side 成都城内の政務室 (なんて名前だったか忘れた)
一刀達が町に着いた頃、城では桃香達が政務を行っていた。
「桃香様、そろそろ休憩致しませんか?」
「もうそんな時間なの、雛里ちゃん。じゃあ皆休憩しようか?」
雛里の提案で一同は休憩を取ることにした。
「それにしても桃香様もだいぶ政務を抜け出さなくなられましたね」
「もぉ、ひどいなぁ愛紗ちゃんは。私も何時までもあの頃のままではないよ」
「すみません。ですが今の桃香様をご主人様が見られるとさぞ驚かれるでしょう」
「うう~ん、そうかも。でもそういうご主人様もよくサボってたよ」
「そういえばそうでしたね」
「その度に愛紗さんがお怒りになってすごくこわかったですね」
「ほほぅ、雛里も随分言うようになったな」
「あわわ、すみません」
「「「ははは」」」
皆は一刀のことを思い出し笑いあっていた。
「・・・北郷一刀様かぁ。どんなお方なんだろう」
「そういえば桜桃(おうとう)は北郷様のお姿を見たこと無かったんだな。私は子供の頃に町に出てきた北郷様によく遊んで頂いたから憶えているけど誰にも平等にお優しく笑顔の似合う素敵な方だったぞ」
「と言って、初恋の男性について熱く語る愛里(あいり)ちゃんなのでした」
「なっなななちッ違うぞ、雫(しずく)。断じて北郷様が私の初恋の方などでは!?」
「慌てると肯定してるようなものだよ。愛里ちゃん」
「なっ桜桃まで。だから違うんだ(汗)」
「ふふふ、なんか愛里ちゃん達を見てると昔の私達みたいだね」
「ええ、そうですね。あの慌てぶりは愛紗さんそのものです」
「うう、私はあんなに慌てていたのか。今にして思うと少し恥ずかしいな」
皆が一刀の話題で盛り上がっていると
トントン「政務中失礼します。おっと、休憩中でしたか」
「むっ、羅乾か。お主がここを尋ねるとは珍しいな。何かあったか?」
「まあ、あったのはあったのですが、実は「失礼します、桃香様追加の仕事を持っあれ?なんで貴方がきてるの?羅乾」おお、燕(つばめ)か」
「先に言っておくがその仕事をやって頂くのは当分無理だぞ。それだけの話しを持って来た。桃香様、愛紗様お二人には特に吉報ですぞ。お二人の義兄弟が、天の御使い北郷一刀様がお帰りになられました」
「えええええええ!?それって本当羅乾さん!?ご主人様が一刀さんが帰ってきたの?」
「あわわ、あわわ。ごっご主人様が天からお戻りにあわわあわわ!?」
「わーい。これで北郷様にお会いできるんだぁ」
「よかったね、愛里ちゃん。愛しの北郷様が帰ってきたよ」
「だっだから、私は・・・でも本当にお戻りになられたんですか?」
「そう、そういう事か。ならこれはまた今度改めて持って来直しましょう」
「まぁまぁ、皆さん落ち着いてください。これでは詳しく報告できませんから」
「そうだね、みんなとりあえず落ち着こう」
羅乾が持ってきた吉報に皆が慌てたが話を聞くために皆が落ち着くと
「ではご報告します。つい先ほど、私が昼食をとる為に町に出ると大声で泣いてる声が聞こえてきたのでそのほうへ向かうと魏延様が黄叙様のお隣にいらしゃる男性と親しげにお話になられてるので近づいてみるとお年をとられだいぶ貫禄がお付きになった北郷様でした。どうやら泣き声は北郷様と再会なされた魏延様のものだったらしいです。私も少しお話しましたのでご本人に間違いありません」
「そうか、では璃々はちゃんとご主人様と再会できたか。するとお戻りになられたのはやはりあの河原か」
「そのようです。北郷様には私が皆様にご報告するので北郷様はお二人と15年ぶりの町を見ていただくよう話しておきました」
「そっかぁ、ありがとう羅乾さん。じゃあ皆、ご主人様の帰りをお祝いするための準備をしよっか」
桃香の言葉に皆が動き出す中、愛紗が一人暗い表情を浮かべていた。
「うん?どうかしたの愛紗ちゃん?暗い表情なんかして」
「いえ、桃香様。たいした事ではないんです。たいした事じゃあ。・・・ただ、今の私の姿を見たらご主人様はなんと仰るだろうと」
「・・・そっか。でも大丈夫だよ、愛紗ちゃん。あのご主人様だもん、あった事をすべて話せばぜったい受け入れていただけるよ。だから元気だそう」
「はい。そうですね。それと私は準備が手伝えないのですみませんが桃香様にも」
「うん、それは大丈夫だよ。私が言いだしっぺなんだし任せといて」
