No.126497

真・恋姫無双×仮面ライダー 一刀蒼き仮面の遣い 序章

BLACKさん

この物語のメインは真・恋姫†無双の話ですが、主人公の一刀の性格が原作と全然違う部分が存在します。それが嫌な方はご閲覧をご遠慮願います。
なおこの物語の原作者は書いた著者ではありません。
原案者の許可をいただき、原案者の名前を書かせてもらいます。
原案者 ビスマス  作成者 BLACK

2010-02-24 22:40:34 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:4522   閲覧ユーザー数:3910

 

これはある世界で起こった出来事である。

 

「森(しん)!」

 

森(しん)と呼ばれる男は血まみれで、歳がそんなに変わらない青年に抱えられていた。

 

「森! しっかりしろ! 森!」

「へへ、済まないな一刀」

 

森が自分を抱える青年一刀に謝罪の言葉を言う。

 

「それは俺の台詞だ! 俺のために……俺のために……」

「いいんだよ……これも天命だったのかもな」

「俺はそんな天命認めない! これは天命じゃない! 俺がもたらした。俺の責任だ!」

「そう自分を責めるな一刀。折角の良い男面が台無しになるぞ」

「そんなこと言ってる場合かよ! くそ!」

 

一刀は涙を流す。

 

「どうしてこんなことに……」

 

それはずっと前に話が戻る。

 

 

「へぇ~そうなんだ」

「そうなんだよ。あいつが好きなんだとよ」

 

一刀と森が学校帰りでフラフラと歩いており、二人の親友が好きな女の子を見たので森がその事実を一刀に教えていたのだ。

久我毘森(くがびしん)は北郷一刀(ほんごうかずと)とは一つ年上で学校では先輩ではあるが、二人は幼馴染なので互いの名を呼び捨てで呼び合っているかなりの友情で結ばれている二人である。

しかしその友情はただ単なる幼馴染と言う理由だけではないのだ。

 

「♪~♪」

「電話か」

「誰だろう?」

 

森の携帯電話が鳴り、森は電話に出る。

 

「もしもし」

「久我毘、ワームが出たぞ」

「何だって!?」

 

森はその連絡を受けて驚く。

 

「それで場所は……分かりました!」

 

森は電話を切る。

 

「ワームか?」

 

一刀が森に聞く。

 

「ああ、そうだ。一刀……」

「俺も行ってやるよ」

「いつも済まないな」

「いいんだよ。俺達は友達だろ?」

「そうだな。行くぞ!」

 

森と一刀はそのワームが現れたとされる場所に走って行く。

 

 

現場ではワームをZECTのゼクトルーパーが対処していたが、サナギ体から脱皮した2体のワームの前ではゼクトルーパー隊は全滅しかけていたが……。

 

「待て!」

 

そこに森と一刀が到着する。

森は自分のカバンからガタックのライダーベルトを出して、自分の腰に巻く。

一刀も自分のカバンからサソードの剣、サソードヤイバーを取る。

そして空からガタックゼクターが飛んできて、残った2体のワームに牽制攻撃を仕掛けた後、森の手に収まる。

それと同時にサソードゼクターが地上に姿を現して、一刀の手に跳んでくる。

 

「いくぞ、一刀!」

「ああ!」

「「変身!!」」

 

森はガタックゼクターをライダーベルトに、一刀はサソードゼクターをサソードヤイバーに付ける。

 

「「Henshin」」

 

森は仮面ライダーガタックマスクドフォーム、一刀は仮面ライダーサソードマスクドフォームに変身した。

 

「「はあっ!」」

 

二人はそのまま駆け出して、2体のワームを一体ずつに分けて攻撃する。

 

「ふん!」

「うりゃあ!」

 

マスクドフォームでありながらも二人は成虫体のワームを押していくが……。

 

「ぐぅうぅぅぅ」

 

2体のワームは突然目にもとまらない速さで動きだし、二人のライダーを攻撃する。

クロックアップである。

 

「ぐわっ!」

「くっ!」

 

二人は思わずよろけて、背中あわせになる。

 

「やっぱりクロックアップできる相手にこの状態のままはきついな」

「そうだな」

 

