白銀の御使いと美しき少女 第3話
御使いとして
「さて雫これからどうしようか?」
「そうですね、とりあえず近くの街に行きましょう。そこで今後の事を話し合うというのはどうですか?」
「それがいいな、じゃあ街まで案内してくれる?」
「わかったのです」
しばらくして街に着く。しかし彼の予想とはまったく違う景色が目に入ってくる。店に活気などまったく無く、
本来街と民を守るはずの警備兵たちは酒を飲み店主に暴力を振るっている。
「これが……街…なのか…県令は何をしているんだ!こんなの街じゃないだろ。」
一刀は怒りを隠さずに言う、普段の彼からは想像できないような声で。
「うみゅ、そのとうりです。今漢王朝の中央は乱れに乱れ県令などの地位は賄賂によって売買されている地位なのです。県令は民のことなど考えず政治を行います。だから人々は管輅の占いに出てくる御使い様に一縷の望みを持っているのです。そんな人々のためにも雫はお兄ちゃんに『白銀の御使い』としてこの乱世に平和をもたらすために立ち上がって頂きたいのです」
先ほどまで顔を真っ赤にしてうみゅ~と言っていた少女とは思えないほど真剣に彼の目を見て話す。
一刀は考えてみる、もし自分がその御使いとして県令になったとしてこの街を平和に治めることができるのかと、もちろんそんな経験は自分には無いし考えたことも無かった。雫と一緒になら?と考えてみる、雫と共になら……
「大変だー賊がきたぞー」
突然街に大きな声が響く、「賊が来た」その一言で街は一気にパニックに陥る。あるものは子供を抱え家に篭り
あるものは絶望にくれその場に立ち尽くし、警備兵たちは我先にと逃げていく。
「警備兵が逃げている?それじゃあいったいどうするんだよ!」
一刀は苛立ちを隠せない。そんな一刀に雫は冷静に言う
「これが今のこの国の現状なのです。ほとんどの街はこれと大差ありません。」
「そんな……」
自分の想像を超える目の前の酷い光景に一刀は戸惑いを隠せずいる。
そして……
「みんなおちつくんだ!」
と大声で叫ぶ、一刀は考えるより先に声を出していたのだ。
街の人々は一刀を見る。 太陽の光を背に浴びた彼の姿は凛々しく、白銀に輝く服が神々しさを感じさせる。
「いつまでも賊なんかのすきにさせちゃだめだ!これからは自分たちの手で街を守っていくんだ!」
人々の間にざわめきが起きる。今まで自分たちで賊と戦うなど考えたことも無かったからだ。
しかし中には「俺たちが賊と戦う?そんなの無理だ勝てるわけが無い」という声も聞こえる。そこで一刀は腰に下げた影切を抜き片手で天に向かって突き刺すように掲げる。
「俺は『白銀の御使い』北郷一刀だ俺はけして君たちを見捨てるようなことはしない!だから共に戦ってくれないか!」
白銀の御使いという名前を出したとたんざわめきはさらに大きくなる。
「あれが御使い様か言われてみれば確かに神々しい姿をしていられる。」
「勝てる!御使い様がいれば賊なんて怖くない!」
「御使い様俺たちと戦ってください!」
人々の間には大きな希望ができていた。これで賊に勝てば自分たちは平和な街を手に入れられると
「よし!みんな平和を勝ち取るために共に戦おう!」
『うぉぉおおおおおおおおおおぉおおおおー』
その姿をみて雫は思う。自分がお兄ちゃんと呼び慕っている人はこんなにも人をひきつける魅力がある。やはり私は正しかったんだと
「じゃあお兄ちゃん早速作戦を考えましょう♪」
そういう彼女の顔はいつにも無く美しい笑顔だった。
どうもkoroneです^^
さて白銀の御使いと美しき少女第3話楽しんでいただけましたでしょうか?
次はついに初戦闘シーンですね、自分には未知の領域ですからさてはてどうなるか……
もしかしたら投稿が少し間が空いてしまうかも知れません…
もちろん戦闘シーンがうまく書ければ今までどおりに投稿できると思います^^
ではまた4話でお会いしましょう。
「うみゅ?ここはどこでしょう?」
まさかの新コーナー!?
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どうもkoroneです^^
一日あいてしまいましたが第3話です。
少しずつ動きだす物語……ついに覚悟を決めた一刀
それでは第3話始まり始まり♪