第一話 Φ`s~ファイズ~
小学生の頃、ある先生が『皆の夢はなんですか?』なんて聞いてきた事がある。
漫画家、ミュージシャン、プロボクサー、教師、医者、何かの研究者、何処かの社長・・・。
他の連中があれになりたい、これになりたい・・・なんて事を言っているのを俺は椅子に座ってただ
黙って聞いていた。俺にはそれが羨ましかった、俺には人に自慢できる様な『夢』を持っていなかったから。
それは今でも変わない・・・。
だからなのかもしれない。生まれて十数年、俺は心から楽しいと思えた事が一度も無い。
ただ周りの流れに合わせるように、学校に行き、勉強して、友人と馬鹿な事をして、そんなありきたりな
日々でも楽しくはあれど、何処か物足りなくて・・・いつしかそんなつまらない日常に飽き始めていた。
もっと刺激的な毎日とまでは言わないけど、つまらない日常の中にほんのちょっぴり程度でもあれば、
きっと世の中が楽しく思えてくる、そう思っていた・・・。
「・・・・・・」
神様がそんな俺のそんな願いを聞き入れてくれたのか、それとも単なるいたずらなのか。
俺は今何処とも分からない場所に立っていた。広大に広がる大地・・・、今時珍しい境界線が視界一杯に
広がっている。道路も無い、標識も無い、店も無い、人もいない、何も無い場所に、俺はいた・・・。
そもそもどうして俺はここにいるんだ?ここに来るまでも経緯を思い出そうとするけど、いまいち
思い出す事が出来ない。試しに学生服の内ポケットにしまっていた携帯電話を取り出し画面を開く。
画面には圏外という文字が出ている。これじゃあ電話も出来ないし、メールも出来ない。
「はぁ・・・、何がどうなってんだよ」
憤りを溜息に変えて吐き出し、とりあえずこの場所から移動しよう・・・。通学に使用している紺色の
手さげの付いた何処にでも売っていそうなバッグを肩に掛け直した。
こことは少し別の場所・・・。
「兄貴!町の兵隊共が追いかけてきやすぜ!」
「ちっ!もう嗅ぎつけてきやがったのか!」
「ど、どうするんだなぁ!?」
「馬鹿野郎!逃げるに決まってんだろうが!ここで捕まっちまったら、これを盗んで
来たのが無駄になんだろうが!」
男三人組が町の中を必死になって走っていた、正確には逃げていた。三人組のうち背が低い男は脇に
全体的に紺色の手さげのついた・・・、比較的バッグの形に近い袋を抱えていた。通りを行きかう人ごみを
かき分け、後ろから追いかけてくる武装した者達に追いつかれまいと、外に繋がる街の門へと向かっていく。
何時間か歩いていると、やっと町らしい場所に辿り着いた。歩き過ぎてもう両足が悲鳴を上げている。
町と言うにはまるで時代劇にでも出てきそうな感じだ。人の服も随分と貧乏臭いし、車のような物さえ
見受けられない。・・・正直、一刻も早く自分の状況を知りたかった。
町らしい場所に近付いて行くと、大袈裟な門が俺の前に立ちはだかる。
「でっか・・・」
その門のでかさに圧倒される・・・。今時、こんなでかい門なんて何処かの富豪の家にしかないぞ。
「おい、お前!」
「え・・・?」
でかい門を見上げていると、声が掛かった。俺は声した方に顔を向けると、そこには俺と年が近い感じの男が
そこにいた。しかし、この人、何だか変な格好をしている。頭に髑髏の様な形を模した兜を被って、
少しファンタジーな世界に出てきそうな兵士な感じの格好をしている。コスプレか何かなんだろう・・・。
しかし、それにしては良く出来ているな・・・。何処となく使い込んでいる感じを醸し出していて、手に持って
いる槍何て丸で本物にしか見えない。
「お前、見る限り怪しいな・・・。名前は?」
「はっ・・・?怪しいって、俺が?」
どちらかというとあんたの方が怪しい気がするんだけど・・・。
「他に誰がいるっていうんだ?そんな白く光っている見た事も無い服を着ているお前以外に」
「見た事も無いって・・・、ただの学生服でしょ?」
そりゃ確かに白い学生服っていうのも珍しいかもしれないけど、怪しいとまで言われる事のものでも
ないだろう?
「学生服・・・?と言う事は、お前は何処かの私塾の関係者なのか?」
「私塾?いや、自分・・・聖フランチェスカ学院出身です。はいこれ、学生証です」
俺は胸ポケットにしまっていた学生証を見せる。コスプレ兵士の人はそれを疑わしそうに色々な方向から
学生証を見る。いや、そんなに珍しいものでもない気がするけど・・・。
「・・・怪しい。貴様!さては妖術使いか!」
突然、態度を変えたかと思えば、今度は手に持っていた槍を俺に向ける。槍の先端が俺の眉間に向けられ、
俺は堪らず後ろに仰け反る。
「え!いや、ちょっと待て!?どうしてそう言う事になる?俺は北郷一刀!東京の浅草出身!
