No.117996

~薫る空~56話(拠点:華琳、琥珀)

一刀はフラグクラッシャースキルを発動した。  ▽

華琳とのフラグに500のダメージ  ▽

華琳とのフラグはたおれた。  ▽

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2010-01-11 17:23:41 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:4904   閲覧ユーザー数:3987

 

 

 

                 <キャラ崩壊注意>

 

       今回華琳拠点及び、琥珀拠点にて、キャラ崩壊が発生しています。

       お読みになる際は、そのあたりの覚悟をされた上でお読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

  『拠点:華琳ルート』

 

 

 

 

 

 

 ――あとで私の部屋に来なさい。

 

 俺が戻った後に開かれた宴の最中に、華琳はそう言ってきた。

 華琳から声をかけられた以上、行かないわけにもいかず、というよりむしろ、嬉しさすらあるわけで、俺は少しの期待も持ちながら、華琳の部屋へと向かった。

 ――こんこん。

 俺にとっては当たり前な作法のノックだが、こちらではまだまだ慣れるものではないらしい。少ししてから、思い出したように、一刀ね、と中から華琳の声が聞こえた。 

 

 【一刀】「華琳、入っていいか?」

 

 そう声をかけると、ええ、と扉越し聞こえたので、俺は扉を開けて中に入る。

 後ろ手で扉を閉め、何の用かと声をかけようとして――

 

 【一刀】「まだ呑むんすか……」

 

 部屋の真ん中に置かれた机の上には、酒が置かれていて、宴の席でもかなり華琳は呑んでいたはずなのだが、いかにもまだまだ呑み足りないという雰囲気に少し身を引いてしまった。

 

 【華琳】「今日は気分がいいのよ。付き合いなさい」

 【一刀】「別に俺じゃなくても」

 

 とか言いつつも、俺も素直に華琳の正面に座るわけだが。

 

 【華琳】「あなたがいいのよ」

 【一刀】「…………酔ってる?」

 

 顔が赤くて、眼もなんだか潤んでいるようだった。

 普段の7割り増し以上の色気にどきっとしながら、平常心を保つ心を忘れない。

 

 【華琳】「酒を飲んでいるんだから、当たり前でしょう……?」

 【一刀】「そ、そうだけど……」

 

 かなり酒臭いはずなんだが、それが華琳のものだとおもうと、嫌な気にはならなかった。身を寄せようとしてくる華琳をかわしつつ、俺も酒を口に運ぶ。

 それは華琳が造った酒らしく、驚いたことに、あまり経験のない俺ですら、その酒はうまいと思わさせられた。

 

 【華琳】「……一刀!!」

 【一刀】「は、はい!」

 

 いきなり叫びだすものだから、がたんと立ち上がって、つい敬語になってしまった。

 

 【華琳】「うぅ……」

 【一刀】「あ、あれ、華琳?」

 

 気のせいだろうか、先ほどまでの色気は吹っ飛んでいて、今度はむしろ小動物的なオーラを出していた。

 見上げてくる華琳は、怒っているようだけど、まったく怖くない。

 

 【華琳】「虎牢関ではあれだけ諸葛亮にきをつけろといっていたれしょう!!」

 【一刀】「えと、はい……ごめんなさい」

 

 え、今それを怒りになられたんですか?とはとてもいえない。

 なぜならさっきから華琳の後ろで、ご愛用の鎌が見え隠れしているからだ。

 

 【華琳】「華雄を捕らえあと思っらら、今度はあっさり呂布にやだれれ!!!」

 

 舌、まわってないです。はい。

 

 【華琳】「生きれ帰れといっられしょう!?」

 【一刀】「はい……」

 

 いつの間にか、俺は正座になっていた。

 あれ、華琳て酔うと説教始めるタイプだったかな…。

 というか、最後のは達成できたとおもうんだけど、あれ、気のせいかな。

 

 【華琳】「…………心配していたのは琥珀だけれはないんだから……」

 【一刀】「華琳……」

 

 ついに椅子から降りて、俺の頭を抱えるように、華琳は抱きしめてきた。

 そして――

 

 【華琳】「このっ!!」

 

 ――ばちぃぃんっ!!!

