No.123580

『舞い踊る季節の中で』 第2話

うたまるさん

『真・恋姫無双』の二次創作のSSです。

明命√の作品となります。
拙い文ですが温かく見守ってください

2010-02-10 23:04:04 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:30741   閲覧ユーザー数:23148

真・恋姫無双 二次創作小説 明命√

『 舞い踊る季節の中で 』

  第2話 ~ 運命は斬り裂かれ、空に舞う~

 

 

 

 

 

(はじめに)

 

 

 キャラ崩壊やセリフ間違いや設定の違い、

 

 誤字脱字があると思いますが、

 

 温かい目で読んで下さると助かります。

 この話の一刀はチート性能です。

 

 オリキャラがあります。

 

 どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

 

幼平さんが、

 

冷たい怒りの表情で

 

その小さな体に不似合いな剣で

 

俺の首を刈取りに来た

 

俺は、その光景に驚愕しながらも

 

頭の冷静な部分が、避わそうとするのを

 

感情的な部分が押し止めた

 

(この人に殺されるのなら仕方ない)

 

と、

 

硬く冷たい刃は、そのまま俺の首に吸い込まれる直前、

 

薄皮一枚を切り裂いたところで、止められる。

 

「真名を断りも無く呼ぶとは、どういうつもりです。

 せめて殺す前に聞いておいてあげます」

 

幼平さんは、今まで見せた事の無い、冷たい目で、

硬質な声で、はっきりと殺意をもって、そう告げる。

幼平さんに殺されるのは仕方ないと思いはした。

それに嘘はない、だけど、せめて理由を知る事が出来るなら知りたいと思う。

俺は、彼女の怒りの眼差しをまっすぐ受け止めながら

 

「幼平さん、俺に何か非礼があったなら謝るよ。

 理由は分からないけど、その真名というのが、怒っている原因なんだよね。

 せめて殺す前にその真名って、何なのか教えてくれないかな」

 

俺は、今の気持ちを正直に話し、せめて理由をと懇願するが、

答えは幼平さんではなく意外なところから出る。

 

「貴方が何処の貴族の御曹司だったか知りませんが、真名を知らないなんて言わせません。

 ・・・・と言いたい所ですけど、

 明命、確か貴女、彼は一般常識すら、ろくに知らないと言っていいましたね。

 あと、どうやら遠い異国の人間だとも」

「あっ」

 

幼平さんは、その言葉に、冷たい目が困惑に変わり、わずかだが刃が首から離れる。

だが、それだけだ。

剣を収めてくれたわけではない。

 

「あぁ、勘違いしないでくださいね。

 貴方のした事は、たとえ知らなかったとしても、殺されても文句の言えない事です。

 なら、せめて理由ぐらいはと、思っただけですから」

 

そう、外見からは想像も出来ない程、冷たく、大人びた言葉が耳に聞こえる。

そして、わずかな沈黙の後、困惑の目のまま幼平さんは

 

「一刀さん本当に真名を知らないのですか?」

「ああ、知らない。

 だけど、それが君を深く傷つけたのなら、このまま斬ってもらっていい。

 死に急ぐ気はないけど、君に拾われた命だ。

 君に斬られるのならかまわないと、思えるから」

 

俺はまっすぐ彼女の目を見てそう告げる。

これが最期かもしれない、

正直怖くないといったら嘘になる。

だが、彼女に言ったのは俺の本音だ。

短いながらも、楽しかった彼女との生活

その恩を返せなかったのは、心残りだけど、

せめて、感謝の気持ちを込めて、

俺の気持ちを精一杯込めて、

俺は、彼女に笑いかける。

此の娘になら、笑って殺されてあげることが出来るから

 

そう覚悟を決めていたが、剣は一向に俺の首を刈り取る様子が無い。

幼平さんは、顔を赤くするほど怒っていると言うのに、

よく見ると、椅子に座ったままの幼平さんの知り合いも、顔を赤くして怒っている。

怒りのあまり動けないのだろうか・・・

そう思っていると、幼平さんは、剣を収め

 

「許すのは、今回だけです」

 

そう言うと、席に座り、気持ちを落ち着けようと、お茶を一気に飲む。

どうやら、向かいの女性も同じなのかお茶を一気に飲み干す。

そんな二人に、俺はもう一度お茶を淹れる為、用意をしていると

 

