No.120612

真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 今傍に行きます 第6.2話

葉月さん

個別ストーリー今回は優未さんです
彼女の悩みは意識し始めた一刀への思いをどうするか
雪蓮をとるか一刀をとるか、悩む女心はどちらへ?
2010/01/26:誤字修正(本当に多くてすいません

2010-01-26 00:22:17 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:9442   閲覧ユーザー数:7366

真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√ 

今傍に行きます 第6.2話 SideStory 02

 

 

 

【優未の悩み】

 

はじめまして皆さん、雪蓮の親友こと音無優未です

 

早速ですが私は悩んでいます。

 

え?天真爛漫なくせに悩みなんてあるのか?ですか?

 

そりゃ、女の子なんで悩みの一つや二つありますよ

 

さて、その悩みが一つ最近増えてしまいました

 

今回の悩みは中々解決出来そうにありません

 

それは……

 

「う~」

 

優未は机に突っ伏して唸っていた

 

「おはよう優未、どうしたのよ悩んじゃって」

 

「ん~?雪蓮か~おはよ~……はぁ~」

 

「なによ気の無い返事ね」

 

「この間のことで色々とね~」

 

「この間?あ~あのこと?」

 

「そう~ねえ雪蓮、好きってどんな感じなの?」

 

「そんなこと言われたって私にもわからないわよ」

 

「だよね~はぁ~」

 

机に突っ伏し溜息をつく優未

 

優未の悩みの原因はつい最近知り合った華澄琳が原因で起きた

 

自分では自覚して居なかったが雪蓮に言われたことで一刀のことを意識し始めていた

 

「うわー!わけわかんないよ!もういい~家に帰る!」

 

「ダメに決まってるでしょ!ちょっとは落ち着きなさい!」

 

「う~」

 

(私が悩んでるのはそのことだけじゃないの!そう叫べたらどれだけ楽なんだろうな……)

 

優未は雪蓮を見ながら思っていた

 

「ん?なによ」

 

「なんでもなーい、それより雪蓮はあの時なんとも思わなかったの?」

 

「そりゃ少しは思うところはあったけど、別に心配すること無いんじゃない?」

 

「えーいつの間にか『華澄さん』から『琳』に呼び方変わってたのに!?」

 

「確かに変わってたけどそれだけでしょ?考えすぎよ」

 

雪蓮はそう言うと席に戻っていった

 

「う~雪蓮は全然危機感がないよ~このままあの女と北郷君がくっついたら……」

 

優未はその状況を想像しようとした

 

(ぶんぶんぶん!)

 

「そんなことない!そんなことない!絶対に大丈夫だよ!うん!」

 

(バン!)

 

「あいた!」

 

「うんうん、何が大丈夫かわからないけどホームルーム中に席を立って叫ぶとはいい度胸ね音無さん」

 

振り向くと担任教師が出席簿を持ってニコニコと笑っていた

 

(クスクスクス)

 

周りから笑い声が聞こえ、雪蓮は首を降り呆れていた

 

(うぅ~たんこぶ出来たかも)

 

「大丈夫よたんこぶ出来ないように叩いたから」

 

「なんで思ったことがわかるんですか!?ってかこれって体罰だよ~」

 

「体罰じゃないわ愛の鞭よ、ダメな生徒を更正させるため、先生も苦しいのよ」

 

よよよと手を口にあて泣く真似をする担任教師

 

「嘘だ!笑ってるもん!」

 

「はいはい、ほら、出席とるわよ!」

 

笑いながら教壇に戻っていった

 

「うぅ~酷い目に遭った……」

 

「自業自得でしょ、あんなところで立ち上がって叫ぶんだから」

 

雪蓮は呆れたように手をひらひらさせていた

 

「だって~」

 

「はいはい、ほらお昼食べちゃうわよ」

 

「うぅ~……あれ?」

 

「どうしたの?」

 

「……お弁当忘れた……」

 

「なにやってるのよ、まったく」

 

「はぁ~……ねぇ、雪蓮」

 

「わかったわよ、一緒に購買部に行けば良いんでしょ」

 

「流石は親友だよ、言わなくてもわかるなんて!」

 

優未は雪蓮に抱き付いた

 

「ちょっと抱きつかないでよ!ほら、早く行かないと食べるものがなくなっちゃうわよ」

 