 

 【一刀】「っっっ~~~~!!!!……え、ええ!?」

 【華琳】「一緒に来た二人は誰!!」

 【一刀】「それっすか!?」

 

 未だかつて食らったことのないほどのビンタだった。

 漫画なんかで手のあとが残ったりしているが、あれは現実に基づいていたんだと確認がとれてしまいました。

 もみじ状に顔の半分が熱くて痛い。

 

 【華琳】「ふぅ……ちゅ」

 【一刀】「か、華琳」

 

 と思えば、今度はひっぱたいた所をなでたり、息をかけたり、舌でなめたり。

 

 【一刀】「って、華琳!?さすがにやばいって!」

 【華琳】「むぅ」

 【一刀】「キャラ壊れてるって!覇王様ご乱心ですぞ!?」

 【華琳】「んふふ~~。んくっ」

 

 俺の言葉も虚しく、華琳の口にはさらに酒が注がれる。

 と、そんなときに、この雰囲気をどこかで見たような気がしてきた。

 

 【一刀】「あれ、どこだっけ」

 【華琳】「はむ」

 

 首を噛んでくる華琳を少し放置して、考え込む。

 三十秒ほど沈黙して、自分がニュータイプかと思えるほどのひらめきが走った。

 

 【一刀】「そうか。雪蓮だ……」

 

 薫を連れ戻すために一度だけ行った呉で出逢った王様。

 正直、一番御しにくいタイプだった。

 

 【一刀】「華琳、そろそろ明日もあるし、な?」

 【華琳】「うー」

 

 うーって……

 

 【一刀】「ほら、な、もう休もうぜ」

 【華琳】「わらしといるのはいやらの?」

 【一刀】「うっ……」

 

 どんどん幼児化していく華琳に、理性がふっとびそうだった。

 覇王様だった頃が懐かしい。遠い目になりそうになって、目の前の強敵を見据える。

 【華琳】「…………」

 

 うん、無理。

 

 【一刀】「ていうか、ツンデレ娘のデレにプラスロリ化って反則じゃね?」

 【華琳】「わらしは”おう”だ!!」

 【一刀】「うぉっ」

 

 子供っぽくなっていても華琳は華琳なわけで、あっさりと押し倒されてしまった。

 

 【一刀】「ま、待て華琳。そういうのは勢いでいっちゃだめなんだ。もっとちゃんとしないと、ほら、昔の偉い人も言ってるし」

 【華琳】「据え膳食わぬは男子の恥」

 【一刀】「そそ……って違う!てか、そこだけめちゃくちゃ滑舌いいな、おい」

 

 てか、それって中国発生だっけ。なんてのは取り合えずおいといて。

 

 【一刀】「な、華琳」

 【華琳】「…………いいわ」

 【一刀】「――……へ?」

 

 あれ、雰囲気戻った?

 

 【華琳】「……ふふ。こちらのほうが好みなのでしょう?」

 【一刀】「え、えーと……」

 

 すいません、覇王様ご乱心中でした。

 艶やかに笑い、華琳は俺の胸に手を伸ばしてくる。かなり強引だったさっきと比べると、その勢いはないものの、対処の難易度で言えばはるかにこちらが上だ。

 

 【一刀】「ていうか、華琳」

 【華琳】「……何かしら?」

 【一刀】「酔い、冷めた?」

 【華琳】「………………」

 

 一瞬だまって。

 

 【華琳】「――――……」

 

 赤くなって。

 

 【華琳】「…………わよ」

 【一刀】「うん?」

 【華琳】「冷めたわよ!!もういいわよ!さっさと出て行きなさい、この種馬!!」

 【一刀】「ちょっ、な!ええ!?――うわっ、華琳ばっ……わかったから!!」

 

 突然鎌を振り回す華琳から、逃げるように部屋を出ると、ついには締め出されてしまった。

 

 【一刀】「…………俺の、せい?」

 

 

 

 

 

