一刀「ふうっ。まあ、こんなもんかな。」
そういって一刀は汗をぬぐう。
一刀がこの世界に来た日から約2週間がたとうとしていた。
そして盗賊を撃退した時、一刀は「赤鬼」と「黒鬼」の恐ろしさを知り、封印した。
そしてその代わりになる武器を作っていた。
一刀「おおっ!意外に上手に出来てる!(俺って天才!?)」
今一刀の左手にあるのは、約1週間かけて作った力作「子烏丸」が握られていた。
この剣の形状は日本刀であり、これもまた、二対一対である。
一刀「さて、「子烏丸」もできたことだし、試し切りといきますか!」
そういい、一刀は「子烏丸」を鞘に収め、制服に着替えた。そして、もう一方の剣「春雨」を手に取り外に出た。
鍛冶屋「おお、北郷様!もう一方の刀ができたのですね!」
一刀「ああ!すごいだろこれ!」
一刀は「子烏丸」を鍛冶屋に渡す。
鍛冶屋「やはり、この刀も細いのですね。」
鍛冶屋は、鞘から刀を少し出し、元に戻して一刀に渡す。
一刀「じゃあ俺はもう行くよ。この刀達の出来栄えも見たいしね!」
そして、一刀は村のはずれの森に向かった。
賑やかになった村の様子を見ながら鍛冶屋はこう言った。
鍛冶屋「まったく、変わった人だ。鬼神のような強さと、子供のような無邪気さを持ち合わせ、
自分のことを自慢しようともせず、人と対等の立場で物事をこなしていく。」
鍛冶屋は、空を見上げる。
鍛冶屋「あの人が此処に着てからこの村は変わったよ。賑やかになって、人の笑い声も絶えなくなった。」
そう言うと鍛冶屋は、自分の仕事をし始める。
鍛冶屋「俺達もあの人の支えにならないとな!」
そう心に決めて。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一方、一刀とはというと、
一刀「おお!いいもの発見!」
そういって駆け出す。
その先には滝と川があった。
一刀「ここでいいかな。」
そう言うと腰の「春雨」をおろし、「子烏丸」を右手にかけて、近くにある大木と向き合う。
一刀「ふう~~~~~~~~ッ!」
長々と息を吐いた後、息を止めた。
そして、刀を抜き放つ!
一刀「はあ!!!!」
スンッ!
一刀「あれ????????」
一刀は混乱した!
一刀(ナンデ?ドーシテキレテナイノ?ドーシテダロウ?)
それ無理ない。木には傷一つついておらず、刀を振る前のままだったのだから。
一刀「どうしたんだろ???」
そう首を傾げながら、「子烏丸」を鞘に戻す。
一刀「不思議な事もあるもんだなあ。」
そういい、今度は「春雨」を右腰にさし、滝の前に立つ。
そして、刀に手をそえ、
一刀「・・・・・オラッ!!!」
弐本を真一文字に抜き放つ!
スパン!
滝が・・・切れた
一刀「あ、できた!以外にできるもんだね~~」
当の本人はこのように軽く言っているが容易に出来る事ではない。
滝から流れ落ちていく水の重さにまけず、真一文字に切るには、刀を腕で固定するか、
水の重さを感じる前にすばやく切るかのどちらかである。
そして一刀は「居合い切り」という、神速の技で滝を切ったのである。
一刀「まあ、こんなもんか」
そう言うと一刀は村のほうへと戻っていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
熊「グルルルルゥゥ!?」
そのすぐ後、通りかかった熊が一刀の切った?木にもたれかかった。
すると、
ずるっ ドッゴオオオオオオオオオオオオン
崩れ落ちた。
一刀の神速の「居合い切り」は切れていたのである。
しかし、神速で抜き放たれた刀は、一瞬で大木を切り裂き、
目視できない切り傷と、かんなをかけたような断面を残したのであった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その頃、一刀の村近くに近ずいてくる2000人ほどの軍があり、旗は「孫」であった。
その中に、ひときわ目立つ3人の人が居た。
一人目は、鮮やかなピンク色の髪をした、肌が褐色の女性。性は、孫。名は、策。字は伯符
二人目は、黒々とした髪をして、肌が褐色の女性 性は、周 名は、瑜 字は公謹
三人目は、髪は白色で、やっぱり肌が褐色の女性。 性は、黄 名は、蓋。字は公覆
孫策「はあ~~。めんどくさい!」
黄蓋「いいではないか、策殿。久しぶりに戦ができるのだから。」
孫策「それはそうだけど~~~。あの袁術に命令されて行くなんてえええ~~」
周喩「そう駄々をこねるな雪蓮。これは遊びではないのだからな」
孫策「は~~い。分かってるって。あ!そういえばちょっと前に流星が落ちたのってここらへんよね。」
周喩「そういえばそうだな。後で周りを見てみるか。」
そこに、前曲からの報告があった。
兵士「伝令!!二里先に賊の集団を発見!!」
周喩「そうか、下がっていいぞ。」
兵士「はっ!」
孫策「いよいよね!ぞくぞくしてきたわ。」
黄蓋「わしも、血が滾ってきたわい」
周喩「今回の先鋒は祭殿に任せましょうか。」
孫策がまた駄々をこねる。
孫策「えええ~~~。私じゃないの~~~。ぶーぶー。」
黄蓋が、勝ち誇ったかのように笑いながら言う、
黄蓋「はっはっは!今回はわしが活躍する番か。では、行ってくる。」
孫策「ぶー。いってらっしゃーい。」
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・
黄蓋「さて、やるとしますかのう。」
黄蓋は、そういって弓を構える。
黄蓋「全軍抜刀!!!!」
”””シャキンッ””””
黄蓋「突撃いいいいいい!!!!」
「「「「「うおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
””””””うおおおおおおおおおおおお!!!!!”””””