「そうだった!早く行こう雪蓮!」

 

優未は雪蓮から離れ教室の入り口で招きしていた

 

「まったく、さっきまで悩んでたくせに……ちょっと待ちなさい優未」

 

雪蓮は苦笑いを浮かべながら席を立ち優未を追いかけた

 

「嘘~~~ガク」

 

「コッペンパン一個……」

 

優未が購買部の前でうな垂れていると

 

「あれ?雪蓮に優未さんなにやってるの?」

 

一刀が袋を抱えて現れた

 

「あら一刀、こんな所でどうしたの?」

 

「北郷君!?」

 

優未は一刀が現れたことに驚き背筋を伸ばして固まってしまった

 

「昼飯を買いに購買部にね」

 

「あら私たちと一緒だったのね」

 

「一緒ってことは雪蓮たちも?」

 

「ええ、私はお弁当があるんだけど優未がね……優未?」

 

「……」

 

(ど、どうしよう、後ろに北郷君が居る!あ、挨拶しないと!で、でもどうやって挨拶すれば良いんだっけ!?)

 

「あの優未さん?」

 

「へ!?あ、うん!おはよう!北郷君!」

 

「優未……今は昼よ」

 

「あ、あれ!?こ、こんにちは!」

 

一人てんばって居る優未

 

「なにかあったの?優未さん」

 

「ふふふ、なんでもないわよ、ね、優未」

 

「うん!なんでもないよ!」

 

「?ならいいけど、もう買ったの?」

 

「ああ、それがね……」

 

一刀は雪蓮から事情を聞くと

 

「なんだ、だったら俺の買ったやつ食べる?」

 

「ええ!?で、でも北郷君のお昼でしょ?」

 

「気にしなくていいよほら、好きなの持っていって良いからさ」

 

一刀は袋を差し出そうとするが雪蓮がある提案をしてきた

 

「それなら一緒にお昼食べましょうよ」

 

「「え?」」

 

「だってその方がここで選んでるよりいいじゃないほら行くわよ二人とも」

 

雪蓮は二人の手をとり歩き出した

 

「うわ!あ、危ないよ雪蓮!」

 

袋を抱えていた一刀は前のめりになりながらバランスをとって歩いていた

 

「ふふ~ん♪聞こえなーい、ほら文句言ってないでしゃきしゃき歩く♪」

 

「わ、わかったから手を離してくれよ、こけそうだよ」

 

「男の子なら我慢しなさい♪それに女の子に手を握られてうれしいくせに」

 

「そ、それは否定しないけどさ……うわとと!」

 

「っ!?やだ一刀ったら否定しないけどだなんて」

 

「……」

 

(普通に接してるけどやっぱり雪蓮も北郷君の事が好きなのかな……だったら)

 

「ん?ほら優未ボーっとしてるとこけるわよ」

 

「へ?きゃ!……いたた~」

 

そう言うや否や優未はこけてしまった

 

「ほら言ったとおりでしょ」

 

「雪蓮が強引に引っ張るからだよ、優未さん大丈夫?立てる?」

 

一刀は優未に手を差し伸べた

 

「あ、うん……ありがとう」

 

優未は一刀の手をとり立ち上がった

 

「どこもケガはない?」

 

「う、うん、大丈夫だよ、ありがとう北郷君」

 

優未はテレながらも一刀にお礼を言った

 

「あれれ?随分っといい雰囲気ねお二人さん」

 

「「っ!?」」

 

二人同時に雪蓮を見る

 

「な、なに言ってるんだよ!」

 

「そ、そうだよ!北郷君はただ立たせてくれただけだよ!」

 

「ふ~ん、本当にそうかしら?」

 

雪蓮はじろーっと二人の顔を見比べていた

 

「うぅ……ほら!早く行かないとお昼食べる時間がなくなっちゃうよ!」

 

そういうと優未はさっさと歩いていってしまった

 

「あ、優未さん!」

 

一刀はさっさと歩いていってしまった優未を追いかけていった

 

「ふふ、優未も結構初心なところがあるのね……ふぅ……待ちなさいよ二人とも!」

 

雪蓮は一瞬悲しい顔をしたが優未たちにはわからなかった

 

「どれにしようかな~」

 

