No.129277

真・恋姫無双×仮面ライダー 一刀蒼き仮面の遣い 第9話

BLACKさん

この物語のメインは真・恋姫†無双の話ですが、主人公の一刀の性格が原作と全然違う部分が存在します。それが嫌な方はご閲覧をご遠慮願います。
なおこの物語の原作者は書いた著者ではありません。
原案者の許可をいただき、原案者の名前を書かせてもらいます。
原案者 ビスマス  作成者 BLACK

2010-03-10 20:05:59 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:3158   閲覧ユーザー数:2878

 

蜀呉同盟から半月、いよいよ曹魏対蜀呉同盟の激戦の幕が上がろうとしていた。

その前戦は蜀呉同盟の勝利で蜀呉同盟は曹魏の軍を赤壁で足止めすることに成功したが、その後、魏軍に大きな痛手を負わせようとしても中々良い策が思いつかないでいた。そんな時……。

 

「なんじゃ。また軍議か。下手な軍議、休む似たりじゃな」

 

そこに桔梗くらいの年齢の女性がやって来た。

 

「黙れ黄蓋。たかが前線の一指揮官が、偉そうな口を叩くな」

(ああ、この人が黄蓋…。三国志に出てくる老人達って、本当に歳をとってるんだな)

 

紫苑と桔梗をチラッと見て、心で思う一刀。

そんな傍らで周瑜と黄蓋の舌戦が続き、そして黄蓋と周瑜はもう絶交状態で終わった。

その様子を見ていた桃香達はかなり憤りを感じていたのを一刀が皆を集めて、誰にも聞かれないよう蜀の面々皆に説明してあげる。

 

「あれはな……本気じゃない」

「え?」

「本気じゃない? ならば演技だとでも?」

「そういうことだ。敵を騙すにはまず味方からという言葉がある」

「でも…何のために?」

「曹操にトドメを刺すためだろうな…。朱里、雛里。二人も気付いてたんだろ?」

 

一刀は朱里と雛里に説明をさせる。

 

「はい…恐らく、軍議の席上であのような発言をしたのは、その喧嘩…つまり周瑜さんと黄蓋さんの不仲を大々的に喧伝するためだと思います」

「喧伝? 何でそんなことする必要があるんだ? 将の不仲なんて、弱点にしかならんだろ?」

「普通の場合ならそうですけど。…そこが周瑜さんの考えた策かと」

「策ねぇ。…で、その策ってなんだよ?」

「あわわ…そこまでは分かりませんけど…」

「俺の予想だけど、どこかで曹操軍の斥候が聞いてる可能性があるからああしたんだろうな。

とにかく、あれは策ということで納得してくれ」

「うーん……ご主人様がそう言うなら、納得はするけど……」

(絶対納得してない)

 

桃香の顔はそんな顔だと判断する一刀。

 

「とりあえず何かあるとしたら夜だ。心の準備はしとけよ」

 

そして夜になり、黄蓋は自分の兵士を連れて脱走したのだ。

 

(やっぱりな……)

 

一刀はかなり達観した様子で呉の慌ててる様子を見る。

とは言っても自分達の方でも混乱していた。特に焔耶と鈴々。

そして呉の方は陸孫、呂蒙、周泰が黄蓋の後を追うが、黄蓋は曹操の陣営にと降った。

しかしどちらの兵にも怪我人はいても死者はいなかったのだ。

曹操は疑念を持ってはいたものの黄蓋の降伏を認めた。

しかし黄蓋が曹操のところを離れている間……。

 

「黄蓋と火と風には気を付けるんだね」

「うん?」

 

曹操は突然後ろからの声が聞こえ、後ろを振り向くが誰もいなかった。

 

「今の声は?」

「華琳様、いかがなさいました?」

「いえ、何も……」

 

曹操は夏侯淵に声を掛けられるが、何もないと答える。

 

(今の声……忠告として受け止めて置きましょう)

 

曹操は黄蓋に気付かれないように黄蓋の見張りを手配した。

そしてそれをどこかで見る曹操に忠告した者。

 

「くっくっくっ、これでいい。これで歴史を完全に壊せる」

 

 

黄蓋が脱走してから数時間が経過。一刀達はこれからどうするかを相談するため呉の船に移動していた。

 

