No.139081

NikQ外伝~カインとエンの物語~ プロローグ

mohee32さん

とりあえずはプロローグをば

次回の第一話からはオリキャラ(カイン様より設定いただきました)も出るのでお楽しみに~

2010-04-27 04:06:49 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:587   閲覧ユーザー数:576

~カムクラ城会議室~

 

窓もなく、明りも極限まで絞った薄暗い会議室の中4匹の猫が声も小さく軍議を行っていた

 

「今日集まってもらったのは他でもない

 

 あの暗黒魔獣についてだ」

 

最初に口を開いたのは正規騎士団副団長のゼファーだった

 

「ガッハハハハー!!お前達には密使として友好国のリノミ・・・ムガッ」

 

「な、なにをする!!ゼファー!!」

 

「声が大きいぜ、団長様」

 

訂正、一匹大声を出すものがいた

 

空気を読まず大声で話す騎士団長ドネラをゼファーがとめる

 

この二人同僚といった以上の友情があるのだがそれはまたのお話

 

「リノミアに行くのか・・・?」

 

そんなやり取りを遮るように冷静にクロが尋ねた

 

「リノミアって言うとあの技術大国か?」

 

それに呼応するようにチロも質問を重ねる

 

「こほん・・・そうだ

 

リノミアは科学技術が他国よりも進んでいるからな

 

 それにリノミアの王は君主にして優秀な科学者だと聞く

 

 彼ならばあの暗黒魔獣について有益な情報を持っているやもしれん

 

 そこでお前達には密使としてリノミアにむかいリノミア王に暗黒魔獣についての調査を依頼してきてほしいのだ」

 

「ガッハハハハー!!そのための段ボールも用意してやったぞ!!」

 

「「段ボール・・・段ボール?!」」

 

ドネラの一言にチロとクロの突っ込みがハモった

 

「そうだ!!段ボールだ!!とある国の傭兵がスニーキングには必要だと言っていたからな!!」

 

「「はぁ・・・」」

 

チロとクロは呆れ顔で溜め息をついた

 

「段ボールはともかくひだまりの騎士団から4匹ほど選定しておいてくれ」

 

ドヤ顔のドネラを尻目にゼファーは続けた

 

「言っておくが姫とチックやプラムはダメだぞ」

 

「どうしてですか?」

 

チロが疑問を口にした

 

「友好国とはいえ、姫をおいそれと国外に出すわけにはいかないからな」

 

「ではなぜチックやプラムは?」

 

「チック達はまだ子猫だろう?子猫を密使に派遣すれば向こう側の心象が悪くなりかねないからな」

 

「なるほどな・・・了解した」

 

それまで黙っていたクロが口を開いた

 

「行くぞ、チロ」

 

「どうしたんだ?クロ、そんなに急いで」

 

チロの疑問にクロは耳打ちするように小声で囁いた

 

「誰かの気配がする」

 

それを聞いたチロはうなずいた

 

「わかった、行こう」

 

 

 

まだ後ろでドネラが段ボールがどうのこうのと言っていたが聞こえない振りをしてチロとクロは会議室を後にした

 

 

 

 

 

((まさか本当に段ボールが用意されてるわけではないだろうな・・・))

~裏庭~

 

「・・・・・・ということだ」

 

クロが一同を眺める

 

「誰か志願する者はないか?」

 

チロがぶすっとした顔で不満を述べた

 

「何でお前が取り仕切ってるんだよ?」

 

「お前の説明だと大雑把過ぎて伝わらないからだ」

 

クロが冷静に答えた

 

「何だと?!やるか!!」

 

憤るチロにクロが呼応した

 

「やっても構わんが、お前が俺に勝てるのか?」

 

その言葉についにチロがぶち切れた

 

「この野郎!!言わせておけば!!」

 

「やめなさい!!」

 

そんな二人を止めたのはミィコだった

 

「そんなことやってる場合じゃないでしょう?!早くメンバーを決めて行かないとドネラが怒鳴り込みに来るわよ?!」

 

ミィコの言葉にタントがおびえた声を出した

 

「そ、それだけは・・・か、勘弁なんだな・・・・・・」

 

そこにすかさずジャルスが口を挟んだ

 

「クロ様が行かれるのでしたら私もご一緒いたしますわ」

 

「ね、ねえさんが行くなら・・・わたしも行き・・・ます・・・・・・」

 

と控えめにサイも志願した

 

そこにリロットが口を挟む

 

「ちょっと!!4匹しか行けないんでしょう?!あんた達が入ったら元オガワラのネコばっかりになっちゃうじゃない?!」

 

それに対しクロは静かに反論した

 

「お前の言うことももっともだが、元オガワラの俺達を姫の元に置いていっても良いのか?」

 

その言葉に反論できないリロットは怒鳴った

 

「分かった!!分かったわよ!!でも、道中チロになんかあったらあんた達を許さないからね!!」

 

それに対しクロはこう答えた

 

「別にお前に許してもらういわれもないのだがな・・・

 

それに、俺はそんなセコい真似はしない

 

やるときは正々堂々正面から叩き潰す!!」

 

そこにチロが口を挟んだ

 

「良いよ、リロット

 

 このメンバーで行こう

 

 もし何かあるようだったらオレが対処する」

 

「決まりだな

 

 じゃぁ、早速出発するぞ

 

 時間がもったいない」

 

「だから何でお前が取り仕切るんだよ?!」

 

「お前に任せていると時間がもったいないからだ」

 

「何だと?!」

 

「良いから早く行きなさい!!」

 

ミィコの怒鳴り声を合図に一同は出発した

 

 

 

 

こうして波乱万丈(?)のメンバー選定も終えチロ・クロ・ジャルス・サイの4匹はリノミアに旅立つのだった

 

 

 

 

裏庭に残ったメンバーが

 

((((・・・あの面子で大丈夫なのか?))))

 

と思ったのは言うまでもない

 


 
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