真・恋姫無双アナザーストーリー 雪蓮√
今傍に行きます 第6.1話 SideStory 01
【琳と買い物】
「遅いわよ北郷一刀」
不機嫌そうに腕を組み振り向く華澄
振り向くと同時に金髪のクルクル巻きのツインテールが揺れ幼さの残る顔が一刀を睨みつけていた
「ごめんごめん、これでも5分前には着いたと思ったんだけど……」
時計を見ると一刀の言ったとおり約束の時間5分前だった
「はぁ、あなたね男なら約束の時間の最低でも10分前には来るものよ」
「なるほど、ところで華澄さんは何分前に着たんだ?」
「私は15分前よ」
「……」
「なによ」
「いや、10分前でも華澄さんを待たせちゃうなと思って」
「そう思うなら次からはもっと早く来るように心がけなさい」
「わかったよ」
一刀は苦笑いを浮かべながら頷いた
「で、俺はどうすれば良いんだ?」
「そうね、本当なら優未って娘とお茶をしたかったのだけれど、『誰か』さんが邪魔をしたからね」
華澄はそう言うと目を細めて一刀を見た
「あはははは……」
一刀は笑いながらも頬をかいた
「ま、そのことについては終わったことよ、仕方ないから買い物に付き合いなさい」
「と言う事は俺は荷物持ちってことか?」
「ええ、よくわかったわね、さ、ついてらっしゃい」
一刀は華澄の後ろをついて行った
「そう言えば華澄さんはどこに住んでるの?」
「私?私はあそこよ」
一刀は華澄の指を指した方を見る
「え?ビル?」
「そ、私はあそこの最上階に住んでいるわ」
「最上階って……ぇぇぇえええ!?華澄さんの家ってそんなにお金持ちだったの!?」
「あなたね、この前説明されたでしょうに、それにあそこを買い取ったのは自分のお金からよ」
華澄は両手を腰に当て当たり前といわんばかりに言い放った
「ぇぇぇええええ!?じ、自分のお金ってすごく高いんじゃないのあそこ!?」
「あら、対した事無いわよ1億てところだったかしら」
「は、はは……次元が違いすぎるな、と、所で実家は?」
「ん?実家?一応あるけど」
「ならなんで実家から通学しないんだ?」
「実家は学園近くに無いからよ、仕方なくあそこを買い取ったのだから」
「な、なるほど」
「そんなことはどうでもいいのよ、さっさとついてらっしゃい」
「は、はい」
華澄は話は終わりと言わんばかりに踵を返し歩き出した
雪蓮・優未視点
「ぬぬぬぬぬ~あの女~北郷君をどうするつもりよ~」
「ふぁ~そんなことよりどうして私まで付き合わなきゃいけないの?折角の休日なのに」
優未と雪蓮は華澄と一刀が待ち合わせる駅前に来ていた
「雪蓮は心配じゃないの!?北郷君のことが!」
「そんなこと言ったって~眠いものは仕方ないじゃない……それに一刀なら平気よきっと」
雪蓮は眠たそうに目を擦りながらも確信を持って言った
「その自信はどこから来るのよ」
「ん~……勘かな?」
「か、勘ってね」
(雪蓮の勘は当たるって言われたけど……流石にこの状況は信じられないよ~)
優未は雪蓮を見て天を仰いだ
「そんなことより私帰っていい?昨日遅くまで起きてて寝不足なのよ~」
「だめ!あの女から北郷君を守らないと!」
「守らないとって別にとって食べたりしないでしょ……聞いて無いわ」
優未は雪蓮の話をそっちのけで華澄を遠くから睨んでいた
「ん?一刀が来た見たいね」
「本当だ!でも、なんか謝ってるね、時間前に来たのに」
「きっと先に華澄さんが来てたから謝ってるんじゃないの?」
「そんな事言ったってあの女、約束の時間30分前にあそこに居なかった?」
「そんな前から見張ってる私たちもどうかと思うわよ優未」
「う”……い、いいのよそんなことは!……あ!移動するみたいよ、行くわよ雪蓮!」
「う~眠いのに~」
優未はぐずる雪蓮の腕を取り一刀たちを追いかけた
「なんか北郷君叫んでるわね」
「華澄さんはあのビルの最上階を指してたけどあそこってなに?」
「確か、あのビルは高級マンションだったような……」
「ってことは華澄さんはあのビルの最上階に住んでるってこと?すごいお金持ちなのね~」
