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アクセル全開! 真・恋姫†無双  第1話

BLACKさん

この作品の文章には仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編で使われたものが多々あります。
そして一刀の態度や口調が原作と違うことをご了承してください。
また本作の一刀の設定のため、一刀のパートナーとなるオリジナルキャラクターがいます。

2010-04-10 23:02:05 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:8097   閲覧ユーザー数:5633

「…流れ星? 不吉ね…」

 

ある領土を治める少女は昼間から見る流れ星を見てそれを不吉なものだと判断した。

 

「華琳様! 出立の準備が整いました!」

 

華琳と呼ばれる少女の部下であろう女性二人が華琳を呼ぶが、その華琳は空を眺めたままだった。

 

「華琳様? どうかなさいましたか?」

 

心配になった部下二人が華琳に尋ねた。すると華琳は答えた。

 

「今、流れ星が見えたのよ」

「流れ星、ですか? こんな昼間に」

「あまり吉兆とは思いませんね。出立を伸ばしましょうか?」

 

やはり昼間の流れ星はいい印象はないようだ。

 

「吉と取るか凶と取るかは己次第でしょう。予定通り出立するわ」

「承知いたしました」

「総員、騎乗! 騎乗っ!」

 

流れ星が昼間に落ちようが今の華琳には関係ないことだった。

 

「無知な悪党どもに奪われた貴重な遺産、何としても取り戻すわよ! ……出撃!」

 

華琳達は馬に乗り街を出た。

 

 

ちょうどその頃昼間に流れ星が落ちた辺りでは……。

 

「うう………」

「ねえ、起きてよ」

「うう……」

「起きて!」

 

蒼混じりの白服で黒髪の青年は黒服だが、その服は薄く体のラインが少し見える(隠すべき部分はきちんと隠している)もので、長い黒髪を縛っている少女の呼び声によりようやく目を覚ます。だが……。

 

「うう……」

「ねえ大丈夫?」

「ああ……ええっとお前は……」

「う~ん……何だったっけ?」

「はあ?」

「え~と、私は……」

「ちょっと待て。え~と俺の名前は……北郷一刀だな」

「私は……睦月美沙緒だね」

「………ありゃ?」

「あれれ?」

 

二人はあることに気付く。

 

「自分の名前とお前の名前以外思いだせないぜ」

「あたしも……」

 

二人は自分達の名前以外思いだせないでいたのだ。

 

「俺達何でこんなところにいるんだろうな?」

「さあ? ねえところでこれ何?」

 

美沙緒が一刀の隣に落ちてあるものを指さす。

そこには少し形の変わった剣が落ちていた。

 

「これは……確かエンジンブレードって奴だな。俺の物だな」

「思いだせたね」

「今のところこれだけだな……。ところで美沙緒」

「何?」

「お前の体が透けてないか?」

「え?」

 

一刀に言われて美沙緒は自分の体を見てみる。一刀の言う通り美沙緒の体は透けていた。

 

「ほんとだ」

「体とか浮かないか?」

「やってみるね」

 

一刀に言われて美沙緒はやってみると美沙緒の体は宙に浮いた。

 

「おおー! 浮いた浮いた!!」

「本当に浮いたな」

 

美沙緒は一刀の元に降りてくる。

 

「透けてて飛べる……美沙緒、お前幽霊にでもなったのか?」

「う~ん、そうかもね」

「その割には楽しそうだな」

「正直死んだ時のことが分からないからね」

「それに俺達記憶喪失だからあんまり関係ないか♪」

「だね♪」

 

二人は楽しそうに会話する。

 

「でも上に上がった時に回り見てみたけど、ここどこか分からないよ」

「そうだな~。適当に歩いてみるとするか」

「だね」

 

一刀と美沙緒は移動しようとする。

 

「おっと、忘れるところだった」

 

一刀が落ちているエンジンブレードを拾おうとすると……。

 

「重!」

 

エンジンブレードはとても重かった。

 

「いけねえ。これすごく重かったんだ……」

「でも一刀ってそれぶんぶん振り回してたよね?」

「そうなんだよな~。どうやって振り回してたっけ? それとこれ変形したよな?」

 

二人がそうこう考えていると……。

 

 

 

アクセル全開! 真・恋姫†無双  第1話  憑かれ落ちた男

 

 

 

「よう兄ちゃん、珍しいもん持ってるじゃないか?」

 

一刀と美沙緒が後ろを振り向くとそこには長身のヒゲヅラ男と太った男、小さい男が一人ずついた。

 

「何あれ? コスプレ?」

 

三人の男の格好はどうも鎧みたいな服を着た現代では普通着ない服を着ていた。

しかし三人とも美沙緒の質問に答えない。

 

