広大な大地にぽつんと佇む人影がひとつ。
この時代に似つかわしくない白く輝く服。
それをすっぽりと覆い隠す様に外套をかぶっている。
彼の名は北郷一刀。
この大陸を3度まとめた英雄である。
そして彼は4度目に挑もうとしていた。
「やれやれ、俺は因果導体にでもなったのか?」
そんな事を言いながら、やや途方にくれた様な状態であった。
「まー、そんな事言っても始まらないな。魏、呉、蜀で統一しても
終わらないとなると、……うーん、後は董卓か袁紹か袁術か……」
しかし、どれもどこかしっくりこない。
「あー!公孫サン!!…………、はもっと駄目だろ」
一刀はため息をつくと、再び考え始めた。
(今までは俺が華琳や桃香、蓮華を助けてそれぞれの国で統一を、
……助けて?そうか!今までは俺はどちらかと言えば従だった。
今度は主になってみよう!)
閃いたとばかりに一刀の顔がパッと輝いた。
しかしすぐにまた影がさす。
(でも、どこかを乗っ取るのは気が引けるよな)
どの国も主従の絆は固かった。董卓軍、袁紹軍、袁術軍にしてもそれは同じである。
公孫軍は分からないが。
しばしの熟考の後、一刀は顔を上げた。
「そうだ!新勢力を立ち上げよう!!」
名案とばかりに顔がニヤつく一刀。そしてひとたび思いつけば色々と考えが浮かんできた。
(有力武将が欲しいけど引き抜くのは申し訳ないしな。出会わなかった武将を探してみよう。
馬良に徐庶、司馬懿、張コウ、徐晃、太史慈、諸葛瑾、魯粛、後はえーと、紀霊かな?)
一刀はパッと思いつく武将を上げてみた。
少し文官よりかもしれないが、何故国の中枢に居なかったのかと思える人物ばかりである。
(でも、出会わなかったという事は存在しないのかも?それにもし居たとしても何処に……)
そんな不安が頭をよぎった。
だが、と思い直す。
(うじうじしていても始まらない。幸い回数を重ねたおかげで色々と余裕も出てきたしな)
「よし!行くぞ!!」
一刀は気合を入れるように宣言すると歩き始めた。
まだみぬ英雄に出会う為に。
こうして北郷王朝はスタートを切ったのである。
(つづかない)
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すみません、諸事情により一発ネタを投稿させていただきます。
P.S.続きません。