No.140625

真・恋姫†無双  星と共に 第6章

BLACKさん

この作品は真・恋姫†無双が前作(PS2)の続編だったらという過程で作られた作品です。

2010-05-03 20:30:19 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:8370   閲覧ユーザー数:7054

 

 

真・恋姫†無双  星と共に  第6章

 

 

とある日、盗賊退治に行くことになった。

 

「さてとここにいるのか?」

 

一刀はとりあえず華琳から糧食の最終点検の帳簿を受け取るに命令され、それを持ってる監督官なる人物がなかなか見つからないがようやく見つけたが……。

 

「あれは……」

 

一刀は驚くその監督官は前の世界で見た事ある人物だったの。

 

(桂花…なのか……)

 

その監督官とされる少女の姿は前の世界の荀彧、真名を桂花(けいふぁ)と言う華琳を心酔していた少女であった。

 

(真名を言うわけにはいかないか……)

 

もしこの桂花が自分が知っているような性格だったら、桂花はかなりの男嫌いなのである。それに真名は許可なく言ってはいけないものである。

 

「君か?」

「…………」

 

一刀が声をかけるが返事がない。

 

「君か?」

「…………」

 

また反応がない。

 

「君か?」

「聞こえているわよ! さっきから何度も何度も何度も何度も……いったい何のつもり!?」

 

どうやら一刀の呼び声は聞こえていたがあえて無視していたようであった。

 

「(やっぱり桂花は桂花だな)俺は俺のつもりだ」

「そういうこと聞いてるんじゃないわよ!」

 

その少女はかなりピリピリしていた様子であった。

 

「そんなに呼びつけて、何がしたかったわけ?」

「糧食の最終点検の帳簿を受け取りに来たんだ。そいつを貰いに来た」

「なんであんたにあげなきゃいけないのよ?」

「華琳に言われたからだ」

 

一刀は桂花と思われる少女に華琳の命令だと聞くと驚きを見せた。

 

「ちょっと、なんであんたが曹操様の真名を呼んでるのよ!?」

「本人が良いと言ったんだから呼んでるんだ。文句あるのか?」

「信じられない……なんで、こんな猿に……」

「おいおい」

 

猿という言葉に一刀は思わず苦笑いする。

 

「あんた、この間曹操様に拾われた天界から来たと言う猿でしょ? 猿の分際で曹操様の真名を呼ぶなんて……ありえないわ…」

「はぁ~(本当に桂花は桂花だ……)」

 

一刀は少し呆れたように息を吐き、何とか帳簿をもらい、華琳のところに戻った。

一刀は華琳に帳簿を手渡し、華琳も手渡された帳簿を見る。帳簿を見ていくうちに華琳の表情が険しくなっていった。

 

「秋蘭、この監督官と言うのは、一体何者かしら?」

 

華琳の問いに秋蘭は答える。

 

「先日、志願してきた新人で、仕事の手際が良かったので、今回の食料調達を任せてみたのですが…何か問題でも?」

(あいつ、まだ新人なんだ。それなのにあの態度って……)

「ここに呼びなさい、大至急よ」

 

そしてさっき一刀と揉めた少女が呼び出された。

 

(むっ、あの者は……)

 

星もその少女を見て一刀と同じ反応を示す。

 

どうやら華琳が指定した半分しかなかった事が判明したのだ。その事で華琳は怒り少女を呼び出したのだ。

しかし少女のそれは計算の範囲であった事がわかった。少女は曹操を試し、自分を軍師として売り込むためのものだった。

そして華琳は少女の話を聞いてその少女を気に入り軍師として取り入れることになった。

その少女の名は一刀や星の予想通り、荀彧、真名を桂花(けいふぁ)と言った。

 

(桂花が来たって事は……)

(後は許緒ですな。前の世界にいた魏の将は……)

(ああ、それも時間の問題かもな……)

 

 

盗賊退治への行軍中、進路前方に正体不明の集団が数十人おり、その偵察に春蘭と一刀が行くことになった。

春蘭と一刀が言われた場所に行ってみるとどうやらどこかとどこかどうしが戦ってるように見えたが実際は大の大人が小さい子供一人相手に集団で攻めていたのだ。

その事に気付いた春蘭と一刀は急いだ。そして、野盗達を追い払った。

一刀が野盗を追い払って、野盗と戦っていた一人の少女を見る。

その少女の姿に驚きを隠せなかった。

 

(季衣!)