「ねえ! 聞いてるのあんた達!」

 

美沙緒が怒りながら三人に言うが、三人は無反応であった。

 

「どういうことだろ?」

「さあ?」

 

美沙緒が一刀に尋ね、一刀が美沙緒の方を向くと……。

 

「おい手前、誰と話してんだ?」

 

ヒゲヅラの男が一刀に尋ねた。

 

「はあ? 俺はこの子と話しているんだけど?」

 

一刀が美沙緒の事をさしながら言うが…。

 

「ふざけんな! 手前以外誰がいるってんだよ!?」

 

その言葉でようやく二人は理解した。この三人は美沙緒が見えていないという事実に……。

 

「お前のこと見えてないみたいだな」

「本当に幽霊になっちゃったの?」

「だから何話してんだ!?」

「まあそれは置いといてここはどこなんだ?」

 

一刀は格好の事を置いといて、場所を尋ねてみた。

 

「はあ? 言葉は通じてるみたいだな。金を出してもらおうか」

 

男達はそう言うとどこからか刀を取り出してきた。

 

「あり?」

 

男達は古代の中国で一般的に使われていただろう刀を持っていた。

 

「どういうことなんだ?」

 

一刀は思わずまた聞いてみた。

 

「もう一度言う。手前の持ってる金を全部置いていけ。ついでにそのキラキラした服もな」

 

これはよく言うおいはぎであった。

 

「おいはぎされてるみたいだね」

「ありゃりゃ、大変なんだな。これが……」

 

一刀が引きずっていたエンジンブレードをなんとか持ち上げようとするが、持ちあがらない。

 

「ちょっとまじいな……これが……」

「死ねや!」

 

二人の男が襲いかかろうとするが……。

 

「うわぁ!」

 

一刀は思わずエンジンブレードを振り回す。

二人の男には当たらずそのままエンジンブレードは地面に落ちるが、その時の陥没はものすごいものであった。

 

「へぇ?」

「なんて重さ何だ!?」

「あんな重いもん当たっちまったら……」

 

まず間違いなく死ぬ。

 

「逃げろーーーーーー!!」

 

三人はエンジンブレードの重さを見て、思わず逃げ出してしまった。

 

「行っちゃったね」

「これが重くて助かったんだな」

「変わった助かり方だね」

「だけどこれから先はどうしたものか……」

 

また悩んでいると……。

 

「なんだあれは?」

 

見慣れない騎馬隊が自分達のところに向かってきたのだ。

 

 

「華琳様、こやつは?」

 

一刀が目覚める前にどこかの街を出た華琳と呼ばれる少女の部隊が一刀と接触したのだった。

 

「どうやら違うようね、連中はもっと年かさの中年男だと聞いたわ」

「どうしましょう。連中の一味の可能性もありますし、引っ立てましょうか?」

 

一刀達は華琳と呼ばれる少女とそのお供の女性二人のやり取りを聞いて探しているのはさっき自分を襲おうとして逃げた三人のことだと気づいた。

 

「ところで、君誰?」

 

一刀はとりあえず目の前に居る華琳に誰かと尋ねた。

 

「それはこちらの台詞よ。あなた達こそ、何者? 名を尋ねる前に、自分の名を名乗りなさい」

「俺は北郷一刀。それ以外は覚えてないんだな。これが」

「あたしは睦月美沙緒だよ。あたしもそれ以外覚えてないけど…」

 

一刀達は正直に答えたが、三人とも何のことかわかっていない様子だった。

 

「貴様、華琳様の質問に答えんかぁっ! 生国を名乗れと言っておるだろうが!」

「いや、覚えてないから答えようないんだけど?」

 

どうやら言葉は通じても意味がわかってないようだ。

 

「姉者。そう威圧しては、答えられるものも答えられんぞ」

「しかし秋蘭、こやつがやつらの一味の可能性があるんだぞ。ねえ、華琳様」

「そう? 私には殺気の一つも感じさせないほどのてだれには見えないけれど。春蘭はどう?」

「それはまあ、確かに……」

 

春蘭は華琳に言われて納得したようだ。

しかし華琳は春蘭のわずかな言葉を聞き逃さずあることに気がついた。

 

「春蘭」

「何でしょう?」

「あなた今、こやつと言ったわよね?」

「はい。それが何か?」

「その女の方は数に入れているかしら?」

「女?」

 

春蘭は華琳に言われて一刀の方を見てみるが、一刀以外見当たらない。

 

「あの華琳様、あの男以外は誰もいないのですが……」

「そんな……秋蘭は?」

「……私も姉者と同じです」

 

そう、美沙緒は華琳以外の人間には見えていなかったのだ。

 