聖フランチェスカ学院2年!その辺にいる学生だぞ!」
「貴様のような男がその辺にいるものか!詳しくは詰所で聞く!!」
「ちょっと待ってくれ!一体何の事だよ!?コスプレで確かに雰囲気が出ているけど、これは少し度が
過ぎているぞ!」
「こすぷれぇ・・・?またわけのわからない言葉を使いおって!さては妖術の呪文だな!?
何をする気だ!?」
「だからふざけるのも対外にしろって!お前、さっきから何を言っているんだよ!?
何が妖術だ!俺は・・・」
「馬鹿野郎!てめぇ、どきやがれ!」
「え?」
コスプレ兵士の男と口論していたせいで声に反応するのが遅れてしまい、俺達は門から全力で飛び出して来た
男3人組と真正面からぶつかってしまった。
「「「「「うわぁあああっ!!!」」」」」
俺とコスプレ兵士と3人組はぶつかった事により地面に入り乱れて倒れてしまう。
この時、肩にかけていたバッグが肩から外れてしまった・・・。
「い、てて・・・」
倒れた際、頭をぶつけてしまった俺は頭を手でさする。
「っつぅ・・・おい!一体何処に目ぇ付けていやがんだ!?」
すると、ぶつかって来た3人組の一人、背の高いちょび髭の男が声を荒げてこっちに因縁をつけてくる。
「何だと!それはこっちの台詞だ!」
コスプレ兵士の人も何をと言い返す。全くその通りだと俺も加勢して口論する。
「んだとぉ!」
「あ、兄貴!そんな連中に構っている場合じゃないって!!」
「んだぁ!早く逃げるんだなぁ!」
「・・・ちぃ!そうだった!・・・てめぇ等!運が良かったな!」
ちょび髭の男は他の二人に急かされる様にして、地面に落ちていたバッグを拾い上げるとその場から慌てて
去って行ってしまった。
「・・・何だったんだ?」
3人組の背中を見送りながら、落としてしまった自分のバッグを拾い上げる。
「おい、そこのお前!」
「・・・?」
今度は気の強そうな女の子が立派な馬に乗ってまま声を掛けてくる。オールバックの腰まである長い髪が
特徴的だ。
「夏侯惇将軍!」
コスプレ兵士の人はそう言うと、その場で身を低くして頭を下げる。・・・って、待て。
今こいつは何て言った?
「すまないが、ここを3人組の男達が通ったと思うのだが、見ていないか?」
俺はとりあえず彼女の話を聞く。・・・3人組って、やっぱりさっきの連中の事、だよな?
「もしかして背が高いのに、太ったのに、ちびの・・・?」
「そうだ、知っておるのか!」
「あの連中なら、慌ててあっちの方角に走って行ったけど・・・」
「そうか!良し、では行くぞ!後に続けぇ!!」
「「「応ぉぉぉおおおっ!!!」」」
彼女の声に合わせて、野太い声が何重に重なって聞こえる。そして彼女は俺の示した方角に馬を向け走らせる
と、その後ろにコスプレ兵士と同じ格好した人達が何十人も付いて行く・・・。
「・・・駄目だ、もう何が何だかわけが分からない・・・」
次から次へと・・・正直、発狂寸前だ・・・。何がどうなっているんだ・・・?
そういえば、さっき夏侯惇って・・・。
「なぁ、さっきの女の子・・・、何て言うの?」
俺は確認の意も込め、コスプレ兵士に尋ねてみる。
「何!?貴様、知らないのか!あの方は・・・ここ、陳留を治める刺史、曹孟徳様の臣下であり、その名を
聞けば無く子も黙る、夏侯惇将軍だぞ!」
「・・・・・・」
俺はあまりも唐突な展開に頭を抱える・・・。夏侯惇に、・・・曹孟徳?何だよ、それ?