一刀たちは学校の庭に設置されているベンチに腰をかけていた

 

「……あ!これなかなか買えない幻のカツサンド!しかも二個も!」

 

「ははは、優未さんはカツサンド好きなの?」

 

「ん~好きとかじゃなくてまず食べたことが無いんだよね、基本お弁当だし」

 

「そうなんだ、俺は寮住まいだからあんまり弁当とか作らないんだよね、それに朝練で作る暇も無いし」

 

「そんなに朝練って早いの?どこの部もそこまで早くは無かったと思うんだけど」

 

雪蓮が不思議そうに一刀に尋ねた

 

「部活の朝練自体はそんなに早くないんだよ、じいちゃんから言われてる訓練メニューが結構きつくてさそれくらいからやら無いと間に合わないんだよ」

 

「そ、そんなにきついの?」

 

「例えば素振り千回とか」

 

「せ、千回!?うへ~腕痛くならないの?」

 

「ははは、小さい時からやってるからねもう慣れちゃったよ」

 

「すごいんだね北郷君は~」

 

「そんな事無いよ優未さんにだってきっと打ち込めるものがあるはずだよ、俺はたまたまそれが剣道だったってだけだよ」

 

「でも一刀はその言いつけを守ってるんでしょ?それって中々出来ることじゃないと思うわよ」

 

「うんうんそうだよね」

 

「そう言われるとテレるな」

 

「あはは、北郷君テレてる~かわいい~♪」

 

(そっか北郷君も色々頑張ってるんだな……っ!閃いた!)

 

優未は一人あることを思い立ち実行に移そうと思った

 

「まあその話はまた今度話すよ、それより優未さんはどれ食べる?」

 

「そうだな~じゃ、これと、これとこれ!」

 

「ちょっと優未?とりすぎじゃないの?」

 

「ははは、いいよいいよ、俺は残ったので」

 

「ごめんね一刀、お詫びに私のお弁当少し食べる?」

 

「そんな気にしなくていいよ、どうせ放課後には部活前に購買部で買ってるから」

 

「そう?足りなかったらいつでも言ってね」

 

心配そうに雪蓮は言った

 

「ん~~!このカツサンドおいし~~♪」

 

「だろ?だから直ぐに売り切れるんだよ」

 

「そんなに美味しいの?」

 

「ああ、食べてみるか?」

 

そういうと一刀は喰いかけのカツサンドを差し出した

 

「え!?あ、う、うん……」

 

雪蓮は戸惑いながらも口に運んでいた

 

(ええ!?北郷君大胆だよ!あ~あ、雪蓮顔赤くしちゃってるよ~うらやましい……)

 

「っは!」

 

(な、なに言ってるのよ私は!うらやましいなんて……)

 

「ん?どうしたの優未さん?」

 

「はへ!?な、なんでもないよ!はむ……もぐもぐ」

 

優未は戸惑いながらカツサンドを頬張った

 

その後も楽しく昼食を楽しんだ

 

「さてと……なににしようかな」

 

放課後、優未はスーパーに来ていた

 

「そういえば何が好きなのかな……やっぱ定番でいいのかな?」

 

(なんかこうやって考えるのって楽しいな♪)

 

優未は楽しそうに商品棚を見ていた

 

「やっぱ、定番って言ったら卵焼きでしょ、あとは……ハンバーグかな」

 

「あらあら、随分と楽しそうじゃない」

 

(こ、この声は……)

 

楽しい気分が一気になくなる声が聞こえてきた

 

「なんであんたが居るのよ」

 

振り返ると華澄が立っていた

 

「あら随分なご挨拶ね」

 

「当たり前でしょ、私あなたのこと嫌いだし」

 

「私はあなたのこと好みよ」

 

「あんたのことなんか聴いてなんか無いの!それよりなんでいるのよ」

 

「あら夕飯の買い物に来てはダメなのかしら?」

 

華澄の腕には確かに買い物籠が吊るされていた

 

「あんたみたいなお嬢様が料理なんて出来るの?」

 

「なら私の手料理を食べてみる?」

 

「遠慮していきます、誰が好き好んであんたの家なんかに行くもんですか」

 

「それは残念ね、なら一刀でもさ「ダメに決まってるでしょ!」……なぜダメなのかしら?」

 

「あんたと北郷君を二人きりになんて出来るわけ無いじゃない!」

 

「なら二人きりにならなければ問題ないのよね」

 

「う……そうだけど」

 

「ならあなたも来れば良いじゃない、そうすれば一刀と二人きりにはならないわよ」

 

華澄はしてやったりとにやついていた

 

(う~~~!なんなのよこいつ!ほんとにこいつ記憶ないの!?実はあるんじゃないの!?)