「そ、そんなことはどうでもいいのよ、ほ、北郷君はそんなことでなびかないんだから!」
優未は冷や汗を流しながらも強気で言い放った
「あら?また歩き出したわね」
「追いかけるよ雪蓮!」
「はいはい、もうこうなったら楽しんだほうが良さそうね♪」
雪蓮は家に帰ることを諦め尾行を楽しみだした
華澄・一刀視点
「ちょ、ちょっとタンマ……」
「あら、どうしたの?」
「ま、前が見えないんだけど……」
一刀の両腕には買い物袋が吊るされ、両手には箱を何個も積み重ね持っていた
「私は平気よ」
「そ、そりゃ華澄さんは荷物持って無いからであって」
「あらなに?あなたは私に荷物を持てと言うの?」
「流石に持てとは言わないけど、ちょ、ちょっと休憩しない?」
「軟弱ね、仕方ないわね、それじゃ少し休憩しましょう」
華澄と一刀は近場に会ったオープンカフェで休憩をとった
「それにしてもこんなに買い物してお金は大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、カード支払いだから」
そういうと一枚のカードを見せた
「へ?ブ、ブラックカード!?」
「あら、そんなにビックリする事かしら?」
「そ、そりゃするよ!始めて見たよ……それがブラックカードかー」
華澄が見せたカードは、一般的に手に入らないカードだった
「見せてもらってもいい?」
「別にかまわないわよ」
「へー……ん!?な、なあ、華澄さん」
「なにかしら?」
「こ、これ、RIN KASUMIって書いてあるんだけど……」
「当たり前よ、私のカードだもの」
「は、はぁ!?だ、だって学生だよ!?」
「そんなに驚くことかしら、パパに頼んだら作ってくれたわよ」
「い、いや、作ってくれって言われて作れるもんじゃないと思うけど」
「それに自分で稼いでいるのだから問題ないでしょ?」
「自分でって……アルバイト?」
「そんなんじゃないわよ、株よ」
「カブ?」
「野菜のカブじゃないわよ、株取引よ」
「へ、へ~そんなのやってるんだ」
一人感心している一刀はブラックカードをじーっと見ていた、すると
『へ!?そ、そんな訳無いじゃん!』
(何かしら、うるさいわね……あれは……ふぅ~ん)
「ん?どうかした?」
「なんでもないわ」
「それにしても株取引って難しいんじゃないのか?」
「あら、結構簡単なものよ」
「いや、そうは思わないけど……すごいんだな華澄は」
「っ!?そ、そんなことは無いわよ」
華澄は北郷の素直な感想と笑顔に頬を染めてしまい顔を背けた
「ん?どうかしたのか?」
「なんでもないわよ!ほら、もう休憩は終わりよ」
「あ、待ってくれよ!華澄!」
華澄は一刀を置いてさっさと一人で歩いていった
(なによ……あの笑顔は反則よ)
雪蓮・優未視点
「ねえ、雪蓮」
「なによ」
二人は店角から顔だけを出し一刀たちの行動を見ていた
「あれってさ」
「言わなくても良いわよ」
「荷物持ちだよね、どう見ても」
「だから言わなくて良いって言ったでしょ」
「だってー、それにしても北郷君に荷物を持たせるなんてなに考えてるのよ!」
「あれは持たせすぎよね」
「あ、なんか話し出したね」
「……どうやらあそこのオープンカフェで休憩するみたいね」
「私たちも行くよ、雪蓮!」
「あ、ちょっと!近づきすぎよ優未!」
「大丈夫だよ!気づかないって!」
優未は一刀たちから一番離れた席について
「いらっしゃいませ、こちらがメニューになります」
席に座ると店員がメニューを持ってやってきた
「私、カフェオレ、雪蓮は?」
「私はー……この抹茶ラテで」
「かしこまりました」
店員はメニューを持って奥へと消えていった
「二人は何はなしてるのかな」
「ここからじゃ聞き取りづらいわね」
「うぅ~もう少し近づきたいよ~」
「だめよ、ただでさえ近づきすぎなんだから」
「お待たせしました、カフェオレと抹茶ラテになります。ご注文は以上でよろしいでしょうか」
「ええ」
「では、ごゆっくりおくつろぎください」
「ん~ぷは~おいしい♪」
「あら、ここのお店結構美味しいわね」
「ね!今度北郷君とこよっかな~♪」