 

 一刀の気配が扉の前から消えた。

 

 【華琳】「はぁ……」

 

 寝台に倒れこむようにして、ため息がでる。

 今日は普通に酒をかわすだけのつもりだったのに。

 

 【華琳】「そうよ、そもそも一刀が来るのが遅かったからつい呑みすぎて……」

 

 言い終わって、あぁ、と声が漏れる。他人のせいにするなんて、どうやら本当に酔っているようだ。

 

 【華琳】「…………明日は、ちゃんと話さないと……」

 

 どう、ちゃんとするかは自分にもわからないが、少なくとも今日の事は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【一刀】「………………」

 

 ちゃんとしないと……か。

 前は、勢いで流れてしまった分、次はそうならないようになんて、どこかで思っていたのかもしれない。

 別に華琳とそうなるのが嫌というわけではないが、今日は、なんだか違う気がした。

 【一刀】「…………やっぱ、だめだよな」

 

 踵を返す。

 来た道を戻って、華琳の部屋の前まで歩く。

 違う気はするけど、嬉しいことに変わりはない。それは伝えておかなくちゃいけないと思った。

 

 ――こんこん。

 

 【華琳】『――!?』

 【一刀】「……華琳、その」

 

 二回叩くと、部屋の中から、物音がして、足音が扉の前で止まる。

 

 【一刀】「その、ごめん。さっきは」

 【華琳】『……え?』

 【一刀】「いや、なんていうか、拒否ったというか、断ったというか」

 

 扉越しに、さっき思ったことをそのまま伝える。けど――

 

 【華琳】『え、それで……戻ってきたの……?』

 【一刀】「あ、えと、そうじゃなくて……その、お、俺は華琳の事、す、好き……だから、嬉しかった、けど……」

 

 なんて言えば、いいんだろう。自慢じゃないがこんなことはこっちに来るまで一度もなかった。

 こんなことってのは、まぁ、その、女の子とまぁ、こういう事だ。

 

 【華琳】『…………』

 【一刀】「えーっと、だから、その」

 【華琳】『…………ふふ』

 

 言いよどんでいると、華琳の笑い声が、聞こえてきた。

 

 【華琳】「はぁ……そういうことは面と向かって言いなさい。馬鹿」

 

 がちゃりと扉が開いて、華琳が出てきた。

 

 【華琳】「ふふ、それにしても、あなた女のほうが似合いそうね」

 【一刀】「はい!?い、いや、女ってそれじゃ華琳とは――」

 【華琳】「あら、私はかまわないわよ?」

 【一刀】「そうでしたね……」

 

 今更だがものすごい守備範囲なんだよな。美人限定だけど。

 

 【一刀】「そうじゃなくて!だから……」

 

 話を戻すも、やっぱりいい言葉が見つからない。

 

 【華琳】「分かっているわよ」

 【一刀】「え――」

 

 悩んでいた思考を吹っ飛ばしたのは、唇に何かが触れたときだった。

 

 【華琳】「ん…………。安心しなさい、男ならあなたが一番よ、一刀」

 【一刀】「……あ、あぁ」

 

 今度の華琳は、困らせるような子供っぽさでも、たじろいでしまうような色気でもなくて、本当にただ、単純に、可愛かった。

 しかし、こちらから断った手前、これ以上先に行くわけにはいかず、また明日とおやすみを告げて、華琳は部屋へ戻っていった。

 

 【一刀】「……”男なら”か……あんまり安心できないよ、華琳。嬉しいけど」

 

 もし女になったら何番目なんだろう、なんて考えてしまう辺り、染められているなぁと実感する。

 

 

 ――『拠点:華琳ルート』

 

 

 

 

 

 

 

  『拠点:琥珀ルート』

 

 

 

 許昌に戻ってから数日。

 俺はさっそく悩みをかかえていた。

 

 【一刀】「むー……」

 【凪】「隊長?どうかしましたか?」

 

 考え込む俺に声をかけるのは、警邏巡回中の凪だった。

 もどって早々にくらったタックルはしばらく忘れられそうにない。

 

 【一刀】「ん?いや、大したことじゃないんだが……」

 【凪】「それにしては随分とお悩みですね」

 

 伺うようにたずねる凪。悩みの内容が内容だけにどうしたものかと考えるが、答えが出ない以上、この際凪にも頼ってしまったほうが楽かもしれない。

 

 【一刀】「まぁな……凪、相談のってくれるか?」

 【凪】「ぜひ!」

 【一刀】「そ、そうか?」

 

 予想以上の食いつき。というか入れ食い?