俺はいつの間に時代劇の撮影に巻き込まれてしまったのかよ?冗談・・・、かとも思ったが、
どうも嘘をついている様子がまるで無い。
俺、一体どうなっちまったんだよ。もう、誰か教えてくれ・・・。そんな風に心の中で誰かに
助けを求めていた。頭の中がぐちゃぐちゃなそんな俺の前に今度はさっきの娘とは別の二人の
女の子が馬に乗ってやって来た。
「そこのあなた」
「俺・・・?」
二人のうち、比較的に背が低く、加えて両脇にくるくる巻きのツインテールの金髪の娘が
多分俺に話しかけてきた。
「そう、あなた・・・。今、肩にかけているものの中身を確認させて貰ってもいいかしら?」
そう言って、俺のバッグを指さす。
「・・・何で?」
俺は当然の反応を返す。
「先程、ここを三人組の男が通り掛かったでしょう?私達はその者達を
追っているのだけれど・・・」
「三人組なら、さっき来た人に話したよ。話すとすぐに追いかけていったけど・・・」
「そう、春蘭が・・・。秋蘭」
「はっ!ではこれより先行した姉の補佐に向かいます」
金髪の娘より一歩後ろにいた片目が髪で隠れた・・・、さっきの女の子と色違いの
格好した女の子がその場でお辞儀をすと、さっきの女の子が行った方向に馬を走らせていった。
「曹操様!先程の三人組を追いかけていると仰られていましたが、連中は一体何を
しでかしたのですか?」
と、コスプレ兵士がこの娘に尋ねる。・・・って、何?曹操だって?この娘が曹操・・・?
さっきの女の子といい、これは何の冗談だ?
「それを話す前に、・・・もう一度だけ言うわよ?あなた、その肩にかけているものの中身を
改めさせて貰うわ」
「・・・・・・」
自分より頭一つ分小さい女の子。だけど、俺を見るその目は年相応の女の子の可愛いもの
なんかじゃなく、今俺はその鷹の様な目に射抜かれ、思わずたじろいでしまう。俺はその目が
怖かったので、ここは素直に言われた通りにバッグを肩から下ろし、彼女の前で中身を見せようとした。
「・・・あれ?」
このバッグ・・・、俺のじゃない?俺のバッグにはチャックが付いているはずなのに、このバッグには
そんなのは無く、紐で縛った巾着袋のようなバッグ。俺は急いで中身を確認しようと紐をほどいた。
「何だこれは・・・?神器はどうしたんだ?」
男は三人組が持ってきたバッグの中身を見た途端、機嫌を悪くする。中に入っていたのは、神器ではなく、
一刀の所有物、教科書、筆箱、財布・・・といった学校に持っていく荷物。肝心のものが入っていなかった。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!これは何かの間違いだ!!」
「そ、そうなんだな!」
「はっ!そうだ、あん時、ぶつかった時に・・・!」
「そ、そうだ!あの時ぶつかった白い服の餓鬼とぶつかった時に間違えて持って来ちまったみたいだ!」
その発言が男の怒りを余計に煽る形となってしまった。
「貴様等・・・」
「おい!そんな怖い顔するなって!すぐに取りに・・・!!」
「この、役立たず共がぁ・・・!んんぬぅぅぅううううううおおおおおおおおおっ!!!」
腹の底を響かせた雄叫びが上がると、瞬間・・・男は別の姿へと変貌した。
「ひ、ひぃいい!?何だこいつ・・・!」
「ば、化け物だなぁあああっ!!」
「助けてくれぇえええっ!!!」
三人は目の前に現れた化け物から一目散に逃げ出そうと後ろを振り返ろうとした。
ザシュッ!!!
「ぎゃぁああああ・・・っ!!!」
ザシュッ!!!
「うぎゃぁあああ・・・っ!!!」
ザシュッ!!!
「んだぁああああ・・・っ!!!」
三人は断末魔の様な悲鳴を上げて、その場にうつ伏せに倒れる。
「ふぅむ・・・、どうやらしくじってしまったようですねぇ?」
いつからそこにいたのか、化け物の背後に立つその眼鏡の男が、わざとらしい困った顔をして化け物に
話しかける。自分の後ろに立つ男に存在気付くと、化け物は再び人間の姿に戻る。
「白い服の餓鬼・・・、そいつが神器を持っているらしい」
「ふっ・・・、白い服を着た者などいくらでもいると思うのですが、どうでしょう?」
「・・・・・・」
「・・・ふふっ、そんなに怖い顔をなさらないで下さい。こちらとしても神器は何としても手に入れて
おきたいのです。あなたが神器を手に入れるためには私も協力は惜しみません」
そう言い終えると、眼鏡の男は裾の中から透明な水晶玉を取り出す。
「『透』!」
眼鏡の男が水晶玉にそう叫ぶと、水晶玉が白い光を放ち輝き出す。すると、水晶玉の中に一人に人物が
