一刀「・・・くっ」
太陽の光に目が覚ます。痛む体を起こし周りを見回すと
一刀「・・・ここは?」
周りには何もない荒野だった。
一刀(・・・何が起きた?・・・確か・・・依頼を終えて廃屋のビルでフランチェスカの制服の少年に襲われて・・・そうだ!!鏡!あの銅鏡が割れてその破片から光が漏れ出して、そしてその光に包まれて・・・)
今までの自分の状況を考えていると
???「あ、あのぉ~」
後ろから声をかけられる。振り向くと同じ年齢くらいのピンク色の髪をしたかわいい女の子がた。
???「桃香様。いきなり話しかけては危険です」
すると鋭い目つきをした綺麗な黒髪をポニーテールにした女の子が一刀に先ほど話しかけてきた女の子の間に入ってきた。
???「愛紗。目が怖いのだ」
最後に赤い髪をした元気いっぱいと思わせるほどの小さい女の子が現れた。
???「うるさい。鈴々」
???「愛紗ちゃん。いきなりその態度は失礼だと思うよ?」
???「うっ」
???「にゃはは、愛紗が怒られてるのだ」
一刀「あの~、話しあってるところで悪いんだけど・・・君たちは誰?」
三人が話している最中に一刀は彼女たちが何者なのか質問をする。答えしだいでは、すぐに逃げ出せるよう構える。
劉備「あ、すいません。私は劉備、字は玄徳って言います♪」
関羽「我が名は関羽、字は雲長です」
張飛「鈴々はね~、張飛♪字は翼徳なのだ~!」
一刀「・・・は?」
一刀(まてまて・・・今、彼女達はなんて言った?劉備?関羽?張飛?それって三国志の英雄の名前じゃないか!?もしかして芸名?でも、彼女たちの目は真剣だし・・・・)
一刀「その名前って本当?」
劉備「ええ、そうですよ」
張飛「そうなのだ」
関羽「・・・何か問題でも?」
一刀「あ~、いや、別に問題は無いんだけど。だとすると、君の持っているものって青龍偃月刀じゃないかな?それと、それとそっちの子が持っているのが丈八蛇矛だったと思うけど、当たってる?」
関羽「!?」
張飛「おぉ。お兄ちゃんすごいのだ。なんで分かったのだ?」
劉備「すごいすご~い。お兄さんすごいよ。なんで二人の武器の名前を知ってるんですか?」
うわぁ~当たっちゃったよ…でも、これで、確定だな。しかし、なんで三人とも女の子なんだ?・・・まぁ可愛いから良いんだけど・・・
一刀「う~ん、なんでと言われても・・・知っていたとしか言いようが無いしな」
関羽「・・・」
関羽は一刀の事を警戒してにらんでる感じだったが、一刀は気にしないことにした。
一刀「そう言えば自己紹介がまだだったね。俺は北郷一刀よろしく♪」
劉備「はい。こちらこそ♪」
張飛「よろしくなのだ♪♪♪」
関羽「・・・・どうも」
グゥゥ~…
一刀「…そういや何も食ってなかったなぁ~・・・」
劉備「あはは、じゃあまずは近くの街に行きましょう♪話の続きはそれからでいいですか?」
一刀「あぁ、それでかまわないよ」
そして、一刀は三人に導かれるまま近くの街を目指す。道中でここが幽州啄郡。五台山の麓なのだと聞き、自分が別次元の過去に来ているのだと再認識した。そして、四人は近くの街に辿り着き適当な食堂で食事を終える
四人「「「「ごちそうさま(なのだ~)」」」」
一刀「さて食事も済んだことだし、話の続きといこうか?」
そう言って一刀は向かいの席に座っている劉備を見据える。
劉備「はい・・・・・一刀さん、単刀直入聞きます。あなたはこの世界の人ではありませんね?」
真剣な目で劉備は一刀に質問する。しかし、その目は確信に満ち溢れた目であった。
一刀「(こりゃ、変な誤魔化しとか効きそうに無いな)お察しの通り、俺はこの世界の人間ではない」
