No.128824

天の御使い「宝譿」Ⅲ

aki ecoさん

吾輩は猫である、名前は孫策…冗談ですよ

2010-03-08 11:11:11 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2523   閲覧ユーザー数:2325

「おいおい、俺を、あんな男と一緒にしちゃいけないぜ」

 

「なんじゃ…と」

 

「そうですねー、宝譿は、人の真名を勝手に呼びませんからねー」

 

「同じ名前のなのにのう…まぁよい町に戻るぞ」

 

「わかりましたー」

 

風たちは町に戻り…酒屋に行こうとしたところで、孫策さんが手を振っていました

 

きっとお仕事から逃げてきたのでしょうね。

 

「それが探し物なの?」

 

「はい、宝譿と言うんですよー」

 

「あの男の子と同じ名前なんだ」

 

「はいー」

 

「……ねぇ、やっぱり―」

 

「おいおい、まさか俺を身代わりにするのかよ」

 

「駄目ですよ宝譿、そんなことを言ってはー孫策様、人通りが多い場所ですから別の所で話しませんかー」

 

屋敷に移動して、ここでの風の扱いを決めて貰いました

 

路銀の確保と、不本意ですがお兄さんの治療費…しばらく文官として仕官する事に

 

 

 

仕事を貰って数日、その日は、お仕事も速く終わったのでお庭を散歩していたら

 

木の上に猫さんが居たのですよー

 

その猫さんは、お酒を飲みながら風に手を振って

 

「程立、やっぱり私…呉に仕えてくれないの?」

 

「そうですねー、風は確信を持ってから仕えたいのですよーそれに、呉は優秀な将がすでに揃っていますからねー」

 

「以前三人で旅をしてた時も、ここの布陣は完璧すぎたので風達は他の場所に移りましたしねー」

 

「それは残念、出来ればあの男の子、宝譿だっけ?天の血を孫呉に入れたいんだけどね、」

 

「では、お兄さん…宝譿が目覚めたら風は旅に戻りますねー」

 

「それまでは、止め刺しちゃだめよ」

 

「ぐぅ」

 

猫さんは、寝ている風にツッコムよりお酒に夢中のようですねー

 

孫策さんが、お話があるようなので、屋敷の中庭に…

 

軍師の人達も居ると言う事は……今日は、何のお話でしょうかねー

 

今日もいい天気で、お日様の光もぽかぽかと……

 

「ぐぅ…」

 

「――ちゃんの、命令でね~はぁ、嫌になっちゃう」

 

「まぁ、そう言うな…」

 

……この国の人たちは、放置するのが大好きな変態さん達なんでしょうかー

 

まぁいいですけどねー

 

「…孫策さん、風はこの戦いお留守番させてもらいますね」

 

「どういうこと?」

 

「孫呉の独立を目指すなら、いつかここを離れる風が参加していると後に問題が出てしまいますからねー」

 

 

 

お留守番をするとは言いましたが、

 

何故風が皆さんのお仕事を……少し休憩しますか

 

中庭を歩いていると、猫さんが日向ぼっこをしてたのですよ。

 

「にゃー」

 

「なぁー」

 

この子は大人しそうですね、撫でられるのでしょうか?

 

「ふにゃーー」

 

「ふぅー」

 

「う~む、風の言葉は理解できないのでしょうか…それとも違う言葉でつたわったのでしょうか」

 

「宝譿二号はどう思いますか?」

 

「……」

 

「むぅ…逃げちゃいましたか残念です」

 

「……暇ですから、宝譿三号の様子でも見に行きますか」

 

 

「宝譿三号は相変わらず寝たままですねー」

 

保護されてからずっと寝たままなんて…いい気なものですねー

 

なぜ風が治療費を稼ぐためにここで働いてるんでしょうかー

 

むぅー、なんだか腹が立ってきましたよー

 

「はぁ…仕事に戻りましょう……」

 

今度の戦は、黄巾党の本隊を討伐する様なので、今回は風も参加させてもらうことにしました。

 

いろんな諸侯が集まるでしょうからねー

 

「おぉぅ、目が覚めたら戦場ですか、さすがの風も驚きですよー」

 

「馬の上でよく寝れるわね」

 

「ところで誰かと合流するんですか?」

 

「そ、妹の孫権とね」

 

「後方に砂塵、蓮華様達です~」

 

「じゃ、会いに行くわよ」

 

「風もですか?」

 

三人ほどこちらに向かってきますね

 

「姉様!単身で突撃するとはどういうことですか!」

 

……孫策さん、大活躍ですねー

 

姉妹二人で楽しそうにはしゃいでますねー

 

おや、こちらに…

 

「お前が天の御使いと言う胡散臭いやつか?」

 

「違いますよー」

 

「は?」

 

「風は、程立といいますよー」

 

何か驚いてるようですが、まぁ、気にする必要は無いですねー

 

「……すまん、姉様が天の御使いを保護したと聞いてな」

 

「そのお兄さんなら、まだお屋敷で寝たままですよー」

 

また動きが止まりましたねー

 

その間に、他の方とも話しておきますか

 

「まて、これだけは言って置く…姉様を誑かす気ならば、すぐに立ち去りなさい」

 

「では風はこれで旅に―」

 

「駄目よ、まったく…宝譿が目を覚ますまでは、居なさい」

 

「そうじゃな、それに起きてからも、真名を訂正しないようなら今度こそ止めを刺すのもよいじゃろ」

 

……そういう意味で風を拘束して旅に戻さなかったのですかー

 

「あ、あの…」

 

振り向くと困った顔をした三人が…

 

あぁ、話に置いていかれたのですねー

 

黄巾等を壊滅させて雪蓮様の屋敷に着くと…

 

そこは、天国でした。

 

―――

 

――

 

「はうぁ、お猫様!」

 

「お猫様がこんなに!?」

 

「殖えたな…」

 

「殖えましたね~」

 

「程立も連れだせば、あれ以上殖えるとは思わなかったんだけどね…」

 

「策殿でも勘を外す事はあるとは…」

 

「姉様、どういうことですか」

 

「前の戦で程立にね…ここの留守を任せたのよ、それからね…」

 

「…猫を集めるだけで仕事をしなかった……と言う事でしょうか?」

 

「それが仕事もちゃんと終わらせてたのよ」

 

「猫達が居ると仕事の疲れを癒してくれますからねー」

 

「おや、星ちゃんお久しぶりですねー」

「ようやく目が覚めたようですねー宝譿さん」

「太陽を支えようとしたのですがー」


 
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