「なによ、あんた一刀のことが好きなの?」
「へ!?そ、そんな訳無いじゃん!」
「ちょ!声でかいわよ優未!」
雪蓮は優未の口を押さえテーブルに押さえつけた
「気づかれたらどうするのよ」
「ふふぃふぁふぇん……(すいません……)」
「まったく……どうやらバレて無いみたいね」
「よかった~……ん?ねえねえ雪蓮、華澄の顔なんか赤くない?」
「え?……確かに。あ、背けた」
「あれって、照れたのかな?」
「……その可能性は高いわね。あ!席を立ったわよ」
「追いかけるよ!雪蓮!」
「あ!待ちなさいよ!……私があんたの分もお金払わないといけないの!?」
華澄・一刀視点
「あ、あの華澄さん?」
「なにかしら?」
「どうして私はここに居るのでしょうか?」
「あなたに選ばせるためよ」
「ま、周りの目が痛いのですが……」
「私は平気よ、あなたも気にしなければいいのよ」
「うぅ~」
華澄と一刀が次に訪れた場所、それはランジェリー売り場だった
「北郷」
「な、なに……っ!?」
「いちいち顔を背けるんじゃないわよ、それよりどっちがいいかしら?」
一刀は華澄がブラジャーを見せるたび顔を茹蛸のように真っ赤にしていた
「ど、どっちも似合ってると思うよ」
「それじゃ意味が無いでしょ、具体的に言いなさい、ほらよく見なさい」
「うぅ~ご、拷問だ……」
「こ、こっちの方が可愛らしいかな?」
一刀が選んだのは水色のブラジャーだった
「疑問系で聞き返すんじゃないわよ……でも、そう、あなたはこういうのが好きなのね」
「え!?いや!華澄さんならそれが似合いそうだと思って!」
「ふふふ♪ほんと、飽きさせないわねあなたは」
「うぅ、も、もういいだろ!早く会計済ませてくれよ」
「まだよ……これなんかどうかしら?」
「ぶは!く、黒!?」
華澄は黒のブラジャーを手に持ち胸に当てて見せてきた
「ふふふ、ほんと面白いわねあなた」
「か、からかうなよ、それに、黒よりさっきの方が俺は可愛らしいと思うけど」
「あら、珍しくまともな意見を言うわね」
「だ、だって華澄さんには大人すぎる気が……」
「なに?私は子供とでも言いたいの?」
華澄の目が鋭く光った
「い、いや!そう言う意味じゃなくて!」
「では、どういう意味なのかしら?」
「そ、その……そっちの方が華澄さんをもっと可愛くしてくれると思うし!」
「そ、そう……な、ならこれにしましょう、ほらいくわよ」
「あ、待ってよ!」
華澄は会計を済ませ下着が入った袋を一刀に持たせた
「ええ!?これも俺が!?」
「当たり前でしょ、荷物もちなんだから」
一刀は諦め袋を持った
雪蓮・優未視点
「な、なんで北郷君とあの女は下着売り場に入ってるのよ!」
「うわ~一刀の顔真っ赤よ、ふふふ、一刀かっわい~♪」
「雪蓮そんな悠長なこと言ってたらダメだよ!」
「あらなんで?」
「な、なんでって……下着売り場だよ?あの女が着る下着を買ってるんだよ?」
「だから?」
「……はぁ~雪蓮~少しは考えようよ~」
「なによ、私だって考えてるわよ」
「いや!考えてない!つまり!きっとあの女は一刀に下着を選ばせるつもりなんだよ!」
「だから?」
「だから!一刀の好みの下着をあいつが着るってことだよ!」
「っ!?」
「やっと理解した?」
「そ、それは不味いわね……」
「うぅ~こうなったら私も北郷君に下着選ばせようかな……」
「優未あんたやっぱ一刀のこと好きなんじゃないの?」
「へ!?な、なんでよ!」
「だって一刀に選んでもらうってそう言うことじゃないの?」
一気に優未の顔は赤くなった
「そ、そうなのかな?」
「そうとしか思えないわよ」
「う……じゃ、じゃあ!さっき雪蓮が言っ『それは不味いわね』って言葉もそういう意味なんじゃないの!?」
「ええ!?そ、そうかな?そんなつもりで言ったんじゃないと思うんだけど……」
「いいや!絶対にそうだよ!そうに決まってる!」
(うぅ~ん……そうなのかしら?私は一刀のことが好きなのかしら?よくわからないわ)
(そうよ!雪蓮は北郷君の事が好きなんだから!好きじゃないとダメなの!)
