No.124825

仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 最終話

BLACKさん

この話は真の話と言うよりも無印の恋姫†無双に近い作品です。
そして流れも基本的なところは原作と変わりませんが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。
また仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦2010のネタバレを含む部分もございます。
オリジナルのキャラクターも出てきます事をご了承ください。

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2010-02-16 17:42:32 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:5578   閲覧ユーザー数:4800

ディケイド達はようやく泰山の頂上にたどり着く。

 

稟「ようやく着きましたね」

明命「いよいよですね……」

凪「! 来ます!」

 

ディケイド達の前に突然左慈、于吉、仮面ライダーレイが現れる。

 

左慈「北郷一刀。今度こそお前を殺す!」

アギト「それはどれの俺のことを言っているんだ?」

左慈「全てだ。俺は『北郷一刀』と言う存在そのものが嫌いなんだよ!」

電王「俺はお前のことを知らないが…。これだけは言えるな」

一刀(ディケイド)「俺もお前が嫌いだ!」

左慈「ふん! 変身!」

ベルト「ネガフォーム」

 

左慈はネガ電王に変身する。

 

于吉「やれやれ……」

 

于吉がサイガフォンに変身コマンドを入力する。

 

于吉「変身」

サイガフォン「コンプリート」

 

于吉はサイガに変身した。フライングアタッカーの操縦桿であるステアコントローラーを握る。

レイもギガンティック・クローを前にして構える。

 

アギト「あいつらは俺達三人が相手をする。お前達はボスの居るところに行け」

一刀(ディケイド)「……」

真桜「他にも残った方がええんとちゃうの?」

キバ「まだゾル大佐もいる。恐らくは中で南華老仙と一緒に居るはずだ」

電王「となるとそいつ(ディケイド)を一人で行かせるよりは良いと思うぜ」

アギト「それに俺達三人なら相手がどのくらいいようが関係ない。必ず勝てる」

稟「保証は?」

アギト「経験だな」

一刀(ディケイド)「……分かった。行くぞ!」

皆『応っ!』

 

ディケイドと破の将達が駆けだす。

 

左慈「させるか!」

 

ネガ電王がデンガッシャーで阻もうとするが、それを電王のデンガッシャーが阻む。

 

電王「悪いが、手前の相手は俺がしてやる」

左慈「貴様……!」

電王「悪いが俺も北郷一刀だが最初っから最後までクライマックスだ。

手前の泣き言は聞かねえぜ!」

左慈「ならば貴様も殺すまでだ!」

 

電王超クライマックスフォームとネガ電王の互いの武器がぶつかり合う。

 

于吉「やれやれ。ならば私が……」

 

サイガがステアコントローラーをブースターライフルモードにして撃とうとする。

しかしそれはキバエンペラーが阻む。

 

キバット「悪いが…そいつはごめんだ」

タツロット「テンションフォルテッシモで行きましょう!」

キバ「俺が相手だ」

于吉「いいでしょう!」

 

サイガがフライングアタッカーで空を飛び、キバエンペラーも飛翔態に変身して空を飛ぶ。

二人のライダーの空中戦が始まる。

 

レイ「仕方ないが……」

 

レイがアギトシャイニングフォームの方を向く。

 

アギト「物分かりが良いようだな」

レイ「ふん。ならばさっさと貴様を殺して奴らを追えば良いだけだ」

アギト「悪いが追うのは俺の役目だ」

 

アギトはシャイニングカリバーを取り出し、レイのギカンティック・クローとぶつかる。

ディケイド達はその間に祠の奥を走る。

そんな中ディケイドは考える。

 

一刀(ディケイド)(この世界を破壊させやしない!

破壊するのは……俺だ!)

 

 

 

仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双  最終回

 

 

 

最終話  全ての破壊者

 

 

ディケイド達は社の玉座の間の入口の扉を蹴破る。

 

一刀(ディケイド)「南華老仙!」

 

ディケイド達は玉座の間に入る。そこには入口から遠くにある玉座に座っている南華老仙。

そして部屋の真ん中にはゾル大佐がいた。

 

ゾル大佐「ここまで来るとはな……」

沙和「もうお前しかいないの!」

星「ゾル大佐……ここまでだな」

ゾル大佐「ふふふ、何を勘違いしている?」

 

ゾル大佐が大胆不敵な笑みを浮かべる。

 

