「我が名は陳叔至、劉備様に仕える一振りの槍」
男はそう名乗ると戟を二本上下に構え、まるで大地に根をはるが如く腰を落とす
纏う重装備の鎧は鈍く光を放ち、傷の数々が常に前線に立っていることを物語っている
顔にまで仮面のように兜が覆い、その表情は決して読み取ることが出来ないが
男の体からは重厚な壁を思わせる空気が辺りを包む
「貴様が陳到か、劉備軍で超雲に次ぐと言われる貴様の実力を見せてもらおう!」
男は対峙する者の言葉に微動だにせず、ただ静かにまるで昔からそこに生えていたかのような
巨木を思わせる雰囲気を纏い、男の背後に着き従う兵達はその雰囲気に安心と信頼を向け
男はその信頼を裏切る事はなく、背負い導く
「はあああぁ!」
「・・・・・・」
男の肩に剣が振り下ろされるがそれを肉厚の鎧で平然と受け止め、その手に持つ戟で大きく
そして確実に首を狙い切り落とす。
ぼとり・・・・・・
男は歓喜の声を上げるでもなく、己の武を誇るでもなく、ただ落ちた首に片手で祈り
大地から脚を引き剥がすように歩を進める
前へ前へ、愚直に、劉備軍の勝利、ただそれだけの為に
真・恋姫†無双 -陳到伝ー
今日は絶影です
いきなりの違う御話、これは構想が元々あって前から書こうと思っていたのですが放置してしまうと忘れてしまうし
投降しておけば必ず書くだろうと言うことで先に投稿しておきました。
異聞録が終わってから必ず書くぞと言う自分自身へ縛りと言いますか決意表明といいますか・・・
この陳到伝は北郷一刀君の話です。
本来、蜀での立ち位置はここではないか?そして聖人君主としての劉備を真に影として支えていく
私なりの真の蜀√を描きたいと思いこの妄想を書こうと思っています
ですからこの話での桃香は我儘ではなく義侠の人、理想と現実を見て力の無い自分を無理やり奮い立たせ
王として苦しみもがき、それを陳到である一刀君が支えていくと言う話です
私としては後に「賛」と評される陳到こそが一刀君に相応しいと、そして力は無く戦い方も泥臭い
戦場で有利な槍や戟を使い、剣を持つことをしない、目立つ活躍をせず堅実に仲間を率いる
後の書物にも書かれない、だが桃香の信頼は一番に厚く、兵達からも慕われる
決してチートではなく、ただ一人の人間の力で戦っていく、その戦い方は率いられる兵達も心を惹かれ
彼は決して最初から最後まで自分を御使いと世間にばらしません、もちろん桃香達も
そんな話を書きたいと想い、ここに投稿して残しておこうと思っております
なので続きを期待された方は本当に申し訳ありません、ただ必ず異聞録を書き上げた後に書きますので
その時は陳到伝をよろしくおねがいします
性は陳、名は到、字を叔至、真名を一刀、彼を記憶の片隅に覚えて置いていただけると嬉しいです
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今日はお休みなのでちょっと違う話を載せます。
予告と言った感じでしょうか、異聞録にはまったく
関係がありません