No.115913

魔神達の幻想入り 第29話

ポケットモンスターの世界に住むトレーナー達が幻想郷へやってくる不思議な物語。
※今回は大長編ということでよりページが多いです。前編、後編とあわせてどうぞお楽しみください。
※このお話は後編となっています。前編を読まれていない方はまず、第28話を読んでからこちらをお読みください。

2010-01-01 23:32:39 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1078   閲覧ユーザー数:1021

なんてことだ、エビスは暴走するポケモンの犠牲者となってしまったのだ。

悲しむ俺の前に、モニターは2つに分けられた映像へ変わる。その1つは人里、もう1つは守矢神社が映っていた。

親父「シャドー団が幻想郷に攻め込んでいたのか・・・」

魔理沙「ってか、霊夢が大変なことになってるじゃねーか!」

よく見ると霊夢、早苗、神奈子がピンチだ。諏訪子は岩陰に隠れて怯えている状態で、男が探しているもよう。

サイ「! 会長さん!慧音さんやベンケイさんもです!」

ジュウゴロウ「何・・・!?」

人里側の映像にはツボツボに埋め尽くされる慧音と、自分のポケモンに襲われているベンケイが映っていた。

 

酷すぎる・・・

 

一体何がどうなって・・・?

 

と、思っていたその時、天井にスキマが開いて中から声が聞こえた。

「ジュウゴロウさん、聞こえますか!?」

ジュウゴロウ「その声は藍か!どうした!?」

藍「突然暴走を始めた騒動の原因は、河城にとりのいる工房からのアンテナからとなっているんです!それを壊せばポケモンは元の状態に戻せます!」

なんとも都合のいい知らせをスキマから聞き取ることができた。一瞬で逆転するような展開だ。ならばそれを破壊しに幻想郷へ・・・といいたいが、またあの場所まで戻らなければならないのだが、俺はピンッと閃く。

パルキアだ。パルキアの力で幻想郷へ戻るのだ。それのほうがよっぽど早いと考えた俺は、直ちに壁の向こうにいるパルキアを助けることにした。

ジュウゴロウ「魔理沙、映姫、いけるな?」

魔理沙「勿論だぜ!」

映姫「問題ありません」

俺、魔理沙、映姫は壁の前に立ってカードを取り出す。

 

恋符「マスタースパーク」

審判「ラストジャッジメント」

黒雷「ダークスパーク」

 

白と黒の光線に七色の光弾が同時発射。壁は大爆発をした直後に大きな穴が開く。

その奥には、巨大な化け物が苦しんでいた。あれこそが空間の神、パルキアだ。そのでかさに驚く魔理沙は肝を抜かれたような感じでいた。

俺はすぐに助けようとモンスターボールを取り出す・・・といっても黒いモンスターボールだ。これはヘビーボールという特殊なボールで、ポケモンの体重が重たいほど捕まえやすくなるのだ。

早速俺はヘビーボールをパルキアに当ててボールへ吸い込ませた。手に渡った瞬間にパチンッと音が鳴る。

ロウダイ「凄いじゃないですかジュウゴロウ君!まさか伝説のポケモンをゲットするなんて信じられないよ」

それもそうだ、伝説ポケモンは強い。俺は神のポケモンをこの手で手に入れたのだ。

次はシャドー団の壊滅とデオキシスの捕獲。パルキアをボールに出した。

映姫「一体何をするつもりですか?」

ジュウゴロウ「幻想郷へ空間を繋ぐのさ。魔理沙、アンテナの破壊を頼むぞ!」

魔理沙「分かったぜ!」

俺達がそのまま行ってしまえば、ポケモンは皆暴走する。ならば魔理沙がアンテナを破壊してもらうことにする。

パルキアはその力で魔理沙の前に空間を開き、奥にはにとりの工房が映し出された。アンテナも見えている。

魔理沙は「行ってくるぜ!」と一声言いながら箒に乗ると、勢いよく空間の中へ飛び込んだ。

 

 