一刀「うるっせえええ!」
こんな戦いがあるとも知らず、村への帰り道を歩いていた。
一刀「な、んだ、こ、れは!!」
村に着いて、一刀が目にしたのはいつもどうりの風景ではなく、皆殺しにされ、家が焼けている、
自分の村の状況であった。
一刀はその中でわずかに息をしているものを見つけた。
村人「あ、ああ。ほんごぅ、さ、ま。」
一刀「おい!どうした!何があった。」
村人「きゅ、うに、賊が大量に、おしかけ、て、きて、皆必死、戦った、でも、向こうは、多すぎだ。」
一刀「そうか・・・賊はどこに?」
そう一刀に聞かれ村人はある一方を指差す。そして、
村人「井戸の、中、あな、た、さま、の、武器、が、ある・・・」
そう言うと村人は息を引き取った。
一刀「ありがとう・・・」
一刀のほほに涙が伝い、地面へと落ちた。そして、
一刀「コロス、コロス、コロス!!!!!!!」
一刀は氣を全開にした。氣というのは使いすぎると体に負荷がかかり、最悪死に至ることもある。
それを承知の上で氣を全開にした一刀には盗賊を殺しつくし、自分も死ぬほどの覚悟を持っていたのだった。
一刀「炎帝!!、風帝!!」
そう叫んだ一刀の手から紅蓮の炎が、逆の手からは、風が立ち上る。
氣には、いくつかの属性があり、一刀はそのうちの「炎帝」と「風帝」、つまり「炎」と「風」を使ったのだ。
一刀の手から立ち上る炎はやがて、一刀を包み込む。
「炎を纏いし鬼神」
今の一刀にはこの異名がぴったりであろう。
そして、一刀は走り始める。その先に居るであろう塵を燃やしに。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
孫策&周喩「「ゾクッ!!!」」
そのとき、呉軍の孫策と周喩は尋常じゃない殺気を感じた。
孫策「ねえ、冥琳・・・」
周喩「ああ。いまのはすごかった」
数々の戦を体験した二人でも、このような殺気は始めて味わったものだった。
孫策「でも、私たちに向いてはなさそうね。それに、あの殺気には悲しみを感じられたのよ」
周喩「そうだな・・・」
孫策「こんな殺気を放つなんて、どんな人なのかしらね?」
そういいながら、その殺気を放った人が居るであろう方向を向く。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
黄蓋「なんじゃ!!今の殺気は!」
その時、前線に居た黄蓋も同じ殺気を感じていた。
兵士「黄蓋様!敵に押され、今にも崩れそうです!引いた方が得策かと・・・」
黄蓋「うぬぅ。仕方がない、全軍後退せよと伝えろ。」
兵士「はっ!!」
そう言って、伝令は兵の中へと消える。
黄蓋「こんな状況であの殺気を持った者が来たら・・・」
黄蓋は最悪の状況を考えていた。
それもそうだろう。前線崩壊、巨大な殺気、この二つは、たとえ黄蓋程の武人であっても
たった一人で挽回出来るものではなかったのだ
黄蓋「最悪、この命を散らしてでも・・・」
そう考えていた時、
”ゴオオオオオォォォォ”
とてつもない轟音とともに、敵地の中心で赤い竜巻ができていた。
黄蓋「なんじゃあれは!!!!?????」
兵士「黄蓋様!何者かが敵の後ろから攻撃をしているようです!反撃するなら今かと!」
黄蓋「お、おう!全軍反転せよ!これより反撃を始める!!」
原因不明な竜巻に見ほれている暇はない。この後期を逃すわけにはいけない。
そう言うことを考えながら黄蓋は、檄を飛ばした。
黄蓋(今は勝つ事だけを考えないとのぉ)
その時にはあの竜巻は跡形もなく無くなっていた。変わりに竜巻があった一帯に灰が舞っていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
兵士「伝令!前曲、そう長くは持たないので援軍を求める、とのことです。」
周喩「そうか、さがってよいぞ。」
兵士「はっ!」
周喩「雪蓮!祭殿の援軍に行くぞ!」
孫策「分かった!でも、どうして祭が援軍なんかを?」
周喩「おそらく敵の勢いが予想以上に激しかったのだろう。」
雪蓮「そんなところか。じゃあ行きましょうか!」
周喩「ああ。それに、あの殺気の持ち主が敵であればひとたまりも無い。できるだけ急ぐとしよう。」
孫策「そうね。全軍前進!!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
賊の後ろに居た一刀は、賊たちに”一応”真相を聞くために氣は抑えていた。
一刀「貴様らか、村の人たちを殺したのは」
俯きながら一刀は問う。
賊「村の人?ああ~、あのちっこい村のことね。
ああ。それは俺達だ。あそこの連中無駄に抵抗しやがったから、皆殺しにしたさ!」
賊「でもあんまりいい物は無かったな。」
賊「でも、いい遊びになったぜ。なあ!」
賊の間で賛同の声が聞こえる。
一刀「そうか・・・」
俯く一刀。そして、
一刀「やっぱり塵は塵か・・・」
呟く。すると
”ゴウウゥ!!!!!”
