白馬津
南下してきた袁紹軍と待ち構える北郷軍とが最初に接触したのがここであった。
袁紹軍は全軍の1/3の10万をまず先行させここにある白馬城を攻め落とし、
北郷軍の士気を削ぐつもりだった、ちなみに提案者は麗羽様
「ワタクシが雄雄しく、勇ましく華麗に進軍する為に邪魔なものを斗詩さんが排除してきなさい、おーっほっほっほ♪」
と言った為、斗詩は全軍で進みましょうよ~、やめましょうよ~と涙ながらに提案したのだが
一蹴されしぶしぶ先行する事になる。
そんな理由で白馬津に先行したきた袁紹軍、10万といえば北郷軍全軍より多い、しかし斗詩さんは嫌な予感がしていた
案の定袁紹軍の動きを察知した北郷軍は罠を張り待ち構え、袁紹軍を迎撃する。
緒戦での勝利を確実のものとする事で士気を鼓舞し、きたるべき袁紹軍本隊との決戦を有利にする為に
そして作戦は見事に成功し、春蘭、霞、秋蘭率いる騎馬隊が袁紹軍を寸断していく、
そして先行した袁紹軍10万の指揮官顔良こと斗詩さんは…
があん!がきいいいいいいん!!!
「きゃあああああ!!」
どっしゃああん、鋭い槍撃を受け続けついに落馬してしまう、後曲で指揮していたのだが突如現れた伏兵に不意を襲われたのだ、その急襲をした伏兵を率いてたのは
「あ、あなたは確か劉備さんのところにいた趙雲さん?どうしてここに!」
「訳あって今は北郷の軍に厄介になっている、悪いが袁紹軍将軍顔良!討たせて貰う!」
「そ、そぉんなぁ~(涙)」
「てえええええええい!!!」
がああああん!!!
「きゃあああーーー、だからやめようって言ったのにぃーーーーー!!!」
首を飛ばされそうになった所をすんでの所でかわしたものの鎧を砕かれ大きく吹き飛ばされた斗詩さんはそこにいた別の馬にまたがると凄い勢いで逃げていく、星はそれを無理に追わず
「敵将顔良!この趙子龍が討ち取ったりぃーーーーーーーーーーーーー!!!」
と高らかに宣言する、その言葉に袁紹軍は驚き、一気に崩壊しちりじりになって逃げていく
こうして緒戦の白馬津の戦いは星の活躍もあって北郷軍の勝利で終わる、その後守るには難しい白馬城を放棄した北郷軍は延津まで転進する
その頃袁紹軍本陣ではボロボロになって帰って来た斗詩の怪我を見た袁紹軍の文醜こと猪々子さんは大激怒
「よっくもあたしの斗詩をキズモノにしやがったなーーーーーー!!!」
「文ちゃんその言い方やめてよ~、なんか汚されたように思われちゃうでしょ~!!!」
「似たようなものではありませんの?」
「違うってばぁ~!!!姫まで変な事言わないでくださいよーーーー!」
復讐に燃える猪々子さんは5万を率いて渡渉し北郷軍の追撃を始める、しかし何も考えず突撃してきた猪々子さん、
延津にてまぁ当然待ち伏せに会い北郷軍にぼっこぼこにされる、そして猪々子の前に現れた星が
「おや、袁紹軍の二枚看板のお一人文醜殿ではないか、貴公も私に討たれにきたのか?」
その言葉に猪々子さんは激しく反応し
「と、斗詩をキズモノにしたのはお前かーーーーー!!!」
と、戦場全体に響き渡る声に誰からともなく笑いが聞こえたり、その言葉に星は悪戯心を刺激され
「うむ、あの者は中々よかったぞ、こう何ともいえぬ可愛らしさがあって、だが閨ではまるで獣のように…」
「うがーーーーーーーーーーーーーーーーーー!てめぇーーーゆるさねーーーーーー!」
がぁん!がぁん!どがああああああん!
猪々子の強烈な攻撃を軽やかにかわす星、そしてがら空きになった体に槍撃を叩き込む
「はああああああ!!!!」
どかああああああああ!!!
