No.121456

真・恋姫無双 ~美麗縦横、新説演義~ 短編2

茶々さん

茶々です。
まさかの連打ですすいません。

前回投稿分にはタイトルの後ろに「短編」をつけ忘れてしまい今回からつけました。タイトルに「短編2」がついているのはそのためです紛らわしくてすいません。

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2010-01-30 21:50:45 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3786   閲覧ユーザー数:3389

 

*注意!

 

 

・この短編に北郷一刀は出てきません!

・オリキャラ乱舞です。オリキャラ×原作の誰か、です!

・暗かったりアレだったりコトがあったりなかったり、です!

・原作完璧無視です!時間軸とかそんなの一切無視です!

・書いた当時のテンションにより男なのに真名あります!(司馬懿=白叡、太史慈=轟蓮、姜維=怜麟)

 

 

 

以上の事が許せる、という方のみご覧ください。

 

 

 

追記:タイトルの幾つかは「群青三メートル手前」様より拝領仕りました。

 

『届かない想い』 (雪蓮×茶々オリキャラ太史慈←蓮華。偽物・ダーク警報発令中!)

 

 

 

何時からだろう。心の奥底に焼き付いたこの感情が、抑えられなくなってきたのは。

 

何度消そうとしても、忘れようとしても。

どう頑張ってみても、消えてくれたりはしない。

 

「どうかしたのか?蓮華」

「ううん、義兄上。何でもありません」

 

知っている。雪蓮姉様が轟蓮と結ばれていることくらい。

知っている。轟蓮が心から愛しているのは雪蓮姉様だけだってことくらい。

 

義妹としてしか、私は見てもらえない。そんなのあたりまえだ。轟蓮は姉様の恋人。だったら、私が入り込む隙間なんてない。

 

大好きな姉様。大好きな轟蓮。

大好きな二人が結ばれて、とっても幸せなはずなのに。心から祝福出来るはずなのに。

 

止まらない。

止められない。

 

この焼き付くような気持ちを止める事は出来ません。姉様。轟蓮。

 

私は、蓮華は、轟蓮の事が……

 

 

 

凶刃に姉様が殺された時。

私も、小蓮も、涙が枯れ果てるまで泣き叫んだ。

 

でもあの人は、涙一つ流さなかった。

 

そっと姉様の頬を撫でて「お疲れ様。ゆっくりお休み」と、静かに紡いだ。ただそれだけだった。

 

戦が終わってから、轟蓮は誰の言葉も取り合おうとせず、一人で城の中に消えてしまった。

 

慌てて彼を探したら、存外早く見つかった。

そこは中庭の木の下の、姉様が政務を抜け出してはよく酒を飲んでいた場所。

 

そこで静かに、それでも確かに轟蓮は泣いていた。

誰よりも深く姉様を愛していたから、だから最期の時まで、決して泣き顔を見せる事はしなかった。

 

絶対に嘘はつかない。

轟蓮と姉様は、そう誓いを交わしていたから。

 

私は無我夢中で彼に駆け寄って、その大きな背中にしがみついた。

 

気がつけば、私は彼を『男』として求めていた。

夢中で彼の唇を奪い、求めるままに重ね続けた。

 

身につけていた剣も、鎧も。全てを捨てて彼を欲した。

 

死した姉様との誓いを尚も守ろうとした轟蓮を、私は我欲のままに貪り、汚した。

 

 

 

許される筈のない業罪。

きっと私は、地獄で死よりも辛い苦しみを味わうだろう。

 

でも、例えそうなるのだとしても。

 

 

 

『貴方を得るために、私は罪という名の刃でこの身を裂く。』

 

『私のいとしいおひめさま』 (茶々オリキャラ姜維×桃香。設定集作る前なので姜維の性格が変わっています)

 

 

 

啄ばむ様に重ねていた唇をそっと離し、どちらともなく笑い合う。

 