浮かび上がって来た。
「北郷一刀・・・。それがこの青年の名前です。今、神器は彼と曹孟徳の元にあります。・・・どうやら
側近の二人はその場にいない様ですから、狙うなら、絶好の機会でしょう」
「北郷、一刀・・・」
眼鏡の男の説明を受け、男は青年の名前をだけを呟き、その場から去っていった・・・。
俺は今、色々な経緯があって町のとある建物の中にいる。一つの部屋に案内された俺は中に置かれていた
椅子に座り、机の向こうにさっきの女の子・・・曹操が座っていた。一つ屋根の下で女の子と
二人っきり・・・、とそんな甘いシチュエーションというわけでもなく、これはまるで警察ドラマに
ありそうな尋問部屋に二人っきり状態。ちなみに、机の上にはさっきのバッグから出てきた
箱のの様な物が分かる様に置かれている。ここまでくれば、分かるだろうと思うが、結局・・・
あのバッグは俺のものでは無かった。その証拠に俺の教科書やら財布やらが出て来ないで、
代わりにこの箱だけが出てきたのだ。
「・・・まあ、あの不届き者からこれを取り返す事が出来たのだから。結果としては良し、と言いたい
所なのだけれど・・・」
話の途中で、曹操は俺に目を向けてくる。
「・・・北郷、一刀・・・だったかしら?」
「・・・はい」
曹操はその箱では無く、俺の方に関心がある様だ・・・。
「あなたの出身は?」
「日本東京都浅草」
「聞いた事のない地名ね。それは一体どこにあるのかしら?」
「・・・すまん。俺はここが何処か分からないから、何処にあるのか分からないんだ」
「そう・・・、ここは陳留。?州の国境付近に位置する町よ」
「は・・・っ?」
聞きなれない地名に俺は反射的に口を開いた。・・・いや、さすがの俺でもここまできて何も分からないと
いう状況にあるわけじゃない。曹操と言い、夏侯惇と言い・・・知っている奴ならば、知っているであろう
有名な名前だ。そういった知識は俺もある程度は知っている。ただ、それを受け入れるには、今の俺は素直に
なれていないだけだ、と思う・・・。
「あの、一応確認させてほしいのだけど、君の名前は・・・曹操、なんだよね?」
「・・・えぇ、あなたの言う通り。私は曹孟徳、この街の刺史をしているわ」
少なくとも、彼女の名前が曹操だと言う事は間違いない。それはいい。問題なのは、彼女が女だという事だ。
俺が知っている曹操は男だ。・・・男だったのであれば、もっと素直にこの状況を受け入れる事が出来ただろう
に・・・。
「今度はこちらが質問しても良いかしら?」
「はい・・・」
「あなたはどうしてこの町にやって来たの?」
「・・・気が付いたら覚えのない荒野のど真ん中にいて、仕方が無く歩いていたらこの町に・・・」
「ならば、どうしてあなたは荒野にいたの?」
「・・・分からない。どうして俺があそこにいたのか・・・、前後の記憶がないから」
「・・・困ったものね。こちらはあなたの質問にちゃんと答えていると言うのに、あなたは分からないの
一点張り。ここに春蘭がいれば、拷問に掛けさせたいのだけど・・・」
笑いながら物騒な事を言う彼女の目は冗談を言っているじゃないわけで・・・。
「・・・・・・」
どうする俺?ここで何となく分かった事を喋るか・・・?でも、そうだという確証はないし、そんな話を
信じて貰えるかどうかも怪しい。何にせよ、このまま話が進まないのは、よろしくない・・・。
「・・・埒が明かないわね、本当に」
はぁ・・・とわざとらしく溜息をつく曹操。
今の現状から、恐らく俺が立たされていると思われる可能性・・・、それはタイムスリップ。現代から
ある原因で、2000年以上も昔の中国、三国時代にやって来てしまったというもの。逆にこれしか考えられない
のだが、もしそうなら、どうして曹操が女の子なのか?となれば、単純なタイムスリップとは違う。一種の
パラレルワールド(平行世界)に迷い込んだという可能性も上げられる。それともタイムスリップとパラレル
ワールドを同時に体験しているのかもしれない。何にしても、決定的な証拠がない。
でも、この状況を打破するために一か八か全てを打ち明けた方が今の俺に出来る唯一の方法。それに幸い、
ポケットにはペンや小銭、・・・携帯電話が入っている。それを見せれば、少しは信用してもらえる可能性が
あがるはずだ。
「あの・・・」
俺は思い切って打ち明けて見ようと決心する。
「あら、ようやく話す気になったのかしら?」
「実は俺・・・」
ピロピロピロ―――ッ♪