「うっわああああああああああ!」
星の攻撃に吹き飛ばさされた猪々子さんはそのまま気を失う、それを袁紹軍猪々子ファンクラブの面々が保護しそそくさと撤退していく斗詩さんの時と同じく無理な追撃はやめ
「敵将文醜、趙子龍が討ち取ったりーーーーーーーーー!」
と勝ち名乗り、こうして延津の戦いも北郷軍の勝利に終わる、その後北郷軍は決戦の地、
官渡まで転進する
猪々子敗戦の報を聞いた麗羽様は
「むっきいいいいいいい!!!!まぁったく斗詩さんも猪々子さんもだらしないですわねーーーーーー!!!
仕方ありませんわね、こうなったらこのワタクシ直々に華麗に!優雅に!堂々と行進して数で圧倒してさしあげますわ!
皆さんいきますわよ!あの天の御遣いなどと自称する無礼きわまる馬鹿ちんをぎゃふんって言わせてやりますのよーーー!!!」
「「ぎゃふんって…」」
「何か言いまして?斗詩さん、猪々子さん?」
ぶるぶるぶる 思いっきり頭を振る二人であった
そして袁紹軍本隊は一路官渡へと雄雄しく、勇ましく華麗に前進を始める、斗詩さんはその様子を見てぼそっと
「だから最初からそうしようって言ったのにぃ~」
白馬津、延津の戦いを終えた春蘭達は一刀の待つ官渡の城に戻ってくる、最初からここを決戦地として捉えていた北郷軍、緒戦の戦いは皆にまかせ、一刀はここに残り皆の帰りを待っていた、そして帰って来た皆はそこにいた一刀に驚く
「…北郷、何をしている?」
春蘭達が見た一刀はいつものフランチェスカの制服ではなく鎧を纏い、刀を振っていた所だった、春蘭の問いに一刀は
「ああ、俺も前線に出ようと思ってさ、今ちょっと慣らしてる所なんだ」
その言葉に皆は驚く、確かに今までも戦場に一刀は出ていた、しかしそれは総大将として皆に指示を与える為だ
「な、何を言っているのだ、貴様が出た所で敵の標的になるだけであろうがっ!」
「かもしれない、でも皆にだけ戦わせておいて俺だけ安全な所でのうのうとしてる訳にはいかないだろ、
大丈夫、こう見えても凪や霞にずっと鍛錬受けてたんだし」
その言葉に凪と霞は少し困った顔をする、確かにそれなりに形にはなってきてたがそれでも一般兵並みの武であった、
皆もどうしていいかと戸惑っている感じだったが、しかし一人春蘭は拳を握り締め一刀の所までズカズカと歩み寄ると
「ほんごおおおおおおお!目を食いしばれええええエーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
その言葉に皆が「え?歯じゃないのか?」と総ツッコミ、一刀も「え?え?」という状態で戸惑っていると
春蘭の拳が一刀を思いっきり吹き飛ばす
「ふんぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」
どっがああんと壁に吹き飛ばされる一刀、皆は春蘭の行為にびっくり、
しかし秋蘭だけはそれを冷静に見届ける、壁に吹き飛ばされた一刀は
「いでで、な、何すんだよ春蘭イキナリ!どこのケロロだ!いってぇだろ!」
「黙れっ!私の拳を受けきれないような貴様程度の奴が戦場にのこのこ出て行って生きていられると思っているのか!!」
その言葉に皆が再び「いやいや、私達も無理無理」と総ツッコミ、一刀もそう文句を言うが春蘭は続ける
「貴様がいきなり何を思って前線になど出ようと思ったかは知らんが貴様にもしもの事があったらどうする気だっ!」
「し、心配しなくても大じょう…」
珍しくまともな事を言ってる春蘭に言いかけようとした一刀だったが、春蘭を見てぎょっとする、春蘭が…泣いていたのだ
「き、貴様が…ひっぐ、もし…ひっぐ…死んだらどうするんだ…ひっぐ、みんなかなしぶだろうが!…ひっぐひっぐ!」
急な出来事に戸惑う一刀と皆であったがそこに秋蘭が春蘭にハンカチのようなものを渡し、一刀に語りかける
「北郷、人にはそれぞれ役割と言うのがある、我等はお前の剣であり盾だ、戦うのが役目だ、
しかし貴様は剣ではない!我等を導く御旗だ、それを忘れるな!」
秋蘭の言葉に呆然とする一刀に今度は風が近づいて語りかけてくる
「今のおにーさんはまるで死に急いでるように見えます」