 

そう、先ほど野盗と一人で戦っていたのは季衣こと許緒であった。

一刀が驚きながらも春蘭と共に許緒と思われる少女から事情を聞こうとすると華琳達本隊がやってきた。

 

「一刀、謎の集団とやらはどうしたの? 戦闘があったという報告を聞いたけれど……」

「ああ、何とか追い払ったが、追跡のため何人か後を追わせているぜ」

「あら、なかなか気が利くわね」

「そう言われると嬉しいね」

 

そのやり取りに少女は尋ねる。

 

「お姉さん達、国の軍隊?」

「まあ、……そうな……」

 

春蘭が言い終える前に少女は先ほどまで振り回していた鉄球を春蘭に目掛けて投げるが、春蘭は見事、剣でガードした。

 

(季衣、いきなり何を!?)

「き、貴様、何をっ!?」

「国の軍隊なんか信用できるもんか! ボクたちを守ってくれないクセに税金ばっかり持っていって!」

 

そういうと少女は再び春蘭に向けて鉄球を投げ、春蘭はまたガードする。

 

「だから一人で戦っていたと…」

 

一刀が少女に問う。

 

「そうだよ!ボクが村で一番強いから、ボクがみんなを守らなきゃいけないんだっ! 盗人からも、お前たち役人からも!」

「そうか………」

 

そう言って一刀は少し寂しそうな顔をして春蘭の前に立つ。

 

「北郷!?」

「だけど、きちんと話を聞かない子供にはお尻ペンペンしないといけない。それは分かってもらえるか?」

 

一刀は刀の一つを抜く。

 

「お兄ちゃんも役人なら容赦しない!」

 

少女が一刀に向かって鉄球を投げる。

 

「ふん!」

 

一刀が手に持った一本の刀で鉄球をはじき返した。

 

「え!?」

「くそっ……やっぱり少し、手がしびれるな……」

 

一刀は少女と対峙をする。

そこに華琳が間に入り怒鳴る。

 

「剣を引きなさい、そこの少女も一刀も春蘭も!」

「は……はい!」

 

少女は華琳の気迫に思わず返事をして鉄球を地面に落した。春蘭も剣を納め、一刀も刀を鞘に納める。。

その時の鉄球の重みがすごく地面が陥没した。

 

(やっぱりすごく重いんだな)

 

鉄球の重みに一刀は少々冷や汗をかいた。

 

「春蘭、この子の名は?」

「あ」

 

春蘭も一刀もまだ少女の名は聞いていなかった。そこへ少女が名乗った。

 

「許緒と言います」

(やはり……)

(許緒だったか)

「許緒、ごめんなさい」

 

華琳は許緒に謝罪に言葉を言い、自身の紹介をした。

許緒は華琳の事を聞いて謝った。どうやら華琳の評判は良いものであったようでそんな人間に手を上げたと知り懸命に謝る。

そして華琳は許緒の村を脅かす盗賊を退治するため許緒に力を貸すよう頼み許緒も承諾した。

許緒を軍に加え、華琳達は盗賊団の本拠地を見つけた。

 

 

「敵の数はわかる?」

「はい、およそ三千との報告がありました」

「我らの人数は千と少しだからだいたい三倍くらいか」

「もっとも連中は、集まっているだけの烏合の衆。統率もなく、訓練もされておりませんゆえ…我々の敵ではなありません」

「それでも油断大敵なのは大前提だがな」

 

一刀の意見は当たり前として桂花は無視して華琳に自身の策を提案。そして策により華琳は正面、春蘭と秋蘭は左右、永琳、光琳は砦の後ろの崖から攻めることになった。

 

「てことは俺と星はどこだ?」

「一刀と星は私と一緒よ」

「なっ!」

 

華琳の意見に桂花と一刀は驚いた。

 

「北郷! 貴様、華琳様に何かあったらただではおかんからな! 盾になってでもお守りするのだぞ!」

「安心しろ、そのつもりだ。だろ?」

「ふふ、どうかしらね」

 

一刀に対して華琳は小悪魔な返事を返す。

 

「各員、持ち場につけ!」

 

華琳の号令に従い、兵達は所定の位置へと向かう。華琳の部隊に入ったのは一刀達だけでなく許緒もであった。

 

