「どこだよ、ここ。」
目を覚ました相沢祐一がいたのは、毎日眠りに就いていた暖かなベッドの中ではなかった。
とりあえず彼は、自分の現状を理解しようとしたのだが、自分の通う高校の制服を着て、人っ子一人いない荒野に投げ出されているということしかわかることはなかった。
「ドッキリだとしたら随分笑えないな…それとも誰かの結界か?草壁の陰で目立たないようにしてたのに…」
ぼやきながら軽く印を切る。
「牡籥かけ闔す総光の門、七惑七星が招きたる由来艸阜の勢。」
とりあえず、仮に結界であったとしても問題はない。
「開陽零零、急ぎて律令の如く為せ。」
殺気ももたず、悪意を垂れ流すこんな下種をあててくるようなやつなら、殺されることはまずない。
「千歳の儔 鬼丸国綱―――」
草壁一族の分家、陰陽の術の一切を習得できなかったがゆえに本家筋、宝刀筋から脱落した相沢家。忍びの者として、草壁家の敵の“人間”を殺す相沢家に伝わる、草壁家のものさえ知らない、童子切にさえ並ぶ刀、御物 鬼丸国綱を、相沢家が使えないはずの陰陽術を使い召喚する。
「おい!てめぇ!」
後ろから呼びかけられる。危ないところだった。どうやら相手は人間らしい。
「俺か?」
振り返ると、そこには黄色の布を頭に巻いたデブとチビとノーマルがいた。
いかにもボロい服を纏い、一目でわかるほど手入れのあまりにも悪そうな剣を引っ提げて、間違っても心象のよくない笑顔を浮かべている。
「どこの貴族…だ?」
ノーマルの顔が祐一のもつ剣を目にして固まる。
(武器持ちと戦るのは初めて?)
少しいぶかしむも、それよりも気になることがある。目の前の三人は貧民らしいことはわかるが、自分の格好は決して貴族と称されるようなものではない。学校指定の学生服だ。これが貴族の服に見えるということは…
「あいにくだが、貴族というほどの金は無いし、事実貴族ではない。出来ればどうしてそう思ったのか教えてはくれないか?」
「っ!その服だ!光ってるくらいだ…上質の絹なんだろ!」
「あ、あの剣も、すごく綺麗なんだな」
(絹…か…普通に今の言葉が通じてるから微妙だが…タイムスリップか?)
「三対一…一斉にかかればなんてことありませんぜアニキ!」
「そうだな…行くぞてめぇら!」
「「「オオオオーー!!」」」
飛びかかってくる三人を前にして軽く腰を落とす祐一。
「まだ聞くことあったのに…くっそ、悪く思うなよ、三馬鹿烏。」
四人が交錯した。
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kanonの祐一君を外史に連れてきてみた。
kanonヒロインたちも展開しだいではそのうち出てくるかも。だけど試してみたいオリキャラもいるんでその後かな?
ちなみにこの祐一君は主人公補正受けてます。武力高し。11eyesっぽい設定はすぐ目立たなくなります
ただ三国志の知識は一刀以下かな?ちなみに一刀もどこかの陣営に拾われてます。