内乱鎮圧から幾ばくかの時が流れ、蓮華は都を建業に移した。それからすぐに呉国内は安定し始めた。
しかし安定を前後に諸侯達の争いが起き始め、曹操は袁紹を破った。
そして隣では劉備や呂布が不穏な動きを見せるのであった。
その事に蓮華は軍議を開き、軍議の結果南郡に攻めることにし、出陣するのは亞莎、思春、明命、穏、本陣は蓮華、小蓮、そして一刀も行くことになった。
ちなみに祭はその編成で少し拗ねたが、自分達の家を守って欲しいと蓮華に言われたので、祭は拗ねるのをやめる。
冥琳は蓮華に穏の側に亞莎を付けて、亞莎を鍛えさせて欲しいと頼む。冥琳は亞莎を自分の後継者にしようとしての事であり、蓮華も気にかけておくと言った。その事で蓮華が去った後、一刀が冥琳に尋ねた。
「冥琳」
「どうしたのだ? 北郷。出陣の準備はしないのか?」
「俺が一番簡単なのは知ってるだろ。それと……ちゃんと寝てるか?」
「それが何か?」
「顔が前より白いぞ。それに疲れた顔をしている」
一刀は前に冥琳と雪蓮との墓参りに行く前に廊下であった時、既に冥琳の体の調子が悪そうだとは思っていたが、その悪そうなのが前よりもひどく見えていたのだ。
「ふむ……お前の目までは誤魔化せんか」
冥琳は観念したかのように息をつく。
「寝てないのか……」
「ああ。色々忙しくてな。寝る間が無いんだ」
「忙しいのは分かるけど、寝ろよ。冥琳まで倒れるわけにはいかないだろ」
「分かっているさ。だが、寝る時間さえも惜しいのだよ、今はな」
「何をそんなに……」
「軍を強化せねばならん。収入を増やさなくてはならん。人材を育成せねばならん。
雪蓮が残したこの国を、強国にのし上げるためにも……眠っている暇は無いのさ」
「一人で抱え込もうと思うなよ」
「そんなつもりはないわ。…ほら。北郷も早く出陣準備に向かいなさい」
「……分かった。でも俺達がいない間少しでも良いから眠った方が良いぞ…」
一刀はそう言って、出陣準備に出て行った。
「眠るなら、全てが終わってから眠るわよ……」
ただ一人になった冥琳がぼそりと言った。
一刀が出陣の準備を終えて、出て行こうとした時、あるものが一刀に近づいてきた。
「北郷様」
「どうした?」
一人の兵が一刀に近づいて、持っている荷物を手渡す。
「これを北郷様に届けるようにと言われたのですが……」
「……誰に?」
「袁術の城に残ってた者から、なにやら仮面ライダーと関係しているかもと言う事で送られたのですが……」
どうやらクウガのベルト以外に仮面ライダー関係の物が何かあったらしく、一刀に送られたそうだ。
「それでは私はこれで!」
「お疲れ様」
兵士は一刀に別れの挨拶をかわして、去った。
「さてと……何かな?」
一刀が荷物の入っている箱を空ける。
「これは……!?」
蓮華達遠征軍は南征に出て行き、蓮華は冥琳の言うとおり亞莎に軍の指揮を任せることにした。
敵は蓮華達が来た事により、南方の領主達が城に籠城したのだ。
「籠城か……。となるともらったあれじゃなくて、キバで行くか……。後でキバット呼ばないと……」
一刀が敵の籠る城の周りを見ていると亞莎と穏のところにこっそり行く。二人はどうやら敵を内部から分担させるという策を使おうとしていた。
(何か嫌な策だけど……戦い上仕方ないか……)
「一騎駆けの武者も、それはそれで凄いことだけど。……でもこれからの戦いは、それだけでは務まらないでしょうね」
(………)
「あの~穏様……」
「何?」
「後ろ……」
穏が亞莎に言われて後ろを振り向くと一刀がいじけていた。
「どうせ仮面ライダーはこれからの戦いは務まらないですよ~だ」
「あの一刀様、しっかりしてください…」
亞莎が一刀を慰める。
「あれ? そうなると思春さんや明命は?」
「あの子達はあれで良いの。それと……一刀さんもですよ」
一刀はその言葉で明るさを取り戻した。
「よっしゃ! テンションフォルテッシモ!」
「それは私の台詞です!」
どこからともなくタツロットが飛んで来た。ついでにキバットも来た。
「一刀さん、人の台詞を取らないで下さい」
「悪い悪い、けどお前達を呼ぶ手間が省けたな。これで一気にエンペラーフォームになれるな」
「は~い。それでは……」
「待て待て! まだ変身はしないぞ!」
一刀が慌ててタツロットを止める。
それからしばらくして、亞莎の策が実行され、敵は内通者が居ると思い込み、内部では大混乱が起きた。
「よし! 行くぞ!」
「おう!」
「行きますよーーーーーー! 変身!」
一刀のベルトにキバットが付けて、タツロットが左手につき、一刀は一気に仮面ライダーキバエンペラーフォームに変身した。
「それじゃあ……行くか!」
「キバって行こうぜ!」
キバが城壁を駆け上る。混乱している兵はキバの突然の出現に驚きを隠せない。
「さてと……軽くやるか……」