明命「気を付けてください。何か企んでいるみたいです」

ゾル大佐「企む? それとは違うな。私が笑っているのは『ここまでだな』という言葉に反応したまでだ」

凪「ではお前自身に何かあると言うことか?」

ゾル大佐「その通りだ。ブラック将軍の事は分かっているか?」

風「ブラック将軍……」

稟「十分わかってますよ……」

ゾル大佐「ならばどういう意味か分かるだろう」

蒲公英「じゃあおじさんも怪人になるの?」

ゾル大佐「私の変身を見るがいい!」

 

ゾル大佐が鞭を弧月を描くようにし、鞭を地面にたたきつける。

ゾル大佐の前に小さな爆発が起こり、その爆発の煙が消えるとゾル大佐の姿が金色の狼男のものになっていた。

 

黄金狼男「黄金狼男だ。この先は私が通さん!」

一刀(ディケイド)「やる気か……」

 

ディケイドがライドブッカーを持ってソードモードにして構えると凪達がディケイドの前に立つ。

 

一刀(ディケイド)「お前達……」

凪「一刀さん。あれの相手は私達がします」

一刀(ディケイド)「その隙にあのじじいのところに行けってか?」

稟「違います」

明命「見守って欲しいんです。私達だけであの怪人を倒すところを……」

一刀(ディケイド)「お前達……」

翠「少しはあたしらの事を信じてくれよな」

一刀(ディケイド)「信じろも何も俺は最初っからお前達を信じてるぜ」

星「それを聞いて安心した」

一刀(ディケイド)「生きて勝てよな」

凪「はい!」

 

黄金狼男の前に破の将達が並び立つ。

 

黄金狼男「お前達如きが私の相手になると思っているのか?」

星「その如きを甘く見ていると足元をすくわれるぞ」

黄金狼男「その忠告、素直に受取ろう!」

 

黄金狼男が両手を前に出す。

そして指先から指ミサイル弾を発射する。

皆がそのミサイル弾を避ける。

 

翠「でやあ!」

蒲公英「えええい!」

 

翠と蒲公英がそれぞれ黄金狼男の左右に立ち、二人は槍を黄金狼男に当てようとする。

 

黄金狼男「ふん!」

 

黄金狼男は二人の槍をわずかに体を後ろに反ることによって避け、二人の槍を手に持って、思いっきり槍を引き寄せ投げる。

二人は槍を持っていたため、思わず釣られてしまい、二人は何とか前に宙返りして受け身をとることで、床に叩きつけられる衝撃を和らげる。

 

翠「いてててて……」

真桜「翠、蒲公英。どきや!」

 

真桜がドリル武器の螺旋槍と自分の氣を合わせた衝撃波、螺旋撃を正面から黄金狼男にぶつける。

 

黄金狼男「ふんっ!」

 

黄金狼男はその衝撃波を真っ向から受け止める。

 

黄金狼男「ぐぬぬぬぬぬ!」

凪「はあ!」

 

凪が真桜の後ろから氣を固めたエネルギー弾を蹴り、螺旋撃の中心を通り黄金狼男に命中する。

 

黄金狼男「ぐおっ!」

真桜「どうや!」

黄金狼男「だが甘い!」

 

黄金狼男は凪の攻撃でダメージは受けたが、それでも螺旋撃を受け止める力はあった。

 

黄金狼男「ふん!」

真桜「何やて!?」

星「だが!」

沙和「沙和達の攻撃」

明命「かわせますか?」

恋「……!」

 

黄金狼男が正面に気を取られている隙に星、沙和、明命、恋が後ろに回り込んでおり、四人で黄金狼男を攻撃する。

黄金狼男は後ろを回ることをせず、そのまま四人の攻撃を受ける。

しかしただ受けたわけではない。攻撃を受けると同時に両腕を後ろにやって、四人を飛ばしたのだ。

 

星「くっ!」

沙和「きゃあ!」

恋「……!」

明命「はうっ!」

 

四人が後ろに飛ばされて倒れる。

黄金狼男はジャンプして四人のさらに後ろに立ち、最初と同じような立ち位置になる。

 

黄金狼男「こんなものなのか?」

 

凪達が倒れている星達のところに駆け寄る。

 

真桜「沙和、大丈夫か?」

沙和「なんとか……」

明命「ですが、強いです」

稟「さすがは大ジョッカーの幹部ですね」

 

 

社の入口前では…。

 

電王「うりゃあ! うりゃあ!」

左慈「くっ!」

 

電王がネガ電王をおす。

まあネガ電王が強いとはいえ、電王の方は強化形態。しかも最強形態の超クライマックスフォームである。そのためかなり力があるのだ。

おまけに電王によく変身していたためかなりモモタロス的な性格になっていた。とは言ってもそんな性格でも別の世界の一刀である。

左慈が冷静に対処しても、電王はその冷静な対処を見事に打ち破っているのだ。

 

