第二十二話 プリムラ
「稟、ユーノぎりぎりセーフだね。もう少し遅れてきてもよかったのに」
「いや,遅れてきてもいいわけないだろうに…」
「というか遅れてきたらろくな事がないだろうしね」
ゴールデンウィーク前の四月最後の日曜日、光陽駅前での美系と言っていい男子三人組の…樹、稟、ユーノ…会話である。
「ひどい誤解だよユーノ、俺様は海よりも広い心を持っているのに…」
「「……女性に対してだけだろうに」」
「あたりまえじゃないか、女性には海よりも広い心で、男どもには猫の額よりも小さな心でと相場は決まってる」
そんなのはお前だけだという言葉を飲み込みながらユーノと稟の二人は嘆息する。ここで反論したところで無駄なのだ、ならばと二人は思考を切り替えてから
「で、何のために僕達をここに呼んだんだい?いきなり来いって電話があったから僕は来てみたんだけど」
「右に同じだ」
二人は実は訓練中だったんだがその時一緒にいた自らの恋人にたまには男の子どうしで遊びに行ってくるのもいいんじゃないかと言って送り出されたのである
「もちろん我ら美系遺伝子の持ち主が集まってやることなんて一つしかないじゃないかい!!!」
この時点……いや出てくる時点でユーノも稟も悪い予感はしていたのだ、とりあえず二人には樹の性格から推測してなんと言うかが手に取るようにわかった
「「ナンパとかいわないよな(ね)?」」
「もちろんそうだが?ほかに何をするというんだい」
あたりまえじゃないかいというふうに樹は返すのだが、もちろん普通は当たり前ではない。まあ、そう答える人間がいることも事実ではあるのだが
「却下だね」
「却下だな」
「ちょっ、何言ってるんだい稟、ユーノ。美を磨いた女性達に御褒美をあげるのは我ら美系遺伝子を持った者の宿命じゃないか」
「「………」」
「それに俺様だけでもかなりの女性は落とせるけどユーノと稟がいればその確率はぐんと跳ね上がるんだよ。ま、ほぼ100%は確定だね」
この男は冗談ではなく本気でこういうことを言うのだが実際にやってのけることができるのがすごいところである
「……で、そっちが本音か?」
「当然だね、どうせなら俺様が落とせなかった人間を落とした二人にナンパさせてみようってとこだね?」
「……稟、ぼく帰るね。これならエリオたちを遊びに連れて出ればよかったなぁ」
ユーノはもう付き合う気がないのか帰る気満々である。それもこれも……
「……緑葉、ナンパするなとは言わん。だが昨日のわたしの補習をさぼったのはどういうわけだ?」
樹の後方で紅女子がとてもいい笑顔を浮かべて迫ってきていたからなのだが。ちなみに樹の肩はすでに紅女子にホールド済みである
「べ、紅女子?!いえ昨日はですn「うさぎ跳びで階段20往復とグラウンドをタイヤ付で30周どっちがいい?」…………」
「ユーノにつっちーすまんな邪魔して、緑葉は借りていくぞ。二人はゆっくり休日を過ごすように」
そして有無を言わさずに樹を連れて紅女子は去っていく。そしてそのあとには
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~!!」
樹の悲鳴が響いていたのであった
「「…………」」
「さて、ユーノはこの後どうするんだ?」
とりあえず樹の拉致騒動から立ち直って稟がユーノにそう尋ねた
「それが暇なんだよね。フェイトは楓さん達を誘って買い物に行くって言ってたんだよねエリオとキャロはそれについてった。無限書庫に行っても司書達に追い返されるし、かといって訓練って感じでもないし………要するに暇だね、稟はなにか予定あるの?」
「特にないな………久しぶりにゲーセンにでも行ってみるかな?ユーノも一緒に来るだろ」
「………まあいいけど、ゲームセンターなんてほんと何年ぶりだろ?稟と行ったのが最後だから6年ぶりくらい?」
「ユーノ、お前って不健全な子供だよな」
そんなこんなで光陽通りにあるゲームセンターを二人は目指すのだった
魔界サイド
「なに?プリムラがいない。それはどういうことだい?」
