どうも!FULIRUです!
真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第壱話 投稿させてもらいました!
この物語は基本的に展開速度が遅いと思います。
そして、前回のあとがきにお伝えした通り、この物語では主人公は二人居ます。
キャラ設定等はまた後ほどにお伝えします。
それでは!楽しんでいってください!
Side/???
「・・・ッフ! ・・・ッフ! ・・・ッフ!」
ブゥォン! ブゥォン! ブゥォン!
朝食を済ませた俺は、中庭で鍛錬に没頭していた。
しかし、あの夢が気になって余り集中出来ずにいた。
「・・・・・ふぅ」
「・・・姐さん、何か用?」
そう言い、振り返ると一人の女性が立っていた。
「あら? 気づいてた?」
「当たり前だよ、俺が気づかない時なんて有ったっけ?」
「そういえばそうね」
「それより夜行、北郷家の者が来てるわよ」
「北郷家?」
「そう。覚えてない? 今日仕合をするってお父様が言ってなかった?」
「あ・・・。 あれ、本気だったのか」
俺の名前は 紅 夜行 (くれない やこう)
此処、紅家の二代目当主 我が父 紅 大和 (くれない やまと)の息子であり
三代目当主になる跡取り息子だ。
彼女は俺の姉である 紅 雪奈 (くれない ゆきな)
面倒見の良い姉で、俺が生まれた時からずっと傍にいる、俺が守ってあげたい人の一人だ。
紅家とは、此処日本の古来より随一の武士が当主であることを許された家である
俺は三代目当主としてこの家に生まれ、育てられてきた。
此処以外にも武士道を極めんとする家はあるが、何処も然程有名ではない。
今日来た北郷家の者も、俺と仕合をするという表向きの名目ではあるが
多分、俺の技を学びに来たのだろう。
「否・・・他の武士を見下すなど、武人として失格だな」
「相手が誰であろうと、俺は全力で相手をするだけだ」
「気合入ってるわね~・・・。 今日の相手はそんなに強いの?」
「違うよ姐さん。武人として、例え模擬戦であろうとも、
全力で挑まなければ其れは相手を見下すことになる」
「そんな事は、紅家の息子として・・・否、武人として最低な行為だ」
「だから俺は全力で挑む・・・それだけさ」
「夜行・・・それじゃあ、負けたら飯抜きね!」
「飯どころか跡取りの座を譲ってやるよ!」
そう言うと、俺は道場へ足を向けた。
「遅くなりました、父上」
「おお、夜行か。 待っておったぞ」
「さて、仕合相手と自己紹介でもせよ」
「はい」
そう
「はじめまして、北郷家当主が一子 北郷 一刀です」
此れが、一つの物語だとすれば
「はじめまして-----
この出会いは、望まれたものでも、仕組まれたものでもない
-----紅家当主が一子 紅 夜行です」
人はそれを『運命』というだろう
互いに自己紹介を終え、握手を交わした後 胴着に着替えた
一礼をし、竹刀を取り、互いに一速一等の間合いを取り
「----始め!」
其の言葉が発せられた瞬間、俺は相手に殺気をぶつけた
Side/一刀
「----始め!」
其の言葉が発せられた時、俺は彼に恐怖を感じた
まるで、赤黒いオーラのように彼の体に沿って気が帯びていた
(・・ック! 流石は紅家の跡取り息子、まともに戦って勝てる相手ではないか)
彼からは何も仕掛けてこない。 多分、此れは返しの構え
返しの構えとは、名前の通り相手の技を防ぎ、其の攻撃に最も有効な対応
つまりは反撃を繰り出す構え。 此の技は一見簡単に見えるが、相手の攻撃を見極めるには例え 達人でも二、三回の剣筋を見なければならない。 しかし、彼は其れをしない。
否、する必要がない。 何故なら、彼は心の眼 所謂心眼を心得ているからだ。
心眼で相手が剣を振りかざす時には、彼にはもう相手の次の手が読めている。
だからこそ、彼は返しの構えを使っている。 攻撃の際には誰であろうと必ず隙が出来る。
その刹那とも言える瞬間を彼は決して逃さない。
此の技を破れる自信は俺にはない、だけど退くわけにはいかない
俺は持てる力の全てを使って、一番得意な胴を放った・・・。
Side/夜行
相手が此処目掛けて突進してきた、恐らくは胴を仕掛けてくるのだろう。
だが、俺にそんな単調な動きは通用しない。
胴を仕掛けてくるならば、俺の取る動きは唯一つ
竹刀の刃の部分を盾として扱い、相手の竹刀の軌道を変える
そして、そのまま相手の後ろに回りこみ、面を放つ。
「・・・・・・・・ッ!?」
彼が動揺した、心が揺れるのは戦場、否、どんな場面においても人間として最も長く、
そして最も深い隙を生み出すことになる。
(これで・・・、終わりだ!)