電王「どうだ? お前が自慢している力でねじ伏せられる気分はよ~」

左慈「まだ……まだだ……」

 

 

上空ではキバ飛翔態とサイガの攻防が続いていた。

 

キバ「きしゃああああああ!」

于吉「はっはっはやりますね」

 

サイガが上空を飛ぶキバ飛翔態と平行に飛びながら撃ちあう。

当初はバルカンのように撃てるサイガが有利だったが、キバ飛翔態はその対処法を見つけてきたので、少しばかり押されぎみであった。

 

于吉「しかしこれで……」

 

サイガがステアコントローラーをシングルモードからライフルモードにしてキバ飛翔態の翼一点に集中攻撃を仕掛けようとする。

 

于吉「そこです!」

 

サイガがライフルを発射させる。キバ飛翔態はその攻撃を避けようとはせずまっすぐサイガに突っ込む。

 

于吉「何をお考えですか!?」

キバ「きしゃああああああ!!」

 

キバ飛翔態は自身の体を高速に回転させる。そしてその高速に回転する力でライフル弾を弾く。

 

于吉「何!?」

 

その高速回転したままキバ飛翔態はサイガの後ろについて、そこからエンペラーフォームに戻り、キックをフライングアタッカーにぶつける。

 

于吉「ぬおっ!」

 

サイガは飛行不可能になって地上へと落ちていく。

 

 

サイガが地上に落ちてくるころ、アギトとレイが互いの武器をぶつけ合っていた。

 

レイ「くそ。こいつやるな……」

アギト「悪いがお前程度じゃ俺の敵じゃない。俺はそれ以上と戦ったことがあるからな」

 

アギトはかなり余裕の様子であった。

 

アギト「はあっ!」

レイ「ぐぉわ!」

 

レイがシャイニングカリバーの攻撃を受けて後ろに転がる。

 

アギト「はああああああああああ!!」

 

レイが転がっている間にアギトはシャイニングライダーキックの体勢に入り、一気にシャイニングライダーキックを起き上がろうとするレイに向けてぶつける。

 

レイ「ぐおああああああああああ!!」

 

レイはさらに後ろに転がり、爆発した。

 

 

レイがやられたと同時にサイガが地上に墜落する。

 

于吉「くっ……レイがやられるとは……」

 

キバエンペラーが地上に着地する。

 

キバ「お前も終わりだな」

 

キバがサイガに向かって駆け出す。

 

于吉「甘いですね!」

 

サイガがフライングアタッカーのステアコントローラーを引き抜いて、トンファーエッジモードにする。

 

于吉「これで終わりです!」

 

ステアコントローラーのエッジがキバにあたりそうになるが……。

 

タツロット「ザンバット!」

 

キバはわずかに体を後ろにそらして左手についているタツロットの口から出されたザンバットソードを右手に持ち、ザンバットソードについていたウェイクアップフエッスルをザンバットソードを持ったと同時に左手で持ち、キバットに噛ませる。

 

キバット「ウェイクアップ!」

 

噛ませた後、とっさに左手でザンバットバットを一気に剣の上にまでやり、そして戻した。

 

キバ「でゃああああああああ!!」

 

キバは一気に剣を振りぬく体勢のようになって、ザンバットソードをカウンターでステアコントローラーの刃にぶつける。

そしてその対決はキバの勝ちであった。

ザンバットソードがステアコントローラーのエッジを二つに斬り裂き、そのままサイガの体に到達し、サイガも斬った。

 

于吉「………見事……で……す」

 

キバがザンバットバットをゆっくりと剣の上にやって、そして一気に戻した。

ザンバットバットが元の位置に戻ると同時にサイガは蒼い炎に包まれて爆発した。

 

 

左慈「于吉までやられるとは……」

電王「もうやめた方が良いと思うぜ」

左慈「ふん。言ったはずだ俺はお前を殺したい程に嫌いだとな!」

ベルト「フルチャージ!」

 

ネガ電王がベルトにパスを通して、デンガッシャーにオーラエネルギーを集める。

 

電王「そうかい」

デンオウベルト「フルチャージ」

 

電王もデンガッシャーにオーラエネルギーを溜める。

 

電王「俺の必殺技!」

 

電王が剣を片手に構える。

 

左慈「何を考えている!?」

 

ネガ電王がデンガッシャーの先端を飛ばして電王にぶつけようとする。

 