そう答えると劉備の顔はパッと花が咲いたかのような笑顔になる。
劉備「ねぇねぇ、愛紗ちゃん。やっぱりこのお兄さんで間違いないよ!変な服着てるし、私や愛紗ちゃんや鈴々ちゃんのこと知ってるみたいだったし、間違いないよ♪」
変な服って、結構気に入ってるんだけどなぁ。
関羽「しかし、桃香様。まだ、この者が別の世界から来たと決め付けるというのは、いさかさ早すぎるのではありませんか?」
劉備「ぶぅ~、愛紗ちゃんはまだ管輅ちゃんの占い信じてないの?」
張飛「にゃははは、愛紗は疑り深いのだ。そんなんじゃ、すぐにハゲてしまうのだ♪」
関羽「こら、鈴々!!だれがハゲるだ!。べ、べつにあのエセ占い師の占いなど・・・」
一刀「あ、あのさ・・・さっきから占いがどうの、こうのって言ってるけど、その占いって何?」
さっきから別の世界とか占いとか話してるけど
劉備「あ・・・ごめんなさい、実は数日前に管輅ちゃんって名前の占い師さんにあったんです。」
占い師?
関羽「そして、その自称大陸一の占い師の占いで「『蒼天を切り裂き飛来する一筋の流星。其は天の御遣いを乗せ、この乱世に安寧を齎す。』と出ました。」
張飛「それを信じた鈴々たちは、管輅が言った占いに従ってここまで来て・・・」
劉備「空を見上げたら蒼天を切り裂くようにして流星が落ちてきたんです。」
一刀「そして、その落ちた場所に俺がいたっということか?」
三人「「「・・・・・コク」」」
彼女達は俺を見ながら頷いた。しかし、またなんかゲームとか漫画みたいな設定だな。俺にそんな大層な役柄なんて似合わないだろ・・・
劉備「おねがいします!一刀さん、どうか私たちに力を貸してください!」
そう言って、頭を下げる劉備。
関羽「もう、我ら三人だけではこの乱世の世に平和をもたらすのは最早、不可能です。」
張飛「鈴々たちじゃ、もう無理なのだ!!」
三人「「「どうか、力を貸してください!(のだ!)」」」
今度は三人同時に頭をさげ、協力してほしいと願う、しかし・・・・
一刀「悪いけど、俺には無理だ。御使いだっけ?そんな大層な役柄俺には大きすぎるし、相応しくない・・・」
劉備「そ、そんな・・・・」
一刀「それに俺は、どちらかと言うと悪党だよ。むこうでは義賊とか言われていたけど依頼の内容は爺ちゃんが選んでいたし、俺は依頼されたらどんな依頼を任されようと完璧にこなす、どんな物でも盗む、それが俺の仕事だ。例え殺しの依頼でも俺は完璧に遂行する。」
三人「「「・・・・・・」」」
一刀「御使いは他を当たるんだな・・・」
そう言い放つと一刀は席を立ち三人の元から去ろうと・・・
劉備「ま、待ってください!!」
後ろから劉備が呼び止め、一刀は立ち止まる。
劉備「い、依頼を頼めば、あなたはその依頼を引き受けてくれるんですか?」
一刀は、振り向き劉備を見る
一刀「なに?依頼・・・・」
劉備「はい!私は・・・・北郷一刀さんに・・・・「天下を盗る」ことを依頼します!!!」
劉備は何事にも負けないといった気迫を込めて一刀を見据えて依頼する。
二人「「桃香様!(お姉ちゃん!)」」
二人は劉備の行動に驚き、劉備に問いかける
関羽「桃香様!本気ですか?このような者に天下を取れなど、あなたの格が落ちてしまいます!」
鈴々「そうなのだ!このお兄ちゃんに天下なんて無理なのだ!」
劉備「ううん、二人ともちがうよ。この人じゃないと天下は取れない、いや・・・私たちが目指している天下はこの人でじゃないと取れないと思うの!!」
それは、正史でも名を刻んだ王が持つ覇気、それを放つ少女を今、一刀の目の前にいる。
