No.140040

真・恋姫無双二次創作 ~盲目の御遣い~ 拠点其之肆 穏√『回顧』

投稿20作品目になりました。
色々と意見や感想や質問、
『ここはこうしたらいいんじゃねえの?』的な事がありましたらコメントして頂けると嬉しいです。
では、どうぞ。

2010-05-01 01:21:46 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:19727   閲覧ユーザー数:15501

それは、とある夜の事。

 

「はぁ~・・・・今日も一日疲れました~・・・・」

 

自分の部屋の扉を後ろ手に閉めると、穏は布団の上へうつ伏せに倒れ込んだ。

 

その巨大な胸が自重でふにゅうと潰れ、身体の横からはみ出す。

 

そのまま暫く布団の感触に身体を預け、やがてゆっくりと起き上がると、枕元の水差しから器に注いで、

 

「・・・・・・・・」

 

その水面を見て、ふと思い出す。

 

「・・・・・・・・白夜さん」

 

脳裏に蘇るのは、あの涙。

 

男性の泣いている所なんて、初めて見た。

 

 

 

初めて会った時の事は、今でもはっきりと覚えている。

 

 

 

弾むような音色。

 

神々しく輝く衣服。

 

そして、楽しそうな笑顔。

 

本当に天の世界の人なのではないかと、本気で思った。

 

ふと、自分の頭に手を伸ばす。

 

優しく撫でてくれた、あの場所。

 

『貴女はきっと、誰かを心から思いやれる、優しい人なんでしょうね』

 

初対面であんなに優しい言葉を掛けてくれたのは、あの人が初めてだった。

 

 

 

昔から自分は周囲から浮いた存在だった。

 

 

 

間延びした言葉使いは昔から。

 

何をやってもいつもどんくさくて、周囲から疎まれてばかりだった。

 

だから、いつも本ばかり読んでいた。

 

知らない事を知る事が、本当に楽しかった。

 

・・・・まぁ、それによって発覚した性癖によって更に自分の周囲から人が遠ざかっていったが。

 

だから、孫呉という場所が自分を受け容れてくれたのが本当に嬉しかった。

 

『こんな自分でも、人の役に立てるのだ』と。

 

でも、やはり幼少時代の記憶は自分の中に鮮明に残っていて、

 

心の何処かで『知ってもらう事』を諦めていた。

 

『いつか知ってもらえればそれでいい』と。

 

 

 

でも、あの人は違った。

 

 

 

綺麗な笑顔。

 

優しい言葉。

 

『知ってもらえる事』がこんなに嬉しいとは思わなかった。

 

心に刺さっていた棘が、いつの間にか消えていた。

 

救われたようだった。

 

 

 

そして、今までで一番『知りたい』と思った。

 

 

 

語られる知識。

 

振るわれる智謀。

 

打ち明けられた過去。

 

分け隔てない優しさ。

 

そして、あまりにも重い覚悟。

 

自分には思いもよらぬものばかりであった。

 

そして、あの人がとても大きく見えた。

 

 

 

でも、あの人は違った。

 

 

 

涙を流すあの人は、とても小さく見えた。

 

そして、思い知らされた。

 

自分は何も知ってなどいなかったのだ。

 

そして、悔やんだ。

 

知らず知らずの内に自分は、『あの人はそういう存在なのだ』と知った積もりになっていたのだ。

 

昔、自分が周囲にそうされたように。

 

 

 

そして、嬉しかった。

 

 

 

自分もあの人を救えるのだと知れたから。

 

 

 

私があの人の胸で泣いてしまったように、

 

 

 

あの人が私の胸で泣いてくれたから。

 

 

 

顔が仄かに赤らむ。

 

 

 

器の水を飲み干し、枕を抱きしめて、

 

 

 

「・・・・あは♪」

 

 

 

自然と笑う自分がいた。

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ寝ましょうかね~・・・・あれ?」

 

 

ふと目に映ったのは、自分が抱きしめている枕。

 

 

自分のふくよかな胸の間にピッタリと挟まっている。

 

 

さて、ここで少し考えてみよう。

 

 

女性が何かを抱きしめれば、それは自然と胸に触れてしまう訳で、

 

 

見下ろした自分の胸は足下が見えない程大きい訳で、

 

 

 

 

そして、あの時自分が抱きしめていたのは―――――――

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・ふえええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

顔が完熟トマトと化す。

 

 

今更ながら気が付いた。

 

 

気が付いてしまった。

 

 

ひょっとして、

 

 

ひょっとすると、

 

 

 

 

自分はとてつもなく恥ずかしい事をしてしまっていたのでは?

 

 

 

 

泣き終えたあの人が顔を赤らめていたのは、泣き顔を見せてしまった事が照れ臭かったからではなく、

 

 

 

 

ただ単にあの状況が恥ずかしかったからなのでは?

 

 

 

 

「あ、あわわわわわわわわわわわわわわわわわ・・・・・・・・ど、どうしましょ~~~~~~~~~~・・・・・・・・」

 

 

 

 

その悩ましげな声は深夜まで消える事は無く、

 

 

 

 

目を瞑っても全く眠れない穏は、布団の上で真っ赤な顔を両手で隠しながら身悶え続けるであった。

 

 

 

 

 

後書きです、ハイ。

 

いや~、とうとう投稿も20作品目になりました・・・・

 

早いもんだなぁ・・・・

 

それはさておき。

 

短いけど、こんな拠点もありでしょ?

 

いや~誰の書こうか迷ってたんですけどね、まずは前回希望のコメントが多かったのに書けなかった穏を選んでみました。

 

次回はどうしましょう・・・・?

 

拠点にしようとは思ってるんですがねぇ・・・・

 

何度もコメント等で言っておりますが、俺は穏はちょっと変わってるだけで本当に良い娘だと思うのです。

 

ただ誤解されやすい、というだけでね。

 

そんな俺の勝手なイメージ(=妄想)から産まれたのが『盲目の』の穏です。

 

気に入って戴けるか少々不安ではありますがね・・・・

 

 

 

閑話休題

 

 

 

明日からGWですね。

 

皆さんの予定はどうなってるんでしょう?

 

ちなみに俺は実家に帰る予定です。

 

両親が『帰って来い』と物凄く言ってくるんでね。

 

・・・・まぁ、久々に親孝行でもしてきます。

 

ほいでは、次の更新でお会いしましょう。

 

でわでわノシ

 

 

 

 

・・・・・・・・ドラマ『タ○ブリング』を見て最初に思った事。『サソードとキバの共演じゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!』

 

P.S.

 

とうとうやらかしました。

 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm10548754


 
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