下っ端(1)「いいぞ。デモンズリベディアがある限り、誰も逆らうことの無い世界が誕生する!!お前達の時代は終わりだ!!」

下っ端(2)「あの、そのことなのですが・・・ポケモン達が急に暴走しなくなりました!」

下っ端(1)「何?どうしたというのだ?」

次の瞬間、外で突如爆発する衝撃が工房の部屋中を揺らした。

下っ端(3)「デモンズリベディアが損傷!何者かに破壊されました!」

下っ端(1)「アンテナを守っている見張りはどうしたというのだ!?」

下っ端(4)「全滅です!破壊を行った犯人は・・・!?そんな馬鹿な!!単独での破壊行為です!!」

外の様子では無残と化したアンテナが魔理沙の前に見せていた。マスタースパークの威力からにしてはやはり一網打尽というのが一番現しやすい言葉だろう。そして守っていた見張りはもう1つのカード、「スターダストヴァリエ」であっという間に全滅。

だがこれで終わったと思ったら大間違いな魔理沙は工房に突入。残っていた下っ端4人の前に立った。

魔理沙「さぁお前等、大人しく降参したらどうだ?」

下っ端(1)「降参だと?ふざけるな!!」

ポケモンを持たない彼等には4人で取り押さえる手段しかない。そのため一斉に迎え撃とうと突撃する下っ端をジャンプで飛び越して背後を捉えた。

魔理沙「これでもくらいな!」

箒の先からマジックミサイルを発射。直後に命中してバタンと倒れるという西部劇のワンシーンを披露してくれた。

その様子を向こうで見ていた俺達は出撃準備に気を引き締める。

ジュウゴロウ「ここからはそれぞれに分かれよう。映姫はあの世へ行ったジャミラの処分を。サイとロウダイは人里のシャドー団を撃退してくれ」

映姫「ええ、」

サイ「はい!」

ロウダイ「了解・・・」

ジュウゴロウ「親父は守矢神社にいるシャドー団を撃退してくれ」

親父「・・・お前1人だけでいいのか・・・?」

ジュウゴロウ「心配ないさ・・・。さて、そうと決まれば行動開始だ!いくぞ!」

一斉に空間へ飛び込んだ。パルキアもそれを追うように空間を自分の大きさまで広げて入っていく。

ベンケイ「ぬぅ・・・」

手も足も出ない・・・このままでは我輩は何もできずに・・・

ウシワカ「自分のポケモンにやられるのも悪いとは思わんだろ?このまま苦しみながら俺達の糧に・・・ん!?」

突然ポケモン達の動きが止まり、みんな沈静となってしまった。ウシワカはまさかの顔で空を見上げたその直後、

ロウダイ「お久しぶりですねぇ、シャドー団の皆さん」

ウシワカ「! 貴様・・・!」

見覚えのある顔で睨む。サイとロウダイが駆けつけたのだ。

サイ「シャドー団を引き入らせていた首領は会長さんが倒させていただきました。今すぐダークポケモンを置いてこの世界から立ち退いてください・・・!」

暴走していたベンケイのポケモンは元に戻り、ハリテヤマ以外は主のボールへ戻る。

サイ「ロウダイさん、僕とベンケイさんはシャドー団の下っ端を全員倒します」

ロウダイ「いいでしょう」

サイはベンケイとハリテヤマと共に下っ端へ走り出す。弱まっていたアドと、ボールから出てきたボスゴドラはサイに力を貸すように横に並びながら走る。

ロウダイ「さて・・・今度は僕たちの反撃と行きましょうか」

ウシワカ「くっ・・・!」

慌ててグレイシアに指示しようとするウシワカ。その冷静はすでに消え、トランプで立てたピラミッドのように焦りが彼の顔に表れていた。

ロウダイ「ザングース、インファイト」

ボールから飛び出てきた猫鼬ポケモン、ザングースは超高速でグレイシアを襲う。

サイ「ソーラービーム!!」

ベンケイ「破壊光線!!」

一方の2人も脅威のダブル光線で下っ端のポケモンを一撃で倒す。下っ端側から見たらもはや唖然でいるしかない。

ツボツボに埋めつけられている慧音もアドの振り回す槍で吹っ飛ばされ、その苦しみからようやく解放される一方のウシワカは圧倒的な強さを見せるザングースに押され、最後はスナッチボールによってグレイシアをスナッチ。ここまでかと地面に足をついた。

 

