No.140104

彼と君と恋の終りに 失恋vj2

水上桜花さん

「彼と君と恋の終りに 失恋vj」完結です。

2010-05-01 11:22:51 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:521   閲覧ユーザー数:517

 

この作品は、作者が寝ぼけてタンスに頭をクリティカルヒットさせたときに浮かんだ駄文です。

 

 

執筆中の作品、「リリカルコンタクト」とは、何の関係もありません。

 

 

それでもよろしかったら、どぞ。

 

 

キャラは・・・

 

 

河野裕兎・・・主人公

 

 

敷島奈々奈・・・主人公の幼馴染

 

 

飯野拓弥・・・主人公の親友

 

 

といった所でしょうか。

 

 

ちなみにハッピーエンドはありません。

 

主人公にとってバッドエンドです。

 

 

 

結局、僕、裕兎には奈々奈の頼みを断る事は出来ないらしい。

言われたとおりの店まで来てしまった。

もうそろそろ、奈々奈も来る頃だろう。

 

「なに・・・やってんだか・・・」

 

つい、自嘲してしまう。僕の悪い癖だ。

 

???「裕兎?来てくれたんだ?」

「・・・奈々奈。で、何の用?」

奈々奈「まあまあ、もうちょっと待ってよ。もうそろそろ来るだろうしさ」

 

奈々奈も来たし、早速何の用なのかを聞きだそうとしても、もうちょっと待つように言われる。

昔からそうだ。奈々奈は。自分で呼び出しておいて、遅れる上に、答えをはぐらかして焦らす。全く変わってない。

 

「来る?誰が?」

奈々奈「それh『カランコロン』っと、来たみたい。おーい、こっちこっち~」

「ん?・・・っ」

???「いきなりなんだよ、ナナこんなとこに呼び出したりして・・・っ・・・ユウ・・・久しぶり」

「拓弥・・・久しぶり・・・だね」

 

最悪だ。一番顔をあわせたくない奴が来た。・・・ってことは、頼みたい事って・・・

 

奈々奈「ゴメンゴメン。で、裕兎。頼みたい事って言うのは、私たちの結婚時の友人代表のスピーチを頼みたいの」

「スピーチ?・・・なんで僕が」

 

好きな人と知り合いの結婚式でスピーチをやれと?・・・どんな拷問だよ・・・

 

奈々奈「お願いできるかな・・・?」

 

奈々奈が不安そうなまなざしで聞いてくる。・・・断れないの、わかってるくせに・・・

 

「・・・わかった・・・引き受ける」

 

苦々しい気持ちでいっぱいの心境を隠し、可能な限りの無表情で答える。・・・クソッ・・・なんでこんなことに・・・

結局、スピーチを引き受け、詳しい日時などを決めて、解散になった。

奈々奈は遊ばないかと誘ってきたが、そんな気分にはなれない。

好きな人と知り合いの結婚式でスピーチをやるんだ・・・明るい気分になんてなれるわけない。僕はそんな器用じゃない。

 

その後、奈々奈たちと別れ、帰路につく。拓弥が申し訳ないという顔をしていたのが印象に残った。

 

スピーチは、これまでの心境を言う事にした。もう隠す必要もないし、隠しても何の意味もないから。

 

 

そして迎えた結婚式当日。不思議と、嫌な気持ちは湧いてこない。むしろ、なにかが抜け落ちたようだけど、清々しい気分だ。

この心境のまま、スピーチに臨む。

 

 

 

「えー、新郎新婦の友人代表。河野裕兎です。私は、新婦の幼馴染、新郎の親友です。

このような席で言うのもなんですが、私は新婦である元敷島、現飯野奈々奈さんに、恋心を抱いていました」

 

 

 

僕の言葉に、会場がざわめく。

 

 

 

「そのことで、新郎の飯野拓弥さんと距離が出来てしまった事もあります。しかし・・・」

 

 

 

 

僕の、素直な心境を、精一杯の言葉を並べ、伝えていく。少しでも自分の気分が晴れるように。二人を心から祝えるように。

 

 

 

「結局、私は失恋という結果を迎えました。しかし、今はこれで良かったのだと思えます。きっと、拓弥なら、奈々奈を私よりも何倍も上手く幸せにできるから」

 

 

 

ここで、僕の恋は終わる。ほかでもない、僕自身の手によって。

 

 

 

「だから、私は今まで想いを伝えなかった事を後悔はしておりません。これが、この今が、最上なんだと自信を持っていえるからです」

 

 

 

これでいい。これがいい。これが最も幸せな結末なんだと自分に言い聞かせる。

 

 

 

「最後に、二人に一言」

 

 

 

今の思いを、想いを伝えるために。自分の中の心を伝えるために。

 

 

 

「その身が果てるその日まで。そしてそれからも、幸せな道を歩んでください」

 

 

 

僕の想いは、今、終わった。これからは、二人の道。そこに僕は居ない。

 

 

 

「これで、友人代表、河野裕兎のスピーチを終わります」

 

 

 

・・・静寂。そして、誰か・・・親友の拓弥が小さな拍手をする。

 

そこから波紋は広がり、一人、また一人と拍手をする人が増え、会場は、割れんばかりの拍手に包まれた。

 

 

 

時は進み、夜、結婚式場の外。

僕は、空を見上げていた。今日はまさに抜けるほどの晴天。星の瞬きがハッキリと見える、いい夜だ。

 

「これで・・・よかったんだよな・・・」

 

不意に、独り言がもれる。

僕は・・・後悔、しているのかもしれない。自分の恋を自分で終わらせた事を、悔やんでいるのかもしれない。

 

「これで、いいんだ」

 

自分に言い聞かせる。これでよかったのだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなにもキレイな月が、僕らを見守る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月の優しい光に包まれて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っく・・・・あ、うあああああああああああああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は、一人涙した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼と、君が結ばれて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の恋が終りを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この、キレイな夜に。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

彼と君と恋の終りに 失恋vj完結です。

 

どうだったでしょうか。面白いと思ってくれた人や、感動してくれた人が居てくだされば幸いです。

 

もう一つの作品、「リリカルコンタクト」は明日辺りの投稿になります。かなり遅れてしまいもうしわけありません。

 

 

 

 

この世界で、とてつもない悲しみや、喪失感を知っている人に。

 

 

 

 

「諦めや、悲しみの先にしか、求める物は存在しない」

 

 

それではっノシ


 
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