「許緒ちゃんもこっちか」

「季衣でいいよ。春蘭様も秋蘭様も永琳様も光琳様も真名で呼んでいいって」

「そうか。(良い子だな)季衣は華琳の護衛って言う大役だからな、頑張れよ」

「大役か……、緊張してきた」

「それは俺もだよ。俺は何度か戦場には出てるけどやっぱり緊張するもんだよ」

 

一刀は戦場を前の世界で何度も見ている。しかし何度も戦場に立ち会っても戦場には慣れない。

しかも今度は一刀自身も戦闘に参加しようと言うのだ。

 

(俺のこの手がまた真っ赤な血に染まっていくのだろう。逆刃刀や氣弾の銃があるにしても下手を下ら死んでしまう。

だがそれは季衣も同じだ。力があるのならそれを使わないといけない時がある)

 

一刀は数日前に華琳にこう言われていた。

 

「この世界……この大陸はね、一刀。人に話を聞いて欲しければ、声を張り上げて、相手の耳を引っ張って、力ずくで引きずり倒して言い聞かせないと……伝わらないのよ」

 

一刀はその言葉を良く理解していた。今、その華琳の言いたかったことがさらによくわかっている。

 

(話を聞かせるにしても何にしても力で相手をどうにかしないといけない時がある。

前の世界での俺もそうだったな……実際は……。なら俺は……俺は……戦う!)

「一刀殿」

 

緊張で顔が強張る一刀の下に星が近づく。

 

「星……」

「そう緊張なさるな。初めてではないだろうに……」

「それでも緊張するさ。それに俺自身が戦うのは初めてだしな」

「では何のために特訓をしてきたのですか?」

 

星は一刀に問う。

 

「…………」

 

一刀は思い出す。自分が元の世界で祖父から本格的に北郷流を極めた理由や、星と共に世界を旅する中、世界にある技や戦闘術を学んだ理由。

その理由はそれは前の世界における自分の不甲斐無さからであった。

一刀は戦うことも出来ず、ましてや朱里のように頭が良く、何か作戦を出すことが出来なかった。

もし前の世界に戻れるとしたら、前みたいに格好悪いところを見せないようにと言う格好つけもある。

だがそれだけでは無く自分を鍛え磨くことで、その不甲斐無い自分を変え、心身ともに強い人間になろうと思ったのだ。

しかし体をいくら鍛えてもやはり緊張はする。

 

「北郷一刀!」

「!」

 

星が一刀に渇を入れる。

そして一刀は自分が今まで鍛えたり色々なものを学んできた理由を思い出す。

 

「……ありがとう、星」

「いえいえ…」

「でも星も大丈夫なのか? 星もかなり久しぶりだろ。戦場に出るのは…」

「ええ。あんなことを言っておきながら、私も少々緊張しております」

 

星の格好は一刀がもしものためと思い、オーダーメイドで作ってもらった服だが、その服は今までの星の服であった。

違いがあるとしたら素材である。前の服は白絹だったが、今星が来ている服の素材は血を簡単に洗い流せる木綿であった。

 

「一刀殿が折角選んで下さった服なのだ。あまり血に染めたくはない」

「……そうだな。星、俺の背中、頼んだよ」

「それは私も同じです。主」

「久しぶりだな、その主って言葉」

 

一刀と星は笑う。

作戦を始めるが出だしは予想以上で、華琳の部隊が銅鑼を鳴らすと敵は思いっきり突撃してきた。

 

「桂花、これは想定していたことかしら?」

「いえ、想定外です」

「まさかここまで馬鹿とはな……」

 

作戦通り敵を分担させることに成功し、華琳達は逃げたふりをし盗賊達に戦いを挑む。

 

 

星は久しぶりに槍を振るう!

 

「この感覚、随分久しぶりだな!」

 

星は次々に盗賊達を倒していく。

星の前には大量の矢が飛んでくるが……。

 

「甘い!」

 

星は自分の目の前に飛んでくる矢を全て叩き落した。

そして盗賊達はまた星に突撃していくが……。

 

「その程度の腕で私を倒せると思っているのか!?」

 

星は盗賊に槍を刺し、盗賊を盗賊に投げ捨てる。

星は槍を振り回し、盗賊達をなぎ払う!