その時、・・・俺の携帯の着信が鳴った。
「ならば、ここに連中が逃げ込んだのは間違いないのだな?」
「はっ!ここに賊が逃げ込んだ所を目撃したという証言が出ています。恐らく間違いないものかと」
「うむ、承知した。下がって良い」
そう言われ、兵は一礼し隊列へと戻っていく。
町から少し離れた森・・・、その入り口前にて、夏侯惇、夏侯淵は城からある代物を盗んだ、あの男三人組
を捕えるために数十名の部下を引き連れ、そこにいた・・・。二人は部下を使い、森の中に逃げ込んだ賊を
捕まえようと指示を出そうした時である。
「・・・誰だ!?」
森の中から不穏な気配を感じた夏侯淵は後ろを振り返ると、そこには、森から出てくる男。長身のちょび髭
が特徴の例の三人組の一人であった。・・・しかし、どうにも様子が明らかにおかしい。疲弊しているのか、
その足取りは拙く、その視線も定まっておらず、上向いている。夏侯惇は部下に指示を出し、
男の周りを囲ませた。
「貴様、他の二人はどうした!」
腰に携えていた自分の太刀を鞘から抜き、その切っ先を男に向けるが、男の視線は今だ定まっていない。
「おい!聞こえているのか、貴様!!他の二人は・・・!」
「ば、化け物・・・」
「なに・・・?」
いきなり口を開いた男にもう一度尋ね返す。
「・・・あれは、化け物だ・・・」
「何を言って・・・、っ!?」
突然男が崩れ去る。身体全身が灰色に変わると、たちまち燃やした後に残る灰へと変わり、足元からその場に
崩れ落ちていく。
「な・・・!?」
「これは・・・!?」
困惑を隠せない二人。当然、部下達も何が起きたのか分からない。そこに残ったのは男が身に着けていた服と
つい先程まで男であった灰のみとなった。
ピロピロピロ―――ッ♪
突然俺のズボンのポケットに入れていた携帯電話が鳴りだす。こんな時に・・・、タイミングが悪いぞ。
俺はポケットから携帯を取りだす。俺のは携帯は折り畳み式なので、電話をするためには開く必要がある。
「ちょっと待っててくれ」
曹操にそう言うと、席を立って彼女に背中を向けて、画面を見る。・・・どうやら非通知のようだ。
画面には番号のみが表示されていて、俺が電話に出るのを待っている。通話ボタンを押し、耳に携帯を
押し付ける。
「もしもし・・・」
『・・・・・・』
電話は繋がっているようだが、向こうから返事が返ってこない。
「もしもし・・・?」
「・・・―――」
ブツッ―――、ツ―――、ツ―――、ツ―――・・・・・・・・・・・・
向こうが何かを言いかけた途端、突然通話が切れてしまった・・・。向こうが切った様だけど、間違い電話
だったのか・・・?
「・・・・・・・・・あれ?」
ここで俺はようやく気付く。いや、電話が掛かってきた時点で気付くべきだろう。
どうして電話が掛かるんだ?ここは大昔の中国なんだぞ、携帯、ましてや電話のような通信機器が
あるはずがない。つまり、この世界でこの携帯に電話出来るはずは・・・まずない!なのに、
どうして・・・!
「・・・そうだ、着信履歴に・・・!」
俺は着信履歴で今の非通知の番号を確認すると、そこには確かに残っていた。確認すると言う意味でも、
俺は急いでそこに電話を掛けるために通話ボタンを押した。
ピ―――ッ♪
「・・・っ!」
何の嫌がらせか、タイミング良くそこで携帯のバッテリーが切れる。空しい電子音がしばらく鳴り、そして
画面は真っ黒になってしまった。バッテリーが切れてしまった以上、もう確かめる事も出来ない。俺は舌打ちを
しながら席へと戻る。
「今のは何だったのかしら?」
曹操は疑惑の目を俺に向けてくる。そりゃそうだ・・・、、この子から見れば、一人で喋っている滑稽な
光景にしか見えない。は・・・と溜息を吐きながら、死んだ携帯を机に置いた。すると、曹操は俺の携帯に
目を向ける。
「・・・これは・・・!」
と目を大きく開いて驚き、俺の携帯を手に取る。携帯電話はこの時代じゃ珍しいものだとは思うが、
彼女の反応はそれとは少し違うような気がする。曹操は俺の携帯を手に取って、くまなく
調べると・・・。
「・・・あなたも神器使いなの?」
「じんぎ・・・?いや、それはただの携帯電話だけど・・・」
と言うか、何だそのじんぎって?言葉からして神聖な感じだけど・・・。
「けいたい、でんわ・・・?」
聞きなれない単語なんだろう、曹操は俺の言った単語をそのまま返した。
『ぎゃぁあああああああああ・・・っ!!!』
「「っ!?」」
その時、部屋の外から悲鳴が聞こえてきた。今度は何だって言うんだ?
