「いよいよか……」
村の外に設置したステージは飾り付けも含め最終確認も終え、ステージ前では大量の人が数え役萬☆姉妹の登場を待つのみとなっている。
今はステージ上で前座の代わりとしてファンクラブ『黄巾党』の会長であるアニキと副会長のチビさんとデクさんが初めて来た人の為に応援の仕方を説明している。
「いいかてめぇら! 今日は我らがアイドル数え役萬☆姉妹の晴れ舞台だ! 天和ちゃん達が歌ってる合間合間でタイミング良く合いの手を入れて盛り上げるんだ! やり方は入り口で配った紙に書いてあるからそれを読め! 文字が読めない奴は俺がつけているみたいな黄色の頭巾をつけている奴に聞け! 分かったか!」
「ほあああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「今日の出来次第で今後天和ちゃん達がどうなるか決まるんだ! 最高のライブにするぞー!!!!!!!!!!!!!!」
「ほあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ステージと客席を共に見渡せるように作ってもらった特別席で一刀はアニキ達が鬼気迫る勢いで声を張り上げているのを見ていた。
恐らく天和達は既にスタンバイは完了しているだろう。緊張して出番を待ってるのだろうか。それはないか。彼女達のことだ。早く歌いたいとわくわくしているに違いない。
その頃のステージ横。アニキ達の様子を窺いながら待機していた彼女達は。
「すごーい。見てみて二人とも! 見えるところぜーんぶ人だらけだよ」
「すごい……」
「想像以上だわ……」
彼女達が驚くのも無理はない。
人気が高い三人とはいえ普段歌う場所は路上で、しかもせいぜい広くても市場などの広場程度の場所で歌っていたので観客は相当多くても100人前後、それに彼女達の歌が目的でない人が通りすがりにとりあえず聞くって場合も多々あり真剣に聞くのは50人前後のファンクラブ会員のみだったからだ。
それに加え今日は大量の人が入場する事を想定としたステージと客席が用意されており大勢の人が訪れてくれたのだ。
もちろん一刀やアニキ達による宣伝広告が莫大な影響を与えたおかげでもある。パッと見ても数千、下手をすれば万に届くのではと思うぐらいの人数が彼女達の歌を聞くためだけにやってきたのだ。
そんな光景を見て彼女達の心が揺れないはずがない。目的の第一歩が目に見える形となってあらわれたのだから。
「天和姉さん、地和姉さん」
興奮が止まらない様子で客席の様子を見ている二人に人和が声を掛ける。二人が後ろを見ると普段の冷静な様子の人和はおらず年相応の愛くるしい表情をした人和がいた。
「私たちも色んな街で歌を歌ってきたけどこんなに嬉しいと思った事はなかった。初めて人の前で歌った時も楽しかったけど緊張もした。でも今日は本当に嬉しい」
言葉通り嬉しそうに話す人和。天和と地和も嬉しくないわけがない。自分達が数えきれないような人達の前で歌を歌う事ができる。それが彼女達の喜びなのだ。
アニキ達の口上も終わり客席では三人の登場が待ち切れず三人の名前がコールされている。三人は笑顔で顔を見合わせると一回だけ頷き同時にステージに走り出した。
「み~んなー!! 今日はありがとー!!」
「初めてのライブだけど精一杯ちぃ達は歌いまーす!」
「みなさん、聞いてください」
「じゃあいっくよー。みんな大好きーー!」
「てんほーちゃーーーん!」
「皆の妹ぉーーっ?」
「ちーほーちゃーーん!」
「とっても可愛い」
「れんほーちゃーーん!!」
結果、初ライブは大成功に終わった。
「あー、疲れたぁー」
「さすがにバテたよぅー」
「ほいお水」
ライブが終わり疲れてると思ったので水を用意しておいた。ステージ上にも補給用の水は用意していたがほぼ歌いっぱなしの彼女たちには少なすぎたようだ。渡すとすぐにおかわりの要請がくる。
「たくさんあるけど飲みすぎるとお腹こわすぞ」
「みんなが盛り上がるからわたしたちも調子にのっちゃった」
「姉さんがどんどん次々に歌いはじめちゃうから、ちぃたちも巻き込まれちゃったじゃない! たしかに楽しかったし、ちぃもノリノリだったけど」
「歌うの、大好きだから。頑張れる」
「人和もノリノリだったもんねー」
「一刀も見ててくれた?」
「うん、バッチリ最初から最後まで見た。天和達って凄いんだなぁって思ってたよ」