お互い考えてしまい黙ってしまった
「……あ!いつの間にか二人が居ない!?」
「ええ!?……あ!あっちに居たわよ優未!」
雪蓮は辺りを見回しエスカレータで下っている二人を見つけた
「見失わないうちに追いつかないと!」
「そ、そうね、取りあえず考えるのは後にしましょう、今は一刀の後を追いかけないと」
二人は見失わないように一刀たちを追いかけた
華澄・一刀視点
「さて、だいぶ日も傾いてきたわね」
腕時計を見ると17時を少し過ぎたくらいだった
「今日はそれなりに有意義に過ごせたわ」
「それはよかった、俺は何も出来なかったけどね」
「あら、下着を選んでくれたじゃない」
「っ!?そ、それは言わないでくれ」
一刀は顔を赤くして照れた
「ふふふ♪それと私のことは琳と呼びなさい、同学年なのだから呼び捨てで構わないわよ、判ったわね北郷」
「わかったよ今度っからそう呼ばせてもらう」
「ええ、さて私はこれで帰るのだけれど」
「ああ、今日は楽しかったよ琳」
「……はぁ~」
「?」
「あなたね、女一人で帰らせるつもり?」
「あ!そ、そんなことはないよ!こんな可愛い子を一人で帰らせるわけ無いよ!」
「っ!?あなたさっきから思っていたことだけれど、さらっとよくそんな言葉が言えるわね」
「そんな言葉って?」
「可愛いとかよく普通に言えるわねっと言っているのよ」
「だって、可愛いのに可愛くないなんていうわけ無いだろ?可愛いから可愛いって言ってるだけだよ」
一刀は真顔で言いのけた後、琳に笑いかけた
「っ!?」
(この笑顔も反則的過ぎるわね……この笑顔に何人やられたことやら、いや、すでに学園の殆どの女子は落とされているっか)
「どうかした?」
「なんでもないわ」
「?ならいいけど、それじゃ行こっか琳」
「ええ……でも、ちょっとここで待っていなさい」
「?いいけど」
「直ぐに戻るわ」
そういうと琳は歩き出した
雪蓮・優未視点
「結構な時間になったわね」
雪蓮は腕時計を見て呟いた
「うん、そろそろお開きかな?」
「どうやらそうみたいね、なにか話してるみたいだわ」
「なんか北郷君慌ててない?」
「そうね、なにを言われたのかしら」
「うぅ~ここからじゃ全然聞こえないよ~もっと近づこうよ!」
「だから、ダメっていってるでしょ!」
「ぶぅ~……あれ?なんかあの女呆れてない?」
「ええ……と言うか優未あんたいつまであの女で通すつもりよ」
「あの女で十分よ!北郷君を独り占めしてるあの女は!」
「はぁ……そういう状況になったのはあなたのせいでしょ?優未」
「う……それを言われると反論の余地が……」
「反論もなにもあなたのせいなのよ」
「うぅ~雪蓮が苛める~」
優未はよよよ倒れこみ泣くふりをして見せた
「あ~はいはい、そうね私が苛めた苛めた……そんなことより華澄さんの顔また赤くない?」
夕日のせいもありよく判らなかったが微かに赤くなっているように雪蓮は見えていた
「そんなことって酷い……ん~私には良くわからないな~」
優未は目を細めてみても判断が出来なかった
「あれ?北郷君と別れたね、これで終わりなのかな?」
「どうかしらそれなら一刀も帰ると思うけどあそこに立ったままだし」
雪蓮たちは一刀と琳が別れたのにその場に残っている一刀を不思議に思った
「まだなんかあるのかな?」
「それは私にもわからないわ」
「なら、判るように説明してあげましょうか?」
「「え!?」」
振り返ると後ろに琳が立っていた
「なんであんたがここに居るのよ!」
「あら随分なご挨拶ね、ずっと尾行していたくせに」
琳は屈んでいる二人を見下ろしながら言った
「い、いつから気づいてたのよ!」
「カフェであんな大きな声で叫べば気づくわよ、もっとも北郷は気づいていなかったようだけど」
「あ、あの時ね、やっぱり華澄さんは気づいていたのね」
「ええ私が狙った娘だもの声くらい直ぐにわかったわ」
「う……」
「ふふふ♪可愛いわね、今度私とお茶でもしましょうか?」
「だ、断固拒否します!」
「あら残念、ならまた北郷をさそ「それもダメーーー!」我侭な子ね」
琳は優未を見てやれやれといった感じで見ていた
「さて、そろそろ戻らないとね、あなたたちも付いて来なさい、もうばれてしまったのだから」
「そうね、ほら行くわよ優未」
雪蓮は優未の手をとり琳と一刀が待っている所まで歩いていった
「あれ?雪蓮に優未さん、こんな所でどうしたの?」
「え、あ~その~」
優未が言葉に困っていると
「そこで偶然ばったり遇ったのよ」
「そ、そうなんだよ!雪蓮と買い物してたら偶然にさ!ね!雪蓮!」
「え、ええそうね」
「そうだったんだ、ならどこかですれ違ってたかもね」
「そ、そうだね~」
優未は苦笑いを浮かべながらうなずいた
「あ、そうだ!ねえ雪蓮に優未さんこれから琳を家まで送っていくんだけど一緒に行かない?雪蓮と優未さんも帰り道は危ないからそのあと一緒に帰ろうよ」
「り、琳っていつから呼び捨てに?」
「ふふ、ついさっきよ私がそう呼ぶように言ったのよ」
「……」
「……」
「あ、あの二人ともどうし……ぶは!」
優未の右ストレートが綺麗に鳩尾に決まった
「ど、どうしたの優未さん?」
「な、なんでもな!ほら、さっさと行くよ!」
優未は怒りながらさっさと歩いていってしまった
「??な、なにか俺悪いことしたかな?雪蓮」
「そうね~私も殴りたかったかも♪」
「え?なんで?」
「ふふふ、どんだけ鈍感なのかしらこの男は、これからが楽しそうだわ」
笑いながらもどこか怒っている雪蓮と呆れながらも笑っている琳は一刀を残して歩いていってしまった
「ま、待ってくれ!」
一刀はお腹を押さえながら三人を追いかけていった
(絶対にあの女なんかに渡すもんか!)