そして森はガタックゼクターのホーンを90度上げ、一刀もサソードゼクターの尻尾をあげる。

二人の鎧は少し浮きあがるような状態になり、それぞれのゼクターから待機音が鳴る。

 

「「キャストオフ!!」」

 

二人は一気にホーンと尻尾を倒した。

 

「「Cast Off」」

 

その音声と共に二人の鎧は飛び散り、その鎧から出てきたのは仮面ライダーガタックライダーフォームと仮面ライダーサソードライダーフォームであった。

 

「Change Stag Beetle」

「Change Scorpion」

「一気にやる!」

「ああ!」

 

森は腰についているスラップスイッチ、一刀はトレーススイッチに手をやる。

 

「「クロックアップ!!」」

「「Clock up」」

 

二人がスイッチを押したり、スライドさせた。すると二人の周りは2体のワームを除き止まっているようにしか見えない状態になっていた。

二人もクロックアップ状態になったのだ。

 

「はっ!」

「ふん!」

 

二人のライダーと2体のワームが激突する。

しかし何度もワームと戦ってきている森と一刀の敵でなく、簡単に2体のワームは押されていき、今度はワーム同士が背中合わせになった。

 

「これで決める!」

「OK!」

「1,2,3」

 

森がガタックゼクターに付いているボタンを三回押し、ゼクターホーンを一時元の状態に戻す。

一刀もサソードゼクターの尻尾を先ほどの状態に戻す。

 

「ライダーキック!」

「ライダースラッシュ!」

 

二人はその言葉と共にゼクターを再びライダーフォームの状態にした。

 

「Rider Kick」

「Rider Slash」

 

先に攻撃を仕掛けたのは一刀であり、一刀はサソードヤイバーで2体のワームを横一文字に斬りつけた。

そしてジャンプしていたガタックがサソードの肩に手をおいてワームのところに近づいて、空中二段蹴りを2体のワームの頭部にぶつけて、2体のワームを倒し、ワームは爆発した。

 

「「Clock over」」

 

ライダースラッシュとライダーキックが決まったのと同時にクロックアップが解けた。

 

「さてと……」

 

そんな時であった。

突然どこからともなく現れた別の成虫体のワームが森達を襲った。

 

「ぬあっ!」

「まだ居たのか!?」

 

攻撃を受けた二人が急いで迎撃態勢を取ろうとする……。

 

 

そのワームはどこからともなく見えない赤い影に何度も斬りつけられた後、爆発した。

 

「何だ今のは!?」

「とりあえず……」

「「Clock up」」

 

二人は再びクロックアップして、その赤い影を見る。

 

「あれは?」

「お前、ちょっと待て!」

 

一刀がその赤い影を追う。

 

「おい! 一刀!」

 

森も一刀の後を追う。

一刀はその赤い影の前に立ち、赤い影も止まる。

 

「「Clock over」」

 

どうやら互いのクロックアップ時間を終えたようで、はっきり赤い影が見えるようになる。

その正体は赤いカブトムシのような姿であった。

 

「カブト……」

 

そうその赤いカブトムシのようなものは、仮面ライダーカブトライダーフォームであった。

 

「お前か……」

 

そこにようやく森も到着する。

 

「確か名前は……」

「雨瞳布佐志(あまどうふさし)。……俺に関わるな」

「何だと?」

「Clock up」

 

雨瞳という男は再びクロックアップし、その場を走り去った。

 

「待ちやがれ!」

「待て一刀。追うな!」

 

森が一刀を止める。

 

「何でだよ」

「とりあえず俺達は疲れてる。それだけだ……」

「……分かったよ」

 

二人は変身を解く。

 

「とりあえず帰るぞ」

「そうするか」

 

二人は帰ることにした。

 

 

それから数日後、二人が通う聖フランチェスカ学園。

そして今は昼休みであり、食堂で二人はあることを話していた。

 

「雨瞳布佐志のことなんだがな……」

「あいつのこと、何か分かったのか?」

「ああ、ここ数日ZECTで調べてな……」

 