「一刀さんは私達の事を信じてくれてなかったのね」
「ひどーい。一刀のために頑張ったのに~」
じとっと一刀を冷たい目で見る人和に泣き真似をする天和。二人の演技に気付かない一刀は慌てて弁解した。
「違うって! 元々凄いとは思ってたけど予想よりも凄くてさ」
「ちぃたちならこれでも少ないぐらいよ! このままあっという間に大陸を制覇しちゃうんだから!」
手を腰に置き胸を張る地和。
「大陸制覇か、すぐに出来るように俺も頑張るよ。ところで三人とも緊張はしなかったの? 最初から凄いノリノリだったみたいだけど」
「緊張はしたわよ」
何を当たり前の事を聞くのと返す人和。
「でも、それがちぃたちには気持ちいいの。皆がちぃたちを目当てに見てくれてちぃたちの歌を聞いてくれて盛り上がってくれる」
「それが嬉しいの」
「そっか。それは良かった」
笑顔で言う二人に安心した。
金銭的な面でも今回は人件費、ステージ設置費もファンクラブの人や有志の商人達のおかげで無料で行えたので大量に売り上げを稼ぐ事が出来た。当分の活動には困らないだろう。
「そんな事よりー、打ち上げ行こ? 打ち上げー」
「お腹減ったー。一刀、売り上げ良かったんだからパーってやろうよ!」
もう限界といった二人。あれだけ歌って踊ればお腹も空く。
「う~ん。パ-っとね、どう思う人和?」
「だめ。いくら売り上げが良くても無駄遣いなんてできるわけないでしょ」
「ぶーぶー。れんほーちゃん横暴だ―」
「打ち上げしたーい!」
「だめ」
打ち上げ反対派の人和一人に対し賛成派の天和と地和。まぁ二人に打ち上げの場所を任せたら一夜ですべてを失いそうだ。三人娘唯一の良心の人和としても二人には任せたくなかったのだろう。
「えー。わたしたちの初ライブだったんだから気を利かせてくれてもいいのになぁ」
「そうよそうよ!」
あくまで二人に任せたら。
「俺は良いと思うよ。最初だしね、でも人和の言うように無駄遣いすると次のライブで歌えなくなるから今日はいつもの所でいいんじゃないかな。黄巾党の人達も打ち上げやってるからタダにしてくれるよ」
実はライブが終わって撤収作業をしてる時にアニキに打ち上げがあるからどうだと言われていたのだ。天和達も疲れてると思うから聞いてみていく元気があったらと回答していた。
「食べ放題なの!?」
「よーし、すぐに行こう! ちぃ達の初ライブ大成功記念打ち上げだ―!」
疲れている事を感じないぐらい騒ぎまくる二人。人和も笑顔でそれを見ていた。どうやら二人にお店を任せたくないだけだったらしい。一応確認を取る。
「人和もいいよね?」
「はい。場所さえ変な所じゃなかったら私も行きたかったので」
「よし、じゃあすぐに行こうか、ってあの二人はやっ!!」
見ると既に二人は控室にいなかった。一刀は人和の手をつかむと急いで二人を追いかけて行った。
初ライブの大成功からも彼女達の勢いは止まることなく各地でライブをくり返し行った。そこでも彼女達の人気は高くライブは成功していた。
今日は移動日兼休日で一刀は一人街を散歩していた。
「あ、北郷のアニキ」
「んだ」
声を掛けてきたのは黄巾党の副会長のチビとデクだ。天和達が路上で公演をやっていた時からのメンバーだ。二人はアニキと子どもの頃からの付き合いだと前にアニキと飲みに行った時に教えてもらった。
前に天和に抱きつかれて黄巾党にボコボコにされた時真っ先に俺に襲いかかった奴らでもある。
「どうしたのこんな所で」
「へい。特に何ってほどでもないんですがこいつが飯食いたいっていうから屋台でも行こうかって話になりやしてね。ラーメンでも食いに行くかと話していた所で」
「ラーメンか、いいねー。俺も一緒してもいい?」
「……んだ」
「北郷のアニキは良い場所知ってやすか?」
「んー、何味のラーメンが食べたいの?」
「……さっぱりじだの」
「じゃー市に面した場所にある所にいこうか。あそこのおじさんとは仲良いんだ」
「へー。北郷のアニキは色々な人と仲がいいっすよね。アニキも感心してやしたよ」
「そういえばアニキは?」
言われて気付いた。黄巾党を作ってからはいつも三人で行動をしていたはず。どこに行ったんだろうか。
「あー、アニキなら……」
どこか遠くを見るような目空を見るチビさん。ま……さか……。
「アニキは残念ながら……」
う……そだ……ろ?
