盗賊を全滅させて気を失った一刀。
意識を失う前にみた人物とは?
(簡単ですよね~~~~)
「う、ううん?・・・ここ、どこ?(ココに来て二回目!)」
一刀の前には見知らぬ天井と、見知らぬ部屋があった。
「・・・・・寝る」
一刀はもう一度寝ようとする。すると、
「おお!起きたか小僧よ。怪我はないか」
声のした方向を見ると、意識が途絶える前に見た、長い髪の白い女性が立っていた。
(わはははは!もう無理!理解不能!)
「おい小僧!小僧!」
「・・・はっ!!」
女性の一言で目が覚めた一刀。
どうやら、無意識に現実逃避していたようだ。
「は、はい。ところで、どちらさん?」
「わしか?わしは、黄蓋。字は公覆という。」
(黄蓋???どっかで聞いたような?)
一刀「こうがい?さん。ここ、どこ?」
「ここか?ここは、荊州南陽。我が主、孫策様の館よ」
(けーしゅーなんよー????それに、孫策??また聞いた事のある・・・もういいや・・・)
「荊州って何?」
「なんと?」
「だから、荊州って何?」
「おぬし、荊州も知らんのか。」
「うん。知らない。」
「なんと!!荊州も知らんとは・・お主一体どこの出身じゃ?」
「俺?東京の浅草だけど。」
「とーきょー?あさくさ?一体どこだそれは?」
「え!知らないの。」
「うぬ。そんな邑、聞いた事がないぞ。それはどこの州じゃ?」
「ええっとー。ココまで分からないとなると・・・無理!”エヘッ^^”」
そういい、一刀は寝ようとする。
「おい小僧!わしが質問しているというのに・・・名前ぐらい教えんか!」
「俺は北郷一刀だよ~~~。」
そう、寝ながら言う一刀。
「性は、ほん。名がごう。字がかずとか?」
「いや、性が北郷、名が一刀。あざなってモンは無し。」
「なんと!字がないとな。」
「では、最後にもう一つ。」
「ん?、なに?」
「昨日の盗賊、あれはお主か?」
その言葉を聞いて、一刀は顔を背ける。
そして、
「ああ。あれは俺がやった。盗賊のいたちょっと先に村があったろ。」
「ああ。ひどい有様だった。きっと、あの盗賊たちだろう。」
「村の皆は俺の家族だった。家族を殺されたんだ・・・賊を殺したくなるのは当然だろう。
皆が死んだ今、もう俺には何も残っていない。」
「・・・・」
一刀は体を起こす。
「だが、俺は歩き続ける。こんな世の中、俺がすぐに終わらしてやる!!」
黄蓋はただ、一刀の言葉を聞いていた。そして、
「北郷よ。それが、おぬしの命を散らしてでもか。」
「ああ。絶対に成し遂げる!」
「そうか。」
そういうと黄蓋は、一刀の正面に立ち、こういった。
「それほどの意志の強さ。そして、戦場で見せたあの武。
わしの真名を授けるのに相応しいおとこじゃ。」
その言葉を聞いて一刀は首を傾げる。
一刀「あのお~~。真名って何?」
黄蓋「真なる名と書いて真名と呼ぶ。自分が認めた相手、心を許した相手、
そのような者たちにしか呼ぶ事を許さない大切な名じゃよ」
「という事は、信頼の証ということですね。」
「分かったか。わしの真名は祭という。」
「ありがとう祭さん。俺は北郷か一刀でいいよ。それが一番真名に近いし。」
「なんと!わしはお主の真名を気安く呼んでおったのか・・・」
そういい、元気が無くなって俯く祭。
「いや!いや!、俺の国には真名というものが無かったし。
しょうがないから気にしなくていいよ。」
「そうか・・・」
一刀の言葉を聞いて、元気を取り戻した祭。
「では、わしは行くとしよう。昼になったらまた来る。
腹が減ったら鈴を鳴らすが良い。では、夜に会おう北郷」
そういい残して、祭は部屋を出る。
一刀「夜までに時間があるし、寝るか。」
そして、寝台に入り目を閉じる。
・・・
・・
・
・
・・
・・・
「ね・・お・て・・・おき・・さい」
一(人がせっかく気持ちよく寝てるのに)」
誰かの声で起きる一刀。
「あと5分~・・・」
また寝ようとする一刀。が、
???「おっきなさ~~~い!!」
その言葉と同時に布団を取り上げられる一刀。
そして、
「うわあ!!」
寝台から、落ちる一刀。
”ゴン!!”