 

 部下の警備兵に休憩を与えて、俺と凪も近くの飯店に入った。

 適当に席を探して、凪と向かい合う。

 

 【凪】「それで、何を考えていらしたんですか?」

 【一刀】「――実はな」

 

 いかにもな感じで、話し始める。

 といってもたいした内容ではないだけに、そこまで食いつくとは思えないが。

 

 【凪】「琥珀様に避けられている!?」

 【一刀】「ちょ、声でかい!」

 

 フィッシング!!とか頭の上に出てそうだ。

 

 【凪】「それで、避けられているとはいったい……」

 

 今度は堂々と身を乗り出してひそひそ声。

 

 【一刀】「なんていうか、実例でいうとだな」

 【凪】「はい」

 

 

 

 俺達が許昌へ帰って来たあの時、思わず迎えに来てくれた琥珀を抱きしめてしまったわけだが、しばらく普通に話していたのに、突然顔が赤くなったと思ったら思いっきり体を押されて、投げ飛ばされた。

 それ以外には、廊下ですれ違う時は、あの身軽さを最大限つかって、壁やら屋根やらを歩いて俺をやり過ごしたり。

 飯時にはかならず俺から一番遠い席を選んだり。

 以前からやっていた稽古も最近ではすっかり俺一人の自主練になっていた。

 ひどい時は、軍議で偶然となりに言っただけで緊急回避したあとに戦闘態勢にはいる。

 その後すぐにはっとして剣を直したりするけど、それからもちょくちょく警戒しているのか、ちらちらと見てきたり。

 

 【一刀】「とか、かな。いつも顔真っ赤にして怒るんだ」

 【凪】「ふむ……」

 

 と、真剣に凪は考え始める。

 

 【凪】「何か前後で琥珀様の怒りを買うような覚えはありますか?」

 【一刀】「ん……」

 

 ここ最近の出来事を思い出していくと…

 

 【一刀】「ああ……結構ある……かも……」

 

 とめられていたはずの過去の詮索だったり、洛陽での一件だったり。

 

 【一刀】「いや、でも助けには来てくれたんだよな……」

 

 避けたい相手をわざわざ飛び込んでまで助けてくれるだろうか。

 

 【沙和】「それってもしかして~」

 【一刀】「うぉぉっ!?って、沙和いたのか」

 【沙和】「あ、ひっどいの~、ちゃんと隊長にも挨拶はしたの」

 【一刀】「そ、そうか、ごめんごめん」

 

 っと、驚いてばかりもいられない。

 

 【一刀】「沙和は分かるのか?」

 【沙和】「ん~、たぶんなの」

 

 というわりには案外自信ありげだ。

 

 【一刀】「どうすればいいかな」

 【沙和】「う~ん、こういうのは人によってまったく違うから~……」

 

 だが、やはりそんな沙和でも難しそうな問題らしい。

 

 【沙和】「っ!いいこと思いついたの!」

 【一刀】「お、本当か!?」

  

 うんうん、と頷く沙和。そんな沙和に俺だけでなく、凪までいつも以上に興味津々だった。

 

 

 

 

 

 で、そんな沙和についていくこと数分。城にたどり着いた俺達は、琥珀を除くすべての幹部が揃っていた。

 

 【華琳】「これはどういうこと、一刀」

 【一刀】「え、えーと……」

 

 救いを求めるように沙和に視線を送れば、任せてという風に笑顔をになっていた。

 

