫無双~風の行くまま雲は流れて~その頃一刀は

皆さんそろそろあの人が何してるか気になってきたと思うので

…短いですが

2010-05-05 23:38:43 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:7538   閲覧ユーザー数:6935

大丈夫

 

もうすぐお母さんが帰ってくるからね

 

あなたの家族皆

 

皆であなたの元へ帰ってくるからね

 

だから泣かないで

 

それまで僕が

 

僕があなたを守るから

 

 

 

四方から上がった火の手

そして同時に攻め込んできた兵達

かつて洛陽の実権を握り

かつて董卓に追い出された者達

帝が宮まで押し寄せ

宮内は騒然としていた

 

そして

 

「何故あんたが此処にいるの…天の遣い」

 

迫り来る兵達から逃げ

全身を傷だらけになりながら

それでも一人の赤子を胸に抱いて

 

詠は目の前の男…天から遣わされたという、北郷一刀と向き合っていた

 

彼女を追っていた兵達を切り捨て

彼女を守っていた近衛の兵を切り捨て

 

幾多の人間を切り捨てても

尚青白く光る刀身

それはこの大陸の人間は見たこともない細い剣

『刀』を右手に

そして

 

「その玉璽をどうしようっていうのよ」

 

左手には玉璽

この大陸を司る者のみが持つことを許され

自らが覇を唱えんとする者であれば

誰もが欲する物

 

目の前の青年は

左手に持つそれを

さもつまらない物であるかのように弄び

 

「本当は『コレ』が目的じゃなかったんだけどね…袁術が予定より早く消えそうだから…華淋に渡そうと思って…」

直後

 

「貴様ぁ!」

 

一人の近衛兵が一刀に斬りかかる…が

 

「邪魔を…しないでくれるかい?」

 

振り下ろされた剣に向かって右手のそれを振り上げ

 

「くっ!」

 

弾きあげ…振り下ろす

近衛兵はそれを受けようと上段に構えるが

 

バキャ!

 

剣よりも遥かに細いその刀が真っ二つに折ってみせる…そして

 

ズシャアア

 

一刀の一撃を受けようとした兵の

 

頭を

 

体を

 

まるで紙を裂くように縦に裂いてみせる

 

「ひっ!?」

 

その光景に詠は腕の中の赤子を強く抱きしめ

何も判らないままに抱きしてられていた赤子~献帝は声をあげて泣き出した

 

誰もが目の前の光景に言葉を失い

献帝の鳴き声だけが

辺りに木霊する

 

「駄目じゃないか…帝をそんな風に扱っちゃあ」

 

返り血で全身を真っ赤に染めながら

しかし満面の笑みで

一刀が手を伸ばす

 

「さあ、『ソレ』をこっちに渡してくれないか?」

 

詠の腕の中の献帝を

 

「誰が!?あんたなんかに!!」

 

半身に引き献帝を遠ざけようとする詠

 

「これは歴史の流れなんだよ…董卓とその一味は帝を自分が侭に使い、洛陽を混乱に陥れた罪を被って死ぬんだ」

「私達がいつ!?」

 

笑みを絶やさず手を伸ばす一刀に詠は叫び返す

 

 

「…そう、君達が暴政を働いた事実なんてない」

「だったら!?」

 

ふうむと伸ばした手を後頭部に移しポリポリと一刀

 

「だから歴史が歪んでしまった…君達のお陰で」

「…なんですって?」

 

先ほどまでの笑みから一遍

暗い…深い

まるで底のない落とし穴のような瞳で詠を見据える一刀

 

「歴史が大局を外れた時、俺は消えるんだそうだ」

「…?」

 

視線を詠から自身の腕の刀に移しポツリと語りだす

 

「俺の知らない歴史が…俺を不要とするんだ」

 

ポタポタと落ちる赤い雫が小さな池溜まりを作っていく

 

「だったら…俺の知る歴史へと変えていけばいい」

 

瞳を再び詠へと移しニコリと笑う一刀

 

 

ゾクっ…

 

その笑みに言い知れない恐怖を感じ…一歩退がる詠

 

「あんたの…知る歴史?」

 

額に浮かび上がった冷たい汗が頬を伝い顎を伝って落ちて行く

 

「俺だけが知る歴史…俺だけが創りあげる歴史…俺の為の歴史…」

 

世界が俺を拒むなら

 

「…俺が世界を作り上げればいい」

 

悲鳴を上げることもなく倒れる詠

倒れ冷たくなっていく彼女の周りにもまた

血の池が広がっていく

 

その場に立ち尽くす兵達に振り向き

玉璽と

今だ泣き続ける献帝を掲げ

 

「今日から俺が世界を統べる…誰か意義のある者はいるか?」

 

両隣に筋肉隆々の大漢を従え、辺りを見回す

 

誰もが

 

逆らえない事を悟った

 

天が地を見下ろしていると

 

 

「ふはははははは、我を崇めよ!我こそは初代皇帝北郷Ⅰ世なるぞ!

 跪け!命乞いをしろ!虫ケラども!

 勅命である、10歳以上の男子全員槍を持ち、汜水関にいる反乱軍を制圧せよ!」

 

「ジーク…カズト」

「ジーク…カズト」

 

「ジーク・カズト!!」

 

「「「「「ジーク・カズトおぉ!!!」」」」」

 

北郷一刀帝国の幕開けであった

 

 

あとがき…というかお詫び

 

 

「カアアアット!まあこんな物だろう…サイコホラースリラースプラッターとしては上出来だ」

↑一影さん

 

「書いちゃってなんだが…いろんな人に怒られないかコレ?」

↑ねこ

 

「さて俺はそろそろ悲恋姫に戻らねば…」

↑一影さん

 

「…え?」

↑ねこ

 

…はっ!?

 

詠!起きろ!

カメラ止まったからもういいぞ!

起きていいぞ!!

 

「……(じい~)」

 

お芝居はお終い!

起きていいんだって!

死んだ振りしつつそんな目で睨むのやめろおお!!

 

そして此処まで読んでくださった皆様有難う御座いました!

そして御免なさい!

全力で御免なさい!!!

 

あれです!

うそですから!

全部うそですから!

GW特別企画とかいって調子乗っただけですから!

 

これは本編とは全く関係のない

実際の団体、人物とは全く関係のないフィクション中のフィクションですから!

 

本編では目下救済に向けてねこじゃらしが奮闘中ですので!

ここはひとつお遊びと思って

流してください!お願いしましゅ「

 

あっ…あとスーパーアドバイザーの一影さん

どうも有難う御座いました

 

それでは次の講釈で

 

 


 
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