電王「甘いぜ!」

 

電王がそれを自分のデンガッシャーで叩き落とそうとする。

 

左慈「甘いのは貴様だ!」

 

ネガ電王のデンガッシャーの先端が電王のデンガッシャーに当たる前に地面の中に勢いよく入っていく。

 

電王「何!?」

左慈「馬鹿め! 死ね!」

電王「なんてな!」

 

電王がガンフォームのような動きをして地面から出てくるネガ電王のデンガッシャーを叩き落とす。

 

左慈「なっ!?」

電王「馬鹿は手前だ!」

デンオウベルト「フルチャージ」

 

電王は再びデンオウベルトにライダーパスを通して右足にオーラエネルギーが溜まる。

 

電王「俺の本当の超必殺技!」

 

電王がデンガッシャーの先端を利用して自分をネガ電王のところに飛ばして、ネガ電王に向かってキックの体勢をとる。

 

電王「ライダーーーーーーキーーーーーーーック!! バーーーーーーーーーーーーーージョン!!!」

 

電王超クライマックスフォームのキックがネガ電王に直撃する。

 

左慈「ぐぉおおおおおおおおお!!」

 

ネガ電王に火花が走る。

ネガ電王から左慈の姿に戻る。

 

左慈「貴様……を……」

電王「殺すなんて言葉……聞きあきたぜ!」

左慈「がはっ!」

 

左慈は爆発する。

 

電王「ふぅ~う」

アギト「相変わらずの叫ぶライダーキックだな」

電王「いいだろ。電王ってかモモタロス的でよ」

アギト「そうだな」

キバ「皆来たようだ」

 

三人が後ろの階段の方を見る。

そこから下で戦っていた自分達ライダーと将達が登って来た。

 

アギト「片付いたか?」

カブト「ああ。王蛇は途中で自分の世界に帰ったがな」

ブレイド「後は全部倒した」

アギト「じゃあ……俺達も見守るとするか」

 

全員が社の入口を見る。

 

アギト「あいつらの戦いを見届けるために……」

東王父「そうだな」

 

全員が社に入ろうとする。

 

 

その少し前、破の将達はまだ黄金狼男に阻まれていたが……。

 

真桜「これでどうや!」

 

螺旋槍から再び螺旋撃が放たれる。

 

黄金狼男「同じことをやっても無駄だ!」

 

黄金狼男はその螺旋撃を横に回転して避ける。

 

真桜「誰が同じって言うたんや?」

 

真桜がそう言うと、いつの間にか黄金狼男の側には凪が一人で居た。

 

凪「でゃあ!」

黄金狼男「ふん!」

 

黄金狼男は凪の拳を受け止め、自分の拳を凪に当てようとするが、凪もその拳を受け止める。

 

黄金狼男「はあ!」

凪「ふん!」

 

凪と黄金狼男の素手どうしの戦いが続く。

そして凪はジャンプして拳に氣を溜める。

 

凪「はあああああああ!!」

 

その拳は黄金狼男の体に直撃する。

 

黄金狼男「ぐえふっ!」

 

黄金狼男は社の外へと飛ばされ、山の崖を落ちていく。

 

黄金狼男「うぇふ! ぐぇふ! 己……ディケイドーーーーーーーーー!!」

 

黄金狼男はそう言って爆発していった。

 

 

一刀(ディケイド)「俺のこと言われても倒したのは俺じゃないけどな……。凪、大丈夫か?」

 

ディケイドが凪の体を支えようとする。

 

凪「大丈夫です。それより……」

 

凪が座っている南華老仙の方を見る。

 

一刀(ディケイド)「ああ……。ここからは俺一人の戦いだ。お前達はここで待っててくれ」

 

ディケイドが一人で南華老仙のところに歩きだす。

 

凪「一刀さん! 死なないでください!」

稟「私からもお願いします」

明命「一刀さん」

 

ディケイドは後ろを振り向かず黙って手を上にあげて、後ろの皆に向かって親指を立てる。

そしてディケイドは南華老仙の前に立つ。

 

一刀(ディケイド)「あんたが南華老仙だろ」

南華老仙「そうだ」

一刀(ディケイド)「あんた、この世界…いや……他の世界も融合しようとしてると聞いたぜ。

あんた、本当にそれで良いと思っているのか?」

南華老仙「何を言っておる。私こそが正しい! 私こそがこの世界…いや全ての世界の創生王だ!」

 

南華老仙に緑色の雷が走る。

 

