No.131103

鬼畜王文台 蘇りし虎は桃園を荒らす 14 第十三章十四節

Degradationさん

注意・免責事項については、[01 第六章IF]の注意書きをお読みください。

上記内容にすべて同意された方のみ、
本作品をご覧になられることをお勧めいたします。

2010-03-20 02:57:51 投稿 / 全15ページ    総閲覧数:5107   閲覧ユーザー数:3817

馬騰のモデル: 幻想水滸伝IIより ロウエン

 

 

呼厨泉(智多星呉用)のモデル: 無印恋姫 絵巻 その他 最上段右端

魔道士が集結している、干吉が左上 左慈が中央やや上の画像内に同席している、

右下、白髪初老のピンディーを付けた道士服の男性

 

 

 

第十三章

 

 

 

-14-

 

 

 

【鬼神再臨】

 

 

 

洛陽に謎の侠客が出没しており、それと同時に警備隊をこき下ろすような

良くない噂が流れているという話は、城に帰ってからすぐ文台様に報告した。

とりあえず、今は事を余り大きくすべきに非ず、とのことだったので、

俺の脇に護衛の将が交代で常時付く事になった以外は、特に普段と変わらなかった。

 

さて、本来ならこの時期は、あちらではホワイトデーなる行事が行われているはずであったのだが、

事情を説明したところ、その案はめでたく我らが鬼畜様に蹴り捨てられてしまった。

どうやら、異教の行事云々といったことよりも、俺が飴を配ることによって

嫉妬する将たちが続出すると安全面の理由から色々とまずいという理由で却下したらしい……何故だ。

というわけで、俺の提出した竹筒には、“不是”と書かれていたのである。

 

話を戻す。

 

曹嵩さん曰く、五胡の間諜が暗躍するとすれば、間違いなく今回の祭りの期間中であろうとのこと。

よってこの期間内までに、警備網の一層の拡充が急務であった。

そして官の公募についてであるが、これはひとつの大きな作戦であった。

この公募は、呉領全土に、身分や経歴問わず、有能な者を積極的に取り入れることにした。

この公募によって、能があると認められた者は、いくつかの試験を経て、

正式に呉の将軍として採用される。

たとえそれが、五胡から輩出された草の者でもあったとしてもだ。

つまりこの採用試験は、あちらから送り出された刺客をあえて引き込み、

あわよくば説き伏せるなりなんなりして、陣中に組み入れてしまえという大胆不敵な作戦である。

しかし、一歩間違えれば、機密情報をあっさり五胡に持ち出されてしまう危険性も高い。

ゆえに、細心の注意が必要であった。

 

まぁ、混みいった難しい話はひとまず置いといて、まずは当初のことを考えるとしよう。

 

 

一刀「そんでまぁ、各部の出場希望と希望対戦者の調査結果をまとめてみたんだけれど」

 

煌蓮「で? 結局どうなったんだい?」

 

一刀「……まじめに答えてくれない連中が大半だった」

 

煌蓮「なんだいそりゃぁ? まぁいいや、どれ、見せな」

 

 

文台様は俺から対戦希望の調査結果を受け取ると、早速内容に目を走らせた。

……干し肉・煮干・干しイカ・落花生・月餅(げつへい = 柿の種)・それらを食いながら酒をあおりつつ。

ハリセンで自分の背中を時々バシバシ叩いてる姿は、どう見ても大阪のおばはん臭い。

ホント、この人ってば貧乏臭いというか、帝王なんかというより、つくづく庶民肌なんだよなぁ。

私服を肥やすとかそういう考えが、そもそも頭にないらしい。 それは俺にも言えたことではあるけど。

 

その内容は以下のとおりであった。

 

 

孫呉禁軍  兵数十万

 

 

孫堅  出場希望:武   一次希望: 対 (当日まで非公開)  二次希望: 対 (当日まで非公開)

 

 

 

孫呉軍第一師団  兵数三十万

 

 

師団長 孫策  出場希望:武   一次希望: 対 北郷一刀  二次希望: 対 曹操

 

周瑜  出場希望:知   一次希望: 対 諸葛亮  二次希望: 対 荀彧

 