一刀(俺に「天下を盗れ」だと!?なにを言っているんだ!無茶だろ、しかもついさっき出会った少女からの依頼だぞ!普通は受けない。なぜ?リスクが高すぎる。この世界には俺なんか相手にならない武将がわんさかいるんだ。・・・現に今、目の前にいる二人も俺よりも遥かに強い・・・二、三合交えただけでも良い方だそんな俺に依頼をするなんて、何を考えているんだ?・・・・そう思うのに、なぜかこの依頼を受けたいと思う自分がいる。楽しそうとか、そんなんじゃない彼女のために受けようと思う自分がいるのはなぜだ?・・・・わからない)
劉備「一刀さん・・・・私の依頼を引き受けてくれますか?」
もういちど、聞いてくる劉備・・・
一刀「ほ、報酬は?天下を盗れっていうんだから報酬はそれにみやう物があるのか?」
当然、天下にみあう物をこの少女が持っているはずが無いと思っていた・・・・
劉備「・・・・・・私では駄目ですか?」
一刀「な?なに!?」
二人「「桃香様!!!(お姉ちゃん!!!)」」
先ほどよりも大きく怒鳴る関羽と張飛を無視して、ジッと俺を見据える
劉備「この依頼を引き受けてくれるのなら、私を好きにしてください。」
一刀「・・・・本気で言っているのか?」
劉備「劉備玄徳に二言はありません!!」
静かにしかし、重たくのしかかる覚悟のある返事に俺は・・・・
一刀「わかったその依頼引き受けよう・・・・」
そういいながら一刀は劉備に近づきその頬に手を添える。そして、劉備の顔を自分の顔に寄せる。
関羽「貴様!!!!!」
張飛「お姉ちゃんからはな(愛紗ちゃん!、鈴々ちゃん!)・・・っ!」
一刀に飛び掛ろうとするのを劉備が静止させる。その間にも一刀との距離が近づく。鼻と鼻が触れ合うぐらいに近づき、目を閉じる。自分の初めてを奪われるのを覚悟して・・・・
・・・・・チュ・・・・・・
劉備「・・・・・え?・・・」
くるであろう感触は自分が想像していたところより高い位置、額の部分に感じる。ふと、目を開けるとそこには自分の額に口付けをしている一刀の顔が目の前にあった。劉備は顔はこれでもかというほど赤く染まる。口付けが終わり、自分から離れる一刀を少し残念そうに見つめる。
一刀「俺は、報酬は依頼を終えてから貰う主義なんでね・・・・今のは、マーキング」
劉備「まーきんぐ???」
一刀「あ~、え~と。つまり自分の物だっていう印付けかな・・・・」
関羽「印付け・・・ですか・・」
一刀「そう!俺は依頼を完了するまで、劉備に絶対手を出さない。そして劉備は依頼を完了するまで、俺以外の男に体を触れさせない。もちろん、俺もできるだけ守ってやるから、これでいいな!」
劉備「え!・・・は、はい!!いいです!それでいいです!!ありがとうございます。」
劉備は感激のあまり涙目になり、それでもペコペコと何度も一刀にお礼を言う。
一刀「さてと、これで契約成立だな。それじゃあ、これからよろしくな!マスター」
劉備「ますた~って何ですか?」
一刀「あ!そうか、横文字はダメだったな。マスターというのは向こうの世界で主、主君を表す言葉なんだ。」
劉備「天の国の言葉ですか・・・それでしたら、私のことは真名で呼んでください♪」
関羽「桃香様!!」
一刀「真名?それは、何?」
関羽「真名とは、真なる名前と書いて親、兄弟や自分の認めた相手にしか呼ばせない大切な名前・・・」
張飛「それ以外の奴が呼んだら、頸を刎ねられても文句が言えないのだ」
一刀「そんな大事な物、俺なんかに教えていいの?」
劉備「はい!あなたには、これからたくさんの苦労を掛けてしまうかもしれません。今、自分にできることはこれくらいしかありません。だから・・・・受け取ってもらえないでしょうか?」