「ひょっとしてこの子が見えてる?」

「貴様、誰に指をさしているのだ?」

 

春蘭は一刀が美沙緒を指さしていることが分かっていない。

 

「ありゃ~。完全にあたしのこと見えてないよ」

「見える見えないがあるのかしら?」

「さっき会った連中も美沙緒が見えてなかったみたいだらな……」

「…まあそれは後で詳しく聞きましょう。あなた、北郷と言ったかしら?」

「そうだけど?」

「ここは陳留。そして私は陳留の刺史をしている者」

「しし?」

「刺史も知らないの?」

「初めて聞くな~」

 

刺史を聞いたことがないという一刀の反応に華琳は多少驚きの様子を見せる。

 

「呆れた、秋蘭」

 

華琳は自分の代わりに秋蘭に説明をさせた。

 

「刺史というのは町の政事を行い、治安維持に従事し、不審者や狼藉者を捕まえ、処罰する勤めのことだ。これなら意味はわかるか?」

 

秋蘭の丁寧な説明で一刀は理解した。

 

「ああ、なるほどな!」

「じゃあ、今の状況はわかっているわよね?」

「俺は怪しさ満点だって事なんだろ?」

「よくわかってるじゃない、春蘭、引っ立てなさい」

「はっ!」

 

春蘭は一刀を引っ立てようとすると一刀は逆らおうとしなかった。

 

「まだ連中の手がかりがあるかもしれないわ。半数は辺りを捜索。残りは一時帰還するわよ」

 

華琳達は一刀達をつれて街に戻った。

 

 

町に戻って改めて一刀と美沙緒の身分確認をさせられた。

 

「名前は?」

「北郷一刀」

「あたしは睦月美沙緒で~す」

「おぬしの生国は?」

「覚えてねえ」

「この国に来た目的は?」

「覚えてねえ」

「ここまでどうやってきた?」

「覚えてねえ。気がついたらあの荒野に居たからな」

 

名前以外の答えがまともでないと判断した華琳は埒があかないと春蘭に指示を出そうとする。

 

「拷問にでも掛けましょうか?」

「拷問してもあれ以上の答えは出ないんだな。これが」

「本当に埒があかないわね」

「後はこやつの持ち物ですが……」

 

一刀はハンカチに小銭を出した。

華琳は小銭のデザインを褒めたりしたが、やはり一番気にしていたのはエンジンブレードであった。

エンジンブレードはあまりに重いので、床に置いている。

 

「これは何かしら?」

「エンジンブレード。俺の武器何だな。これが」

「変わった形の剣ね」

「少し変形するのは覚えてるけど、それ以上は思い出せないんだな。ところでここはどこの国だ?」

「貴様、こちらが下手に出ていれば、いい気になりよって!」

 

春蘭はどうも一刀が上から目線言ってるように聞こえていたようだ。

 

「あんたは下手に出てないだろ」

「何だと、貴様!」

「ま、いいさ。ところで君達名前はなんていうの? 今呼び合って名前で呼んでいいのか?」

「駄目に決まっておるだろ!!」

「うおっ!?」

 

春蘭の迫力に思わず一刀は恐怖した。

 

「なんとなく駄目だろうと思ったが、何でだ?」

「そうよ、何で?」

「貴様ごときが華琳様の真名を呼んでみろ。その瞬間、貴様の胴と首が離れているものと思え!」

「そこまでのものなの?」

 

一刀も美沙緒も春蘭の発言に驚く。

 

「けどよ、ずっと君っていうのも変だろ」

「それもそうね、私の名は曹孟徳。それから彼女達は、夏侯惇と夏侯淵よ」

「曹孟徳?」

 

一刀は頭の片隅にある「曹孟徳」と言う言葉を思い出す。

 

「ねえ、一刀」

「じゃあ、あんたが魏の曹操なのか?」

「どういうこと?」

「あ?」

「どうしてあなたが、魏という名前を知っているの?」

 

どうやら華琳もとい曹操は一刀が言った「魏」と言う名前に反応を示したようだ。

 

「いや、なんとなく曹操って言ったら魏なのは当たり前だろうなって思ってな……」

「貴様、華琳様の名前を呼び捨てにするとは! しかも魏とかわけのわからんことを!」

「春蘭。少し黙ってなさい」

「はい」

「魏と言うのはね、私が考えていた国の名前の候補の一つよ」

「は?」

「近いうちに二人にも言うつもりだったわ。それにあったばかりなのになんで曹孟徳でなく操と言う名前を知っていたの!? 説明なさい!」

 

曹操はすごい迫力で一刀を問い詰める。

 