私と桃香様は、そんな関係だった。

 

桃香様はこの蜀の主。私はその幕下の将の一人。

 

決して結ばれる事はないと分かっていても、それでも私は彼女を愛してしまった。

 

太陽の様に輝くこの人が好きです。

誰もが笑顔になれるこの人が好きです。

 

だから、この人のお傍にいられるだけで、傍らに置いて話しかけられて、こうして時々愛紗様の眼を盗んで気持ちを確かめあえるこの刹那があるだけで。

 

それだけで、私は満ち足りてしまう。

 

安っぽくて構わない。

それでも、私のこの気持ちに変わりなどないから。

 

 

 

愛紗ちゃんや朱里ちゃんのいない間だけ、私と怜麟は恋人でいられる。

 

ずっと続いてほしいと願うこの時間は、それでもいつか終わってしまう。

 

優しくて、強くて。でも不器用で頑固で素直じゃなくて。

 

そんな怜麟が、私は大好き。

いつも一緒にいられるだけで、側にいてくれるだけで。心とかそういうのが全部幸福で満たされる。

 

 

 

―――ねえ、怜麟。

 

―――なに、桃香?

 

―――大好きだよ。

 

―――私も、大好きですよ。

 

そっと、もう一度唇を重ねて、気持ちを確かめあった。

 

 

 

『あなたのしあわせが、わたしのしあわせです。』

 

 

 

 

 

(何となく思いついたままに書いたオマケ)

 

実は入口付近でこっそりのぞき見ていた二人。

 

「……全く、あの二人はもう少し場所を考えてもらいたいものだ」

「はわわ……でも二人とも、凄い幸せそうです」

「ま、まぁそれは否定せんが…しかし少しは節操というものを」

「でもお二人共、ご自身の立場に縛られ過ぎて踏み出せないんじゃないですか?」

「ぅ、ぅぅむ……」

 

唸る愛紗を余所に、政務室の中の会話が漏れる。

 

―――桃香の唇は、甘い味がするね。

―――だって、今すっごく幸せなんだもん。

((……幸せだと、甘い味がするのか?))

 

静かに笑い合って再びじゃれる二つの影と、思考にずるずると嵌りゆく二つの影。

 

余談だが、それを偶然見た星と紫苑に声をかけられ、思わず吃驚して二人が素っ頓狂な声をあげたというのはどうでもいい話で、更にその声に気づいた桃香と怜麟の行動が星達にばれて翌日から散々からかわれたというのは更にどうでもいい話である。

 

『愛情表現のうちの一つですよ』 (茶々オリキャラ司馬懿×風。正史で荀彧が自殺した辺りを参照に作成しました)

 

 

 

「白叡さん。よろしいですか?」

 

それは、実に珍しい来客だった。

 

「いえ、大した用向きではありません。ちょっとした小話をしに来ただけですよ」

 

そう言いながら、普段と変わらない淡々とした口調で。しかしその瞳に何かを宿らせて風は口を開く。

 

「近く、華琳様は南征に赴かれますが、その理由はご存じですよね?」

 

存じているもなにも、南征の目論見を立てたのは他ならない僕だ。知らない筈がない。

 

「はい。白叡さんもご存じの通り、今回の南征は華琳様個人の私怨によるものです。そしてその南征において何処を攻めるかと聞かれて、貴方は何と答えましたか?」

 

これも知った答え。

漢中は要害で大兵を動かせないし地の利は向こうにある。荊州は蜀呉両国が同盟した今では攻め難いし打ち破るのであれば相応の犠牲を伴う。

だから僕は華琳様に『合肥』の攻略を具申した。

 

「それは、貴方の本心からの言葉ですか?」

 

うっすらと、その瞳を開く。

 

そこにあったのは、紛れもない警戒の表れ。

 

「白叡さん。本当は貴方、何処も攻める気はないんじゃないですか?」

 

 

 