すると、曹操は机に置いてあった箱の取ってを取ると、一目散に部屋を飛び出して行った。
「あ、おい・・・待てって!」
俺も曹操の後を追って、部屋を飛び出した。
部屋から外に出れば、そこには長く伸びる廊下。一刀がいた部屋は廊下の突き当たりの横にあり、
その反対側の曲がり角。一人の兵士が廊下の上で横たわると、その身体は瞬く間に灰と化し、人としての
原形が無くなる。その灰を容赦なく踏みつけ、曲がり角から出てくる。部屋から飛び出した曹操は廊下に
出ると右、左と見る。
「一体何だって言うんだよ?」
俺も遅れて廊下に出るが、曹操は俺なんかに目もくれず、周囲を警戒している。すると曲がり角から男が
出てくる。どうやら向こうも俺達に気付いたようだ。だが、その視線は曹操の手にある箱に向いている
様に、俺には思えた・・・。
「神器を渡せ・・・!」
またじんぎって言葉が出てきた・・・。
「・・・んんぬぅぅぅううううううおおおおおおおおおっ!!!」
男が雄叫びを上げる。すると、男の顔にもう一つ別の顔が浮かび上がり、そして男は一瞬にしてその姿が
全く別のものへと変わった。
「うわっ!?な、何だ、あれ・・・!」
俺はあまりの事に腰を抜かして、情けないけどその場に尻餅をついてしまった。
「ついに現れたのね、・・・”オルフェノク”!」
オルフェノク・・・、曹操はそう言った。目の前の化け物の事なのだろうとは俺にも分かったが、
さっきまで普通の男だったそれは今は・・・、全身灰色の象の姿を模した、化け物以外の何者にも見えない。
化け物はゆっくりとこちらへと近づいて来る・・・。
「ど、どうするんだよ・・・!」
「・・・止むを得ないわね」
曹操はそう言うと、手に持っていた箱を廊下に置くと、箱に付いていた鍵を開け、箱を開けた。
「何だそれ?・・・ベルト?」
箱の中にはいくつかの道具らしいものがビシッと敷き詰められていて、その中でも一番大きい道具。
俺にはそれがベルトに見えたが、そのデザインがあまりにもメカニックで三国時代と言うより、現代の
物に近い雰囲気を醸し出している。やっぱりここは現代じゃないのか?だがそれは先程の話で有り得ない
事は分かっていたけど、この道具は明らかにこの時代も物ではないだろう・・・。
「こっちは・・・携帯?」
ベルトの少し上には何か携帯らしい長方形の箱が敷き詰められている。表面に丸いマークが印象的だけど、
これもまた随分と時代錯誤な物だ。曹操はそれも見ても別に驚くわけでもなく、当たり前の様にベルトと
携帯を取り出した。
「お、おい!何をする気なんだ?」
「黙って見ていれば分かるわよ!」
俺の質問に答えず、曹操はベルト腰に巻いて固定する。やっぱりそれはそう使うのか。そして携帯に似た
それはどうやら折り畳み式の様で開くと、何か押し始める。これもやっぱり見たまんま携帯電話なのか?
けれど、この時代にそんな物があるわけがない。そんな事を考えている俺を余所に、曹操は再び携帯を閉じ、
今度はそれを握ったまま高く振りかざす。
「変身!!」
そう言って、曹操は携帯をベルトの真正面部分にセットさせる。どうやらこの二つは合体させることが
出来る様だ。一体何が始まるのか、俺は唾を飲んでそれを見届けようとした・・・が、突然、携帯をセットした
ベルトから赤い光が漏れだす。
「え!?そんな・・・きゃあ!」
曹操は何かを言おうとした途端、俺にはベルトが曹操を弾き飛ばしたように見えた。ベルトは大きな音を
立てて地面に落ち、曹操は後ろの壁にぶつかる。
「お、おい、大丈夫かよ!」
曹操の横に駆け寄り、顔を覗き込むと苦痛に歪んだ顔が見える。一方、ベルトは地面に落ちているまま、
化け物はゆっくりとベルトに近付いて行く。
「・・・・・・っ!」
曹操とベルトを交互に見ていた俺は、やけくそ気味にベルトを慌てて取りに行く。俺は奴の手が届く前に
ベルトを取り上げて急いで距離をとる。とりあえず、これを狙っているのだから渡すわけにはいかない・・・
はず。とはいえ、案の定化け物は俺に近付いて来る。やっぱりこれが目当て なんだろうなぁ・・・。
これを持って逃げだす、それとも素直にこれを差し出して命乞いするか、ゲームのの様な選択肢が俺の頭に
浮かびあがる。・・・だけど、どうしてなんだろう。正直この時の俺の取った選択は今になっても分からない。
この時、俺が選んだのは空白の三つ目の選択肢だったんだ・・・。
「俺は・・・」
俺は意を決してベルトを腰に巻く。俺のそんな思いがけない行動に化け物も立ち止まる。
そして次に俺は携帯を開く。中はこれもまた携帯そのもの・・・ただ、ボタンと思しきその黒い凸の部分
には壱弐参・・・とこの時代の文字が使われているのに、あぁやっぱりこの時代の代物なんだなぁと一人
納得する。俺は曹操の手順を思い出して見る、確か・・・彼女は5のボタンを3回押していたはず。だから
俺も5・・・、つまり伍のボタンを三回押す。最後に決定と書かれたボタンを押して、再び閉じると俺は
携帯を高く振りかざす。
「変身っ!!」
俺は携帯をベルトにセットする。
「止めなさい!それはあなたが使える代物では・・・!」
曹操が何か言おうとしていたけど、無我夢中だった俺には良く聞こえなかった。すると、先程とは違い
ピコーンという機械音が聞こえ、ベルトから赤い光が上半身、下半身それぞれに二本ずつ伸びていく。
「って、な、何だこれ!?」
光はラインとなって残り、俺の体を包み込んでいく。そして今度は赤い光が、俺の全身を包み込んだ。
「・・・変身・・・できた?」
曹操は呆然したままその光景を見届ける。光が消えると、俺の体は鎧の様ながっしりとした物に包み
こまれていた。
「・・・・・・こ、これは?」
そのメカニックなデザインの鎧、まるで子供のころ見ていた特撮のヒーローのような、そんな姿・・・。
俺はそれになっていた。この状況の中、俺は何処かそんなヒーローになれた事に高揚感を感じていた。
「・・・ヌォオオオオオッ!!!」
立ち止まっていた化け物が雄叫びを上げ、俺に向かって来た。
「・・・はっ!」
俺は自分に気合を入れるために、適当に格闘家みたいなポーズを決めて、化け物に仕掛けに行った。
「はっ!やぁっ!」
ドガァッ!!!ドガァッ!!!