「痛ってええええええええええ!」
「あ、ごめん。」
「はっはっは!北郷よ、目が覚めたか?」
「うん。でも、あ、頭が、頭がフラフラする・・・(それに視界も霞む・・・)」
「でも、起きなかった君が悪い。うん!そうだ!」
「こら、雪蓮。他の起こし方があるだろうに」
「は~~い。で、君の名前は?」
やっと意識がはっきりした一刀の前には、祭と、戦場で見た二人の女性がいた。
「ふ、増えた・・(一人から、三人に・・・)」
「ちょっと君。聞いてるの?」
「あ。お、俺?」
女性に指摘され初めて自分に向けられた言葉だと知った一刀。
「俺の名前は北郷一刀だよ」
「変わった名だな。性が本、名が郷、字が一刀か?」
「また・・・祭さん。ちゃんと説明してないの?」
その言葉に二人が反応する。
「ッ!!!」
「あなた、どうして祭の真名を呼んでるの」
そう、怒気を込めて言うピンク色の髪の女性。
「それは、祭さんに、教えてもらったからだけど?」
「本当か?祭」
「ああ、本当じゃ。北郷は強い意志を持ち、なおかつ、それのに勝るほどの
武も持っておる。」
「そう、私の名は孫伯符。」
「私は周公謹。」
(ッ!!孫伯符と周公謹。それに黄蓋!。)
一刀は確信した。この世界がどのような世界である事を。
この世界は一刀の知っている「三国志」の世界なのだ。
「一刀?かーずーとお?」
「あ、はい?」
「いや、なんかぼーっとしているから。」
「いや、少し確信した事があったからね。」
「へえ~。どんな事?」
(なら、こんなことしたら驚くのかな?)
一刀の頭の中にあることが閃いた。
「あの~。」
「なに?一刀」
「ふたりってさ。」
「うん。」
「孫策と、周喩。で合っている?」
「「「ッ!!!!」」」
一刀の一言で三人は驚愕した。
孫策と周喩は、なぜ、初対面の男が自分の名前を知っているのか?
祭は、なぜ教えてもいない冥琳の名前を知っているかという事だ。
「あったり~~。でも、教えてもいないのに良く分かったね。」
「ああ~やっぱり・・・」
「やっぱりとは、どういうことだ北郷。」
一刀は三人に自分の世界の事。
その世界で三人は英雄になっている事を伝えた。
「ねえ、冥琳・・」
「ああ、知らぬ間にこの世界にいた。この世界をまったく知らない
私たちの知らない事を知っている。間違いないであろう。」
「あの、「天の御使い」というものか。」
一刀はまた、首を傾げる。
「ねえ。「天の御使い」って何?」
「「流星と共にやってくる者はこの乱世を鎮める天の御使い」占い師の管路のいった言葉だ。」
「でもあの人の占い当たらないのよね。でも、その言葉も信じてしまう世の中なのよね。」
「ああ、まったくじゃ。」
「へえ~。そんな、当たらない占いでも信じてしまうほど荒れてるんだね」
「ああ、漢王朝の権力が衰退していく今、各地の諸侯が野心を芽生えさせ、天下を我が物にしようとしている」
「でも、それに巻き込まれるのはいつも農民などの弱い人々・・」
「じゃから、わしらの強いものは、一刻も早く袁術のもとから独立し、
この世を平和にしなければいけないのじゃよ」
「ところで北郷よ。」
ふと思う周喩。
「ん、なに。」
「いくあてはあるか?」
「ない!」
「頼れる人は?」
「いない!」
「生きていく術は?」
「ある分けない!」
「「「・・・・・」」」
「俺・・・どうしよう・・・・」
涙目で三人に問いかける一刀。
すると、
「そんなの簡単よ!一刀を、孫呉のもとに置けばいい!(結構可愛いし!!)」
その声に、
「わしもそのほうが良い!(北郷の本気が見てみたい!!)」
好奇心旺盛の二人は一刀を置いておきたいらしい。
「分かりました。私も同じ意見ですし」
どうやら、全員一致のようだ。
「え、俺ここにいていいの?」
「ええ、もちろん。でも、条件が二つ。一つは孫呉のために尽くす事」
「それは当たり前だよね~~」
「そしてもう一つは・・・」
「もう一つは?」
「孫呉に天の血筋を入れること」
「・・・・・は?」
「だ~か~ら、孫呉の皆を口説きまわって、まぐわればいいの」
(ええ~と「まぐわって」といわれましても~~ねえ?、)
「それは、俺の思っている意味でいいの?」
「たぶん合っていると思うわよ。でも、無理やりは駄目よ。」
「いや、絶対にしないから。」
「そう、ならいいわ。あと、私の真名は雪蓮」
「私の真名は冥琳だ。」
「じゃあ、雪蓮、冥琳。これから宜しく。」
「こっちこそ。」
「よろしく頼むぞ北郷」
「三人ともわしの事を、忘れておらんか?」
「イエ、チャントオボエテマシタヨ・・・(忘れてた!!。)」
「ほう、わしを忘れるとはいい度胸だな北郷。死ぬ覚悟はできているな?」
そう言って、弓を構える祭、
「は!?なんで、覚えてるって言ったじゃん!なんで、忘れただけで!?」
「やっぱり忘れておったか。ほ~ん~ご~お~!!」
追いかけてくる祭。逃げる一刀。
この光景を見ながら二人は
「これから賑やかになりそうね、冥琳。」
「ああ、よい活躍してくれると助かるな。」
このような話をしていた。
空は快晴。雲ひとつ無い快晴の空一刀の叫び声が響く。
「死ぬ~~~~~~~~!!!!!!!!!!」
「まて~~ほんごお~~~」
暖かい昼下がり。とある呉のひと時である。
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今作は、会話分の初めの名前を消してみました。
見ずらかったら言ってください。
駄文ですがドーゾ