一刀(ディケイド)「聞く耳持たずと言うことか。しかも創生王ってことは……」

南華老仙「はああああああ!」

 

南華老仙の姿が先ほどまでの老人ではなく、若々しい男の姿になっていく。

そして玉座の間が崩れていく。

 

稟「崩れる!」

南華老仙「確かに崩れるが心配はいらん」

 

そして社は完全に崩れていった。

 

一刀(ディケイド)「あの野郎……。大丈夫か?」

凪「はい」

沙和「何か瓦礫が落ちてきたのに全然痛くないの~」

一刀(ディケイド)「特殊な素材なのか?」

 

ディケイドが壊れた社の瓦礫を持って見てみる。

 

一刀(ディケイド)「ま、どうでもいいか」

 

ディケイドが瓦礫の破片を捨てて南華老仙の居た方を見る。

 

一刀(ディケイド)「いい加減に出てこい!」

 

ディケイドがそう言うと南華老仙の居た位置から緑色の光が柱のように出てくる。

そして南華老仙は瓦礫の下から姿を現した。

 

一刀「当たり前だがピンピンしてるな」

南華老仙「見るがいい。私のこの姿を!」

 

南華老仙の体が銀と赤色混じりの鎧のような物に包まれて、変わっていく。

 

 

一刀(ディケイド)「それは……」

 

南華老仙の姿はシャドームーンによく似ていたが肩に赤く刺々しいものが付いていたり、頭部の仮面も後ろに向かってとがっているものになっていた。

 

一刀(ディケイド)「世紀王、シャドームーン?」

南華老仙「世紀王? 違う私は創生王キングシャドージョッカーだ!」

 

キングシャドージョッカーの体に何本もの緑色の小さな電流の柱がキングシャドージョッカーの周りで光る。

 

南華老仙「この創生王の力を見よ!」

 

キングシャドージョッカーは指先からキングシャドービームを放つ。

 

一刀(ディケイド)「ほっ!」

 

ディケイドはキングシャドービームを避けて、キングシャドージョッカーに近づく。

 

一刀(ディケイド)「うりゃあ!」

 

ディケイドがライドブッカーをソードモードにしてキングシャドージョッカーを斬りつけようとするが、キングシャドージョッカーは二本のジョッカーセイバーを出してライドブッカーを防ぐ。

 

南華老仙「ふん!」

一刀(ディケイド)「うわ!」

 

キングシャドージョッカーが短いジョッカーセイバーをディケイドに向かって投げる。

ディケイドはギリギリのところでそれをかわすようにして腹部をかすめただけで済んだが、ディケイドは思わず倒れてしまう。

 

南華老仙「ふん!」

一刀(ディケイド)「うりゃあ!」

 

ディケイドが襲いかかる残ったジョッカーセイバーをライドブッカーで弾き飛ばす。

 

南華老仙「はあっ!」

一刀(ディケイド)「とりゃあ!」

 

キングシャドージョッカーが倒れているディケイドの腹部にパンチを、ディケイドは少しかがみこんでいるキングシャドージョッカーの腹部にキックを入れた。

 

南華老仙「ぐっ!」

一刀(ディケイド)「ぐわぁ!」

 

キングシャドージョッカーが思わず後ずさりする。

ディケイドは少しむせながらも立ちあがる。

キングシャドージョッカーは立ちあがったディケイドに向かってジャンプする。

 

南華老仙「キングシャドーパーーーーンチ!!」

一刀(ディケイド)「(こういう場合は……)ライダーパーーーーンチ!!」

 

キングシャドージョッカーとディケイドのパンチがぶつかり合う。

 

南華老仙、一刀(ディケイド)「「ぐっ!」」

 

二人は互いの手を庇うようにして思わず伏せるような体勢をとる。

 

南華老仙「とおっ!」

 

キングシャドージョッカーは今度は先ほどよりも高いジャンプをし、ディケイドはディケイドライバーにファイナルアタックライドカードを挿入する。

 

ディケイドライバー「ファイナルアタックライド、ディディディディケイド!」

 

ディケイドの前に金色のカードの壁が何枚も現れ、ディケイドはジャンプし、その金色のカードの壁もディケイドに付いて行くように上に行く。

キングシャドージョッカーはお構いなしに両足を前にしてキックの体勢をとる。

 

南華老仙「キングシャドーキーーーーーーーーーック、ジョッカーーーーーーー!!」

 

ディケイドがキックの体勢で金色のカードの壁を全て突き破る。

 

一刀(ディケイド)「ライダーキーーーーーーーーーック!!」

 