俺は化け物よりも先に攻撃を仕掛けていく。走り込みからの連続パンチが化け物に決まる。
だが、当の化け物は何のそのという感じで、その太い腕から放たれたパンチを顔面に喰らう。
ドガァッ!!!
「うぅっ!!」
顔面に喰らって頭が揺らされる。平衡感覚が無くなった俺の体はふらつき、さらに象の化け物の追撃を
許してしまった。
「ファアッ!!!」
ドガァッ!!!
「うわぁあああっ!!」
成す術も無く、パンチを喰らった俺の体は吹き飛ばされ、そのまま壁に激突、壁を突き破って建物の外へと
飛び出す。俺は頭を手で支え、体勢を整えようとする。化け物は壁の穴からのっそりと出て来ると、今度は
向こうから仕掛けてきた。
「ブワァッ!!」
その太い腕を大きく振り回す。
「・・・やぁッ!」
ドガァアッ!!!
「ヌゥ・・・ッ!」
俺は咄嗟に蹴りを放つ。化け物の拳より先に、俺の蹴りが化け物の腹に蹴りが決まり、
化け物は後ろにたじろぐ。
それを逃すまいと、さらに追撃を決める。
「らぁッ!!おらぁッ!!」
ドガァッ!!!ドガァアッ!!!
今度はさっきよりも前に踏み込んで、拳に体重を乗せたパンチを決める。化け物も堪らず
後ろへと身を引いた。
「はぁあああっ!!!」
距離を一気に詰めるために地面を一杯に駆けだすと、その勢いを乗せた渾身の右蹴りを放った。
「グァアアアッ!!」
蹴りを受けた化け物は後ろに吹き飛ばされ、その先に立っていた物置小屋の様な小汚い小屋に激突した。
「はぁ・・・、はぁ・・・」
凄いな、これ・・・。まるでバットマンやスーパーマンみたいだ・・・、そんな事を思いながら、上がった
息を整えていると、壁の穴から曹操が出てきたのに気付いた。俺は曹操の方に身体を向けようとした時・・・。
バッゴォオオオッ!!!
「・・・っ!?」
物置小屋から大きな物が飛び出してくる。それは象の化け物だったけど、下半身が象の体に変化し、首から
先が上半身になっていた。何があったか分からなかったけど、さっきよりもかなり巨大化していた。
「フンゥッ!!!」
前脚2本を大きく浮かし、地面を思い切り踏むと、地面を蹴って俺の方に突撃してきた。
「うぉわぁッ!?」
突撃してきたそいつから逃げるために横へと逃げる。空振りした奴はその勢いを止める事が出来ず、必要
以上に前進してしまった。どうやら小回りが利かないようだけど、あんなでかい奴を相手に
出来るとは到底思えない。
「・・・そうだ!」
何かを思いついたのか、曹操が箱から別の道具を取り出すと、俺の方に駆け寄って来る。
「・・・ん?」
何をするかと思いきや、曹操は携帯の表にくっ付いていた丸のマーク。どうやら横にスライドさせると取れる
ようで、取り外した丸のマークを持ってきた道具・・・、ポインターのようなそれにくっつける。すると、
ポインターの先が少し延長し、曹操はそれを俺の右足の踝より少し上に合体させる。そして次に携帯を開くと、
決定を書かれたボタンを押す。すると、携帯から赤いラインを辿る形で右足に向かって赤い光が流れていく。
そして、光は右足にセットされたポインターに到達すると、ピコーンという音が鳴った。
「・・・何したんだ?」
「良い、あなた!これで・・・!」
「・・・っ!危ない!」
俺は急いで曹操を突き飛ばす。
「きゃぁっ!?」
ドガァアアアッ!!!