甘寧  出場希望:武   一次希望: 対 趙雲  二次希望: 対 張合

 

黄蓋  出場希望:武   一次希望: 対 北郷一刀  二次希望: 対 夏侯淵

 

周泰  出場希望:武   一次希望: 対 北郷一刀  二次希望: 対 お猫様

 

孫権  出場希望:一刀と同種目    一次希望: 対 北郷一刀  二次希望: 対 (空欄)

 

呂蒙  出場希望:(武)(知) ←何度か書き直した跡   一次希望: 対 北郷一刀   二次希望: 対 陳宮  

 

孫尚香  出場希望:特 ←朱墨で書かれている

 

 

 

孫呉軍第二師団  兵数三十万

 

 

師団長 曹操  出場希望:不問   (以下全部空欄)

 

夏侯惇  出場希望:武   一次希望: 対 魏延  二次希望: 対 華雄

 

夏侯淵  出場希望:武   一次希望: 対 黄忠  二次希望: 対 厳顔

 

許緒  出場希望:武   一次希望: 対 張飛  二次希望: 対 いっちー(文醜)

 

典韋  出場希望:裏方(料理)

 

郭嘉  出場希望:知   一次希望: 対 鳳統  二次希望: 対 不問

 

荀彧  出場希望:知   一次希望: 対 周瑜  二次希望: 対 諸葛亮

 

曹嵩  出場希望:裏方(救急)

 

 

孫呉軍第三師団  兵数十万

 

 

師団長 劉備  出場希望:特 ←朱墨で書かれている

 

関羽  出場希望:武   一次希望: 対 呂蒙  二次希望: 対 呂布 

 

張飛  出場希望:武   一次希望: 対 許緒  二次希望: 対 お兄ちゃん(北郷一刀)

 

張遼  出場希望:馬

 

諸葛亮  出場希望:知   一次希望: 対 周瑜  二次希望: 対 曹操

 

鳳統  出場希望:知   一次希望: 対 郭嘉  二次希望: 対 陸遜

 

公孫賛  出場希望:馬

 

 

孫呉軍第四師団  兵数四十万

 

 

師団長 黄忠  出場希望:武   一次希望: 対 夏侯淵  二次希望: 対 黄蓋

 

厳顔  出場希望:武   一次希望: 対 黄蓋  二次希望: 対  夏侯淵

 

趙雲  出場希望:武   一次希望: 対 関羽  二次希望: 対 張合

 

馬騰  出場希望:馬

 

呂布  出場希望:武   一次希望: 対 孫堅  二次希望: 対 (空欄)(ぶんだいさま……つよい)

 

陳宮  出場希望:知   一次希望: 対 荀彧  二次希望: 対 賈駆(あの猫耳女は恋殿の敵なのです)

 

馬超  出場希望:馬

 

馬岱  出場希望:馬

 

袁紹  出場希望:なし   (以下すべて空欄)(なんでこのわたくしが(ry)

 

袁術  出場希望:裏方(歌唱)

 

文醜  出場希望:武   一次希望: 対 きょっちー(許緒)  二次希望: 対 貂蝉(文ちゃん無茶だよぉ……)

 

顔良  出場希望:裏方(料理)

 

張勲  出場希望:裏方(会計)

 

賈駆  出場希望:知   一次希望: 対 荀彧  二次希望: 対 陳宮

 

董卓  出場希望:裏方(料理)

 

魏延  出場希望:武   一次希望: 対 夏侯惇  二次希望: 対 馬岱(どっちもしばく!!!)