 

「まあいいわ、それよりあなたも夕飯の買い物かしら?」

 

「そ、そうだけどそれがなにか?」

 

「いえ別に随分と楽しそうにしていたから、誰かさんの明日のお昼のお弁当でも作ろうとしてるのかなと思っただけよ」

 

「そ!そそそんなことあるわけ無いでしょ!」

 

「ふふふ♪やっぱりあなたいいわ、今すぐ食べてしまいたいくらい」

 

華澄は目を細め舌なめずりをした

 

「く、来るな~~~~~~!」

 

優未は脱兎のごとくその場から逃げた

 

「ふふふ、本当にからかいがいのある子だわ、さて今日はどうしようかしらあら、珍しく葉山牛があるわね、今日はこれにしましょう」

 

華澄は再び夕飯の買い物を始めた

 

「うぅ~買いたいものが買えなかった……」

 

一人うな垂れる優未

 

「仕方ない今あそこは危険地帯、別の場所からそろえちゃおう」

 

優未は気分を切り替え買い物を再開した

 

翌朝、優未は普段より少し早めに起きた

 

「さて、はじめますか」

 

エプロンを着け腕をまくりをした

 

「まずはおかずから作って……ご飯はやっぱおにぎりの方がいいかな?」

 

自問自答をしてお弁当と作っていく優未

 

「えへへ、なんか楽しいなこういうのって」

 

「あぁら、随分と楽しそうね優未ちゃん」

 

どこからとも無く野太い声が聞こえてきた

 

「な、何しにきたんですか!こんな朝早くに!」

 

「だめだったかしら?」

 

「ダメ、ではないですけど……」

 

「それにしても優未ちゃん、随分と楽しそうにお弁当作ってるわね」

 

「そ、そんなことないですよ?」

 

「どぅふ♪もう、乙女しちゃってるわね優未ちゃん」

 

「うぅ~いいじゃないですか!お、お弁当くらい!そ、それにこれは昨日パンをくれたお礼です!」

 

「私は悪いなんて一言も言って無いわよ……それで踏ん切りはついたのかしら?」

 

貂蝉は急にまじめな顔になり優未を見た

 

「……まだですけど、気持ちははっきりしました」

 

「そう、ならいいわ、後はあなたの好きなようにやりなさい」

 

「はい」

 

「でも……ちゃんと雪蓮ちゃんの記憶を戻すお仕事は忘れちゃダメよ」

 

「大丈夫です、それが私の使命ですから、それに雪蓮は親友なんだから」

 

優未は笑いながら応えた

 

「いい笑顔ね、何はともあれ後悔しない様にしなさい」

 

「はい!」

 

「それじゃ、私は行くわね……それと、何か焦げ臭いわよ」

 

「へ?……うわ~~!卵焼きが!」

 

火にかけていた卵焼きが見事なまでに焦げていた

 

「うぅ~理事長のせいですよ!……って!もういないし!あ~こんなの北郷君に食べさせられないよ~卵ももう無いし」

 

優未は焦げた卵焼きを恨めしそうに見た

 

「捨てるのもったいないし私が食べよ、これくらいの焦げなら食べられるよね?」

 

自分に言い聞かせ優未はお弁当作りを再開した

 

「あら?優未どこ行くの?」

 

一時限目の終了とともに優未は席を立った

 

「え!?あ……そ、そうお手洗い!それじゃね!」

 

優未は走って教室から出て行った

 

「?そんなに我慢していたのかしら?……なんか怪しいわね、面白そうだから追いかけてみよっと♪」

 

雪蓮は優未の言動に何かあると思い追いかけていった

 

「えっと確か……っ!ここだここだ、居るかな~」

 

優未は教室の外から中を覗いた

 

「あ、居た居た、おーい!北郷くーん!」

 