「そう言われても……」

「何でそんなこと知っているのか俺も分からないんだな」

「まさかこやつ、五胡の妖術使いでは…!」

「なるほど、それならこの見えない女の説明もつくわね」

「一刀って妖術使いなの?」

「いや、覚えてねえから何とも言えねえけど、さすがに違うと思うぜ。

ただ目が覚めたらよく分からないところにいたってのは本当なんだな。これが……」

「もしかしたらここって別の世界だったりして~」

 

とりあえずは一刀と美沙緒の話を聞いて曹操は話を簡単にまとめた。

 

 

「春蘭。色々難しいことを言ったけれど、この北郷一刀と私とその男にしか見えない睦月美沙緒と言う女は天の国から来た遣いなのだそうよ」

「「はあ!?」」

 

その言葉に一刀と美沙緒は驚く。

 

「五胡の妖術使いや、別の世界から来たなんていう突拍子のない話よりはそう説明したほうがわかりやすくて済むのよ」

「まあ、そう言われればそうかもね」

「あなたもこれから自分の事を説明するときは天の国から来たとそう説明なさい」

 

そして一刀達はさきほど会った盗賊三人の話をし、曹操の捜査協力をすることになった。

 

「あなたが言う別の世界の知識、うまく使えば私の覇業の大きな助けになるでしょう」

「そうだな。それと一応部屋とか用意してくれないか? 当たり前だが俺は寝床が無いんでな」

「なら、部屋の準備をさせましょう。好きに使うといいわ」

「ありがとう。助かるよ」

「そういえば、一刀の真名を聞いていなかったわね。教えてくれるかしら?」

「真名? なんだそりゃ?」

「そんなのないよね」

「俺は北郷一刀って名前しかないぜ。名前だけならはっきり覚えてるからな。

その真名ってのを聞く限りじゃ、俺の真名は一刀だな。あと美沙緒の真名もそのままの美沙緒になるな」

「え!?」

 

三人とも意外な答えに驚きを隠せなかった。

 

「真名がないと困るのなら今考えるけど?」

「別にいいわよ。一刀、私のことは華琳と呼んで良いわ。後、美沙緒もね」

「いいのか」

「良いわよ。あなた達もそうしなさい」

 

と言うことで華琳の意見により一刀達は春蘭と秋蘭の真名を呼んでも良いことになった。

 

「ああそう言えば一つ思い出したことがあるんだな、これが」

「何よ?」

「そのエンジンブレード……変形するんだよな」

「へんけい?」

「形が変わると言うことだな」

「まあそう言うことだ」

 

一刀は腰をおろしてエンジンブレードの柄を持つ。

 

「本当に重そうね」

 

実はエンジンブレードをここまで持ってきたのは馬なのだが、あまりの重さで引きずって来たのだ。

しかも街に着いた時、エンジンブレードを引きずった馬は今までにないくらいに息切れをしたのだ。

 

「まあこれは普通の剣の持ち方なんだけどな……」

 

一刀はそう言うとエンジンブレードの柄を逆手に持つ。

するとエンジンブレードは形を変え、エンジンブレードの刃は一刀の腕に付く。

 

「本当に形が変わったわね」

「それでも重いんだよな。これが……」

 

エンジンブレードを持つ一刀の右手は床に落ちる。

 

「おめえ……」

「大丈夫、一刀」

 

美沙緒が一刀に寄る。

 

「まあ何とかしてみせるさ」

 

こうして一刀と美沙緒は華琳達の元に居座ることになったのであった。

 

 

キャラ設定

 

 

(この作品の)北郷一刀

 

 

記憶喪失であるが、自分と美沙緒の名前は覚えている。

「エンジンブレード」と言う武器を持っているが、どうやって扱っていたのかがよく覚えていない。

華琳達に拾われる前は何をしていたのかは当然覚えていないが、原作とはだいぶ違うことをしている。

ちなみにこの作品の一刀の元ネタは「スーパーロボット大戦OG」シリーズに出てくるキャラクター、アクセル・アルマーの格好であるがところどころ違い、似ているのはあくまで上着だけである。

しかし記憶喪失のため記憶喪失時のアクセルと同じ口調で話す。

 

 

 

睦月美沙緒

 

 

一刀と同様で記憶喪失。一刀との関係は不明。しかし一緒にいたことから何かしら関係があるようである。

幽霊かどうかは不明だが、現時点で美沙緒が見えるのは一刀と華琳のみ。

格好ははっきりは本編中では書かなかったが、格好は「スーパーロボット大戦OG」シリーズに出てくるキャラクター、アルフィミィのものとほぼ同一である。

ちなみにキャラクターの元ネタは違い、元ネタは「アスラクライン」に出てくるキャラクター、水無神操緒である。幽霊設定もそれに準ずる。

 

 

 

 

 


 
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