キバが向かってくる敵を素手でなぎ払う。キバが城壁の敵のなぎ払っている間に呉軍が城内に侵入し、敵の玉座の間を押さえたことにより、生き残った兵は皆降伏した。
「ふぅ~う。ほっと!」
一刀が城壁から飛び降りて着地した後、変身を解く。その先には蓮華達に褒められる亞莎の姿を見た。
(頑張れよな、亞莎)
それから数日後、建業から突然の知らせがやって来た。それは呂布軍が建業に攻めてきたとの事である。
一刀が一人で先にオートバジンに乗って、建業に戻る。
「こいつを使う時が来たかな……」
一刀は片手でハンドルを持ちながら、建業を出る前に手渡された物を見る。
「とにかくは変身だな」
一刀がファイズドライバーを腰に付けて、ファイズフォンに変身コマンドを入力。そしてファイズフォンをドライバーに差し込んでファイズに変身した。
「行くぞーーーーーーー!」
それから翌日になって、一刀は建業に着いた。
「着いたぜ……」
一刀がオートバジンから降りて、呂布軍に近づこうとする。
呂布軍と完全に接触する前に一刀は渡された物にファイズフォンをドライバーから取り外して、その物に差し込んだ。
そう、一刀に渡された物はファイズブラスターと呼ばれるものであった。
「Awakening」
ファイズブラスターが起動し、一刀がファイズブラスターの数字のボタンに変身コマンドを入力する。
「STANDING BY」
その音声により、ファイズの全身は赤色に染まっていく。
仮面ライダーファイズは仮面ライダーファイズブラスターフォームに変身したのだ。
その赤く染まっている体に呂布軍の兵達は怯える。そこに呂布がやってくる。
「お前……強そう……」
「強そうじゃなくて、強いだな」
「……なら、倒す」
呂布が方天画戟を構える。ファイズもファイズブラスターを手に持つ。そしてファイズブラスターにあるコマンドを入力。
その後、ファイズブラスターから刀身が形成され、ファイズブラスターはフォトンブレイカーモードになった。
「はあっ!」
「っ!」
二人はそのまま斬り合う。何合も打ち合い続ける。二人の激しい打ち合いが延々と続く。その二人の間には何者も入ることができない。
二人の激しい戦いが続いてるうちに蓮華達本隊が到着し、城の方でも祭が討って出てきて、呂布軍を攻撃する。
その為呂布軍は挟撃をくらって、敗北。呂布は皆に撤退を命令し、呂布はファイズとの戦いを放棄し、全軍と共に逃げていった。
ファイズは無理に追おうとは思わなかった。
何故なら一刀はかなり疲れていたと言うより、腹が減っていたのだ。
「はぁあ~」
一刀は変身を解く。そこに蓮華が来て、追撃するかどうかを尋ね、一刀は適度にしておくように言い、祭がその追撃部隊に志願して呂布軍を追撃していった。
「とりあえず何とかなったな……」
おまけ
作者「久しぶりの投稿だけどどうだった?」
一刀「ひねりが無いと言うか短いな」
作者「書いてる途中で短いと感じたけど、あまり捻れなかったからね」
一刀「ファイズブラスターフォームも大した活躍してないし…」
作者「うん。まあ許してほしい」
一刀「そう言えば前の映画的作品の事なんだが…」
作者「色々コメントがあったけど、内容と言うより、『長文お疲れ様』ってのが多かったな。
まあ長文で大変だったけど、個人的には内容についてのコメントが欲しかったかな」
一刀「おいおいせがむなよ」
作者「書いた以上内容についての意見が聞きたいんだよ。と言ってその場合はコメントでは無くてショートメールで書いて送ってくれると嬉しいかな」
一刀「無理に送らなくていいからね。それと今日映画を見に行ったそうだけど…」
作者「うん。リリカルなのはとFateの映画な。どっちも面白かったよ。ネタバレ的な事は言えないからこれ以上言えないけどさすがは映画と思ったな。
でも個人的にそれ以上に今日のプリキュアの方がある意味すごかった」
一刀「この作品読んでる人でプリキュアも見てる人っているのか?」
作者「さあな。でもこれだけは言える。今日のプリキュアの話を見て、なんか仮面ライダー(主に昭和)の奴とこの最後らへんの部分だけでもクロスさせて書きたいと思った」
一刀「まじか……」
作者「と言うわけで書く気は満々なので、もし投稿されたら見るかどうかはあなた次第と言うことだ。それでは…」
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基本的には真・恋姫†無双の呉ルートの話ですが、もしも北郷一刀が仮面ライダーの力を手に入れたらという妄想から生まれました。
そして流れも基本的に原作のままですが、仮面ライダーの力があるためセリフや一刀の態度が違うところや話そのものが大きく違うところも出てきたりします。
そのためそんなの嫌だという方は閲覧をご遠慮願います。