今回の華琳様の問いは「貴方なら、何処を攻めるか」

 

つまり攻撃する事を前提として華琳様は僕に問うた。

それに対し僕は『合肥』と答えた。

 

それは軍師として、あくまで攻めるのであればの話。

 

仮に僕が総帥なら、攻め込んだりはしない。

 

 

 

「風、一つ勘違いしている様だから言っておこうか」

 

残酷な程優しい笑みを浮かべながら、白叡さんはゆっくりと口を開く。

 

「僕はあくまで攻める事を前提とした意見を求められ、それに答えた。何かあったとしても、非は僕にはないよ」

 

彼にとって、求める主とは常に流転する。自分の理想にそぐわなければ、民を思う心を忘れれば、そんな主は早々に見限って鞍替えだって簡単にするだろう。

 

「君は満足出来るのかい?私怨に我を失い、色欲に溺れ、忠誠を誓っていた桂花すら斬り捨てる様な、あの傲慢な小娘に」

 

誰よりも彼は優しい。だからこそ、許せなかったのだろう。

 

自分の意にそぐわなければ誰であっても切り捨てる華琳様が。

幼い頃から何でも出来たからこそ優しさを忘れてしまった華琳様が。

ただ一人で全てを背負おうとする華琳様が。

 

「もうあの小娘は、覇道を往くべき者じゃない。ただの我儘で独尊的な、味方なんて誰もいない小娘だ」

 

残酷な優しさ。

 

それ故に、彼は自分の主を追い詰める。

自身の主の為ではなく、彼の治世に生きる事となる万民のために。

 

「僕が立つのは、目ざわりな連中が留守になった時だ。幸い編成は僕に委任されている。息のかかった連中を残して要所の守りにつければ、新たな国なんてすぐに造れる……ああ、そういえば擁護していた帝が華琳の事を煙たがっていたな。安全を保障して勅書でも書かせるか。華琳さえ消えれば、どの道蜀も呉も帝も、みんな殺すけどね」

 

その言葉を聞いて、信じたくなかった仮説が真実となった。

 

彼は自分自身を悪に仕立て上げ、殺させるつもりなのだ。

我を失っている華琳様に。

 

業と罪を一人で全て背負い、大逆の徒として自分を殺させる。そうすれば、否応なく民衆は華琳様を認め、そして華琳様自身もきっと正気に戻る。

 

その時こそ、三国鼎立の時となるのだ。

 

「さて・・・風、君はどうする?」

 

自らの命を以て戒めとし、後世に何代も語り継がれるであろう罪人として。

そして鼎立に異を唱える連中への見せしめとして、彼は死ぬつもりなのだ。

 

「……分かりきった答えを聞くなんて、白叡さんらしくありませんね」

 

彼の真意を聞いた今、答えなんて決まっている。

 

「最期の時まで……いえ。この程仲徳、例え地獄の果てであろうとも、白叡さんとどこまでも一緒に行きますよ」

 

こんな臆病な私を、ここまで夢中にさせたんですから。

最後まで、責任とって貰いますよ?白叡さん。

 

「そうか・・・ならいくぞ風。僕たちの全てを賭して、後世幾年にも及ぶ戒めとする為に!」

 

ええ。

何処までも、ずっと。

 

 

 

『最後にはここへ堕ちておいで』

 

後記

なんだかグダグダに長い文章と極端に短い文章とで、我ながら恥ずかしい限りの愚作ばかり…orz。

 

作品については、随時コメントを募集しています。

指摘、感想なんでも結構です。バンバン突っ込んで下さい。励みになります。

 

 

 

次回は懲りずに短編を四つ載せます。

司馬懿×雛里(水鏡の私塾が共学設定というwww)の続き物二つと、姜維×愛紗(史実の荊州攻めに姜維がいたら?という妄想の与太話)の続き物二つ。

どちらも一つ一つは比較的短いです。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。


 
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