いつからかさびしさを覚えた迷い子たちは、いつの間にかふしぎの森へ逃げるように紛れ込んで。そこから抜だすどこか、茨の種をまいて誰の侵入も拒んだ。
迷い子たちは共に意志を頑なにして、一種の結束を固めたのはいいが。あらぬ方へ未来を目指し出したことに、諦めた誰もが気付かなかった。
寂しいさびしいこの想いをどうすればいいの。迷える想いが束になってもさらに虚無感は溢れかえってしまい、あんなに他者を拒んだのにいまごろ誰かの侵入を望む己たちの矛盾にさらに戸惑った。
泣くもの、喚くもの、戸惑うもの、暴れるもの、憤るもの。
その心はすべて寂しさから来て。
誰かを求めて、それでも拒むのは。さびしさの怖さを――他なる誰よりも、迷い子たちが一番にそれを知っているから。
寂しさを紛らわす何かを探していたのに。
孤独を忘れるものを求めていたのに。
何かを、誰かを。見つけて楽しさを覚えるたび。一人になったときの絶望の矛盾に駆られてしまう。
なにも知らなければ良かったのに。
なにかを知ってしまう。
ふしぎの森にどんなにこもっても、いやでも光は射す。
茨が怖くないと、いつかは誰かがやってくる。
光が射すのなら、二度と射さないようにすればいい。そうすれば、喜びも楽しさも訪れはしない。つまりは孤独は訪れず矛盾も生まれない。
迷い子の行為が愚かではないと力や言葉で行使しても。
周りはこの行為が浅はかであると力や言葉で否定する。
矛盾が当たり前なのか。
感情が当たり前なのか。
孤独が当たり前なのか。
迷い子たちは今日も、目的達成のためにふしぎの森に引きこもってる。
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寂しさを覚えた迷子たちが森へとこもり……