(一刀は鈍感すぎるわよ!……ってなんで私怒ってるのかしら……)
(北郷と居ると退屈しないですみそうね……ふふふ♪)
三人はお互い一刀に対して違うことを思っているのだった
葉月「今回は如何だったでしょうか、ページごとに視点を変えて今回は書いてみましたが」
雪蓮「それにしても一刀は相変わらず鈍感ね、鈍感にもほどがあるわ」
優未「そうだよ!人の気も知らないで!そのくせ変なところは気が利くから困るんだよ!」
琳「あら、そこが北郷の良いところではなくて?」
雪蓮「そうね、だけど一刀は渡さないわよ♪」
琳「あら、私も諦めるつもりは無いわよ」
雪蓮「ふふふ♪」
琳「ふふふ」
優未「二人とも目が笑って無いよ!でも、私だって諦めないんだから!」
葉月「ここに四角関係が成立しましたね」
琳「あら、そうさせたのはあなたよね、葉月」
雪蓮「それもそうね」
葉月「ええ!?」
優未「そうだそうだ!どうしてくれるんだ!」
葉月「そう言われましても……私の頭の中にはラストの完結しか出来上がってないので間の話は所謂カオスですよ!」
雪蓮「あら、開き直り?」
葉月「いや、もちろん大まかな流れはありますよ?……そこ!鎌を手に持たないでください!」
琳「あら気づいていたのね残念」
葉月「残念ってなんですか!そして優未さん!斧槍を持たないでください!」
優未「だって行き当たりばったりの葉月を懲らしめようと思って」
葉月「そこ!行き当たりばったり言わない!ちゃんと考えて書いてますから!」
雪蓮「あら、それなら次の個別シナリオはどうなるのかしら?」
葉月「え?個別シナリオですか?今回三人とも出したからいらな……もちろん雪蓮も優未も書かせていただきます!」
雪蓮「よろしい♪」
琳「あら、私のストーリに出てきたくせに個別シナリオがあるなんて不平等ね」
葉月「う……そ、そこはなんとかしてみます、登場シーンが少なくても絶を出さないでくださいね」
琳「状況しだいね」
優未「はいはいはい!私のシナリオの時、あのマッチョ二人出さないでください!」
葉月「……考えておきます」
優未「ああ!その顔!絶対に考慮してくれない顔だ!」
葉月「ちょ!まだどちらかの話にするかも決まって無いのに登場させる人なんてわかるわけ無いじゃないですか!」
優未「むー仕方ないここは一旦引き下がってあげる!で?」
葉月「で?とは?」
優未「私と雪蓮どっちが先なの?」
雪蓮「もちろん、前回は私が最後だったんだから私が次よね♪」
優未「えー!私だよ!」
葉月「か、考えておきます!」
優未「あ!逃げた!待てーーーーー!」
雪蓮「相変わらず逃げるのだけは早いわね」
琳「まあいいわ、さっさと〆てしまいましょう」
雪蓮「それもそうね、それじゃみんなー」
琳「次回で逢いましょう」
雪蓮・琳「またねー」
Tweet |
|
|
122
|
16
|
追加するフォルダを選択
第二段個別シナリオになります
今回は琳と買い物に行く話です
そこに待ち受ける人物とは!?
2010/01/18:誤字修正
2010/01/19:誤字修正