その言葉に「ちがっ!」と言おうとした一刀であったが、続く言葉が出てこない
「劉備さんとの一件以来おにーさんは何か無理をしようとしてるように思えます、おにーさんは風に言いましたよね、
”晴れると”でもおにーさんはまだ曇りのままですよ、おにーさんは風に嘘をついたのですか?」
「違う、俺はただ…「ただ、何ですか?」
風は怒っていた、いつものゆるい口調もないのがその証拠、おそらく稟ですらこんな風は今まで見た事はなかったろう、
一刀はその言葉にうつむき、そしてようやく自分のやろうとしてた無謀な事に気付き恥ずかしくなってくる
「…ごめん、ちょっと焦ってたみたいだ、劉備さんにあんな事言っといて俺はそんなに偉いのかって…いつも皆に危険な事させといて俺だけ安全な所にいちゃいけないんじゃないかって思って…さ、はは…かっこわりぃな…」
そううなだれる一刀に皆が近寄り声をかける
「北郷、お前は我等の家だ、お前がいなくなったら我等は帰る所がなくなる、それを忘れないでくれ」
「大丈夫やって、うちらそうそう簡単に死なんから」
「北郷様は必ずお守りいたします、安心してください!」
「沙和も北郷様守ってあげるの~だから安心してなの~」
「大将は太っ腹やしな、あ、研究費増やしてなー」
秋蘭、霞、凪、沙和、真桜が答える、そんな皆に笑いかけ、そして泣きじゃくってる春蘭の元にいくと
「ごめんな春蘭心配かけて、俺まだまだヘタレだからさ、怖くて何かしないと落ち着かなかったんだ、
もう、無理はしないから、だからごめんな泣かせちまって…」
「ぐすっ…、わ、わかればいいんだっ!あと…ぐすっ!わ、私は泣いてなんかいないぞっ!これは心の汗だっ!…ひっぐ」
その言葉に笑いが起こる、ようやくいつもの感じになった…と、思われたがただ一人秋蘭だけが一刀の耳元で
「さて北郷、姉者を泣かせてただでは済むと思ってないだろうな、後で…わかっているな…」と
その言葉、そしてその瞬間の秋蘭の顔を見た一刀は後に語る
「初めて恐怖という言葉の意味を知った…」と
その後、一刀は秋蘭に呼ばれ折檻、拷問、辱めとありとあらゆる事をされたとゆう
官渡の城に一刀の悲鳴とも恍惚ともとれる声が響き渡り、兵達の間で『官渡の叫び』と語り継がれたとか。
翌日、一刀は皆の前に姿を現せる事はなく、皆から理由を聞かれた秋蘭はにこやかに
「北郷は今、身も心も休みたいそうだ」と言いましたとさ。
悠然と流れる黄河のほとり・官渡
官渡とは黄河の渡し場を意味し、交通の要衝である、
一刀は自身の三国志の知識からここにあった城を強化し、来るべき戦いに備えていた、そしてその官渡の北には平原が広がり、その平原に今まさに袁紹の大軍が押し寄せよせてきていた、そんな様子を口上の為官渡城の城前に出て布陣している一刀達、そこには皆のおかげでいつもの調子に戻った一刀がいた
「んー、改めて見ると凄い数だなぁ、んでもって細作の情報通り動く櫓が多数…と、ん、あれは?」
そう言った一刀が見つけたのは櫓の上で金髪ドリルっぽいのが高笑いしている姿、なんとかは高い所が好きとは言うが…
あ、急に止まって落ちそうになった。
そんな様子に呆れる俺たちをよそに動く櫓で近づいてくる麗羽、そして櫓に乗ったまま一刀達のいる官渡城前まで来ると
「あーーら、姿が見えないと思いましたらそんな低い所におりましたのね、気付きませんでしたわ、
おーーーっほっほっほ!」
相変わらずというかなんというか、あ、顔良さんと文醜さんが顔赤くして頭抱えてる、きっと恥ずかしいんだろうねぇ…
あと俺下から覗いてる感じになってるから袁紹の下着丸見えなんだけどいいのかね、あ、黒だ。
「さぁて北郷さん、華麗で優雅なこのワタクシに降伏するのなら早くなさる事ですわ、
今なら庭師くらいには雇ってあげますわよ、おーーっほっほっほ!」
「いや、降伏するつもりなんかないから、ってか降りてこいよ、話しづらいだろ」
「黙らっしゃい!どこの馬の骨ともわからないようなお方がこのワタクシに意見などとは片腹大激痛ですわ!
大体何ですその物言いわ!
連合の時から思っていましたのですけど貴方は高貴な者への礼節と言うのをどう考えていますの!