キングシャドーキックジョッカーとディメッションキックがぶつかりその場で小さな爆発が起こる。

その爆発とキックの衝撃で二人は地上に倒れて、そして山の崖を転がり落ちる。

 

凪「一刀さん!」

???「俺達も一気に降りるか」

 

 

二人はそのまま一気に山の麓にまで転がり落ちた。

 

一刀(ディケイド)「痛てて」

 

ディケイドが起き上がると少し前にはキングシャドージョッカーが平然と立っていた。

 

一刀(ディケイド)「少しまずいな……」

 

ディケイドは先ほどのパンチとキック。そして山から転がり落ちたことで体がかなり悲鳴をあげていた。

 

一刀(ディケイド)(相手はあまり痛みとかを感じないんだよな……。だったら俺が圧倒的不利……。

諦める気もなければ死ぬ気もない。だがどうすれば……)

 

ディケイドがそう考える時!

 

???「考えるな!」

一刀(ディケイド)「!」

 

ディケイドが声をするほうを向く。

そこには山をアギト達の力を借りて降りるアギト達やこの世界の将達皆の姿があった。

 

一刀(ディケイド)「お前達……」

管輅「一刀さん。あなたはこの世界の希望です」

東王父「お前がここで倒れたら、俺がお前に協力した意味がないじゃないか」

一刀(ディケイド)「手前ら……」

稟「ですが管輅さんの言う通りです」

凪「ここで諦めないでください!」

明命「おねがいです! 一刀さん!」

アギト「考えるな。感じろ! そしてどうやれば勝てるか考えろ!」

一刀(ディケイド)「考えるななのか考えろなのかどっちなんだよ……」

 

ディケイドは言われた通り感じながら考える。

 

一刀(ディケイド)(どうすれば……)

 

ディケイドは後ろに居る凪達やライダー達を見る。

 

一刀(ディケイド)(うん? ライダーが9人もいる。おまけに全員最強形態……。そうか!)

 

ディケイドがケータッチを取り出し、コンプリートカードをケータッチに差し込む。

そしてケータッチに浮かんでいるパネルを押す。

 

ケータッチ「ライジングアルティメット」

一刀(ディケイド)「やっぱりな」

 

クウガの紋章を押したのにいつもの「クウガ」ではなく「ライジングアルティメット」と言う違う音声が出た。

 

一刀(ディケイド)「あいつらがいるからだな」

 

ディケイドはそのままケータッチのパネルを押す。

 

ケータッチ「シャイニング、サバイブ、ブラスター、キング、アームド、ハイパー、エンペラー、スーパークライマックス!」

 

ケータッチに待機音が鳴り響く。

そしてディケイドはディケイドの紋章を押す。

 

ケータッチ「ファイナルカメンライド、ディケイド!」

 

ディケイドがコンプリートフォームに姿を変えていく。

 

 

ディケイドライバーの元ある位置にケータッチを付け変えるとコンプリートフォームの姿がさらに変わった。

ケータッチにはライジングアルティメットの雷のようなものが付いており、右腰に付いたたディケイドライバーにはアギトのドラゴンネイル。

顔のところには龍騎サバイブの触角。頭部にはカブトハイパーの角。胸部分はファイズブラスターの時に出てくるフォトンブラッドの筋。胸部分にブレイドキングフォームのスペード。

背中には装甲響鬼の無数の剣と電王超クライマックス時のウイングフォームを模した翼とそれを多い被るようなキバエンペラーのマントが付いていた。

そしてヒストリーオーナメントのカードのライダーが全部最強形態のものに変わっていた。

 

一刀(ディケイド)「これが仮面ライダーディケイド……真コンプリートフォームだ!」

南華老仙「ふん! この距離から何が出来る!」

 

キングシャドージョッカーがジョッカーセイバーを再び出して短剣の方を先ほどよりも早い速さで投げるが……。

 

南華老仙「何!」

 

キングシャドージョッカーはいつの間にか自分の腕を掴んでいるディケイド真コンプリートが居ることに気がつく。

 

南華老仙「貴様! どうやって……」

一刀(ディケイド)「俺の今のこの姿を知らないお前には分からないだろうぜ」

南華老仙「………まさか!?」

 

キングシャドージョッカーはディケイド真コンプリートが自分の横にやってこれた理由に気付く。

それは遠くで見ているライダーの一部も気付いている。

 

凪「一体何を……」

カブト「俺と同じことをしただけだ」

風「?」

アギト「ハイパークロックアップだな。かろうじてだが俺も動きは捉えたがな…」

華琳「なによ? それ」

ブレイド「クロックアップは知ってる?」

華琳「ええ」

アギト「簡単に言うとクロックアップ以上の速さで動けるってことだ」

 