そんな星の所に一人の賊が星の背後から飛びかかろうとしたが……。

 

「ふんっ!」

 

突然の銃撃が星に飛びかかろうとした賊を撃ち落とした。

撃ち落とされた賊は意識こそないものの血は出ていない。

 

「あまり無茶するなよ。星」

 

先ほどの銃撃は一刀のショットガンから放たれた氣弾である。

一刀と星は背中合わせになる。

 

「主に背中を完全に任せるとは思いませんでしたよ」

「おいおい、星の背中を……いや星と一緒にいるってのはもうあの時から決めたことだろ」

「ふふ……そうでしたな」

 

星は笑みを浮かべる。

 

「それじゃあ……」

 

一刀はショットガンを後ろ腰にのショットガン入れに入れて、刀を鞘から抜く。

 

「緊張ほどき、やろうか!」

「うむ!」

 

一刀は北郷流と氣の技や銃を用いた戦闘術を巧みに使い、賊達を倒していく。

 

「やれば出来るではないか一刀殿」

 

星もそれに負けまいと賊達を倒していく。

 

「あの二人、やるじゃない」

 

遠くから見ている華琳は一刀と星の戦いぶりに感心する。

 

「皆のものもあの二人に後れをとるな!」

 

華琳が改めて号令をかける!

その号令を聞いて、兵士達は声を上げる!

 

 

「あの二人、なかなかやるな」

「一刀はともかく確かに星はかなりの手練れね」

 

星と一刀の戦いぶりを遠くから見る、永琳と光琳。

 

「だけど負けてられないわね」

 

光琳はフェンシングで使われるような剣「レイピア」のようなを取り出す。

 

「その通り…だな」

 

永琳は盾と剣が一体化しているような武器を持ち、構える。

 

「さあ、我らも行くぞ!」

「ええ!」

 

永琳と光琳も突撃していく。

 

「はあ!」

「ぐわああ!」

 

永琳が盾の横に付いている刃で敵を斬りつける。

敵の攻撃が来てもその盾で防ぎ、刃を剣のように取り出し、敵を斬る。

 

「そぉいっ!」

「うわぁあ!」

 

光琳は剣先が細い剣であるにも関わらず敵を持ち上げたりする。

しかも持ち上げた敵を別の敵に投げつけたり、光琳の早い突きを敵は防ぎきれない。

その様子を見ていた一刀と星は少々驚く。

 

「やりますな、あの二人」

「もしあの二人があの世界にいたら勝てたかどうかわからないな」

「そうかもしれませぬな。だが今は我らは魏の将」

「だったら華琳のためにも勝たないとな」

「その通りです」

 

一刀と星もさらに力を入れて戦いに挑む。

 

 

それからすぐに戦闘は終わり、盗賊の殲滅に成功した。

帰りの中、一刀は考える。

 

(俺のやってることはこの世界では正しいのか、間違っているのか?)

 

そうこう考えていると華琳が声をかけてくる。

 

「一刀」

「なんだ?」

「良く逃げなかったわね。感心したわ」

 

華琳が一刀の功績を褒めてくれる。

 

「初陣なら逃げ出したいという気持ちを御するだけでもたいしたものよ」

「初陣じゃないさ。まあ自分で戦うこと自体は初めてだった。少しは逃げだそうかなと思ったけど……。

戦う力が俺は戦うさ」

「そう……」

 

そして一刀は考える。これは正しい事なのかそうでないのかと。しかし一刀は改めて考える。

 

(戦争なんて自分達が正しいから戦ってるんだよな。だったらこれは正しいことかもしれない。

と言うより前の世界でも俺達は自分達が正しいと信じて戦ってきたんだ……)

 

一刀はその言葉を思い出し、胸にしまう。

 

(いちいち考えても鬱になるだけだ。俺と星は華琳に拾われた以上、俺は華琳の……魏のために戦おう)

 

一刀は覚悟を決める事をし、改めて華琳の元で戦うことを決意した。

 

 

おまけ

 

 

作者「第6章だ」

一刀「本当に早いな」

作者「まあ前のコメントでも短いとか早いとか言われたな」

一刀「それがどうした?」

作者「本当はもう少し長く書きたいんだけどな、オリジナルの話となると思いつく台詞とか考えるのが結構苦労するんだよな。だから短くなってしまう」

一刀「そうなのか」

作者「本当はもう少し長文にしたんだけど、俺の力じゃそれが難しい。それを理解して欲しい」

一刀「まあ作る人間は結構苦労してるんだな」

作者「そう言うことだ。後、すごくこの作品の支援数が今までの作品、つまりクロスオーバーの作品よりも多いから、本当にビックリしてる。

明日も投稿するからな。ちなみに次回も本編話で、オリジナルキャラが一人出るぞ。

それでは!」


 
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