まったく、貴方のような無礼な方はこの優雅で華麗なワタクシが今すぐ滅ぼして差し上げますわ!」
なんか勝手に盛り上がって勝手にやる気満々なのがなんか引くわ…とか思う一刀
「はぁ、じゃあまぁこっちも本気でやらしてもらうからな、あんたを打ち倒して河北4州まるまる頂く事にするから」
「本性を現しましたわねこの性悪男、でも残念ながらこの大陸に覇を唱えるのはこのわたくし袁本初!
三国一の名家であるこのワタクシが貴方のような男に負けるはずございませんわっ!おーっほっほっほっほ」
そう言うと自分を乗せた櫓を後退させ、弓兵を乗せた櫓軍団を整列させるように動かす、あれは確かに厄介だな、でも…
「さぁ皆さん、あの無礼な人達に矢の雨を降らせて…」
と言いかけた麗羽の言葉を遮るように官渡城から
どんどん、ひゅーーーーーーーーーーーーーん という音が聞こえてきて
どがあああああああああああああああああああん、
どがんどがんどっがああああああああああああああああん!
という感じで降り注いだ岩で麗羽自慢の櫓が叩き潰されていく、その様子を見た一刀達は
「おーーー、凄い凄い、さすが真桜の最高傑作、完璧じゃないか!」
実は一刀達は細作の報告で麗羽がこの戦いに動く櫓を多数配備している事をつきとめ、その対策として霹靂車(発石車)を多数用意していたのだ大体の感じを一刀が真桜に伝え、真桜がそれを作り上げる、実践はこれが最初ではあったが効果を見るに大成功のようだった。
そんな降り注ぐ岩で次々潰されていく自慢の櫓を見た麗羽達はボーゼンとしていた
「え、えーっと、あ、あんなの卑怯ですわ!城からでかい岩を飛ばすなんて!どんな妖術を使ったんですの!」
「そんなもん使ってねーよ、ただこっちにあんたのとこよりも賢い子がいただけだよ」
そんな言い合いをしてる間にも真桜の霹靂車は麗羽の櫓軍団を破壊し、ついには麗羽の乗るものだけとなる、そしてその櫓にも岩がぶち当たり落っこちる麗羽、寸でのところで斗詩と猪々子に受け止められ無事であったがよっぽど腹が立ったのか
「きいいいーーーー!!!こうなったら華麗に!優雅に堂々と数で圧倒してやりますわ!!
後で泣かしてあげますから覚えてらっしゃい!」
と言って自陣に去っていく
その様子を確認した一刀達も官渡城に帰っていく、そして
「よし!じゃあ皆、気合入れて頑張ろうな!」
「「御意!!」」
そして官渡での戦いが始まる
戦いは袁紹軍がその物量で攻めまくる、そして北郷軍が守り続けるといった構図。
圧倒的な兵力の袁紹軍はその物量で官渡城に矢の雨を降り注ぎ続ける、しかし官渡の城はビクともしない、この城は徹底的に防御の為の準備をしていた、矢の対策をし、城の周りにはぬかるみを作り相手の動きを鈍化させ、城門前には幾重にも堀を作りそこに罠を多数設置していた
何度も攻める袁紹軍ではあったがどうやっても城を落とせず被害だけが増えていく状況、
その様子に今にも自ら打って出そうな麗羽を必死で押さえる斗詩さんと猪々子さん
結局城を落とせないまま官渡の戦いは何日も続く、しかし守る北郷軍も無事というわけではない、被害も徐々に増えていき、疲労も蓄積されていく、なによりあまり戦いを長引かせると周りの諸侯の参戦、そして国内の治安悪化といったものも気になり始め、気の抜けない毎日が続いていた
「はーーー、つっかれたなぁーー、やぁっぱうちは篭城戦とかより馬で駆ける方がええなぁーー」
と、ぶーたれる霞、そういや反董卓連合の時も篭城戦やってたもんなあ
「まぁまぁ、後で駆け回れる一番重要な仕事残してるからそれまで我慢してくれよ、この戦いが終わったらお酒もいっぱい飲ましてあげるから」
「ほんまやなっ!嘘ついたら寝床襲ってひーひー言わしたるでっ!」
えっと、それは是非お願いしたいかも////…とかつい顔を赤らめて考える俺の背中に大量の鈍器がぶつけられる
「ぐぼあああああ!!!!」
「す、すみません!、鈍器を運んでたらつい手が滑ってしまいまして」
「悪いな北郷、鈍器が勝手に飛んでいったのだ」
「すみません、鈍器が重くてつい投げてしまいました」
「ごめんね兄ちゃん!ちょっと鈍器を使った必殺技の練習してたんだ!てへっ!」
凪、秋蘭、稟、季衣あたりはまぁしらじらしいけど悪いとは思ってるからまぁ許してやる、けど
「ちっ!もっと大きい鈍器のほうがいいか!」
「もっと鈍器もってくるの~この蛆虫共~」兵士達「サーイエッサー」
「今度はこの鈍器をぶつけてみよ、にひひ」
「鈍器の当たった部分に得点をつけて競うというのはどうでしょうかね~」
春蘭、沙和、真桜、風!お前らは確実に悪意を持って!っていうか楽しんでやってんじゃねぇかよ!