「あっし達が気付いた時には手遅れで……」
「……」
「おいおい、どうした兄ちゃん。会ってそうそう何で人を家畜以下の存在を見るような目で俺を見る」
「チビさんも紛らわしい事言わないで下さいよ」
「いや、まぁ……でもある意味では手遅れ?」
「……んだ」
不安になったのも束の間すぐにアニキと出会う事ができた。アニキは市場で布教活動にいそしんでる所だった。市場を回る人にグッズを売りさばいていた。
黄色い頭巾のトレードマークに加え役萬姉妹命と書かれた服。さらに腰には天和LOVEと書かれた服を腰に巻いている。
前から駄目な人だと思っていて、でもこの前の事でちょっと見直したのにやっぱり駄目な人だった。
「さすがにあっしもここまでは出来ないっす」
「……ラーメン」
「兄ちゃんもこれを買って天和ちゃん達の良さを大陸に知らせるんだ!」
「俺持ってるから、マネージャーだし」
「馬鹿野郎! 観賞用と保存用と普及用で持つに決まってるだろうが!」
「「……」」
もうこの人と分かりあえる事はないのかもしれない。一刀とチビは心の中で思った。
「……ラーメン」
「行くか」
「へい」
「……んだ」
「おい! 何だよ冷たいな! 待てって! せめてこの天和ちゃん扇子だけでも……ぉーぃ」
アニキは遠い所に行ってしまった。今までありがとう。
チビさんとデクさんはラーメンを食べた後別れた。アニキの手伝いをしなきゃいけないそうだ。その顔は実に嫌そうで心の底から黄巾党に入らなくて良かったと一刀は思った。
そして事務所に一人で戻っている途中、人気のあまりない場所でそれは聞こえた。
「ミャー」
「ん?」
声がした気がする方を見る。何もない。気のせいかな。
「ミャー」
やっぱり何かいるなぁ。茂みには……いないし。あ、いた。
声を出した張本人は可愛い子猫だった。子猫は必死になって木の上から一刀に向かって鳴き助けを求めていた。
子猫が木から降りられなくなっているようだ。周りを確認し親猫を探してみるがいない。子猫は自分を助けてくれそうな一刀に救いを求めている。
「……」
だが一刀は助けようとしなかった。子猫はいずれ自力で脱出する事ができる。考えて考えて考えて、どうにか生き残る術を探し出す。
だがそこに人が助けるという選択肢を与えると子猫はそれを頼る。困ったら鳴けば人間が何とかしてくれる。たかが一回木から下ろせばそれでおしまい。だがその一回がきっかけで生きる努力をしなくなる可能性は否定できない。だからこそ一刀は子猫を助けない。
「馬鹿みたいだな」
一刀は苦笑する。目の前に困った動物がいてそれに手を貸す。それでいいじゃないか。深く考えすぎるのは自分の悪い癖だ。
先端にしがませようと腰に差していた日本刀の先端を子猫に向けた時だった。
ガキンと金属のぶつかり合う音がしたと思ったら一刀が手に持っていた日本刀は叩き落とされ、黒い影が目の前を横切り次の瞬間には子猫は消えていた。
黒い影は子猫を抱えたまま一刀と距離を取って見事に着地。殺気を放ったまま一刀の方を向く。
「お猫さまを苛めないでください!」
黒い影の正体は女の子だった。長い黒髪に身長並みの長さの刀。この辺りでは余り見ない格好だ。
その子を見て心の中で思った。
目の前の殺気を放つ女の子に、抱いている猫のような耳をつけたら可愛いんだろうなぁと。
実に間抜けである。
殺されるとは微塵にも思わなかった。死因が猫を苛めた事だったってのはゴメンだったが。
とりあえず叩き落とされた日本刀を拾おうとする一刀だったがそれをする事はできなかった。
「動かないでください」
一瞬の間に女の子は背丈ほどの刀を鞘から抜き出し一刀の顔に突きつけていた。
「お猫様を苛める人は許さないのです」
え? 本当に死因は猫苛め? やだよそんなの。