「はっ、研究所内から抜け出したようでございます。今は全力で捜索に当たっていますがいまだに発見できていません。あれの魔力は異常ですので魔力に敏感なものに探らせているのですがその反応すら見つけられないということです」
魔界にある城、その玉座での会話である。兵士の前、玉座に座るのは銀髪の髪の整った顔の魔族の美男子、この男性こそ魔界の王フォーベシィ。神界と魔界の戦争を終結に導いた近代まれにみる名君である……あくまで表向きは
「そうか、全力を持って捜索を続けてくれたまえ」
「はっ。……王、そういえば魔力を追って捜索していたものが妙なことを言っていたのですが」
「……つづけてくれるかい」
「…はっ、今は稼働していない門の前でプリムラの魔力の痕跡が消えていると。門の稼働の形跡はないのでもしやとは思うのですが……」
門とは人間界と魔界を繋ぐためのものでここ数年は調整のため稼働していない
「いや、人間界や神界の方に迷い込んだ可能性も視野に入れておくとしようか。ああそうだ、門の整備班に門の整備を急ぐようにいっておいてくれたまえ」
「はっ、ではわたしはこれにて」
そして兵士が出ていき気配がなくなると魔王はおおきなため息を吐く
「これはネリネちゃんの耳に入るのも時間の問題だろうねえ……知られたらやさしい子のことだ、自分で探しにでると言い出すだろうしねぇ。はぁ、どうしたものか、プリムラも厄介なことをしてくれたねぇ」
魔王とてプリムラのことが嫌いなわけではない。が娘のネリネと比べると優先度は三段階ほど下がる
「はぁ……神ちゃんにも協力を要請するべきだねこれは、神界に迷い込んだ可能性も否定できない」
魔王の憂鬱であった
魔王side out
「けど久しぶりだよな?ユーノとこんなふうに二人で町歩いてるのって」
「そうだね、ぼくは無限書庫の仕事で忙しかったし。稟の方からもほとんど連絡なかったしね」
二人が歩きながら向かっているのは光陽通りにあるゲームセンターだ。若者達には結構人気があるのだがユーノは基本的に関係のない建物だし、稟も楓や桜と一緒にいることが多いのでここ数年はめっきり行く機会が減ったので、行くのは二人とも久しぶりだ
「そういやそうか、けどお前が忙しそうだから俺は自重したんだがな」
「気にしなくてもよかったのに」
ユーノは稟のそのせりふに苦笑しながらそう返す。そんなふうに雑談しているうちにゲームセンターのまえについていた
「…あれ?あの子」
「ん、稟どうかした?」
稟のその呟きに反応した後ユーノは稟の視線を追う。
稟の視線の先にはクレーンゲームのまえでじっと立っている銀髪をツインテールにした身長150cmくらいのツンと尖った耳をした魔族の少女、見た目は普通の…樹に見せたら超極上と言うことは確実…少女なのだがその体から感じられる魔力の量とその感じが異常だった。
魔力量は個人が持つにしては大きく、まるでそれなりに上位の神剣を分解してその身に宿したような量。
そして…これがさっきのようにあらわした理由なのだが…その感じが永遠神剣のマナと酷似しているのである。まるであの子そのものが永遠神剣であるかのような錯覚を受けながら稟とユーノはその少女を見つめる。
二人は無言で顔を見合わせその少女に声をかけようと……
「…………稟とユーノ……?」
したのだが、その少女が二人の目の前にいた。それも二人の名前を呼んで
「いや、確かに俺は稟だが」
「うん、ユーノであってるけど…」
そのふたりの言葉を聞くと少女は少し考えるようにして
「………リコ…ネリネ知ってる……?」
「ネリネ?」
稟は少女のその言葉に首をかしげる。稟の中にはそんな知り合いはいないはずだからだ
「ネリネ、ネリネ……」
一方ユーノはその言葉になにか引っかかりを感じていた。
(どこかで聞いたことがあるんだよね?)
少し考えるうちにユーノの頭の中にある情景が映し出される。公園で遊ぶ稟に自分そして“ネリネ”と名乗った蒼い髪に蒼い目のかわいい女の子
(もしかしてあの子のことなのか?)