「凄い事になったな」

「そうねー。まさか黄蓋が魏に奔っちゃうなんて思わなかったわー」

「俺もだ……」

 

と言いつつも一刀はそれが作戦だと分かっているし、孫策も恐らくは理解している。一刀はそう考えて薄ら笑いをする。

 

「で、どうする?」

「でって?」

「これからどうするんですか? 呉の宿将と言われてる黄蓋さんが魏に行っちゃった以上、こっちの作戦とかもバレちゃってるだろうし…」

「…って劉備が心配そうにしてるけど? これからどうするつもり?」

 

孫策も周瑜に尋ねる。

 

「どうするとは?」

「…祭が裏切るわけ無いでしょ? という事はこれは何かの策。その策、そろそろ示しても良いんじゃないかしら?」

「……気付いていたのね。いつから?」

「はじめからに決まってるでしょ。馬鹿にしてたら怒っちゃうわよ」

「ふむ……さすが、と言うべきか。やはり戦の天才だな、雪蓮は」

「あら。気付いてたの、私だけじゃないみたいだけどね」

「ああ。孔明も気付いていたのだな」

「ご主人様もですよ♪」

「ほお…」

 

周瑜は少々驚いた様子であった。

 

「一応な…」

「ええっ!? 私、ご主人様に言われてたのに、全然信じられなかったんですけど……」

「まさか本当に策だったとは…」

 

桃香と愛紗は驚きであった。

 

「あんな露骨な喧嘩、策にしか見えないよ。喧嘩するにしても口を慎むに決まってるでしょ。

いくら無礼な事を言うにしてもあれはやりすぎだ。あからさまな策だと俺は思ったよ。

…と言うか俺は策だと言ったのに、俺を信用してなかったんなんて、俺は信用無いのか?」

「そんなことありませんよぉ」

「鈴々は信じてたのだ。……ウソだけど」

「…まあそれはともかく、この後どうするんだ?」

「ああ。黄蓋は今、曹魏の前線に配置されているらしい」

「あら。あのおチビちゃん、流石の器量ね。あからさまにおかしな降伏をした人間を、そのまま前線に配置するなんて」

「そうしなければならん事情があるのさ」

「覇王としての評判、ですね」

「そうだ。覇王であるが故に、曹操は常に天下に大度を示さなければならん」

「難儀だな……。ま、それのおかげで策がなるってことかな?」

 

そんな時、陸孫、呂蒙が帰ってきた。

 

「さてと反撃開始ね」

「ああ。深夜、我らは呉の精鋭を率いて隠密行動をとり、曹魏の陣地に接近する。

黄蓋殿が曹魏内部に火を放つと同時に、一斉に奇襲をかけて曹操の本陣に強襲をする手はずだ」

 

皆がその黄蓋の火を待つが、火が付く様子が無い。

 

「火がつかないな……」

「ふむ…。これは一体……」

「なんか嫌な予感がする」

「その予感通りだと思うぞ」

 

突然後ろから聞こえてくる声に全員が振り向く。

そこには一人の見知らぬ男が居た。

 

「誰だ貴様!?」

「さあな…」

「お前は……」

 

いや、一刀だけはその男の事を知っていた。

 

 

「雨瞳!」

「え? え?」

 

桃香がその男、雨瞳の名を一刀が告げたので、戸惑う。

 

「久しぶりだな、北郷一刀。お前が今のガタックをやってるみたいだな」

「手前、どうやってここに?」

「お前、何にも分かって無いな。お前と俺は同じ場所に居たんだぞ」

「……なるほどな……」

「どういうこと?」

「とりあえず、説明はかなり後でしてやる」

「お前如きじゃ理解できないと思うぞ。胸のでかい女」

「手前、桃香を……!」

「まあ、いいさ。俺がここに居る理由は分かっているかな?」

 

雨瞳の手には既にカブトゼクターが握られていた。

 

「黄蓋さんが火を放てない理由……。お前、曹操に火の事を教えたな」

「ああ。それで曹操は黄蓋を完全に警戒してくれたよ。

歴史上有名だからな。この戦いでの黄蓋の火計はな……」

『?』

 

皆が雨瞳の言葉の意味がイマイチわかっていない。

 

