黒髪の少女から俺は、綺麗に踵落しを食らった。
すこしうずくまったが、5秒ぐらいして、俺は叫んでいた。
「なにすんだ!!クソアマ!」蜜柑が隣でクソアマって…とあきれていたがどうでもいい。
今はこの女だ。
「なにすんだってこっちのセリフよ!さっきからジロジロ見て…気持ち悪いったらありゃしないわ!」俺に負けない大声で少女は言った。
「はぁ!?ジロジロ見てたのはこいつ…っていねぇ!?」
隣に居るはずの蜜柑を指差そうとしたが、いつの間にか逃げてやがった…、あの野郎!
「こいつってどいつよ。あんたしかいないじゃない…」
「んなはずは、……はぁ」俺は思わずため息をはいた。なぜ気づかなかったか、廊下からこちらをのぞいていた。蜜柑はバレたのを気づいたらしく苦笑いで手を振って逃げた。
だが、1分後には目の前にボコボコになった蜜柑がいる。
コレは6割が俺がやったもので4割はあの黒髪の少女である。
女子とは恐ろしいものだ。
「あー…なんか、よくわからないけど、これって私の勘違い…だよね?」少女がおそるおそる聞いてきた。
もちろんだと俺は肯定する、もちろんのことだ。
「うー、あー、えー…ごめんなさい」ペコリと頭を下げてきた。
意外なもんだ。
「過ぎたことだ、しかたねぇ」
満足ではないがこれ以上すると、俺がただのチンピラになってしまうからな。
「チンピラって、…お前はやくざぁあああああああ!」
蜜柑が何か言おうとしたが、ラリアートきめて黙らした。
「えーと、自己紹介したほうがいいのかな…、あたしは…」
少女が名前を言おうとしたが蜜柑が立ち上がって
「俺の名前は蜜柑。よろしく!」立ち直りがはやいやっちゃ…。
「お前はすこし黙ってろ。…俺の名は寝癖。よろしく。」
蜜柑?寝癖?って本名って質問してきた。
「いんや、あだ名。」
ああ、と納得したようだ。
「んじゃ、あたしもあだ名を。私は「黒髪」。よろしくね」
黒髪か…黒い髪だから黒髪か…、単調だな、…俺らのもか。
それから少し話していたが、どうやら担任が来たようなので席に着いた。
ドアを開けて入ってきたのは…俺の親父だった。
つづく
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あらすぎ:昔からの友「蜜柑」とクラスが一緒になる。
そこで一人の少女と出会う。その少女に踵落しをきめられる「寝癖」。ここから歯車が動き出した…。
南:今回も短文投稿します。
駄文ですがどうぞよろしく。