No.123186

北郷一刀争奪戦争勃発?魏国ばれんたいんでー騒乱 舞い始める雪

叢 剣さん

焦らし企画第二弾です、楽しんでいただければ幸いです。
多数の方にカオスになるといわれましたが、カオスで何が悪い!面白ければそれでよし!

追伸:呉で冥琳を優遇しすぎてる気がしてきたけど、そんなこと知らない。

2010-02-08 22:56:28 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10512   閲覧ユーザー数:8519

 市の酒屋で・・・・

「張遼さま、そのあたりでやめておいた方が・・・・・」

「なんや?まだまだいけるわ!」

 周りにはいくつもの酒瓶が転がっている。

「もっと甘い酒はないんか?」

「呉の国にとても甘いお酒があると聞いたことがありますが・・・・・」

「そうか!おおきに、早速行ってくるわ」

 酒の代を置いていくと、そのまま城の方へ走って行った。

「呉に行けば・・・・・」

「そんなに焦ってどこへ行くのだ?」

 大きなカゴを背負った春蘭とすれ違った。

「おぉ!惇ちゃん、今からちょっと呉へ行ってくるわ」

「呉か、頑張れよ」

「惇ちゃんはそないなカゴ持ってどこ行くん?」

「私か?私は山だ!」

「や、山か・・・・・がんばってな」

 2人はその場で別れると、霞は馬で呉へ、春蘭はカゴを持ち山へ入って行った。

 

 一方、城の中では・・・・・

「これでもない・・・・・これでも・・・・」

「ね~流琉~?なに探してるの?」

「もう、季衣、今回は別々だからね!」

「え~なんで?甘いものが食べられるんでしょ?」

 甘くておいしいものを想像しているのか、その顔は希望に満ち溢れている。

「ちがう!兄様に甘いものをあげるの!季衣ががんばって一番だったら、おいしいものをお腹いっぱい食べさせてくれるはずよ」

「え?ほんと?よーし!がんばるぞー!」

 こうも簡単に乗ったことにびっくりしたのか、流琉の手が止まった。

「それじゃあ、市に行ってくるから、流琉もがんばってね~」

 善は急げという言葉を知っているか否かは不明だが、脇目を振らずに市へ降りて行った。

「あっ!見つかった・・・・・よかったぁ、兄様に天界のお菓子のことを聞いておいて正解でした」

 調理場へと急ぎ足で向かった。

 

 こちらは華琳の部屋

「甘いもの・・・・・水蜜桃とかかしら・・・・・いや、駄目ね」

 開けっ放しにしていた扉の先を流琉が脇目も振らずに通過していった。

「これは、うかうかしてられないわね・・・・・」

 動こうとは思うが、実際に何をするために動けばいいのか、こういう時に限って思いついてくれない。

 そうこうしている間に、調理場からは甘い匂いが流れ込んできた。

「・・・・・・・!そうよ、あそこへ行けば、なにかがあるかもしれないわね」

 いそいそと準備を始めると、一人何処かへ行ってしまった。

 

 元凶は・・・・・

「なんで今日はこんなに政務が多いんだ・・・・」

 天井に着かんばかりに積み上げられた書簡など、嘆いてはいるが手の動きが止まることはない。

「さすがにこれはなぁ・・・・・」

 魏の文官も総出で作業しているのだが、大事な軍師等の仕事はすべて一刀に回ってきているため、量が半端ない。

 ちらりと見て、抜け出せる雰囲気ではなく鬼気迫る表情で全員が書簡に向かっている。

「華琳と秋蘭は・・・・・軍師たちは何をやっているんだ・・・・」

「北郷様、嘆いてる暇があるなら、手を動かしてください!」

「失礼・・・・・」

 文官たちもこの異常事態にピリピリしているのか、一刀にも注意をすぐにする。

 

 なぜか一人だけで歩いている凪

「あいつら・・・・・だが、これで隊長が選んでくれれば・・・・・」

 結局あの後、教えなかったために仲間外れにされてしまった。

「あら、張り切ってるみたいね、凪」

「か、華琳様!」

「大丈夫よ、すぐにいなくなるから」

「そのように護衛も付けずに歩いては危険です」

「そう、じゃあ凪がしてくれるんでしょ?」

「あ・・・・・いや・・・・・その・・・・・」

 今回は一刀がかかっているからか、妙に歯切れが悪い。

「大丈夫よ、ついてきて損はしないと思うけど?」

「ですが・・・・・」

「あら、警邏隊の楽進は目の前を主君が通過しても知らんぷりをするのかしら?」

「いえ・・・・・行きます、行かせていただきます!」

「それじゃ、行こうかしら」

 2人は一緒に歩き始める、一人は確信に満ちた笑みを浮かべ、もう一人は不安げな表情を隠し切れていない。

 

鼻血を吹いて倒れた稟の介抱がすんだのか、動き始めた。

「稟ちゃん、そろそろ私は行きますよ~」

「はぁ、そうですか・・・・・それでは、ここでしばしのお別れですね」

「そんな、旅に出るみたいな言い方~あぁ、あそこにいくんですね~」

「失礼ですが、使わないわけにはいかないので」

「そうですか~」

 眠たそうな眼を特に動かすこともなく、そのまま歩いていく。

「そうです、言い忘れていました~」

「なんですか?」

「この勝負はだれにも渡しませんから~それが華琳様でも、稟ちゃんでもです~」

 いつもとは違い、小さな体からは自信が満ち溢れているように感じた、それを宝慧が体現するように、風の頭の上でふんぞり返っている。

「それは、私も同じことです、それでは」

 2人とも全く違う場所を目指しながら、目的の場所へと歩いていく。

 

 

深々と舞い落ち始めた雪、火を消し止めたが徐々に積り始めている、西側の空には厚く黒い雲が出番を今か今かと待ち受けている。

 


 
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