そう考えたユーノは目の前の少女に確認するようにして声をかける
「えっと、ネリネって蒼い目で蒼い髪の女の子であってる?」
「………!!」
目の前の少女はユーノのその問いかけを聞くと驚いたようにして
「ユーノ、稟……やっと……見つけた……」
そしてユーノに抱きついてきたのだった。しかも片方の手は稟の服の端をしっかりと握っている
「えっとユーノ一体どういうことなんだ?俺はきれいさっぱりわからんのだが」
稟の困惑した声も当然と言えるだろう
「で、ユーノどういうことなんだ?」
とりあえず落ち着いて話ができるところにということで三人はフローラに来ていた。ちなみに少女は二人の服を離してくれなかったのでここに来るまでに好奇の視線で見られたのは割愛する
「う~ん、とりあえず稟、ネリネって覚えてる?」
「さっき、その子が言ってた名前だな?とりあえず俺の記憶の中にはないんだが」
「じゃあ稟、何年も前に一回だけ蒼い髪に蒼い目のかわいい女の子と公園で遊んだことあるのは?」
稟はユーノのその言葉を聞いて思い当たる節があったのかはっとした表情になる
「……ああ、そういえばあった。で、その子が」
「ネリネなんだな」「ネリネってわけ」
二人の認識が一致したところで少女に目を向ける、もっともその少女からは悪意などの敵対感情は感じられない、むしろ自分達に会えたことによる嬉しさが感じられたため二人は警戒はしていないのだが
「ええっととりあえず君の名前を教えてもらっていいかな」
少女はその呼びかけに顔を上げると
「……プリムラ…」
一言そう言った
「プリムラちゃんか………で、単刀直入に聞くけどなんでプリムラちゃんはここに?僕らのことはネリネ……いやリコリスから聞いたのはわかるけど」
「……!!ユーノ……なんで知ってるの……?」
プリムラがほとんどわからないが驚いた顔をする。ユーノはいたずらが成功した子供みたいに笑いながら。ちなみに稟も似たような表情だ
「実はさ“ネリネ”が偽名なのはわかってたんだ、なんか名乗る時に申し訳なさそうにしてたしね。で、決定的だったのが大人が迎えに来た時。たぶん聞こえてないと思ってその大人も言ったんだろうけどね、聞こえたんだ“リコリス”ってね」
「……そうなんだ、リコリス……そのこと…きづいてなかった……」
プリムラはほとんど表情を変えないながらも感心しているようだった
「うん、まあそのことは置いといてプリムラちゃんはどうしてここに?」
ユーノその問いかけにプリムラは少しずつ答えていく。自分が魔界にある研究所を抜け出したこと、そのご閉じているはずの門を通って人間界に来たこと、リコリスから聞いた稟とユーノを探したこと、そして自分が人工的に作られた魔道生命体だということ、それらを聞き終えた後ユーノは尋ねる
「でだ、プリムラちゃんはどうしたいの?」
「…わたしが…どうしたいか…?」
「うん、そうだなプリムラの好きにしたらいい」
その声にはプリムラが魔道生命体だとかそういうのは関係なくやさしさが込められているのが伝わっているのかプリムラは少し不安そうにしながらも口を開く
「………稟とユーノ……一緒に居たい……」
「よし、わかった」
「ん、了解」
そういうと稟とユーノは芙蓉家の方へと向かったのだった
~芙蓉家~
「ということで、ここにこの子を住ませてやれないか?楓、桜」
芙蓉家に行くともう楓達は帰ってきており桜とフェイト&子供達も一緒だった。子供達は買い物で疲れたのかフェイトとユーノの膝を枕におねむであるが
ちなみに桜の両親に付き合いだしたことを報告したときに桜の両親が
“じゃあ、桜も稟くんと楓ちゃんと一緒に住みなさい”
等と言いだしたことが原因で桜もこの家に一緒に住んでいる。
倫理的にいろいろと問題があるのだがその辺は
“稟くんなら桜を任せられる。ということで娘をよろしく頼むよ”
ということらしい。親ばかもここまで来るとむしろすがすがしいばかりである
「わたしは稟くんがいいならいいですよ」
「えっと、わたしは楓ちゃんがいいなら」
そして帰ってきた後にプリムラを紹介した後、事情をすべて包み隠さず説明して最初の台詞に至るのである。
「いや、楓さん即答ですか?俺よりむしろおじさんに確認とかは?」
「それに相当なリスクを背負い込むことになるかもしれないんだよ?いいの?」
稟とユーノの驚きももっともである。その話をすべて知ってプリムラを保護するということ、それはプリムラを魔界の方へ引き渡すつもりはないということだ。つまりそれは魔界の軍を敵にまわすことになるかもしれない、ということでもある。
頭の良い二人がそのことを理解していないわけがない。そのことを理解したうえでその結論を速攻で出したふたりに驚いたのだ。反対されても仕方がないと思っていたのだからなおさらである、まあ反対されても引くつもりはさらさらなかったのだが…
「お父さんなら反対しないでしょうし」
「稟くん、引かないでしょう?」
「「それに……」」
「「前々から妹がほしいと思ってたんですよ」」
二人ともそんなふうに笑顔で言い切ったのだ。もう稟の方は呆れていた、けれどそれ以上に自分の恋人が子の二人であることが誇らしかったのだが。
そんな中フェイトが小さくではあるが声を上げる
「でももし預かるならこの家よりわたし達の方がよくないかな?部屋もたくさん余ってるし」