キングシャドージョッカーはディケイド真コンプリートを振りほどこうとするがなかなか振りほどけない。

 

南華老仙「離せ!」

 

キングシャドージョッカーがそう言うとディケイド真コンプリートは簡単に手を離す。

 

南華老仙「貴様……キングシャドーパーーーンチ!!」

 

キングシャドージョッカーは至近距離からパンチを放つ。

しかしディケイド真コンプリートはそれをライダーパンチの要領ではなく普通に拳を突き出しただけであった。

しかしパワーはディケイド真コンプリートの方が圧倒的に上回っており、キングシャドージョッカーは派手に後ろに吹き飛んだ。

 

南華老仙「ぐっ……」

 

ディケイド真コンプリートはディケイドライバーにファイナルアタックライドカードを挿入する。

 

ディケイドライバー「ファイナルアタックライド、ディディディディケイド!!!」

一刀(ディケイド)「はあっ!」

 

ディケイド真コンプリートがジャンプする。

 

南華老仙「どんな攻撃をする気は知らんが、攻撃受けるわけには……」

 

ディケイド真コンプリートはライドブッカーをガンモードに何かをキングシャドージョッカーに向かって打ち出す。

それがキングシャドージョッカーの体の前で止まり、キングシャドージョッカーは身動きが取れなくなる。

 

南華老仙「う、動けん……」

 

そしてキングシャドージョッカーとディケイド真コンプリートの間には金色の壁が現れるがそれはいつものディケイドの紋章が描かれたカードでは無かった。

その金色の壁はそれぞれのライダーの紋章の形をしていた。

キングシャドージョッカーの体の少し前にディケイドの紋章がありその紋章の壁で固定されており、キングシャドージョッカーから近い順にキバ、電王、カブト、響鬼、ブレイド、ファイズ、龍騎、アギト、クウガの紋章が並んでいる。

 

一刀(ディケイド)「はあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

ディケイド真コンプリートはキックの体勢になり自分に近いクウガの紋章の壁から貫いていく。

そしてディケイド自身の紋章を突き破り、キックはキングシャドージョッカーに直撃する。

 

南華老仙「ぐぉおおおおおおおああああああああああ!!!!!」

 

キングシャドージョッカーはかなり後方に吹き飛ばされる。

ディケイド真コンプリートは地上に着地する。

そして遥か遠くに吹き飛ばされたキングシャドージョッカーの方を見る。

キングシャドージョッカーはかろうじてと言うかかなりよろよろの状態で立ち上がった。

 

南華老仙「おのれ……ディ……ケイド……」

一刀(ディケイド)「悪いが、俺の勝ちだ」

南華老仙「その通りだ……。だが貴様の負けでもある」

一刀(ディケイド)「お前を倒したらこの世界が破壊されるってことか?」

南華老仙「そうではない……。……私が消えれば……この世界だけでなく…他の様々な世界の管理が出来なくなり……崩壊する」

管輅「それはあなたの思惑とは少し違いますよ」

南華老仙「何だと……」

管輅「あなたが知らない間に私は力を付けました。あなたの代わりに私が世界の管理をすることが出来ますが……。私は管理するつもりはありません」

一刀(ディケイド)「それにな。世界は誰かの管理に置くもんじゃない。その世界の人間が大きな支配を受けずに自由に暮らす。それが世界ってもんだろ」

南華老仙「そういうものなのであろうか……。だが私を倒したことを後悔するがいい…………」

 

キングシャドージョッカーは後ろに倒れ、大爆発した。

 

一刀(ディケイド)「終わったな」

管輅「はい……」

 

 

他のライダー達と別れの時が来た。

ディケイド真コンプリートは変身を解いて元の姿に戻っていた。

 

アギト「じゃあな」

一刀「ああ。元気でな」

 

ライダー達の前には管輅が出した銀色のオーロラが現れ、ライダー達はそれを使ってとりあえずは自分達の居た外史に帰っていった。

 

一刀「さてと……俺も帰るとするか」

管輅「はい」

 

一刀はまだある銀色のオーロラを通ろうとする。

 

稟「一刀殿!」

凪「何をする気ですか!?」

一刀「何をする気って…俺も帰るんだよ。俺が元居た世界。正史にな……」

明命「何でですか!?」

一刀「この世界の融合を俺は破壊した。俺の目的は達せれた。だろ? 管輅」

管輅「はい。私に言われたことは南華老仙を倒したことで完遂しました」

一刀「だったら……ほらよ」

 

