No.140265

『偽・悲恋姫†異聞録』10

絶影さん

まだまだ続く!GW企画!!

読んでくださる方有り難うございます^^
是非楽しんでいってください><

2010-05-01 23:56:22 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:9466   閲覧ユーザー数:7657

 

「敵本陣がこちらに向けて突撃を開始しましたっ!」

 

来たか、三角陣で敵を一度食い止める。その後敵兵を数名、昭の前に引き込んで

舞を完成させれば完了よ、その前に魔王を一馬で討ち取れればもっと良いわねただ・・・

 

「後曲の兵士を死なせすぎた・・・後で昭に謝らないと・・・・・・」

 

詠は小さく呟くと兵士達に再度指示を出す。

 

「敵がこちらに来るわよ、気合を入れなさい。一馬っ!」

 

一馬は頷き魔王率いる敵兵に向けて剣をかざす、その目には熱い炎のような闘志を燃やして

 

「臆するな、我等は舞王と共に在る雲!雲は滅びぬ、雷鳴のように声を上げ、雷の如く敵を切り裂け!」

 

「「応っ!」」

 

一馬の熱気を帯びた声が響き、兵士達は怒号のような声を上げ槍を構え迫り来る魔王の兵を迎え撃つ

 

横目で本陣を確認する秋蘭の顔には心配の色が浮かんでいた。迫り来る敵本陣、仮にも魔王と呼ばれるものを

一馬の形成する小型の三角陣で抑え切れるのか

 

「一馬の方は魔王と当たるのだな、どうやって舞を完成させる詠?そのまま突き崩されては昭が死ぬぞ」

 

「夏候淵様、敵が着ますっ!」

 

兵士の声に反応し、迫り来る敵兵に目を向けるとそこには秋蘭の想像し得なかったものが写っていた

何と言う用兵をするのだ!あんなもの我等どころか涼州の騎馬兵でもあんな真似はっ!

 

「くっ、陣は小型の流形陣にする。無理をするな本陣に敵を寄らせなければ良い」

 

遊撃態勢から素早く陣を形成していく、詠が入る前よりもずっと早い形成だが敵との衝突までに間に合うか?

 

秋蘭は矢を矢筒から二本抜き取り、弽に刺繍された叢の文字に口付けをすると矢を二本弦にかけ、弓を引き絞る

眼は鋭く敵将に狙いを定め、迫り来る敵将目掛けて一息に二射撃、合計四本の矢が襲い掛かる

 

 


 
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