テラー「お嬢ちゃんは何処てしょうかな?」

諏訪子は岩陰から離れたくない気でいた。しかしあまりにも震えが強いのか、被っている帽子が岩の外へ落ちる。それを見たテラーは・・・

テラー「そこにいるのですか・・・。さぁでてきなさい、私は君を虐めたりはしないよ」

これが恐怖に満ちた彼の正体だろう。テラーは少しずつ岩へ近づいていく。と、その時

親父「私が相手だシャドー団!!ダークストーム!!」

親父がリザードンの背中に乗って駆けつけてきた。リザードンを繰り出して翼を羽ばたかせると、黒い風が暴走から解放されたポケモンを皆一瞬で巻き込ませた。

テラー「馬鹿な・・・ポケモンが言うことを聞いているだと・・・!?」

確かに指示するということはおかしいことである。だが肝心なアンテナが破壊されたことに気づいたのはその直後だった。

テラー「おのれ・・・まだ仲間がいたというのか!」

親父「この世界にいる者はみな、お前達よりも団結をしている。それは何故かを、私の息子は教えてくれたのだ!」

竜巻が止み、シャドー団のポケモンは地面に落ちたときには殆ど倒れていた。キノガッサはまだ戦えるが相当なダメージを受けている。

親父「シャドー団、敗れたりだ!!」

テラー「くっ・・・!」

リザードンもテラーを睨んだ。敵わないと思っていた彼はキノガッサをボールに戻して降伏する。

やはり幹部と首領だと大きな差があるのか、あまり強くはない敵だったと思うと、落ちていた帽子を拾い、岩陰にいる諏訪子に近寄った。

親父「もう大丈夫だ。さぁ、おいで」

そこに映っているのは親父の優しい顔だ。本当は悪い奴じゃないからそんな顔になれるのだろう。それを見た諏訪子も一安心となって帽子を受け取り、解放された霊夢達へ走って早苗に抱きついた。早苗も諏訪子も涙を流している。心配で心配でいた2人を親父は見届けている中で神奈子が眠りから覚める。今まで何が起きていたかは分からないままだったが、親父はそのことを説明した直後にテラーの胸倉を掴み、「よくも早苗達を虐めてくれたな」と怒りながらテラーをぶん殴る。

一方の霊夢も今まで寝ていた萃香を揺すり起こしているとようやく目覚める。

霊夢「やっと起きた・・・私達はすごくピンチだったのによく寝ていられたわね」

萃香「そうだったの?ってか、敵は?」

親父「私がやっつけておいた。もう心配はない」

そう言い残すと親父はリザードンと共にこの場から立ち去ろうとした。

霊夢「ちょっと、できて何者かも言わずに去るなんてどうも怪しく見えるわ。名前を言いなさいよ」

親父「・・・ジュウゴロウの父親さ。じゃあな」

霊夢と萃香は「えっ?」というような顔で唖然としていた。そりゃ俺に親がいるとなると驚くのも過言ではないだろう。親父は鳥居をくぐって場を後にした。

 

 

人里のシャドー団も壊滅させたその後、サイのポケギアがなる。

親父『守矢神社のシャドー団も撃退した。私のダークポケモンじゃ幹部のテラーも非常な恐怖に溺れてお手上げだとな』

サイ「そうですか・・・ロウダイさん、シャドー団は壊滅しました!」

ロウダイ「そうか・・・あとはジュウゴロウ君だね」

サイ「けど・・・エビスさんが犠牲者になったのは悲しいです。会長さんはそこへ行くんですからきっと・・・」

ロウダイ「彼は泣かないよ」

サイ「えっ?泣かない・・・?」

ロウダイ「そう。彼がもし≪私と同じ≫だったらね・・・」

 

 

そして最後の舞台、永遠亭。

エビスとバルトのポケモンも咆哮をやめて元に戻った。

永琳「・・・静まり返ったみたいね。けど・・・」

永琳はその先で泣いている妹紅を見ていた。エビスは未だに倒れてままでいる。

妹紅「馬鹿野郎・・・」

妹紅がそういったその直後、俺が空間から飛び出てきた。

永琳「ジュウゴロウ君!」

その名を聞いた皆が顔を振り向いた。俺はエビスは何処にいるかと聞くと、その方向に指をさした。血の量が酷い。

ジュウゴロウ「そこのお前、ちょっとどいてくれ。こいつはまだ助かるかもしれん」

妹紅「助かる・・・?」

俺の顔を見て言った。見慣れない少女だが、俺は「そうだ」と頷く。

エビスはおそらくこう言いたいのだろう。「ワテも会長はんみたいに最後まで信じぬく男になりたいからや・・・」と・・・

ジュウゴロウ「俺はこいつを助けなければならない。それを守るのが俺、大魔神会長のキバシ ジュウゴロウだからな」

妹紅「! まさかあんたが・・・」

俺を知っているみたいだ。話によれば、サイからその話をしてもらった中で俺のことを知ったとのことだ。

少女は言うとおりにどいてもらい、俺は彼の脈を計ろうと右手首に指を押した。ところが、

ジュウゴロウ「あれ?脈が正常だぞ?」

妹紅「えっ?」

俺はもう一度確認してみるが、やはり正常だ。すると・・・

エビス「イタタタタ・・・ワテはどうなったんや・・・」

一同「!!??」

なんとエビスが起き上がった。信じられない!死に掛けだったのに何故生きているんだ!?