誰もがこの一撃で終わると確信した。
彼・・・夜行が放った一撃で敗れた人間は数知れず
故に、彼が打ち損じる事はかつて一度もなかった
だからこそ、この仕合はこれで幕が下りると、
この仕合に立ち会った誰もがそう・・・『誤解』していた
紅 夜行は天才だと、
打ち損じることはないと、
しかし、次の一手はそんな皆の誤解を・・・常識を、打ち破った・・・。
「「「!!!!????」」」
夜行が放った面が一刀の面に触れる事はなかった
一刀は自分の竹刀を持ち上げて、瞬時に防御の行動を取った。
普通の人間なら、自分が放った攻撃が外れた時には必ず隙が出来る。
しかし、一刀は其れを予想していたのか、又は本能的に動いたのか、防御を取った。
此の出来事が仕合に立ち会った者全ての誤解を打ち破った。『あの』紅 夜行が打ち損じた。 北郷 一刀が夜行の一撃を防いだ。 この出来事が物語の突端の原因となった。
果たして、この出来事が彼等の『何』を変えるのだろうか?
それはまだ、誰も知らない・・・。
この驚愕の出来事に対して、唯一平常心を保っていたのは当の本人である夜行だ、
当然といえば当然である。 自分は最強ではない、武士道を歩む者として最強の栄光を掴むのは 無敗神話ではない・・・否、武士道を極めるのに最強はない、皆は誤解している、この世に最強 たる武士など存在しない、其れは過信であり、愚考だ。
一刀自身も平然としているが、内心かなり混乱している、何故自分は竹刀を持ち上げたか。
普通は相手の動きを捉えるべく振り返るはずだ、しかし自分は竹刀を盾に使ったまるで、相手の 行動を知っていたかのような。 彼は焦っていた。
しかし、今は目の前の仕合に全力を尽くしていた。
夜行は返しの構えから、攻撃の姿勢を取った。
パァンッ! パァンッ! パァンッ!
竹刀と竹刀がぶつかる音が鳴り響く、夜行は繊細な動きで無駄の無い突きを繰り出していた、 これは相手を倒すのではなく、相手を翻弄し、疲労を誘うための攻撃である。
一刀は其れを分っていても唯防ぐことしか出来ず、徐々に疲労の色が顔に出てきた。
その瞬間、夜行の殺気が一気に膨れ上がった、周りの者までもがその殺気に恐怖し、
軟弱な人間は乱心状態まで追いやられた。
パァァァンッ!
その音が鳴り響いたのは其の直後だった、一刀の竹刀は夜行の竹刀に弾かれ、その隙を突き、面 を放った。
「一本! 勝負あり!」
審判の声が響き、勝負はついた・・・。
「うむ、良い仕合じゃった」
「はい、父上」
「北郷 一刀と言ったか?」
「あ、はい!」
「まさか、夜行の一撃を避けるとは、中々やるのぅ」
「いえ、偶然・・・だと思います」
「例えそうだったとしても、じゃよ」
「大抵の輩は、夜行の殺気と目つきに怯えて直ぐ決着が着いてしますわい!」
大和が豪快そうに笑うと、一刀は少し照れていた
「さて、今日は疲れたろうに、二人とも、風呂でも入ってきなさい」
「はい、父上」
「有難う御座います、大和様」
「堅苦しいのぅ! 小父さんとでも呼ばんか!」
「そんな、恐れ多い」
「けど、君は堅苦しい言葉遣いは慣れてないのでは?」
「・・・気づいていましたか」
「雰囲気で大体分るさ」
「そんなに畏まらなくてもいいのでは? 此処は公の場ではないし」
「では、お言葉に甘えて・・・。 ありがと、小父さん」
「ガッハッハ! それで良い!」
「・・・・・・・・・・フゥ・・」
「・・・・アハハ・・・。」
夜行と一刀は大浴場に向かって足を運んだ
大浴場では夜行と一刀が露天風呂を堪能し、持て余していた
夜行はさっきまでとは違い、一刀に愚痴を聞いてもらっていた・・・
「まったく、父上は公の場でも軽すぎる!」
「・・・うん、そうだね。 流石にアレは・・・」
かれこれもう20分は経っているだろう
しかし、夜行の日々の苛立ちはそう軽くはない・・・
「アレでは紅家の当主の威厳が失われかねない、其れを分っておられるのだろうか」
「・・・でも、良いお父さんじゃない?」
「そうか? 確かに武では俺でも勝てない、しかし生活態度に問題がある!」
「確かにそうだけど、なんかさーこう、縛られすぎてないっていうか・・・」
「縛られすぎてない? 何に?」
「紅家っていう重荷に・・・だよ」
「・・・・・・」
そう、紅家とは此処日本が誇る武士道の極みとも言える名門貴族なのだ
そのため、此処の当主になるにはそれ相応の覚悟と誰をも惹きつける威厳が必要なのだ
だからこそ夜行は、紅家の重荷の全て背負う覚悟でここまで生きてきた
「・・・だからさ、夜行ももう少し砕けたほうがいいんじゃない?