優未は一刀に向って手を振った、それを見た生徒が一斉に一刀を見た

 

「え!?ゆ、優未さん!?」

 

「おい!北郷!お前いつの間にこんな可愛い子と知り合ったんだよ!」

 

「あのリボンどう見ても3年生だろ!お前ばっかり良い思いしやがって!」

 

クラスの男子は一刀を取り囲みあーだこーだと言った

 

「あれ優未さんじゃないか、かずピー」

 

「そ、そうなんだけど……ご、ごめん!取りあえず通して~」

 

一刀は人だかりから抜け出し優未の前まで来た、後ろからはブーイングの嵐だ

 

「ごめんね待たせて」

 

「ううん!こっちこそあんな大声で呼んでごめん」

 

「ははは、気にしなくていいよ、それよりどうしたの?」

 

「あ、うん……」

 

(あぁ~いざ言おうとすると恥ずかしいよ~)

 

「あ、あのね、きょ、今日のお昼なんだけど……」

 

(頑張れ私!私はやれば出来る子だよ!)

 

優未は自分を奮い立たせるように何度もうなずいた

 

「昨日パンくれたお礼に作ってきたの!だ、だから食べてくれる、かな?」

 

「え、気にしなくても良かったので」

 

「い、いやだってほら!パンばかりだと栄養が偏るし!……ど、どうかな?」

 

「うん、それじゃありがたく食べさせてもらうよ、それじゃお昼になったら昨日と同じ場所でいいかな」

 

一刀は笑顔で答えた、それを見た優未は顔を綻ばせて喜んだ

 

「うん!そ、それじゃお昼休みにね!」

 

優未はそう言うと一刀の教室から離れた、それと同時に一刀のクラスから男の悲鳴が聞こえてきた

 

「「うらやましいぞ!コンチクショー!!!!」」

 

一刀と優未の行動を少し離れた場所から見ている人物が居た

 

「ふ~ん、そう言うことか~なるほどなるほど」

 

「あら、随分と面白い状況になってるわね」

 

雪蓮と華澄であった

 

「あら居たの?つい先ほどね、いきなり男子の大声が聞こえてきたから様子を見に来たのよ」

 

「あらそう、で?あなたはどうするの?」

 

「なんのことかしら?」

 

さも判りきったことのようにとぼけた振りをする琳

 

「なら、決まりね」

 

「ええ、これは面白くなりそうだわ」

 

二人は笑いながら自分の教室へと戻っていった

 

昼休みになり優未は雪蓮に話しかけた

 

「ちょっと行くところがあるから先に行くね!」

 

「ええ、どこにいくの?」

 

「え!っと……こ、購買、購買部にね!」

 

「あらなら私も付き合うわよ?」

 

雪蓮はニヤニヤしながら言った

 

「そ、そんないいよ!悪いし!ダッシュで行って来るから、雪蓮もゆっくりで良いからね!急がなくて良いからね!」

 

そういうと優未は普段より大き目の袋を持って教室を飛び出していった

 

「ふふふ、もうばればれよ優未、さて、私はっと」

 

雪蓮も立ち上がり教室から出て行った

 

「はぁはぁ、北郷君は……まだ来てないか」

 

優未は辺りを見回すが一刀の姿が無かったことに安堵した

 

「お、美味しいって言ってくれるかな」

 

優未はお弁当を見つめ大事そうに抱えた

 

「ごめん、待ったかな?」

 

一刀が優未の所まで走ってきた

 

「ううん!大丈夫だよ、えっと……はい!これ」

 

「ありがとう、そう言えば雪蓮は?」

 

「あ、後から来るよ、そ、それと!絶対に雪蓮には私が作ったって言わないでね!」

 

「な、なんで?」

 

「何でも!わかった?絶対だよ!」

 

「あ、ああ、わかったよ」

 

一刀は優未の気迫に思わずうなずいてしまった

 

「あら一刀、もう来てたのね」

 

「あ、雪蓮……っと琳?」

 

「え!?なんで居るのよ!」

 

雪蓮の後ろには琳が弁当を持って立っていた

 

「そこであったから一緒に食べようと思って誘ったのよ」

 

「ええ」

 

琳は当たり前のように頷いた

 

「うぅ~雪蓮はいいけどなんでこいつと……」

 