そういって皆は一刀の帰還を祝う準備に取り掛かった。
side out
side 成都城下町
「ところでお館、そのお格好はいったい?」
「それは私も気になっていました。それに髪も伸ばしていらっしゃるのですね?」
「ああこれはね、髪は一種の願掛けかな。皆に再会できるようにね。髪を伸ばしてると悪友にある物語にでている人物に似てると言われてね、その人物の服も作ってくれたんだ。それがこの服って訳なんだ」
このような他愛もない話をしながら町を見て回っていると
「だっだれか、そいつを捕まえてー。泥棒よぉ!!」
「「「!?」」」
三人が声のした方を見ると武器を振るいながらこっちに逃げてくる男達が来た。
「くそっ、あいつらめ。せっかく平和になったというのに「焔耶これを持ってて」あっはい、ってお館!?」
そういうと一刀は持ってた箱を焔耶に渡し泥棒達の方に走り出した。
「なんだぁ、てめぇ。そこをどきやがれぇ」
「ふん、ここは通さないぞ。くらえ『北郷流無手 宝技 数え抜き手』てりゃぁ」
一刀は襲い掛かってくる先頭の泥棒の腹に向けて腕を繰り出した。
「がはっ」バタリ
「あっあにきっ」
「まずい、逃げろー」
そういって他の泥棒達が別の方へ逃げ出した。
「逃がすかよ。おっちゃんこれら、借りるよ」
「おうよ。いっちょかましてやってくだせえ御使い様」
一刀は目の前の店に並んでた鍋を数個取ると上空に投げ上げ
「はぁっ『爆熱嵐』いっけぇ!!」
一刀は投げ上げた鍋にめがけ飛び上がり炎を纏った蹴りを放った。
すると蹴った鍋は炎を纏いながら泥棒達に向かっていき直撃した。
「すっ凄い、あれが今のご主人様の実力!?」
「特に最初に見せた技は凄いな。見切れなかったぞ。今のお館は少なくともあの頃の私より上だろう。お館も頑張られたのだな、私達の為に」
二人が一刀の実力に驚いていると
「ここか、泥棒が出たと言うのは!?こっこれは、それに貴方様はもしかして北郷様ですか?」
「そうだよ、ところで君は?」
「はっ、失礼しました。私は関平といいます。北郷様が天にお帰りになられてから仕官したものです。警邏隊を取り仕切っています。泥棒が出たと報告が来たので隊を率いて来たのですがもう片付けいてるみたいですね。みんな、こいつ等を連れて行け」
「了解しました」
一刀が倒した泥棒達を兵が連れて行くと
「お勤めご苦労様、関平。あれ、ひょっとして関平って俺がよく行ってた東区のラーメン屋のおやっさんの娘さんじゃあ?」
「!?おっ覚えていただけてたのですか!!感激です。あの頃はよく皆と天の遊びを教えていただいて遊んでいただいてました」
「やっぱりそうだったんだ。憶えてるよ。おやっさんは元気かな?」
「はい。まだ店を続けているのでお暇な時に行ってやって下さい。父も喜びます」
「そっか、分かったよ。そういえばもう暗くなってきたね。城に向かおうか」
「了解しました。周倉様から話は聞いてましたので皆でお祝いの宴の準備が出来ています。さあ、参りましょうか」
「そういえば、なんで関平は羅乾を様付けしているの?」
「はっ。それはですね、私は最初は周倉様の小隊に配属されました。今は昇進して将になりましたが私は周倉様を尊敬しているので今も敬語を使ってます。最も周倉様はああいう方なので今はお前の方が上官なんだから普通に話せと言われてますが」
「はは、そうか。羅乾らしいな。おお、遂に着いたか」
城に到着すると門の前に大勢の人が待っていてその前には懐かしい者達が待っていた。
「・・・みんな、長い事ゴメンね。やっとみんなの前に帰ってきたよ。俺はもう消えない。俺のいるべき場所はここだ!!」
「ご主人様。よーしそれじゃあ皆いくよぉせぇの「「「「「お帰りなさい。ご主人様」」」」」
今、一刀は本当の意味でこの世界に戻ってきた。
あとがき
少し遅れましたが璃々編アフター2話を投稿しました。
新キャラや愛紗の身に何かあったかは次に詳しく書きますので楽しみにしていてください。
後、先にキャラ設定を投稿してますのでまだ見ていただいてない方はよかったら見てみてください。
追伸 今回、羅乾の奥さんも出てますが気付きましたか?
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魏√風END璃々編アフター2話を投稿します。
今回は一刀の実力の断片が見れます。