No.121858

ピュアラブ*好きでいさせて

兄を好きになる。そんな漫画みたいな恋を、今俺はしてる。
それは想像以上に つらくて 哀しい 
ただ 溢れる想いだけ 受け止められる心の器が欲しい
大好き 大好き ずっと君だけ

2010-02-01 19:27:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:505   閲覧ユーザー数:491

 

 

実兄を好きになる。

 

そんなドラマのような話。それでも、俺は男で―。

 

もちろん 【兄】なのだから俺の想い人も男だ。

 

 

ただ募る激情に身を任せて、兄に切ない想いを寄せる。

押しては引き、押しては引き・・・。

まるで海辺の夕景色のように。

 

 

「ゆみにぃ、お風呂いいよ?」

風呂上り、俺は髪の毛を拭きながら兄の弓葉(ゆみは)に声をかける。

 

大学に出すレポートに目を通していた弓葉は、眼鏡をはずして弟の彩葉(あやは)を見た。

弓葉は書き物や勉強をするときだけメガネを着用している。

 

その眼鏡を外す一瞬、小さく揺れる髪の毛、そっと細めたとび色の瞳、一つ一つの動作が彩葉を

どきどきさせた。

 

 

高校に通いやすい、という理由で一人暮らしをする兄の家に居座り、2人だけでの暮らしを満喫する。

それでもむなしさは否めず、苦しみ、切なさは日々溜まる。

 

優しい兄は、きっとわがままな自分の申し出を断れなかっただけなのだ。

そう考えれば考えるほど、冷たい感情が胸を覆うように広がる。

 

 

 

「・・・・今入ってくる。さんきゅ、あや」

 

ふわっと頭を軽く撫でられて、弓葉のにおいが鼻を掠める。

どきりと胸が高鳴り、彩葉はしゃべることすらままならなくなる。

 

 

「う、うん・・・」

「彩葉?どうした?」

「な、なんでもないっ・・・」

 

その瞬間、弓葉が小さく笑ったきがした。

 

「ゆみにぃ・・・?」

 

不思議におもって首を傾げると、弓葉が彩葉を小さく抱き寄せた。

 

 
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