「明命ちゃん、よいのですか?」

「あんな顔されたら、斬れません」

「ぁぅ、確かにあれは反則ですね」

「はい、今回は騙されて上げる事にします」

「あの、幼平さん、騙されて上げるって・・・俺、本当に真名の事知らないんだけど(汗」

 

俺の言葉に、二人はなぜか溜息を吐くと、客人が、

 

「本当に知らないみたいですね。

 なら一応教えてあげます。

 真名とは、真なる名、その人物の誇りや生き様、が詰まっている神聖なものです。

 その人物が認とめた者、心を許した者だけ呼ぶ事を許される大切なものです。

 たとえ真名を知っていたとしても、認められない限り使ってはならない神聖なもの、

 認めていない者が使えば、その真名と魂が汚されます。

 殺されても文句は言えないものなのです」

「重いね」

「そう思うのですか?」

「ああ、だって、其処までの意味があるなら、

 呼ぶ事を許された人間は、決して相手を裏切れないって事だろ」

「そのとおりです。 頭の回転は悪くないみたいですね。

 しかし、本当に知らなかったのですか?」

「ああ、少なくとも、俺のいた所ではそんな風習は無かったし、字だって無い。

 まぁ、しいて言うなら、一刀ってのが真名になるかな」

「「!!」」

 

俺の言葉に、二人が目を見開く、

えーと、……俺、また変な事言ったか?

 

「か・一刀さんは、出会ったばかりの私に、真名を預けたんですか」

「あぁ、そう言うことか、俺の生まれた所では、普通は姓で、家族や親しい人達は名を呼ぶってだけ、

 ここの真名みたいな深い意味は無いよ」

 

俺の言葉に幼平さんは慌てたが、俺が気にしないように言うと、

やがて落ち着き、なにやら俯いていたのだが、

やがて

 

「文化が違うと言われても、一刀さんの真名にあたるもので呼んでいた事に、変わりはありません。

 今までの家人としての働きもありますし、私の真名、一刀さんにお預けします」

「そうですね、私も一刀君に真名を預けることにします。

 姓は諸葛、名は瑾、字は子瑜、真名は翡翠といいます」

「そ、そんな、無理に真名を預けなくても、真名って、そう言うものじゃないんでしょ」

 

俺が二人の行動に驚き、慌てると子瑜さんは、

 

「別に、一刀君の真名にあたるものを勝手に呼んだと言うだけで、真名を許したわけではありませんよ。

 一刀君、先程、理由も分からないままに、素直に斬られようとしましたよね。

 つまり一刀君はそれだけ明命ちゃんに心を許し、

 明命ちゃんも真名を呼んだ一刀君を許し、更には真名を許しました。

 明命ちゃんが、そこまで心を許す相手なら、問題は有りません。

 少なくとも、一刀君が明命ちゃんを大切と思う気持ちは、先程示してくれましたし」

「つまり、明命さんが信じるから許すと?」

「正確には違いますが、今は、そう思ってもらってもかまいません。

 ただ、真名の意味だけは理解しておいてください」

「そう言う事なら、翡翠様よろしくお願いします」

 

彼女の言葉に納得し、改めて挨拶をするが、彼女は、嫌そうな顔をする。

えっ、なんで?

俺また何か変な事言った?

 

「一刀君、"様"も"さん"もいりませんよ。

 おそらく、明命ちゃんがそう言っているから、一刀君も真似をしたのでしょうけど、

 この子の場合は、何度言ってもやめようとしないから諦めていますが、

 私は、一刀君には友達として真名を預けたつもりです。

 一刀君は、友達に"様"をつけるのですか?」

「わかったよ翡翠、改めてよろしくな」

「ええ、よろしくお願いします」

「あ・あの私も出来れば呼び捨てしてくださると嬉しいです」

「えっ、でも、明命さんは俺の恩人で、この家の主人だから、そう言う訳には」

「一刀君、この子の言うとおりにしてあげてください。

 真面目な明命ちゃんにとって、真名を呼び合う関係になった以上、年上の一刀君に"さん"付けされる

 のは、どうにも心苦しく思ってしまうんでしょうね」

 

翡翠の言葉に、明命さんは、うんうんと首を大きく縦に振る。

その仕草は、活発な彼女らしく、俺の心を和ました。

せっかくこう言ってくれているんだ。

それに、その好意に応えるのも礼儀と言うもの、なら

 

「あぁ、わかった。

 明命、君の真名、確かに預かる。

 俺になにが出来るかわからないけど、二人の期待に応えれるように頑張るよ」

「少なくても、美味しいお茶は入れる事が出来ますね」

 