一刀はディケイドのアイテムを全て管輅に投げ渡した。

 

一刀「俺にはもう必要ないからな」

東王父「でも本当にそれでいいと思っているのか?」

一刀「どういう意味だ?」

東王父「言わなくても彼女達を見れば分かるだろ」

 

一刀達が将達を見る。

特に自分と共長く戦ってきた破の皆の方を見る。

破の皆は目に涙を溜めていた。

 

一刀「お前ら泣くなよ」

真桜「泣くなって言われても……」

沙和「一刀さんと別れるのなんて嫌なの~」

星「一刀殿…恥ずかしいだが、私も嫌です」

風「風も嫌ですよ……」

一刀「お前ら、これが今生の別れだと思ってないか?」

皆『え?』

 

皆が一刀の言葉できょとんとする。

 

稟「どういう意味ですか?」

一刀「俺はお前達はここで別れる。だがその別れは永遠じゃない。また会える。俺はそう考えている」

明命「何でそう思うのですか?」

一刀「そう思った方が面白いだろ。それに俺はな……」

凪「?」

一刀「お前達が好きだ」

 

その言葉で周りに間が出来る。

 

一刀「だから俺はまた会えると信じる。言葉は足りないようだが、とにかくまた会えることを俺は信じている。

だけどな……管輅」

管輅「何でしょうか?」

一刀「お前の力を借りたくないからな。それとお前もだ東王父」

管輅「分かりました」

東王父「まあ俺は転校届けとか出さないとね。とりあえずお前に付いていくさ」

一刀「そうかい……」

 

管輅がカメラを召喚した。

 

管輅「その前に記念撮影でもしませんか?」

一刀「それも良いな。シャッターはお前に任せる」

管輅「はい」

 

そして皆が並んで記念撮影をした。

ポライドカメラだったのですぐに写真は二枚出来、管輅はそのうちの一枚を一刀に渡した。

 

一刀「それじゃあ帰るか……後の事は頼んだぜ」

 

一刀と東王父は銀色のオーロラを通り、二人はその世界から姿を消した。

 

凪「一刀さん……また会いましょう」

 

凪の手には一刀が管輅にもらった写真が握られていた。

 

 

ここから最後までは仮面ライダーディケイドの主題歌「Journey through the Decade」が流れているものだと思ってください。

 

 

一刀(ディケイド)が居なくなった後の世界は華琳・桃香・雪蓮が代わりに破の代表となって大陸を治めていた。

しかしその治め方は現代的なもので、民主制のものとなっていた。

元々の破の将達も政に協力し、警邏の方も滞りなくしていた。

ある日、暇なので城の中庭に居た風、星、凪、真桜、沙和、翠、蒲公英、月、詠、恋、音々音、明命。そこに稟が現れる。

 

稟「皆さんここに居たのですか」

凪「よくあの人ここに居ましたからね」

明命「そうですね」

 

皆が一刀ことを思い出す。

一刀は写真館以外によく居た場所としてはこの城の中庭であり、適当に空を眺めたり、写真を撮っていたりしていたのだ。

そして皆が寝転がって空を眺める。

 

真桜「一刀、今頃何しとるんやろか」

沙和「女の子を口説いていたりかも~」

凪「あの人に限ってそれは……」

詠「無い……とは言えないわよね」

月「へぇう~」

音々音「あいつは本当にケダモノです」

恋「ねね…一刀を悪く言うの駄目」

風「でもねねちゃんの言うことは否定できませんよ~」

稟「それでもあの人らしいじゃないですか」

明命「はい」

蒲公英「また会ったらどんないたずらで迎えようかな~♪」

翠「そんなことするんじゃねえ」

星「ならば一刀殿がいなくなった後の私の勇姿でも聞かせてやるとするか」

凪「あれはさすがに……」

稟「やめた方が良いと思うわ」

星「?」

 

その場で寝転びながら笑いが飛ぶ。

 

 

 

一刀は聖フランチェスカ学園に戻り、今は授業中。

一刀は先生の言っていることを無視して、教室の窓から空を眺める。

あの世界の皆を思い出しているのだ。

そんなことしていたため一刀は先生に怒られた。

それから授業を終えて、下校する中、空を眺める。

 

一刀(いつか……未来で……また会おうぜ)

 

そして一刀はディケイドのカードを持つような手つきを空に向ける。

 

一刀「俺は全ての破壊者だ!」


 
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