抑えていた氣が一気に開放される。そして、炎が一刀を包みこみ、叫ぶ
一刀「燃え尽きろ塵共!!!」
風で竜巻を作り、それに炎をまとわせ飛ばす。
飛ばされた紅蓮の竜巻は、一直線に賊の中心に向かい消える。
一刀「跡形もなく消えろ!」
「子烏丸」と「春雨」を抜き放つ。
そしてできた炭の道を両端にいる塵を切りながら走る。
賊「な、なんだ!コイツ!」
賊「誰かそいつを殺せ!」
賊「俺が殺ってやるZ”ザシュッ!”ばさ!」
一刀(塵が、調子に乗るな・・・)
一刀(此処らへんでいいか)
丁度、塵溜りの中心に来たところで一刀は止まる。
賊「へへっ!止まったらこっちのモンだ」
賊「コイツ!殺してやる!」
一刀(五月蝿いな。殺るか?・・・)
そう思いながらも、一刀は「子烏丸」と「春雨」に
「炎」の氣を流し、何点かに集める。
集められた氣は、どれも鮮やかな赤色をしていた。
一刀「塵どもよ、言葉も発さずに燃えろ!」
そういい、刀を素早く振り、集めた氣を四方八方に飛ばす
飛ばされた氣は、当たった塵を貫通し、さらに進む。
そして、
一刀「爆ぜろ!!!!!!」
一箇所に集められた膨大な氣は、形を維持できず爆発する。
””””””ドッゴオオオオオオオオン!!!!!!””””””
爆発した氣の近くに居たものは灰と化し、少し離れていたものは、炭と化した。
一刀「いくか・・・」
一刀は、刀を構える。燃え損なった塵をかたずけるために。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
””””””ドッゴオオオオオオオオオオン!!!!!””””””
黄蓋「今度はなんじゃ!」
兵士「賊のあちこちで、何かが爆発したようです。」
黄蓋「そうか・・でも、一体なぜ?」
黄蓋が首をかしげているとき
孫策「祭!大丈夫!」
黄蓋「おお、策殿。いや、わしは大丈夫じゃ。賊の中がおかしくての、
こっちに有利な戦場になっているわ。」
周喩「そうですか。敵の数は?」
黄蓋「今では500にも満たないわい。」
周喩「そうですか。雪蓮、今回あなたの出番は無いみたいね。」
笑いながら、周喩は言う。
孫策「ぶー。楽しくな~~い!」
と、そこに
兵士「孫策様!」
孫策「ん、なに!なんか楽しいもの!?いえ!、この際楽しくなくてもいいわ。何も無いよりまし!」
そう、兵士に突っかかる孫策。
兵士「うわあ!」
周喩「そう突っかかるな、雪蓮。で、なんだ?」
兵士「はっ。賊の中に変わった格好をして、変わった武器を持っている青年がいて、賊と一人で戦っている、とのことです」
周喩「そうか、さがれ。」
兵士「はっ!」
孫策「ねえ!冥琳!(きらきらきら)」
周喩「はあぁ。分かったわ。私たちも行ってみましょう。」
孫策「いやったあああーーー」
黄蓋「もしかしたら、その少年がわし達を助けたのかもしれんな」
周喩「まあ、その少年に聞いてみれば分かるだろう。」
話がまとまったところで三人は軍を進める。
その不思議な少年のいるところに。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
賊「”ザシュッ!”ばさ」
一刀「はあぁ、はあぁ。これで、最後か。はあぁ。」
一刀は最後の塵をかたずけると、とてつもない疲労感に襲われた。
無理もない。氣を使いすぎると、死に至らなくても、3日ほど眠り続ける事もある。
それだけ、疲れるのだ。
一刀(ああ、視界がぼやける。眠い。とてつもなく眠い。)
???「ね・だい・・・ぶ?ちょ・・・お・・さ・・よ」
一刀(誰か、何か言ってるけど。もう無理。)
一刀の目にはピンク色の髪の女性、その横に黒色の髪の女性と、
白色の髪の女性がこっちに近ずいてくるのが見えた
そして、一刀の思考はそこで途絶えた。
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今回から本編に入ります。駄文ですがどうぞ見ていってください。
√決めでは、たくさんの大佐が協力してくれましたありがとうございます。
魏と呉が同数だったので、比較的好きな呉を選びました。
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