ちなみに桂花、琉流の2人は許に残り後方からの物資の支援などを行っている、
官渡の激戦が続く中、一刀が戦況を記した書簡を許に送った時、その字を見た桂花が俺の”弱気”を見抜いたらしく
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この変態孕ませケダモノ人間!いい!こっちが辛い時は向こうも辛いんだからしっかりしなさいよね!
あんたがへこんだり弱気になったらそこにいる皆や兵士にも弱気が伝染するんだからね!いい!わかった!
もし撤退とか許で迎え撃つとか言い出したら今すぐにでもあんたの所に行って叩きのめしてあげるんだから!
いいわね!この全身精液魔王!!!!!
…大丈夫、あんたなら絶対勝てるから 桂花
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そんな感じの書簡が届き勇気づけられたものだった
官渡での戦いは続く、双方死力を尽くし攻め、守る
「稟、袁紹の補給基地の詳細はつかめたかい?」
戦況を見つめつつ、一刀は横にいる稟に聞く、稟は各地から送られてくる細作からの報告を整理し
「けどられないように慎重に細作を放っている為詳しい状況はもう少ししないとわかりませんが今少し時間がかかると思われます」
稟の言葉に溜息が出る、知ってる三国志の歴史からこの戦いは袁紹の補給基地を曹操が焼いて勝利したのを記憶していたので、皆に補給基地襲撃を提案した一刀、それに対して軍師達もそれは考えていたらしく官渡で守りつつ、敵の補給拠点急襲を基本戦略としていた、しかし実際にそこにあるか、どの程度の規模か、というのは未知数ではあった。
細作を出し情報収集を行っていたが袁紹軍に悟られないように慎重に探っていた為時間がかかり、
「もう少し踏ん張らないとダメか…」
度重なる攻撃に皆は疲労困憊といった感じだ、
むりもないただでさえ兵力差があるのにずっと守り続けるというのは結構きついものだ
しかしそんな北郷軍とは別の意味で疲労困憊してる方がいた、袁紹軍の斗詩さんである、理由は麗羽様と猪々子さん
袁紹軍本陣
「むきいいいいいいいいいいいいい!なぁんでまだ落とせませんの!あんな城とっとと落してあの憎ったらしくて無礼なあの方を私の前に連れてきなさい!」
「それができれば苦労しませんよぉ~、攻めても攻めてもあの城びくともしないんですよぉ~、櫓もみんな壊されちゃったし城の周りはぬかるみに罠、なんていうか虎牢関みたいな感じなんですよ~」
と泣き言を吐く斗詩さん、
「だよなぁ、あそこまで城に引きこもって守られちゃこっちは手も足も出せないっつーか、あーあーもっとこう両方が力と力でぶつかり合って決戦!って感じのを想像してたんだけどなぁー、いっそ城に向かって突撃すっか」
そんな御気楽な感想の猪々子さん
ただ一人斗詩さんだけが苦労してるような感じだった
官渡城
膠着状態が幾日か続いたある日、細作からようやくその報告がやってくる、曰く
”烏巣にて袁紹軍の大補給基地を確認!”