「そして俺が貴様らを殺す。そして曹操軍の大勝利で大陸は曹操のものになる……(と言うわけでもないんだがな……)」

「そんなこと俺がさせん!」

 

一刀も既に準備していたガタックゼクターを握る。

 

「「変身!!」」

「「Henshin」」

 

一刀はガタックマスクドフォームに変身。

雨瞳もカブトマスクドフォームに変身するが、変身したと同時に鎧の色が黒くなっていき、青色の眼も黄色の眼に変化していった。

 

「これは……どういうことだ!?」

「どういうことかって?」

「何でお前の姿が黒くなるんだ?」

「今の俺はあの時の俺では無い。そしてこの姿はカブトじゃない。ダークカブトだ」

「ダークカブト……」

「行くぞ!」

 

ダークカブトマスクドフォームとガタックマスクドフォームが狭い船の上で激突する。

しかし狭いせいもあって二人の動きは鈍かった。

 

「仕方ないな~」

 

雨瞳はダークカブトゼクターのホーンを倒そうとする。

 

「まずい!」

 

一刀もガタックゼクターのホーンを傾ける。

 

「「キャストオフ!!」」

「「Cast Off」」

 

その音声と共に二人の鎧は飛び散り、二人の鎧の欠片はそれぞれの飛び散る鎧の欠片を叩き落とし、鎧の欠片の一部は船の上に残る。

そしてその鎧から出てきたのは仮面ライダーガタックライダーフォームと仮面ライダーダークカブトライダーフォームであった。

 

「Change Stag Beetle」

「Change Beetle」

「うりゃあ!」

「はああっ!」

 

二人は互いの武器を持って、ぶつけ合う。

しかし一刀は他に船の上に居る人間を庇いながら戦っているため、雨瞳に後れを取ってしまう。

 

(とりあえず、こいつを船の上から落とす!)

「Clock up」

 

一刀がスラップスイッチを押してクロックアップする。

 

「Clock up」

 

雨瞳もスラップスイッチを押してクロックアップし、クロックアップ中の一刀と戦う。

 

「でゃあ!」

 

一刀がなんとか雨瞳の体を掴み、海へと放り投げた。

 

「くっ!」

「Clock over」

 

雨瞳が船の上から落ち、そのまま海へと沈んでいった。

 

「あいつがこのまま死ぬとは思えないが……」

 

一刀はそう言うと、すぐに船に積んであったガタックエクステンダーに乗り込む。

 

「悪いが俺はすぐに黄蓋さんを助けに行く! それで火が上がったら一気に曹操軍を攻めてくれ。俺の事は構わなくていい!」

 

一刀はガタックエクステンダーをキャストオフさせ、ガタックエクステンダーはエクスモードにチェンジする。

そしてガタックエクステンダーは空を飛んだ。

 

「それじゃあ行ってくる!」

 

一刀はそのまま曹操軍の船団に突っ込んでいった。

一刀が空から曹操軍の船団を奇襲し、襲われていた黄蓋の前に着地する。

 

「お主は?」

「蜀の北郷一刀と言えばいいかな?」

「つまりはあの童か」

「そうですな。とりあえずここは俺が引き受けますから、火をお願いします。孫策達が待ってますから……」

「うむ。頼む」

 

そう言って黄蓋はすぐに自分の部隊と共に火を付ける準備をし、一刀はクロックアップを使いながら、黄蓋たちに迫り来る魏軍の兵達を払いのける。

そして黄蓋は火を放ち、火は風に乗り、魏軍の船は次々に燃え上がっていく。

 

「よし、このまま突撃だ!」

 

一刀はハイパーゼクターを呼び寄せ、ハイパーキャストオフをし、ハイパーフォームとなって、ハイパークロックアップを使い、火で戸惑う魏軍兵士達を倒していく。

そして曹操は撤退をしていき、一刀達は追撃に兵を出す。

それまでの様子を一刀は見ながら考えていた。

 

(雨瞳があれで死んだとは思えない。さっきまでの戦いであいつが魏に取り入れられている訳ではないのは分かったが……。何を考えているんだ。雨瞳……)

 

一刀は雨瞳の不気味ともいえる行動を懸念するのであった。


 
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