 

華雄  出場希望:馬

 

 

 

孫呉軍第五師団  兵数十五万

 

 

師団長 北郷一刀  出場希望:■ ←選択権がないのであらかじめ墨消しされている

 

陸遜  出場希望:知   一次希望: 対 程昱  二次希望: 対 北郷一刀

 

程昱  出場希望:知   一次希望: 対 陸遜  二次希望: 対 誰でも良いのでしゅー

 

楽進  出場希望:武   一次希望: 対 貂蝉  二次希望: 対 卑弥呼(修行の成果をお見せするときです)

 

李典  出場希望:裏方(工事)

 

于禁  出場希望:裏方(衣装合わせ)

 

張合  出場希望:武   一次希望: 対 甘寧  二次希望: 対 趙雲  

 

徐晃  出場希望:裏方(衣装合わせ)

 

張角  出場希望:裏方(歌唱)

 

張宝  出場希望:裏方(歌唱)

 

張梁  出場希望:裏方(歌唱)

 

管輅  出場希望:裏方(警備)

 

 

孫呉軍第六師団  兵数十五万  地方軍六十万

 

 

師団長 貂蝉  出場希望:裏方(警備)  (ぶぅるあああぁぁぁぁぁ)

 

卑弥呼  出場希望:裏方(警備)

 

華佗  出場希望:裏方(救急)

 

魯粛  国境防備

 

韓当  国境防備

 

 

 

合計五十三部隊  正規軍百五十万 地方軍六十万  計二百十万

 

 

 

煌蓮「………………」

 

一刀「………………」

 

 

空気が重い。

心なしか、お母さんのコメカミに青筋がピクピクと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

煌蓮「…………ふんがあああぁぁぁぁぁあああああぁぁーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

   あんの、糞ボンクラ共がああああぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、文台火山が爆発した。

 

 

煌蓮「ええぇぇぇえいぃ、どいつもこいつもアホンダレがぁ!! ちったぁ真面目に答えんかぁ!!

   坊主、今日明日の仕事はもういい!! こっからはあたしの役目じゃい!

   あいつらにはちっとばかし仕置きが必要じゃぁ!!!

   いいか、お前さんはまっすぐ自分の部屋に帰るんだよ、安全の保障ができないからね!!」

 

 

そういうが早いが文台様は、鼎(かなえ)に盛ってあったつまみと酒の類、

それからハリセンと南海覇王を麻袋にバサバサと詰め込むと、

紐を結んでそれを肩口にひっ抱え、ドカドカと足音をたてて

サッサと宮殿からいなくなってしまった。

これから何が起ころうというのか、想像しただけで………

 

 

 

 

 

 

 

[ストIV 豪鬼のテーマでお楽しみください]

 

 

 

ドカーーーーーーン!!

 

ガガガガガガガガガガ

 

ミギャアアアァァァァァアアアァァァ!!!!!

ウヒャラバァ!!

 

タスケテエエェェカーーーズトオオォォ!!

 

ウラアアァァバカムスメ!! ウヌァサイキンタルンドル!! イチカラキタエナオシジャァ!!

 

めーでーめーでー!! 敵襲!! 敵襲!!

陛下がご乱心めされたぞーーーーーー!!

 

ザシュ!! バシュ!! ズバババババ!!!

 

ウオオオォォォオオオオヤベエエェェ!!!

 

鬼だあああああぁぁぁああああ!!!! 鬼が出たぞおおおぉおおぉ!!!

 

ギイィヤアアアァァアアアアァ!!!!!

 

ハワワワワワワ……フエェ~~~~ン!

 

アンギャアアアアァァアアア!!

 

北郷!! 北郷はどこにいる!!? 華琳様!! ここはお逃げくだs……(ドサッ)

 

姉者!! 姉者あああぁぁあああ!!!!!

 

あかん、逃げるでぇ姐さん!!! ヒイイイィィィィ!!!!

 

早く曹嵩様と華佗殿を呼んで来い!!

 

バーン、バーン、バーン!! ←鉦の音

 

 

 

一刀「な……何が起こっているんだ!!?」

 

 

事の顛末を確かめようにも、外から鍵が掛けられてしまったらしく、

幾らガタガタやっても一向に扉が開く気配がない。

仕方がないので、玉座の衝立の裏にある衣裳部屋に移動、

そこから横につながっている俺の執務室に回り込んで外の様子を窺ってみることにした。

 

 

一刀「……ひでぇ」

 

 

死屍累々阿鼻叫喚、諸行無常の地獄絵図。

そこはまさに修羅場だった。 

 

 

煌蓮「童(わっぱ)共がぁ!! この孫文台を倒したくば、力ずくで来ぃ!!