「ミャア」
「はぅっ!」
「……?」
子猫が鳴き声をあげると女の子の殺気がみるみる収まっていく。反比例して厳しい表情は笑顔に変わる。刀を鞘に戻すと子猫を思い切り抱きしめる。
「モフモフなのです~♪」
「……あの」
「モフモフ~♪」
駄目だ聞いちゃいない。
「あの!」
「はぅぁ! はっ!? そうでした。お猫様を苛める悪い人に罰を与えようとしてのです!」
もう一度刀を取り出し一刀に向ける。怒った顔をしているつもりなのだろうが満面の笑みで説得力がない。これなら何とかなるかな。
「君がもしお金持ちで、貧乏な農民が助けを求めていたらどうする?」
全然この場と関係のない質問をされて女の子は戸惑いながら答えた。
「お金を分けてあげます。可愛そうな人は放っておけません」
答えなくても良い質問に答える限り真面目な子なのだと一刀は理解する。
「たしかにそれは間違ってはいないけど正解じゃないね。真面目で賢い人はそのお金を使って今後の為に使うだろうけど賢くない人は一回食べ物の為に使って終わり。その後はどうするの? またお金をあげてもいいけどそのお金があれば他の人を救えるよね」
「ならどうするのですか?」
「答えはお金を使わないで生き方を教えてあげる事。または働き口を紹介してあげる事。まぁどちらも完全正解じゃないし他にも方法はあるけどね。お金をあげるのは最後の手段にすべきだ」
「なるほど……」
一刀の弁舌に関心する女の子。今なら対等に話し合いが出来る。
「それでその子猫にも同じ事をしようとしたんだ。手を貸さないっていう手助けをね。でも途中で馬鹿らしくなって」
足元にある日本刀を蹴りあげて手に取る。
「これに掴まってもらおうとしたんだ」
日本刀の根元を女の子に向け、敵対の意思がない事を告げる。
それをマジマジと眺める女の子だがやがて自分の勘違いに気付いたのだろう。
「すみません!」
大きな声で謝る。やはり根は良い子みたいだ。
「気にしないで、こっちが変な行動をしてたのがいけないんだ。君は子猫を守ろうとしただけだから。猫好きなの?」
笑顔で一刀が言うと女の子は少し呆ける。
「っ! はい! お猫様はモフモフしてて可愛いのです!」
「うんうん、俺も猫は好きだよ」
「普段は気高く見向きもしないのに必要があればすり寄ってきて人間を思うがままに操る!それがお猫様なのです!」
「なるほど……普段はツンツン、時にはデレデレ。ツンデレだな」
「つんでれ?」
「普段はツンツンしてるのに条件が揃うとデレデレしてるからね。略してツンデレ」
「なるほど、お猫様はツンデレなのですね」
女の子が手を合わせて感動しているとその拍子で子猫は地面に落ちてしまい脱兎のごとく逃げ出してしまった。
「ぁぅー」
「逃げちゃったね」
「逃げられてしまいました。ツンです」
「ホンットに猫が好きなんだね」
「分かってしまいますか?」
「バレない方が不思議なぐらいだぞ」
ここまで好き好き光線を放っておきながら隠し通せるとでも思ったのだろうか。三国一の朴念仁でも気付くだろ。
「ぁぅぁぅ」
「でもその方が可愛いと思うよ」
自分の失態に動揺する女の子に一刀はにっこりと微笑む。
「はぅ! デレっとされてしまいました!」
赤く頬を染める女の子。
「ところでさ、名前聞いてもいいかな? 俺は北郷一刀」
「私はしゅ……」
そこで突然言葉を切る。
「すみません! 今はわけあって名前は言う事ができないのです。なので先ほどのお猫様の時のお詫びも込めて真名を受け取ってください。明命です」
「真名を? でも悪いよ。それにお詫びなんて理由で大切な真名は受け取りたくない」
「あうあう! 本当は優しい御仁だとお見受けしたので真名をあげようと思ったのです」
恥ずかしがる明命。
「そっか、そういう事ならいいよ明命」
