第2話 悪党どもよ! 貴様らに祈る言葉は無い!
一刀が天和達と共に旅を始めてから数週間経つ。
一刀は天和達の旅芸人の付き人のようなことをして、天和達を手伝っていた。
地和「ねえ、一刀」
一刀「何だ?」
地和「あんた、見た目によらず力強いんでしょ。だったらその力でなんか簡単にお金を儲けるようなことをしなさいよ」
一刀「断る」
地和「何でよ」
一刀「俺のこの力はそんな金儲けに使うものでは無いからだ」
地和「そんなの誰が決めたのよ」
一刀「俺だ」
地和「何よそれ」
一刀「北斗神拳を使う者はそれが基本なんだ」
天和「よく分からないけど……」
人和「あなたの力は金儲けには使えないってことね」
一刀「そう言うことだ」
そうこうしているとまた別の村に着く。
そこには何やらよくない噂を耳にした。
一刀「黄巾党の首領、張角?」
村人A「ああ、何やら他にも張宝に張梁がいるらしいぜ」
村人B「この村に来なきゃいいけど……」
一刀「そうだな……」
一刀が村人から聞いたことを天和達に伝えた。
天和「何それ~」
地和「ちぃ達の名前を騙ってるってこと?」
人和「一刀さんが聞いた話からするとそう言うことね」
地和「でも何でそんなことする必要があるのよ?」
人和「理由の一つとしては自分達の正体をばらさないようにしているってことね」
天和「でも、私達が有名だから名前を使ってるってことだよね♪」
一刀「それは違う。しかし……」
一刀は拳を震わせていた。
一刀「天和達の名を騙るとは……俺が許さん!」
しばらくしているとその村に黄巾党がやって来た。
黄巾党兵A「ヒャッハー!」
黄巾党兵B「皆殺しだぜ!」
しかし黄巾党兵達の前に一刀が立ち塞がる。
一刀「おい」
黄巾党兵C「何だ手前は!?」
一刀「お前達に聞きたいことがある」
黄巾党兵F「何だ?」
一刀「お前達の頭は何と言う名前だ?」
黄巾党兵D「張角様だ! それがどうした!?」
一刀「そうか……。ところでお前達」
黄巾党兵A「今度は何だ?」
一刀「何故こんなことをする?」
黄巾党兵A「今は暴力の時代だからだよ!」
一刀「分かった……」
そう言うと、一刀は黄巾党兵の一人に拳をあてて、その黄巾党兵を破裂させた。
黄巾党兵D「な!?」
黄巾党兵C「何やってんだ手前!?」
一刀「あたぁ!」
一刀はまた二人の黄巾党兵を北斗神拳で倒す。
黄巾党兵A「貴様! 我らに刃向うことを……!」
一刀「はああああああああ! あったたたたたたたたたたたたた!!」
一刀はその場に居た黄巾党兵達を皆倒した。
天和「一刀…」
一刀「俺は行く。その張角達に会いに……」
そして一刀は歩きだし、それを天和達が追って行った。
それからしばらくして、一刀は黄巾党の本隊を見つけだすことに成功した。
一刀「ここに偽物がいるのか?」
人和「私が聞いたところによればね……」
一刀「しかし、良いのか? 君達も危ない目に……」
地和「まあ確かに危ないけどさ……」
人和「私達の名前を騙っている以上、私達が何もしないわけにはいかないわ」
天和「懲らしめてやらないと……」
一刀「そうか……。だが、危なくなったらすぐに逃げろ」
天和「うん」
一刀「じゃあ、行こうか」
そして一刀達は黄巾党の本隊の陣に潜入。
黄巾党本隊兵A「な、手前ら!」
一刀「ふん!」
一刀はその黄巾党の本隊兵の頭を突き、その突かれた兵は動きを止める。
地和「ねえ、何したの?」
一刀「俺と会った瞬間と今この時間の記憶を消しただけだ」
天和「そんなこともできるんだ」
一刀「経絡秘孔は人を殺すこともできるが、人を助けることもできる。
今突いた秘孔は記憶に関するものだ。
それより、行くぞ」
人和「ええ」
一刀達は敵に可能な限り見つからないように動き、敵の大将が居るであろう天幕前に着いた。
そして天幕に入っていった。
張角(?)「何だお主は?」
一刀「……こいつは……」
地和「ああ! あんた達は!」
張宝(?)「?」
天和「地和ちゃん、知ってる人?」
人和「天和姉さん。この人達は、少し前に私達に突っかかってきた人達よ」
張梁(?)「覚えていたか……」
一刀「やはりか……」
それは天和達が一刀達と知り合ってから少し経った時の事である。
一刀は食料を調達に出かけており、天和達はいつものように歌っていたら、天和達とは違う旅の歌芸人達三人が天和達に突っかかってきたのだ。
そして勝負として、どちらの歌の方が良いかと言うことで天和達とその芸人達が歌で対決したが、軍配は天和達に上がったのだ。
その時その芸人達は天和達を襲おうとしたが、その時一刀がやって来てなんとかその場は収まった。
一刀「お前達、ただの人間ではないな」
天和「どういうこと?」
地和「まさかちぃ達みたいに妖術とかを身に付けてるってこと?」
一刀「それもある。だが俺の言っていることは少し違う」
人和「どういうこと?」
一刀「お前達、あの後何を得た?」
張角(偽)「俺達はあの後、たまたま太平妖術と言う書を読んだ。そして妖術を見に付け、この拳法も身に付けたのだ」
そして偽物の張角達は何かの拳法の構えを取る。
一刀「その構え……もしや……」
張宝(偽)「死ね!」
三人はものすごい風圧の拳を一刀に当てる。
一刀は思いっきり後ろに吹き飛ばされる。
人和「一刀さん!」
地和「あんた大丈夫!?」
天和達が吹き飛ばされる一刀の元に駆け寄る。
一刀「大丈夫だ。しかし今のは……羅漢仁王拳だな」
張梁(偽)「ほう、この拳法を知ってるとは……」
羅漢仁王拳!