俺の宣言に、翡翠がそう突っ込むと、さっきまでの殺伐とした雰囲気が、まるで無かったかのように、

暖かな空気が3人を包み込む。

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、文字を習っていると聞いてましたけど、進んでるのかしら」

「ああ、先生が優秀なおかげで、明命が用意してくれた本は一通り読めるようになったし、

 書く方も専門的な事じゃなければ、何とかね」

 

翡翠の質問に俺が答えると、明命が慌てて否定する。

どうやら、先生が優秀と言う部分が引っかかったようだ。

本人は、常に冷静にあろうとしているつもりらしいが、

結構ドジな所も多く、ああやって慌てる場面を良く見かける。

その姿は、可愛く、微笑ましいので、俺としては今のままでいて欲しい。

 

「それにある程度、読み書きできるようになってから見ていませんでしたから、

 私ではなく一刀さんの実力です。

 そう言えば、絵本以外は、どういった・」

「一刀君、本を全部読み終えたって、兵法書もですか?」

 

明命の言葉を遮って、翡翠が質問してくる。

あれ? 礼儀正しいこの人にしては珍しいなぁ、

翡翠の行動に驚きつつも、

 

「ああ、情操教育用の本はともかく、孫子とかは結構面白かったよ」

「!・・・・」

 

その後、翡翠は、本の内容について幾つか質問をしてきた後

 

「ねぇ、一刀君は黄巾党って、知っていますか?」

「ああ一応ね」

「では、本のおさらい、これからどうなると思う?」

 

翡翠は、妙な事を聞いてくる。

だが、まぁこれくらいなら、かまわないだろうと

 

「そうだね、官の軍が制圧に失敗した以上、朝廷は各地の有力者を利用し、征圧にかかるんじゃないかな」

「官の軍が出来なかった事を、諸侯が出来ると?」

「やり方しだいでね」

「どんな?」

「そうだね、相手は一大勢力を誇ると言っても、所詮は土地を持たない悲しさ、補給路を各個撃破してい

 くんじゃないかな、元々土地を持たないのが強みだったけど、一大勢力になったため、逆にそれが自分

 の首を絞める結果となっている。

 今の勢力や交通を考えると、冀州辺りに追い詰められるんじゃないかな」

「ふ・ふ~ん、一刀君はそう思うんですか、

 悪くない推察ですけど、ずいぶん大雑把な推論ですね」

「まぁね、どうせ俺には関係ない話しだし、無責任な庶人発言と聞き流してくれると助かる」

 

俺の言葉を、翡翠は机上の空論と笑う。

ん~、 何か翡翠の様子が変な気が・・・・

 

「一刀君にとっても、そう関係ない話ではありませんよ。

 明命ちゃん、雪蓮様からの命が降りました。

 黄巾党討伐のため、蓮華様達と一緒に本体と合流との事」

「えっ、ではとうとう」

「ええ、その前段階と思ってもらってかまいません」

 

翡翠の言葉に、明命はその瞳に、力強い笑みを浮かべる。

 

「明命ちゃん達は、そのまま雪蓮様と行動を共にする事になるわ。

 つまり、家族ごっこは終わり。

 この家も引き払う事になるわ」

「「・・えっ・・」」

 

翡翠は、少し悲しげな瞳で、

 

明命に、いや俺達に、

 

別れの時だと告げた。

 

 

 

 

 

つづく

 

 

あとがき みたいなもの

 

 

こんにちは、うたまるです。

 

早速、連続で第2話を、投稿させていただきました。

 

今回で、オリキャラの正体が明かされました。

 

大方の人が予想していた通り、諸葛瑾でした。

 

私の脳内イメージ的には、容姿は朱里に似ている様で、全然違うキャラクターとなっています。

 

まず年上と言う事で、基本的に落ち着いた言動をします。

 

( まぁ動揺している時はそっくりですが(w )

 

表情も、大人と子供を使い分け、容姿に反して、大人の魅力を醸し出しています。

 

髪型も、背中までストレートの髪を三つ編みにしています。

 

容姿に対しては、コンプレックスを持ちつつも、それを武器にする強かさを持っています。

 

明命とは親友で、遠く離れた妹の代わりのように可愛がっています。

 

とりあえず、明命と翡翠は、作品のメインヒロインとなっています。

 

どのように、一刀と関わって行くかは、どうか今後をお楽しみください。


 
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