   袁本初オォ!! うぬの真の力は、その程度か!!? いつまで過去にこだわっている!!

   そんなバネのような糞長い髪なんぞ無駄以外の何者でもないわ!!

   戦の邪魔ぁじゃぁ!! 一思いに切ってしまえぃ!!! 文醜!! 顔良!! おのれらもおのれらだ!!

   いつまでこやつの尻拭いを続けているつもりだ!!? いまや袁本初は、単なるいち部隊長にすぎん!! 

   とっくに廃絶された家柄でしか自らを売りに出せぬ無能物なんぞ呉には必要ない!!!

   孫呉は実力主義だ!! うぬらの方が官位は上なのだぞ!?

   わかったら、三人まとめてかかってこいやああぁぁーーーー!!!!」

 

猪々子「げはぁっ!!」

 

斗詩「かはっ!!」

 

麗羽「うぅ……ゲホッガハッ……」

 

美羽「……」 ←頭を殴られて失神

 

七乃「お……お嬢様……」

 

 

バッシャーーーーン!!!

 

猪々子が腹に文台様の放った拳をもろに食らい、東屋の長椅子を吹き飛ばして、

そのまままっ逆さまに水場に飛び込んでいった。

 

池に転落した猪々子に気をとられて油断していた斗詩に、

文台様はまるで地面をすべるような走法で一瞬のうちに零距離にまで詰め寄ると、

そこに容赦なく蹴りを見舞った。

食らった斗詩はそのまま麗羽を巻き込んで、

今度は城壁の階段を逆向きに数段ほどゴロゴロと転げ上がり、反動でまた転げ落ち、

二人ともそのまま何も言わずに動かなくなった。

その間に気絶している美羽をひっ掴んで水場のほうにぶん投げると、

一人残った七乃さんに、まだやるかという目を向け、

ひざを着いて怯えの目を向けた七乃さんを残し、

そのまま一言もしゃべらずに俺のいる部屋までやってきた。

 

そうか……あの五人は鬼神と化した文台様から逃げ遅れたんだな。

そして、その熱く滾った血をを“鎮める”ために、わざわざ俺を締め出したんだ。

わざわざ俺に一日半の休みを出した理由も、このことあるを予想したためだったのだろう。

 

青白く輝いた虎の双眸が俺を射抜く。

この時点で、すべてを、悟った。

俺は、身を挺して自らに課せられた、種馬としての務めをを果たすのみである。

 

一匹の鬼が、俺の部屋の窓から何も言わず侵入してきた。

どうせ逃げられないのなら、せめてその鬼から、体力を保つのために

酒とつまみを幾分か分けてもらおう。

 

 

鬼神との“一騎打ち”が、始まる。

俺は、文台様から血を吸い取られながら、ふとぼんやりと思った。

相手が人のカタチをした鬼か何かであっても。

かつて人間であった者のお腹から生まれてくる赤ん坊は、果たしてちゃんと人間なのだろうか、と。

 

―――もし、生まれてくるとしたら、孫翊(そんよく)。 字は叔弼(しゅくひつ)。

真名は……どういう法則があるんだろう? 蓮の一文字は、やっぱり付けるのか?

頭の中で、そんなことを反芻していた。

 

五発目から先は、正直余り良く覚えていなかった。

ふと気がつけば、いつの間に割り込んできたのか、三人の娘たちも一緒に参加していた。

そうか……。 俺は今、親子ともども、まとめて頂いてしまっているんだな。

祭りが迫っているってのに、もし“当たった”ら、どうしよう?

 

あ、そうか。 そもそもそんなこと、気にする必要なんてなかったんだな。

なぜなら……

 

 

子を授ける。 それこそが、俺の務めだから。

今の今まで、すっかり……忘れて……い……た……

 

 

ドサッ!!

 

 

無補給十二発目にして、北郷一刀、孫親子とともに五人そろってKO。

三日後、事がすんだ後、俺は曹サイドから厳しい嫉妬の目で見られることになる。

 

 

 

第十三章十四節終了

 

 


 
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