一刀「・・・・・わかった・・・君の真名・・・受け取るよ」
桃花「は、はい!私の真名は桃香です。これからよろしくお願いします♪」
一刀「あぁ、こちらこそよろしく頼む。俺のことは好きに呼んでくれて構わない・・・桃香」
桃香「はい、わかりました。一刀さん♪」
鈴々「お姉ちゃんが預けるのなら鈴々も、預けるのだ。鈴々の真名は鈴々なのだ!これからよろしくなのだ!!お兄ちゃん♪」
一刀「あぁ、よろしくな鈴々」
そう言いながら鈴々の頭を撫でる。
鈴々「にゃは~~~~」
関羽「・・・・・・・」
桃香「?・・・・愛紗ちゃん?」
関羽「私は、まだこの者を認める訳にはいきません。」
桃香「!?・・・どうして?なんで認められないの?」
関羽「先ほど、自分でも言っていたではありませんか。自分は悪党だと、それに天下に大平をもたらすのに報酬を寄越せなど「それは、わたしが勝手に・・・」それでも私は、彼の事まだ認めるわけにはいきません!」
鈴々「愛紗は、頑固者なのだ」
桃香「ぶぅ~~~~~」
一刀「・・・・・それで構わないよ、桃花」
そう言って桃花の肩に手を置く一刀・・・
桃香「一刀さん・・・・」
一刀「確かに、関羽の反応のほうが正しいからね。得たいの知れない男をいきなり信じろなんて無理な話だからな・・・」
関羽「・・・・・」
一刀「でも、まだってことは認めてくれる余地はあるってことだよね?」
関羽「それは、これからの貴方しだいです」
一刀「そうか・・・・わかった!認めてもらえるように頑張るよ。」
桃香「がんばってね♪一刀さん」
鈴々「がんばれなのだ!お兄ちゃん」
関羽「・・・・・」
こうして俺、北郷一刀は歴史に名を刻んだ英雄たちから依頼を受け行動を共にすることになりました。
この先いったいどうなるかまったく見当がつかないけど、どんな壁が待ち受けようともこの紅蓮朱雀で切り開いてみせる。
桃香「ところで一刀さん、いくらぐらいお金持ってる?」
一刀「え?こっちの世界に来たばっかりの俺が持ってるわけがないだろ」
三人「「「え!?」」」
一刀「・・・・・・もしかして、俺を頼りに食事してお金が無いってこと?」
三人「「「・・・・・・コク」」」
食堂のおばちゃん「ちょっと、それはどうゆうことなんだい?」
四人「「「「げ!?」」」」
食堂のおばちゃん「詳しく話を聞こうじゃないか?」
・・・・いきなり高すぎる壁が押しよせて来た・・・・
あとがき
どうでしたか、今回の話は?一刀をどこに落とそうか迷っているうちに蜀に落とすことにしました。理由は自分が書きやすいなと思ったのと、このサイトで魏√や呉√に比べて蜀√が少ないのではと思ったからです。
そして主人公設定としては、この一刀君は少し腕に自身がある程度でそこまで戦闘に熱くなりません。どんなことをしても勝てれば良いと考えています。しかし、自分の大切な物を守るためには自ら危険に飛び込もうとします。今は、他の武将より弱いですが鍛錬を積み重ねて強くなって行く設定です。
この設定は、自分がそうゆう修行とかして強くなっていく主人公が好きだから決めた設定です。はじめから最強だと他の武将の出番が少なくなってしまうと思うので、どうぞこれから強くなっていく一刀君を温かい目で見ていってください。
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今回は、少し長めに書いてみました。見直しもしましたが、間違いがあったらごめんなさい。感想などコメントしてくれたらうれしいです。それでは、駄作ですがお楽しみください。