官渡城内
そこには主だった北郷軍の面々が揃っていた、そして一刀は霞に
「霞お待たせ、篭城戦はもうおしまい、あとは霞の機動力と武に委ねる、頼むね」
「待っとったでーーーー!♪うちにまかせときーー!♪」
そう言うと霞は温存していた騎馬隊1万を率いて密かに出撃していく、もちろん行き先は烏巣、
そして残った面々はいつでも出撃できるよう準備をする
霞が出撃してどのくらいたっただろう、官渡は今は夜、袁紹軍はここ最近夜には攻撃をしかけてこなくなった、
疲労もあるのだろうが、きっと袁紹が夜の睡眠を邪魔されたくないのだろう。
現状官渡に残った北郷軍は5万、対する袁紹軍はまだ20万は残っている、
このまま守り切ることはできる、だがその先を考えるとこれ以上の損耗はできなかった、
「霞は大丈夫かな」
「大丈夫ですよ、霞殿ならきっと上手くやってくれます」
俺のつい出てしまった言葉に稟が答える、官渡では稟が常に俺について状況を分析、報告してくれている、
風は指揮に専念し寡兵な北郷軍をよく指揮してこの戦場を持ちこたえてくれている、この二人がいてくれなかったらきっと俺たちはこの戦いに勝てなかったかもしれないな、とつい思ってしまい
「稟、いつもありがとうな、君達がいてくれてほんとに良かった」
と礼のような事を言ってしまう、さりげない一言のつもりだったが稟をふと見ると
「い、いえあの私は別に//// ぐ、軍師として当然の…、いや、でもそ、そんな風に私を見ていたなんて…
あ、そんな… ぶはっ!」
大量の鼻血を吹いて倒れてしまったり、
「ちょ、ちょっと稟さん!あの、今から決戦なんで倒れられると困るんですがー!
気絶しないで!お願い!稟さーーーーーーーーーん!!!!」
「はぁ、おにーさんはしょうがないですねぇ~、時と場所を考えて稟ちゃんを口説いてくださいね~、
はい、稟ちゃんとんとんしましょうね~、とんとん」
そう言っていつの間にいたのか風さんが稟を介抱する、周りを見れば皆の姿もあったり、ああ、なんか嫌な予感…、と思った時
「おにーさん、烏巣の方から明かりが見えましたよ~、ここからでも見えるほどの大きな明かりです~」と
風のその言葉に一刀は ぱんっ!と頬を叩き
「霞がやってくれたか!よしっ!皆いくぞ!」
「「「御意!!!!」」」
城の中、門の前に集まった北郷軍、その前に一刀が歩み寄る、そして兵達に向かって
「皆、今まで袁紹軍の猛攻をよく耐えぬいてくれた!」
「袁紹軍の兵糧基地を張遼将軍が急襲し焼き尽くしてくれたおかげで敵は今大混乱に陥っている!」
「皆には今から袁紹軍に対して総攻撃をしてもらう!袁紹軍はまだ俺たちの何倍もいる、
でも俺は皆の勝利を信じている!」
「苦しかったあの調練を思い出してくれ!あの団結、あの連携をもってすれば袁紹軍なんかに
負ける理由なんかない!それは天の御遣いである俺が保証する!」
一刀の言葉に兵達は聞き入る、そして一刀は一息つき、めいいっぱいの言葉で
「だから、皆必ず無事に帰ってきてくれ!」
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
一刀の言葉を聞いた兵達は歓声をあげる
その声は官渡を包むかのように、そんな中その様子を見た秋蘭、季衣、凪、真桜などは苦笑する、
「”勝ってきてくれ”ではなく”帰ってきてくれ”か、北郷らしいな」
「兄ちゃんの命令に従わないとね」
「そうですね、必ず帰ってこなければ」
「せやね、命令違反で罰とかいややしなー」
兵達も、秋蘭達も一刀のその想いを強く感じていた
そして、春蘭が城門まで馬を進め大きく叫ぶ
「開城!」
官渡城の門が開かれ、眼前に見える袁紹軍の大群が見えると再び春蘭が叫ぶ
「全軍、突撃!!!」
北郷軍は袁紹軍へと突撃していく