「「あっ、確かに…」」
楓と桜はそのことに思いいたっていなかったのか小さく声を上げる。けれどユーノと稟の二人がそちらの方を考えなかったわけがないのだ、ということはそれなりに理由もある
「それも考えたんだけどね、あんまり取りたい手段ではないかな……」
「??どうして、こっちなら管理局からの支援も受けられるかもだし………」
そうなのだ、そのへんを考えるとユーノ達の家の方で預かった方がいいように思える
「……いやフェイトさん、むしろそこがネックなんだよ」
「どういうことですか?稟くん」
「つまりは管理局には知られたくないってことだな、まあ理由としては……」
稟は話の続きをユーノの方へ促す
「……管理局としては魔界の方といい関係でやっていきたいだろうからね、今回のようなのが露呈したとすればほぼ確実にプリムラちゃんは強制的に研究所の方に戻される。だから極力プリムラちゃんについての情報が漏れないように本当のことを知っているのは最小限にしときたいっていうわけ」
そうなのだ、管理局としては今回の騒動は魔界の方に恩を売っておくチャンスであるためプリムラが研究所に返される可能性はとても高い。
「なのは達のことを信用していないわけじゃないんだけど、どうしても二人は管理局への出入りが多いから………」
「うっかりしゃべちゃうかもしれない、っていうことだね……」
フェイトはユーノの言葉を聞いてその場面を連想する。……なんだかあの二人なら絶対にやりそうな気がする
「「「………」」」
「……?……」
他の三人もその光景があり得そうだというふうに想像したのか苦笑いである。プリムラはわかっておらずキョトンとしている……わかりにくいが
「……とりあえずバルディッシュのメモリーの今の会話にはかなり頑丈なプロテクトをかけとかなきゃね」
ちなみに今の時点でこのことについて知っているのは、ここにいる面々に神獣一同、精神的に繋がりのあるフェイトの使い魔であるアルフ、ユーノの使い魔であるレンと青龍といったところだろうか
話が終わるのをみはからってたのかプリムラが口を開く
「……わたしは……ここにいて……いいの…?…」
その言葉にみんなが稟の方に注目する
「もちろん。ということでよろしくなプリムラ」
「………うん」
プリムラのうなずいた無表情の中に喜びを垣間見た一同であった。
「ええっと、リムちゃんって呼んでいいですか?」
「……うん…」
「稟くんの恋人その①の芙蓉楓です。これからよろしくお願いしますねリムちゃん」
「……よろしく…楓…」
まずは楓が
「ん、じゃあわたしもリムちゃんってよんでいいかな」
「…ん…」
「ん、じゃあそういうことで稟くんの恋人その②の八重桜です。よろしくねリムちゃん」
「…うん……桜…」
次に桜が
「じゃあわたしはプリムラって呼ぼうかな、ユーノの恋人のフェイト・T・ハラオウンです。よろしくねプリムラ」
「…うん…よろしく…フェイト…」
次にフェイトが自己紹介をする。
「ん、じゃ僕はプリムラで。ちゃん付けはなんか他人行儀な気がするし。あらためてよろしくねプリムラ」
「…よろしく…ユーノ…」
そしてプリムラはユーノとフェイトの膝の上を見て
「…このこ…達は…」
「ああ、赤い髪の子がエリオ、ピンクの髪の子がキャロだよ。ぼくたちの息子達だね」
「…ん…」
それを聞くとプリムラはこくんとうなずく
「それじゃリムちゃん行きましょうか」
「…楓…どこかいくの…?…」
「リムちゃんの部屋を選びに行くんだよ」
その後すぐに楓と桜に二階のほうに拉致されたのだが
プリムラの無表情の中は少しの困惑と嬉しさが見えた気がした
その夜の話
「はい、稟くんお茶です。桜ちゃんも。リムちゃんにも用意したんですけど…」
「ああ、ありがとう楓」
「ありがとう楓ちゃん」
ここは夕食後、一息ついている時間帯の芙蓉邸である。何故三人の声しか聞こえないかというと
「ああ、プリムラなら……」
稟が苦笑しながら自分の膝の方を見るように楓に促す
「……すぅ……」
そこには稟の膝を枕にして安らかに眠るプリムラの姿があった
「リムちゃん寝ちゃったんですね」
「うん、エリオくんとキャロちゃんがやってるのをまねしてみたらそれがすごく気に入ったみたい」
「それもあるかもしれんがやっぱり疲れたんだろうな。魔界からこっちまで来て、俺とユーノを探してたんだし」
楓の漏らした呟きに桜と稟が答える。プリムラも事故とはいえ強行軍で人間界に来ているのだから疲労がたまって当然なのだ、膝枕に関してはエリオとキャロのことが羨ましかったのかもしれない
「まあ、もうしばらく寝かせといてやるか」
「うん、そうだね」
「はい。でも稟くんつらくないですか?」
「全然問題なしだ」
そんな温かい家族のような一幕だった
あとがき
皆さんお久しぶりです。約一月強ぶりの更新です。今回からリムちゃん登場ですが、王女さま方が出るのはまだ先の予定です。
今回の魔王様SIDEみたいな感じでやることはあるかもしれませんが当分本編の方ではお預けですね。
さて今回はここらへんで失礼します、読んで下さった皆様に感謝を、です。
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今回は少しだけ時間がたってゴールデンウィーク直前の話。
王女様たちを差し置いてあの子が登場します