トゥルルル
トゥルルルル・・・ピッ
「あっ!爺ちゃん?俺、一刀だけど依頼は無事終わったよ。今、データをそっちに送っているから、え!?ミスはなかったかって?・・・あ、あるわけないだろ・・・北郷家・次期当主で今巷で騒がれている「黒風」がミスなんて・・・え?何で知ってるの!!って・・・いや、でも・・・わかった帰ったたら道場の掃除だね・・・わかったから、そうガミガミ言わないでよ・・・・うん・・・うん・・・わかった、じゃあね・・・はぁ」
ピッ・・・パタ
携帯を懐にいれてため息をつく巷で現在の義賊と騒がれている「黒風」こと、北郷一刀は廃屋となったビルのなかで祖父に今回、依頼された悪政を裏で行っていた政治家の裏帳簿のデータを送信と依頼完了の連絡を入れていた。
「まさか、門の装置がばれたのって爺ちゃんの仕業じゃないよね・・・あの人ならやりかねない・・・」
そう言って、また溜息をつく。祖父はこれも修行と言って以前、寝ている一刀を手と足に手錠をしたまま樹海に置き去りにしたり、死に掛けたことなど何度あったことか。そう思い頬から一粒の水滴が流れていた。
「くっそ~~~~、めげていても始まんねぇ、そうだ!今日のお宝でもチェックするか!なにがあるかな♪♪なにがあるかな♪♪」
一刀は屋敷からついでに盗んできた政治家のコレクションを袋から取り出し始めた。一刀はこのように依頼のついでに金目になりそうな物を盗み自分の小遣いにしている。一刀にとってはこちらの方が本命なのではと思うほど顔がニヤケていた。
「やっぱり、盗むっていったらこういう美術品とかだよなぁ・・・ええっと、まずはオレンジ色の水晶の中に星が四つ入った玉に紫色の変な模様が入った木の実に・・・・なぁ~んか、見たことがありそうな物ばかりだな。」
一刀は袋から次々と盗品を取り立していく。
「ん?なんだこれ?・・・・・・銅鏡?」
一刀は次の盗品を手に取りそれを見ながら疑問を抱える。
「こんな物、盗んだかな?それにしても、やけに古そうな銅鏡だな・・・売れるかな?・・・!?」
ドッガァアアアッ!!!
そう言って、銅鏡を眺めていると突然後ろからとてつもない殺気が放たれ、咄嗟に前方へと体制がくずれながらも飛び込む、それと同時に今、自分がいた場所から土煙と轟音が鳴り響くのを確認した。
「い、いったい何なんだ、追っ手か?」
一刀は体制を整のえながら土煙が舞っている場所を見据える。そこから見える影が自分に向かって来るのを捉え、腰に差してあった刀「紅蓮朱雀(ぐれんすざく)」を抜き正眼に構える、土煙から飛び出してきた影は一刀の頭を狙い右から上段回し蹴りを繰り出す。
ブゥオンッ!!!
「な!?はやっ!!」
ザシュッ!!!
一刀は、相手の異常な速さの蹴りに危険を感じ後方に飛びその攻撃を回避するも、蹴りの風圧で頬に切り傷ができてしまう。
「・・・ほう、今のを避けるか、なかなかやるな・・・」
そう言って、月明かりに照らされポリエステルが白く輝いている制服を着た少年が殺気を放ちながら一刀を見据える。
(あれは、俺が通っているフランチェスカの制服・・・なんでフランチェスカの学生が俺を狙うんだ?それに、この殺気・・・やばいな・・・こいつ俺より強い!)
「なんで俺を狙うんだ?あの政治家の追っ手か?」
「ふんっ!俺が何者なのか、なんてどうでもいい・・・お前は大人しくその銅鏡を渡せばいいだけだ!!」
(銅鏡?これのことか・・・なんであいつはこれを狙うんだ?なにか秘密があるのか?)
「いやだと言ったら、殺して奪うまで・・・・・か?」
「・・・・渡しても殺すが・・・な!!」
ブォウンッ!!!
ガッギィイッ!!!
少年は素早い動きで一刀に近づき横腹を狙い蹴りを放つ、それに反応した一刀は刀の腹で防ぐ。
「っつ!!この!!」
ブゥオンッ!!!
一刀は防いだ足を弾き返し、横薙ぎを繰り出すも後方に飛び引かれ空を切る。
「はぁああああああッ!!!」
後方に引いた少年は地面に着地し、すぐさま一刀に向かい飛び上がりそのまま飛び蹴りを放とうとする。
「うぉおおおおッ!!!」
一刀はその攻撃を下から上へと切り上げて迎え撃とうとする。
「でやぁあああッ!!!」
「うぉおおおおッ!!!」
ガギィイイイッ!!!
二人の攻撃がぶつかり凄まじい轟音が廃屋のビルに木霊する。
ダコォオッ!!!
「がはぁ・・・ッ!?」
攻撃がぶつかり合っていたが、一刀は力に押し負けて後方に吹く飛ばされてしまい、地面を二、三回転がりながらも体勢を立て直そうとする。
「これでおわりだぁあああああッ!!!!」
そこに少年は一刀に止めを刺そうと横蹴りを放つ構えとる。
「ぐぅ・・・!」
一刀は少年の攻撃を防ごうと体勢を整えようとするも、さっきのダメージが残っておりうまくバランスが取れない。
「はぁああああああッ!!!」
そうしているうちに少年は一刀の胸を狙い横蹴りを放つ。
「ッ!」
一刀は避けれないと覚悟を決めて、来るであろう衝撃と痛みに備えようと足に力を込めるも逆に力が抜けてしまい、後ろに倒れこむような体勢になってしまった。しかし、思わぬ行動に少年は驚き蹴りの軌道を変えようとする。そのとき、一刀の胸ポケットからしまっていた銅鏡がこぼれ落ち蹴りの軌道上に入ってしまう。
「ッ!し!しまっ!!!」
パリン!!!
少年の放った蹴りが銅鏡を粉々に砕いてしまう。その時、砕いた銅鏡の破片から大量の光が漏れ出す。
「!?い、いったいなにが!!!!」
そう思っている中、光はその輝きを増していき、二人の少年を包み込む。
「くっ!貴様の邪魔がなければ・・・・絶対に殺してやる!絶対だ!!」
少年はこの世の者すべてを殺してしまうのではないかと思わせるほどの目で一刀を見る。
「うおおおああああああああああああああああ・・・・・・・!!!!!」
そして、光は二人を完全に包み込むと急速に銅鏡の破片へと収束していく。光の収束が無くなるとそこには先ほど戦っていた二人の少年も割れた銅鏡の破片も無かった。あったのは、一刀が盗んできた盗品だけであった。
あとがき
はじめまして、前回から作品投稿あせてもらっています。働きましょうです。
今までに小説を一回も書いたことのない私ですが、tinamiでの恋姫小説を読んで感化させられこのような無謀な兆戦を試みました。本当に見苦しい作品ですみません!・・・(土下座)
さて、そんな作品ですが、はじめてなのに戦闘などさせてしまいうまく伝えられたのか心配です。
一刀君の相手の少年はみなさんもうわかっていると思います。
このあとは一刀君をどこに飛ばそうか決めていません。どこにしようか迷っています。
ちなにみ、この作品の一刀君はチートではありません。レベルとしては凪ぐらいだと思います。
しかし、むこうで武将たちに鍛えられるので多少はレベルが上がると思います。
そんな作品ですが、どうか暖かい目で見ていてください。
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初めての小説なのに続き物に兆戦する愚か者です。どうか暖かい目で見守ってください。楽しんでくれれば恐縮です。