袁紹軍は混乱の極みであった、急に見えた大きな明かり、その明かりは何かとても大きなものが燃える様子、
その明かりを見、そこに何があるか知る袁紹軍の兵達は絶望する、烏巣に補給拠点があるのを知っていたからだ
自分たちの兵糧拠点烏巣がある場所が燃えている、その意味する所は…
そんな混乱する袁紹軍に官渡城から霹靂車による岩が降り注ぐ、しかもその岩は油に浸され火をつけられた岩であった
陣幕に落ちたその岩は火事を起こし、さらに混乱する袁紹軍に官渡城から出撃してきた北郷軍が急襲する
警戒はしていた、しかし烏巣方面からの明かり、そして降り注ぐ岩に対応が遅れる、その隙に北郷軍は袁紹軍陣地へと殺到する、さらになだれ込んだ北郷軍は声高らかに叫ぶ
「烏巣に運び込まれていた袁紹軍の兵糧は全て焼き尽くされたぞ!袁紹軍にはもう兵糧は残っていない!」と
その言葉に多くの兵が絶望する、そして逃亡する兵がさらに混乱に拍車をかけ、袁紹軍陣地は総崩れとなっていく
ひゅーーーんどんどんどん!どかーーーーーーん
袁紹軍の陣地に降り注ぐ岩の音に驚いて飛び起きた麗羽様は何が起こってるかわからないという状況だった。
そこに斗詩と猪々子がやってきて
「ひ、姫!大変です、北郷軍が攻めてきましたーー!」
「な、なぁんですってぇ!あの世間知らずの田舎者!、今が夜だって事もわからないのかしら!」
いや、戦場でそんな事言われても、ってかつい前までこっちも夜攻めてたじゃん、とか思う斗詩と猪々子さんだった。
「あ、そ、それからどうやら烏巣が北郷軍の張遼さんに襲われて焼き払われたみたいなんですよ、どうしますか姫~」
と嘆き悲しむ斗詩に麗羽は
「はぁ?あんな所焼き払ってどうなさるつもりなのかしら?おーーっほっほっほ、
お馬鹿さんのやる事はこの華麗なワタクシには理解できませんわ!」
その言葉に本気かどうなのかわからない斗詩だったがあえてツッコむ事にする
「あの、姫?烏巣って私達の兵糧基地になってる所なんですけど、姫がここにしときなさいって言ったの、覚えてます?」
「そんな昔の事は忘れましたわ、それで、それが一体何だと言うのですか?斗詩さん」
「だぁかぁらぁ、私達兵糧が無くなって飢えちゃうって事ですよ~、北郷軍の目的はそれだったんですよ~」
「な、ななななぁんですってぇ!あの卑怯者ー!私達を飢えさせようだなんてなんて恐ろしい事を考えますの!」
ようやく事態を理解してきた麗羽様、しかし時すでに遅し、北郷軍は袁紹軍陣地を根こそぎ叩き潰していた、
さすがに危機的な状況だと感じた麗羽達はここからすぐに撤退していく
「きいいいいいいいいいい!覚えてなさい北郷一刀~~!!!今度会ったら
きっとぐちゃぐちゃのけちょんけちょんにしてさしあげますわよーーーーーーーーー!!!!!」
と、どう見ても悪人の台詞を吐く麗羽様であった。
袁紹軍を駆逐していく北郷軍を
「これが北郷軍の戦か、内に入り戦うことでまた新たにその強さを思い知らされるな」
北郷軍の凄まじいまでの戦いぶりを見てつぶやく星、その後星は何かをつぶやく、だがその言葉を聞いた者は誰もいない、
ただ、何かを想い、そして再び戦場を駆けていく。 「…様」
こうして官渡の戦いは北郷軍の勝利という形で終わり、袁紹軍は壊滅状態となる
まだ多くの兵を残している袁紹軍、それへの対策も行いつつ、北郷軍は河北4州制圧へと行動を起こす
一刀達が官渡で勝利した報告は各地に広まる
揚州、孫策の居城
「雪蓮、北郷が官渡で袁紹の大軍を打ち破ったそうだ」
「そ、さすが一刀ね♪」
冥琳の報告を楽しそうに聞く雪蓮、冥琳はそれを意外そうに
「驚かないのだな」
「まぁね、相手は袁紹だし」
「しかし袁紹は30万の大軍だったのだぞ、確かに守りきる事はできたかもしれんが勝つと思っていたのか?