 【沙和】「今からたいちょーと琥珀様の関係について、話し合うの!」

 【一刀】「はぁ!?」

 【秋蘭】「ほう」

 【薫】「はぁい、ほんごー君は今朝琥珀ちゃんの袴をめくっていましたー」

 【一刀】「おい!小学生のチクリネタ自重しろ!あと捏造はやめろ!」

 

 さっきまでいい加減にしろよおか、休みなのになんだよとかぶーぶー言っていた連中が急にテンションMAXだ。

 まずい、ここに来て俺以外全員女だってことを忘れてた。

 

 【一刀】「ちょ、華琳これいいのか!?」

 【華琳】「いえ、丁度この位置よ。そう、そこから琥珀がこう……」

 【一刀】「ノリノリ!?……くっ、秋蘭!」

 【桂花】「こいつが琥珀を襲ったんじゃない。それで怯えているとか」

 【秋蘭】「いや、北郷の性格からそれはないと思うぞ」

 【季衣】「んー、わかんないなぁ」

 

 皆さん楽しそうですねー。

 

 【一刀】「あぁぁっ!こうなったら、稟!お前だけが頼り――」

 【稟】「北郷殿と琥珀殿…………」

 【一刀】「だめだ……もう別世界にいってる……」

 

 ちょいちょい、と誰かに服を引っ張られる。

 

 【一刀】「風?」

 【風】「(くいくい)」

 

 と、風は広間の外を指差している。

 

 【琥珀】「………………」

 【一刀】「琥珀……?」

 

 皆は騒ぎに夢中になっているのか、気づかないが、隠れるように琥珀はこちらを覗いていた。

 少し困ったようにしているのは、たぶん騒ぎの内容を知ったんだろう。

 

 【一刀】「琥珀」

 【琥珀】「――ぅぁあ~ぁあああ!!?」

 

 気になったので近づいて話しかけてみたら、案の定距離をとられた。

 

 【一刀】「…………どうかしたのか?」

 【琥珀】「ぁ…………なんでも……ない」

 

 あせった顔から、少し落ち込んだ顔に。

 やっぱり俺が何かしたのだろうか。

 そう思ってしまうほど、最近は琥珀のはれた顔は見ていない。まぁ、琥珀のわらった顔なんて見たことないけど。

 

 【霞】「こ~はく~♪」

 【琥珀】「あだっ……霞か……」

 【霞】「なんや~つれへんなぁ……ってあぁ、そういうことかいな」

 

 俺の顔を見るなり、霞は把握したといわんばかりに琥珀から身を離した。

 

 【一刀】「霞?」

 【霞】「あぁ、ええてええて、うちの事は気にせんといちゃついとき」

 【一刀】「な、おい、霞―「い、いいちゃついてなんか!!!」……え?」

 

 声の方向には琥珀がいた。

 顔を真っ赤にした琥珀がいた。

 三倍で動くあれより真っ赤だ。

 けど、聞こえた声は随分上ずっていて、一度聞いただけではそれが琥珀のものだとは、とてもわからなかった。

 

 【琥珀】「…………ぁ……」

 

 俺と霞の視線を感じたのか、さらに真っ赤になって、今度は――

 

 【琥珀】「あぁ……あ……あ……」

 

 そんな風に声を漏らしながら、琥珀は、

 

 【琥珀】「(―――ぷしゅうううう)」

 

 オーバーヒートした。

 

 【一刀】「な、え、琥珀!?」

 【霞】「へ!?ちょ、これうちのせい!?」

 

 あたふたしながら、俺と霞の二人で琥珀を医務室へつれていく。

 

 【霞】「なんで一刀が下半身もつねん!」

 【一刀】「上半身だってあやういだろ!?」

 

 すっかり悩みなんてわすれて、琥珀をつれていく傍らで、もうひとつの騒ぎには決着がついた。

 

 【沙和】「それじゃ、結論なの!」

 

 広間でさけばれた言葉は、のちに琥珀にとって黒歴史となるであろう、言葉。

 

 ――『琥珀の思春期』の到来であった。

 

 

 

 

 

 

 ――『拠点:琥珀ルート』

 


 
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