「はい! えっと……」
「北郷でも一刀でも好きな方を呼んでよ。字と真名を持ってないんだ、強いていうなら一刀が真名だね」
「わかりました。では一刀様と呼ばせていただきます」
「それで明命はここに何しに来たの? この辺りでは見ない格好だけど」
服装からしてこの辺りではあまり見ない格好を明命はしていた。天和達のライブで時折似たような服を見かけたのを思い出す。
「そうでした、私は最近話題になっている数え役萬'しすたぁず'を見にやって来たのです」
「そうなの? じゃあ丁度良いから一緒においでよ。天和達に紹介してあげる」
「一刀様が紹介してくださるのですか? でも彼女達は人気が高くてなかなかお目にかかれないと聞きました」
「そうなんだけど偶々三人の秘書みたいなのをやっていてね。俺の友達って言えば会ってくれると思うよ。今なら天和達も事務所にいるだろうし、行こうか」
自然と手を出す一刀。
明命はそれを少しの間戸惑いながら見つめる。
そして体が熱くなっていくのを感じながらゆっくり自分の手と絡め、笑みを浮かべている一刀を見上げる。
誤解ではあるが全力で殺気を自分に放っていた相手に数分で真名を交換させる仲にさせた上、今では手をつないでいる。
「(一刀様は凄い方です)」
目の前でニコニコする一刀を見て明命はなんとなく自分の主人の姿を思い出した。
「もうちょっと待ってればと帰ってくると思うんだけど本当にいいの?」
「はい。一刀様のお陰で知りたい情報は手に入れられましたし素敵な人だと言う事は分かりました。これ以上ここにいると帰るのが遅くなって心配させてしまうので」
予想に反し事務所には誰もいなかった。暫くの間は明命とお茶したりお菓子を食べたりしながら話をして三人の帰りを待っていたが、明命の帰る時間の方が先に来てしまった。
年も近い明命なら天和達も喜ぶと思っただけに残念だ。
「一刀様、それでは失礼します」
「あ、ちょっと待って」
礼をして去ろうとする明命を引きとめる。
「なんでしょうか?」
「もし明命が困ってて助けを求めてきたら俺は絶対に助ける。だからどうしようもなくなった時は俺の事を遠慮なく呼んで。まぁ明命ぐらい強かったらそんな事もないだろうけど明命は可愛い女の子なんだから……ね?」
「はぅっ! その顔はお猫様ぐらい反則なのです……」
「いい?」
「はい! では!」
最後に気持ちのいいくらい大きな声を上げると明命は走り出し、一刀は明命の背中が見えなくなるまでその場に立っていた。
一刀と明命の運命の出会い。これが外史にどう影響を与えるのかは誰にもわからない。
というわけでいかがだったでしょうか?
地の文のボキャブラリーの少なさに絶望しながらも少しずつ成長していけたらいいなーと考えています。
さて、今回の話ですがようやくチビとデクが登場しましたね。この二人は前から登場させようとは思ってました。アニキ出しといてこの二人を出さないのは豚肉のない豚丼みたいなものです。
そして今回はコメントを受け明命を出してみました。明命はいいですね。可愛い! 私も大好きです。
先の見通しを考えていないのでこれからも皆さんの要望で話の展開が大幅に変わるかもしれません。じゃんじゃんコメントして頂けると助かります(苦笑)
おまけ
後、二時間後に就職面接があって心臓が爆発しそうです。書き終えたのがさっきで見直しもあまり出来てない気がしないでもないです。
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今回も特に話は進みません。
皆さんお待ちかねの彼らが登場します。
とはいえ少しだけ。
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