しかもこんな短期間にだぞ」
「冥琳、一刀をそこいらの人間と比べちゃダメよ、それにあそこには有能な軍師も武将も沢山いるしね、そしてその子達は
皆一刀の為に命を懸ける事をするぐらいの絆を持っている、そんなのに比べたら袁紹の大軍なんか烏合の衆でしかないわ」
雪蓮の楽しそうに、しかし何か燃えるようなものを含んだ物言いに冥琳は呆れると同時に、我等の王に畏怖を感じる
「成る程な、しかしこれで北郷は河北をほぼ手中に収める可能性が高い、そうなれば北に巨大な国が出来るな、それも生半可な事では揺るがない強国が」
「そうね、だから私達も急がなくっちゃ、一刀に抵抗できるくらいの国を、孫呉の国をつくっておかなきゃね」
そう言うと雪蓮と冥琳は居城から出て行き城壁に登っていく、そして城の外に目を向ける、
そこには袁術によって揚州各地へと分散されていた呉の旧臣達、そして兵達が孫呉の旗を掲げ集結している
「孫呉の民よ!呉の同胞達よ!待ちに待ってた時は来た!」
「栄光に満ちた呉の歴史を、懐かしき呉の大地を!再びこの手に取り戻すのだ!」
おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
「敵は寿春にあり!雌伏の時を経た今、我等の力を見せ付けようではないか!」
「これより孫呉の大号令を発す!呉の兵士達よ!その命燃やし尽くし、呉の為に死ね!」
「全軍、誇りと共に前進せよ!宿敵、袁術を打ち倒し、我等の土地を取り戻すのだ!」
おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
雪蓮達は一路袁術のいる寿春へと向け進撃を開始する
その頃寿春では…
「七乃~妾は皇帝なのになんでだぁれも臣下の挨拶をしにこんのじゃ~?」
「そうですねぇ、皆忙しいんじゃないですかねぇ~、北郷さんと麗羽さんは戦争やってますし~」
「む~、つまんないのじゃ~、妾は皇帝なんじゃからもっと敬ってほしいのじゃ~」
「ああん♪誰も挨拶にこなくて寂しがるお嬢様も素敵です~♪」
なんか平和だった。
幽州のどこか
そこには傷ついた公孫賛こと白蓮さんがいた、彼女は易京が落ちた後華雄とはぐれていた、白蓮は華雄を探す為幽州中を彷徨っていた所、袁紹軍の兵に見つかり追いかけたり追いかけたり追いかけたりされて崖がら転落してしまった。
「ふっ!この高さでは助かるまい!」
”ぴこーん”+1
「まったくだ!こんな所から落ちて生きていられるものか!」
”ぴこーん”+1
袁紹軍の兵士達は崖から落ち、川に飲み込まれ流れていく白蓮を下卑た笑いで見送った
白蓮は川に流されながら意識を失っていく…
「くそ、ここまでか…私にもっと力があったら…」
”ぴこーん”+1
-力が…欲しいか!-
どこからともなく聞こえたような気がしたその声に白蓮は「はっ!」と目を覚ます
”ぴこーん!”+1
そして必死で泳ぎきり川べりにたどり着く、少し休んだ白蓮は華雄の事を想う
「あんな戦いの後だったんだ、生きてる訳…ないよな…」
”ぴこーん”+1
「あいつ…いい奴だったのに…」
”ぴこーん”+1
悲しみの白蓮はその場を離れ歩き出す、すると岩陰に何かを見つける、それは…
「か、華雄!!??」
なんとそこには傷つき矢の刺さった華雄が横たわっていたのだ、駆け寄る白蓮、動かない華雄を見て白蓮は
「う、うう、華雄…」
白蓮の目から涙があふれ出す、そしてその涙が華雄の顔に ぴちょーん って感じに落ちる
”ぴこーん!”+1
ドクンッ・・・!
「う、うう…」
動き出す華雄に白蓮が呼びかける、すると華雄は目を覚まし
「白蓮、生きていたのか…」
「華雄!」
傷ついた華雄を抱き起こす白蓮、そして華雄に突き刺さった矢を見てみると、そこには
「こ、これは私の作った華雄人形!!」
”ぴこーん”+1
「ふっ、こいつに矢が刺さったおかげで私は助かったという訳か、ありがとう白蓮、お前は私の命の恩人だ!」
「よ、よせよ、照れるだろ////////]
HAHAHAHAHAHAHAHAHA! なんかそんな感じで笑いあう二人だった
あとがきのようなもの
ちょっと今回はぐちゃぐちゃした感じになったかもです、戦闘シーンは苦手
でも荀彧の叱咤激励ネタとかやりたかったのでできてよかったです
次は拠点予定、誰にするかは未定です。
一刀の号令を少し変えました、敬語もアリかなと思ったのですが原作やり直してやっぱちょっと違ったかもと、色々ご指摘ありがとうございました
前々から書いてましたがリアルで仕事が忙しくなってきそうなので更新が今後ちと遅れるかもです。
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官渡的なものです、どうしよう…袁家が好きになってきてる、袁家√が無性に書きたくなってきた
注)本編中に生存フラグがいくつか発生してます