「まあ良いじゃないかお昼は大勢の方が楽しいよ」

 

「それはそうだけど……」

 

優未は一刀の言ったことに何もいえなくなってしまった

 

「それじゃ頂きます」

 

「あら?一刀今日はお弁当なのね」

 

「え!あ、うんそうなんだ、たまには良いかなって」

 

「ふ~ん、そうなんだ一つ貰っていい?」

 

「ダメー!」

 

「あら?なんで優未が答えるの?」

 

「え?あ、その……ほら!男の子だし!沢山食べないと!」

 

「なら交換しましょ?それなら減ることは無いわよね」

 

「う”……」

 

優未は助けを求めるように一刀を見た

 

「いやほら、味が気に入らないかもしれないからさ今回は遠慮しとこうかな~なんて」

 

「それは残念ね」

 

雪蓮は残念そうにはしていなかったがお弁当の交換を諦めた

 

(ほ……よかった)

 

「あら?なんだかあなたのお弁当と一刀のお弁当同じものが入ってるわね?」

 

今度は琳が二人のお弁当を見比べてニヤついた顔で見ていた

 

「そ、そんな事無いと思うよ~偶然だよ偶然!ね!北郷君!」

 

「あ、ああ、そうだね、こんな偶然もあるんだな~」

 

「ほ、ほら!そんなの良いから雪蓮もあんたも食べちゃおうよ!」

 

「ふふふ、そうね、早いところ食べてしまいましょう」

 

琳は笑いながら優未に同意した

 

(じーーーーーー)

 

優未は一刀が食べるのをじっと見ていた

 

「優未?なに一刀のことじっと見てるの?」

 

「へ!?み、見て無いよ?なに言っちゃってんのよ雪蓮ったら」

 

雪蓮に指摘され慌てて自分のご飯を食べだした優未

 

「ふぅ~ご馳走様」

 

「あら一刀早いわね」

 

「ああ、お腹空いてたからね」

 

「あらそう、そんなに美味しかったの?優未のお弁当」

 

「ああ、とっても美味しかったよ……あ」

 

「あ~~~!」

 

一刀は雪蓮の誘導にまんまと引っかかってしまった

 

「やっぱりね~そうだと思ったわ」

 

「うぅ~」

 

優未は顔を真っ赤にして唸っていた

 

「一刀あなた嘘が下手ね」

 

「は、ははは……」

 

一刀も苦笑いを浮かべながら頭をかいた

 

「さてとそれじゃ一刀、私と優未と華澄で話があるからあなたは戻っても良いわよ」

 

「え?でも……」

 

「うぅ~~~」

 

(北郷君!私を一人にしないで~~~~)

 

優未は一人にしないで目で訴えながら唸っていた

 

「い・い・か・ら、戻りなさい一刀」

 

「はい……」

 

琳の一言で何も言えなくなり素直に返事をした一刀

 

「ふふふ、素直な子は好きよ、それではまた会いましょう一刀」

 

「ありがとう、美味しかったよ」

 

一刀は優未にお礼をいい弁当箱を渡し教室へと戻っていった

 

放課後、疲れきった優未が机に倒れこんでいた

 

「うぅ~酷い目に遭った……」

 

「だからさっきから謝ってるでしょ」

 

一刀がその場から居なくなったことにより雪蓮と琳は優未に迫り根掘り葉掘り聞かれた

 

「私の純潔が!」

 

「どこが純潔よ、人のことをおもちゃにするくせに」

 

「だってそれは雪蓮がからかいがいがあるのがいけないんだよ!」

 

「自分のことを棚にあげてよく言うわ」

 

「えへへ~それほどでも~」

 

「褒めてない!」

 

「なんですと!」

 

「まったく……」

 

「そんなことより!雪蓮は北郷君の事好きじゃないの?」

 

「嫌いじゃないわよ?一刀と居ると楽しいし」

 

「いや、そう言う意味じゃなくて」

 

「他に何があるのよ?」

 

「えーっとだからね?判るでしょそこは、話の流れ的にさ」

 

「わけがわからないわね優未はほら帰るよ」

 

雪蓮は話はこれで終わりと言わんばかりに教室から出て行こうとしていた

 

「あ!待ってよ雪蓮~」

 