実は森は秘密組織ZECTに所属している人間である。

ZECTとはワームと戦う組織であり、一般には知られておらず、かなり親しい人間でも基本的に知らない。

ZECTはワームに対抗するためにマスクドライダーシステムを作った。しかしそれには適合者でないと変身できない。

そのライダーシステムを使う人間は基本はZECTのメンバーであるが、一刀はZECTのメンバーではない。

森と親しい間柄でZECTを知っている人間でもZECTに入ろうとは思わず、一般協力と言う形で手伝っている。

 

「雨瞳布佐志(あまどうふさし)、歳は20歳。で家族構成は父と母と妹の4人構成だった」

「だった?」

「ああ。あいつの家族は全員ワームに殺された」

「何だって?」

「そして擬態したのだが、そのワームは雨瞳が全部倒した」

「どうやってだよ?」

「家族を殺された後、あいつはカブトの資格を得た。そして資格を得てしばらくしてそのワーム達を倒した」

「それでその後は……」

「どうも調べによると、あいつは俺達が気付かないうちにワームをことごとく倒している」

「ことごとくな……」

「あいつはどうも唯一の肉親であった家族を失くしたせいでどうもワームを見たら問答無用で倒しているようなんだ。

それならまだ良いんだが、どうもあいつはワーム以外の……普通の日常でもかなり荒れているようなんだ」

「荒れている?」

「普通に『こんな世界無くなってしまえ』とかも言ってるとかどうとか……」

「そいつはやばいな……」

 

そうして昼休みが終わり、学校の授業も終わった。

 

「さてと……」

「♪~♪~」

「またかよ……もしもし」

 

森が携帯に出て、やはりワーム出現の連絡であったが、どうも今回はいつもの連絡とは違うようだった。

 

「え? 雨瞳がいる?」

「ああ。それとワームが何かトラックを狙ってて、それをカブトも狙っていたようでな……」

「まあとにかく現場に行きますね」

「頼んだぞ」

「行くぞ、一刀」

「ああ!」

 

そして二人はその現場に向かうのであった。

 

 

二人は現場に到着し、すぐにライダーフォームまでに変身し、トラックを襲うワームと戦っている雨瞳との戦闘に介入する。

 

「お前、何でこのトラックを狙う?」

「お前達には関係ない」

「関係ないだろうけどな、知りたいって言う好奇心があってな……」

「聞かせてもらうぞ。こいつらを倒したらな」

 

そして三人のライダーはそのトラックを襲ってきたワームの集団を全滅させた。

 

「さてと……。事情を聞かせて……」

 

一刀がそう言うと雨瞳は攻撃してくる。

 

「ちっ! いい加減にしな! 手前、家族を失くしたそうじゃねえか」

「ああそうだ!」

「何でそんな自暴自棄になるんだ?」

「お前に分かるか! 肉親の家族を目の前で殺された人間の気持ちが!」

「分からねえよ!」

 

一刀と雨瞳が激突し、それを森が止めに入る。

 

「お前らいい加減に……しろ!」

 

森がライダーキックの要領で、二段蹴りを二人にぶちかます。

 

「「うわっ!」」

 

すると雨瞳のところにカブトゼクターともう一つ、別のゼクターが飛んでくる。

 

「うん? なんだそれは?」

 

雨瞳が体勢を立て直す。

 

「お前達が知らないゼクター。ハイパーゼクターだ」

「ハイパーゼクター?」

「気をつけろ。何かあるかも知れない」

 

カブトのスラップスイッチにそのハイパーゼクターを付ける。

 

「ハイパーキャストオフ」

「Hyper Cast Off」

 

その音声と共にカブトの姿が変わっていく。

 

「Change Hyper Beetle」

「姿が変わった……」

「それでもやるぞ!」

「「Clock up」」

 

森と一刀はクロックアップして雨瞳に近づくが……。

 

「ふん」

「Hyper Clock up」

 

 

いつもと違う音声が雨瞳の方から聞こえ、雨瞳の姿が見えなくなる。

 

「なに! ぐわぁ!」

「ぬあっ!」

 

二人は突然宙を舞うように攻撃を受け、そして地面に倒れる。

 

「ぐっ!」

「がっ!」

「「Clock over」」

「Hyper Clock over」

「な、何故……」

「クロックアップより早いだと……」

 

二人が起き上がろうとする。

 