夜行はもう少し表情を柔らかくしたほうがカッコイイし・・・」
自分の体に、電光のようなものが駆け抜けた
・・・彼は今、何と言った?
もう少し砕ける? カッコイイ?
俺の中で何かが弾けた 彼の言葉で今までの俺の常識が音をたてて崩れ去った
彼の言葉には何故か心に響く、まるで今まで自分の冷え切った心に熱い風が流れて
きたように、俺の氷の壁を溶かした
「変われると思うか? 俺は・・・」
「変わるか変わらないかは、自分が決めて判断すればいいよ
其れを決めるのは、君だろう? 夜行」
やはり・・・
彼の言葉は不思議と心に響く
自分でもわかる、俺は今、彼の言葉で変わろうとしている
この出会いが『運命』というなら果たして、此れが何を意味するのか
まだ、誰にもわからない、物語はまだ始まったばかりなのだから・・・
その後、夜の宴会で夜行達は楽しんでいた。
「やぁ、北郷殿 楽しんでおられますかな?」
「あ、夜行。 君こそ言葉遣いが堅苦しくない?」
「フフッ、『一応』公の場だからね」
そう言うと夜行は一刀の隣に腰を掛けた
「それより、君の噂広がってるよ」
「・・・勘弁してくれ」
フフッと夜行は笑うと、
「でも、俺の一撃を避けたのは君が初めてだからなぁ・・・」
「そうなんだ・・・」
「意外かい?」
「うん」
少しの沈黙の後・・・
「此処は暑苦しいし、外にでもいこうか?」
夜行は一刀を誘って中庭に出た ps
「さて、と仕合後の酒は美味いな・・・」
「そうだな・・・」
「戦の敵は後の酒の友・・・ということかな?」
夜行が苦笑しながらそう言うと
「・・・悪くないね」
一刀もまた苦笑しながら杯を交わした
・・・しばらくの沈黙、これは武人同士が戦の後の戦友の誓い
彼等は今 此の度、戦友の誓いとたて、戦友とし、
親友として共に困難を打ち破る事を誓い
酒を飲み交えたのだった。
・・・北郷 一刀が紅家を去って二日
「夜行! 夜行!」
「どうしたの?姐さん そんなに慌てて」
「実は-----
その知らせを聞いたとき、俺の中で何かがそっと動きはじめた、、、
まるで、今まで止まっていた歯車がギシギシと音をたて、動き始めたかのように・・・
そう、これは一つの物語。 回り始めた歯車は物語のページをめくる毎に、
その回転を加速させる。 其れは終わることのない、物語の突端。 外史の鼓動。
彼等はあの外史で何を見るのか・・・誰も知る術はない無限の世界 未知なる可能性。
・・・『北郷 一刀が行方不明』
どうも!FULIRUです!
如何でしたか? 面白いと思っていただければ、嬉しい限りッス!
ようやく一刀が外史に逝き・・・もとい、行きました!
夜行君ももう直ぐ逝く・・・(ゴホン 行くと思います!
物語の展開速度が遅い!と思う方には申し訳ありません・・・
これが自分のやり方です!
主人公の夜行君ですが、これはチート設定じゃないですよ!?
ただ、皆より少し強いだけで・・・恋姫の将軍様方がチートなんです!
さて、今自分は不安を抱えています。 それは、この作品の文章の書き方です
皆さんは見やすいと思いますでしょうか?
これは、自分が皆さんに文が見やすいように工夫した結果ですが、どうでしょう?
逆にうっとおしいと思う方、もしくは文として問題ありと思う方はどうぞご指摘を
お願いします!
さてさて、それでは皆さん御機嫌よう!さようなら~
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真・恋姫†無双 天の御遣いと紅き武者 第壱話です
面白いと思って頂ければ嬉しいッス!
それでは、どぞどぞ・・・。
追伸 タイトル変更
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