それを慌てて追いかける優未、その手には二つの弁当箱が入った手提げ袋が握られていた

 

「も~先に行かないでよ~」

 

「今日は用事があるのよ、だからあまり学校には居残れないの、優未は一刀とイチャイチャしてくれば?」

 

雪蓮は笑いながら優未に答えた

 

「イチャイチャって……それに私も用があるからいいの!」

 

優未は雪蓮に並び歩いた

 

(雪蓮は北郷君の事が好きじゃないのかな?そんな事無いと思うんだけどな……)

 

一人考え込んでる優未に雪蓮がボソっと呟いた

 

「私だって好きよ……」

 

「ん?何か言った?」

 

「なんでもないわよ、ほら行くわよ」

 

「あ~だから置いていかないでよ~」

 

(やっぱり雪蓮とは友達で居たいな、でも北郷君の事については譲るつもりは無いからね)

 

優未は雪蓮を追いかけながら思うのだった

 

葉月「はい!本日のお話は如何だったでしょうか、迷走中の葉月です」

 

優未「ちょっと!なんで貂蝉が出てくるのよ!出さないでって言ったじゃん!」

 

葉月「でも今回はまじめだったでしょ!」

 

優未「あの体付きでシリアスは無理!」

 

葉月「酷いですね~ああ見えても無印の時は恋の相談役だったんですよ」

 

優未「無印は私出てないから知らないし!」

 

葉月「それ言ったら真でも出て無いでしょ」

 

優未「何か言った?」

 

葉月「イイエナニモ、なので斧槍を取り出さないでください」

 

優未「仕方ない……というかなんで卑弥呼様じゃなくて貂蝉だったの?確か卑弥呼様出すとか言ってなかったっけ?」

 

葉月「ああ、それはですね、『恋の事なら私にお任せよ♪』とか半ば脅迫的に言って迫ってきたので……」

 

優未「あ~……なるほど、同情するわ」

 

葉月「グスン」

 

雪蓮「さて、そろそろ私にも話させてもらいましょうか、葉月?」

 

優未「うわ!いつの間に居たのよ雪蓮」

 

雪蓮「そうね~『迷走中の葉月です』からかしら♪」

 

葉月「最初からじゃないですか!……と言いますか雪蓮さん?なぜ南海覇王を持っておいでなのでしょうか?しかも抜き身で」

 

雪蓮「あら?判らないかしら?」

 

葉月「……弁解の余地は?」

 

雪蓮「ないわ♪」

 

葉月「そんな!またラストだからって怒らないでください!」

 

雪蓮「ふふふ♪それだけじゃないわよ、葉月ここ最近更新が遅れ気味じゃない?だからそれもかねてお仕置きを……」

 

優未「なるほど♪そういえば更新遅いね、それにいつまで私の得物は斧槍なのかな?そろそろ名前が欲しいな!」

 

葉月「ふ、二人して!?ここは今回個別シナリオの無い彼に任せるしか!リバースカードオープン!身代わり!」

 

及川「ん?なんやここは?急に真っ暗になった思うたら目の前に剣を持った雪蓮はんが……あの、なんで近づいてくるや?」

 

雪蓮「それはね……葉月の身代わりだからよ♪」

 

及川「なんやて!は、はよう逃げなーっと、うぉ!優未はんもなんやごっつい武器もっとる!」

 

優未「ごめんね~あんたに恨みは無いんだけど~ケジメ?みたいな♪」

 

及川「そのケジメは葉月はんがつけるもんちゃうやろか!?」

 

葉月「諦めなさい及川」

 

及川「あんさんがいうなや~~~~~」

 

雪蓮「あはははは♪逃がさないわよ♪」

 

優未「あ~私の分もとっておいてよ雪蓮♪」

 

葉月「……骨は拾ってあげるから及川……さて!本日はここまでです!ではみなさん、次回をお楽しみに!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

及川「覚えてろよ葉月はん!っ痛て~~~~~~~!?ごっつ痛いわ!ほんまに刺しよった!」

 

雪蓮「ふふふふふ♪まだまだよ♪」

 

優未「何気に早いのね~でも、逃がさないんだから!」

 

琳「楽しそうね私も混ぜなさい!」

 

及川「増えよった~~~~~~~~~~~~~!!??」

 


 
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