五千年の歴史を持つ古代インド拳法の殺人拳。
その破壊力は無限。だがあまりにも残忍獰猛な殺人拳ゆえ時の皇帝から禁じ手とされ、既に伝える者無いとされていた拳法である!
一刀「まさか太平妖術の書に書いてあったとは……」
張角(偽)「貴様も読んだことがあるのか?」
一刀「いや、無い。だがその拳法は知っている。悪魔の化身の拳法だと言うことをな」
張宝(偽)「ならばこの拳法の恐怖も知っておろう」
一刀「ああ。だが、貴様らに教えてやろう。俺の持つ北斗神拳は戦う神、すなわち闘神、インドラの化身であることを教えよう」
一刀は特別な呼吸をする。
そして一刀の体が上着のポリエステルの服以上に輝くように見える。
張角(偽)「何だそれは?」
一刀「北斗神拳奥義、転龍呼吸法!」
張宝(偽)「ほざけ!」
張角(偽)、張宝(偽)、張梁(偽)「「「風殺金剛拳!!!」」」
偽物の三人は先ほどとは違い、両手の掌を合わせて、一刀にものすごい風圧拳を浴びせ、先ほどよりも後方に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。
張角(偽)「はっはっは! さすがに今度ばかりは一巻の……何!?」
一刀は何事も無かったかのように立ちあがる。
張梁(偽)「馬鹿な!?」
天和「あんなに強く壁にぶつかったのに何で?」
一刀「最後まで聞かなかったから分からなかっただろうな。
この呼吸法の奥義は静から動に転じる時にある。そしてその奥義を見た悪人は死あるのみ!」
一刀は一気に偽物の三人に近づく。
一刀「北斗七死星点!!」
そして三人に体にリズムカルに拳を当てていく。
当て終わると三人の体が歪み始めていく。
一刀「呼吸法により極限まで力をため、貴様らの秘孔を突いた。
そして全ての肋骨を内側にへし折り、後は死…あるのみ」
張宝(偽)「なっなっ!」
張角(偽)「と、止めてくれ!」
一刀「俺を妖術でどうにか出来たらな……」
張梁(偽)「そんな……ぐっぎぁ、ぶべりゃあ!」
張宝(偽)「おろおろおろんぼぁ!」
張角(偽)「べ、べ、べりゃー!」
偽物の三人は破裂し消滅した。
一刀「悪党に……祈る言葉は無い!!」
そして偽物達が死んだことにより、兵士の大半が正気を取り戻し、自分達が何故ここに居るのかと考える。
一刀「このままでは混乱が増すな」
地和「私達に任せて!」
そう言うと地和が先頭に出て兵士達の前に立ち、歌い出す。
その歌声は今までのもの以上の心地よいもので兵士達は魅了された。
兵士A「はぁ~」
兵士B「なんて良い歌なんだ……」
天和「それじゃあね~、みんな~!」
そう言うと天和達は自分達の妖術で姿を消した。
兵士M「とりあえず……」
兵士K「帰ろうか……」
黄巾党の兵士達は気分がすっきりして、皆故郷へと帰っていった。
一刀達はまた旅に出た。
天和「ねえねえ、一刀」
一刀「何だ?」
地和「一刀って、前に北斗神拳で人を救うって言ってたわよね」
一刀「ああ。それがどうした?」
天和「だったら私達三人は歌で人を救おうかなって思ったの」
人和「一刀さんはどう思う?」
一刀は笑顔で答える。
一刀「とてもいいことだ。俺よりも良いかもな……」
四人は笑いながら旅を続けるのであった。
旅を続ける一刀。
そしてたどりついた都、洛陽。
そこには一刀の宿敵と呼べる女が居た!
次回、北斗の恋姫の拳
因縁の対決! 北斗神拳と南斗聖拳!
一刀「久しぶりだな、霞!」
おまけ
作者「ヒャッハー! 第2話だ!」
一刀「お前はどこのモヒカンだ!?」
作者「何を言う。北斗の拳関連が投稿とかされたらヒャッハーと言うのが礼儀なんだぞ」
一刀「そんなの知るか!」
作者「まあ次はいきなり北斗の拳第1部の完結部分だな」
一刀「展開速いなおい」
作者「でも次の話からは話そのものが少し長くなるぜ。そして次回はサプライズキャラの登場だ」
一刀「サプライズキャラってどんなやつだ?」
作者「俺の作品の性質を考えればおのずと分かるはずだ。ちなみに今は第6話を執筆中で少々事情により本来シリアスなはずなのにギャグ的部分があると言っておこう。
それでは…!」
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この作品では特に人が喋っていない部分には「北斗の拳」でおなじみのナレーションの声が出ているものと思ってください。
なお、可能な限り控えめにしておりますが流血表現があることをご了承ください。