「うわぁあああっ!!」
彼女を突き飛ばした直後、俺は方向を転換し、再び突撃してきた象の化け物にぶつかった俺は吹き飛ば
されてしまった。
「ぅ、く・・・」
俺が突き飛ばした曹操は無事に化け物の突撃から逃げられたようだが、化け物は曹操に狙いを定めた。
曹操もそれに気付き、急ぎその場から逃げ出す。
バッコォオッ!!!
曹操が立っていた場所に化け物の前脚が振り下ろされる。曹操は建物の壁に背を向け、逃げ道を探す。
だが、逃げるには化け物が邪魔だった。
「グワァアッ!!!」
化け物は再び曹操に突撃を仕掛けるも、そこはあの覇王、曹操孟徳・・・タイミングを計って横に避ける。
すかしした化け物は急停止が間に合わず、そのまま壁に派手に激突、壁の大部分が崩壊し、瓦礫と化し崩れる。
その瓦礫が曹操の頭上に容赦なく落ちてくる。
「・・・くっ!」
次々と落ちてくる瓦礫・・・、曹操はその瓦礫の中に姿が消えてしまった・・・。
「・・・ぐ、くそ・・・!」
ふらつく頭を手で支えながら家の中から表に出て来ると、象の化け物のせいで原形をとどめて
いない建物の横で曹操が倒れているのに気付いた。しかも瓦礫に足を取られ、身動きが取れない模様。
このままだと、曹操が奴に踏みつぶされてしまう。すると、曹操が俺に気付く。
「早く奴に向かって蹴りを放つのっ!!」
蹴りって・・・、つまりこの右足で奴にキックを決めろって事だよな・・・。けど、あんなでかい奴を
蹴っただけで倒せるのか?俺は右足を見ながら戸惑う。その戸惑いに気付いたのか、曹操はこちらを睨み
つけてくる。
「・・・早く、一刀っ!!!」
「!」
その言葉が、俺の戸惑いを吹き飛ばし、俺は・・・右足を後ろ足にして身を低くし、化け物に向かって
走り出す・・・!
象の化け物は俺には気付いていない。曹操の方に注意が向いている。後ろからだなんて卑怯な気もするが、
そんな事は今は考え捨てておく。今は奴を倒す事だけを考える・・・。
「はぁっ!」
俺は助走から今度は飛び上がる。自分でも驚くほど高く飛び上がり、あっという間に化け物の頭上を
飛び越える。最高まで飛び上がると、ぐるっと一回転、右足を奴に真っ直ぐに伸ばす。すると、右足に
セットされたポインターから一筋の赤い光が奴に向かって飛ぶ。すると、奴の手前で光が三角錐の様な
形に展開する。三角錐の頂点が奴の動きを抑え込んでいるのか、途端動きが鈍くなる。展開した赤い光は
何か文字の様なものが浮かんでいるようだが、俺には全く読めない。けど今はそんな事はどうでもいい。
俺は右足を伸ばした体勢のまま、その光の中へと飛び込んでいった。
「やぁあああああああああッッ!!!」
ドスゥ――――――ッッ!!!
「・・・・・・ッ!?!?」
光の中に飛び込むと、光は高速回転して、象の化け物に刺し貫くように突っ込んでいく。三角錐の赤い光
は俺ごと頂点を起点として奴の体の中に入り込み、俺は吐き出されるように反対側へと飛び出す。
「はっ・・・!」
俺は地面に着地すると、後ろを振り返る奴の背中から赤い記号の様なもの(Φ)が浮かび上がった。
「グワァァァアアアアアアアアア・・・ッッッ!!!」
象の化け物の体がいきなり灰と化し、青い炎を上げてその場に崩れて去り、残ったのは
灰だけとなった・・・。
「大丈夫か?」
瓦礫をどかしながら、俺は曹操に話しかける。
「えぇ・・・何とか、ね」
「そっか」
それだけを言って、俺は曹操の前に手を差し伸べる。曹操は差し伸べられた手と俺を交互に見ると、ちょっと
だけ頬笑みを俺に返し、俺の手を取ってくれた。
―――この時を境に、俺の日常は非日常と化し、非日常が日常となった・・・
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こんばんわ、アンドレカンドレです。
もし、僕が恋姫無双×仮面ライダー的なものを書いたのならば・・・。的な物を投稿します。今まで書いてみたいと思って、試しに書いてみました。このサイトにもこう言った物が見受けられますが、どこぞの作品の様に仮面を被っていない仮面ライダーは出ないし、どこかの作品の様に主人公が複数の仮面ライダーにもなりません(555と限定しているしねwww)。
僕も仮面ライダーは好きなのですが、恋姫をクロスさせようというのは、やはり無理があった様です。これを書くのに、世界観の設定から原稿完成に2ヶ月以上かけたしまった・・・orz
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