「そうだ。ハイパークロックアップ。こいつの前ではクロックアップもクロックアップしてない人間と変わらない」

「Hyper Clock up」

「でぅおわっ!」

 

森が派手に吹き飛ばされた。

 

「森! ぐわぁっ!」

 

一刀も同じように吹き飛ばされた。

 

「お前達には何度も邪魔されてるからな」

 

そこに雨瞳の元に大剣が飛んでくる。

 

「ここでお前達を倒して、俺は全ての世界を破壊してやる!」

 

すると突然サソードゼクターがサソードヤイバーから離れてしまい、一刀は元の姿に戻ってしまった。

 

「何!?」

「一刀! どういうことだ!?」

「パーフェクトゼクター。こいつの命令は絶対でな。ガタックゼクター以外は全てこのパーフェクトゼクターの言いなりだ」

「何だと!?」

 

雨瞳はパーフェクトゼクターにザビーゼクター、ドレイクゼクター、そしてサソードゼクターが付いたことを確認して、それぞれのゼクターの色のボタンを押す。

 

「カブトパワー、ザビーパワー、ドレイクパワー、サソードパワー」「All Zector Combine」

 

パーフェクトゼクターの先に力が溜まっていくのが分かる。

 

「Maximum hyper typhoon」

「はあああああああああ!!!」

 

雨瞳が一気に一刀の元に駆け出す。

 

「一刀!」

「Clock up」

 

森がクロックアップで雨瞳よりも先に一刀の元に前に出て、一刀をマキシマムハイパータイフーンからかばった。

 

「Clock over」

「っ!!!」

「森!」

 

森はパーフェクトゼクターを体にめり込ませた。

 

「抜けない!」

 

雨瞳はパーフェクトゼクターを森から離そうとしても離れない。

 

「1,2,3」

 

森はそのままガタックのライダーキックの準備をする。

 

「Rider Kick」

「うりゃあ!」

 

森のライダーキックはパーフェクトゼクターを完全に破壊した。

 

「ぬあっ!」

 

雨瞳はしばらく動けずにいた。

 

 

これが森が血まみれになった経緯である。

 

 

「一刀……」

 

一刀に抱えられる森。

 

「森!」

「一刀……これを……」

 

森はガタックゼクターとベルトを外し、元の姿に戻り、ガタックゼクターとベルトを一刀に渡そうとする。

 

「森! お前!」

「俺はもうダメだ……」

「そんなこと言うな!」

「お前も……分かってるだろ……。あれだけ強い攻撃を……受けたんだ。自分がよく分かってる……」

「森……」

「それにさっきの……ライダーキックで……お前のサソードゼクターも……ぶっ壊したからな……。それに……お前なら……ガタックを……使い……こなせる。俺は……信じてる」

「森……」

 

一刀は涙を流しながらガタックゼクターとガタックのライダーベルトを受け取る。

 

「俺の……分……まで……頑張れよな……」

「ああ……」

「じゃあな……」

「ああ……」

 

森は目を閉じた。そして意識が戻ることが無かった。

 

「森……」

 

一刀は涙を拭う。

そして一刀はガタックのライダーベルトを付ける。

 

「変身!」

「Henshin」

 

一刀はガタックに変身し、一気にライダーフォームになる。

 

「くそ……」

 

そこでようやく雨瞳が起き上がる。

 

「お前を倒す……」

「ハイパークロックアップに勝てると? ……ってももうお前に興味は無い」

「何?」

 

雨瞳は狙っていた荷物から鏡を取り出し、それを叩き割った。

 

「はっはっはっはっはっ!」

 

雨瞳は笑う。

すると何やら周りが歪んでいるように見えてくる。

 

「何だ……周りが? ……空間が歪んでいる?」

 

だんだん空間の歪みがひどくなる。

 

「さてと……俺は……」

 

突然ハイパーゼクターがカブトの元から離れ、カブトはライダーフォームに戻った。

 

「何!? どういうことだ。ハイパーゼクター!!」

 

雨瞳が呼びかけてもハイパーゼクターは答えない。

そして歪みはますますひどくなり歪みの中心に二人が飲み込まれる。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」」

 

そして二人は完全に姿を消した。


 
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