ジュウゴロウ「エビス、お前・・・生きてるのか?」

エビス「はい?・・・あっ、これ生きてますわ」

そんなバハm・・・じゃなくて、そんな馬鹿な!

ジュウゴロウ「お前は不死身か!?ガブリアスから急所を確実に受けたんだぞ!?」

永琳「ちょっと待って!」

その時永琳がエビスに話しかける。

永琳「貴方、確かあの化け物の攻撃を受けて地面に倒れた直後で口に何か入ったりはしなかったかしら?」

エビス「口に?・・・あ!そういえばあの時、口になんか薬が入って飲みこんじまったんや!」

ジュウゴロウ「薬?」

永琳「なるほどね・・・貴方が飲んだのは蓬菜の薬といって、不老不死の秘薬よ」

エビス「え?それじゃあ・・・」

永琳「貴方は不老不死になっちゃったわけ。この薬は傷も自然に治るのよ」

話を具体的にまとめると、デオキシスの攻撃により永琳が吹き飛ばされたその瞬間、蓬菜の薬が1錠飛んで偶然にも、エビスの口に入ったのである。

っていうか凄すぎだろこの薬!不老不死の秘薬と言ったら、誰も憧れる伝説の薬。なんだか俺も飲みたくなった。

ジュウゴロウ「俺にも飲ませてくれるか!?」

永琳「いいわよ」

即答で許可を貰った。が・・・

永琳「私の実験台になってくれたらね・・・」

条件付の取引だった。生きてるのかが心配だ・・・

・・・と、思っていたその時、俺の背筋が震えるほどの殺気が走り出す。デオキシスがシールドを解除して襲ってきたのだ。当初の目的をすっかり忘れていた俺は油断をしてしまい、アタックフォルムに変身したデオキシスの触手に突き刺されそうになる。次の瞬間に触手は何故か1メートル左へズレたのか攻撃が外れたのである。他の皆も避けていたので誰も当たらずに済んだが、デオキシスがわざと外すほどダメージはあったのかと気になった。すると、

「ジュウゴロウ様、怪我はありませんか?」

右横にいたのは咲夜だった。どうやら時間を止めて俺を助けてくれたようだが、何故彼女がここにいるのか?それが一番の疑問に浮かんだ。

と言っても、デオキシスは攻撃をやめない。隙を見せたらそこで終わりな状況の中で先に出たのは咲夜。そして次ぎにガブリアスと少女が咲夜のあとを加勢する。

そう言えばバルトの姿が見当たらない。映像ではいたんだが・・・

永琳「鈴仙が中へ避難させているわ。さぁ、止めるわよ!」

ジュウゴロウ「おっしゃあっ!!」

今こそ力を合わせる時!新しい力を今ここで見せてやる!

ジュウゴロウ「行くんだ!!オーダイル!エネコロロ!」

俺はスナッチしたダークポケモンで応戦を行う。この数相手なら離れたほうがマシだと後ろに下がるデオキシスだが、ガブリアス以外のポケモンが外へ逃がさないようにバリケードを張っている。その為、デオキシス側は一番安全なところへ移動しては触手を伸ばして反撃をする。

そうするのならば、俺にも手がある。エネコロロにダークホールドを命じると、デオキシスの周りに黒いリングが出現して勢いよく締め付けられた。

ジュウゴロウ「今だ!!コアを狙い打て!!」

皆は一斉に止めの一撃を畳み掛けた。咲夜はナイフ、ガブリアスは龍の波動、少女は炎の弾幕、永琳は矢を放ち、最後に俺はオーダイルにダークブレイクを命じる。

この状態ではフォルムチェンジも回避もできないままに攻撃がコアを貫く。

妹紅「今度こそやったか!?」

永琳「いや、まだよ・・・」

デオキシスはまたあのシールドに閉じこもった。

妹紅「くそっ!これじゃあまた回復されちまって振り出しじゃないかよ!!」

そうやって腹を立てる妹紅だが、俺は鼻で笑った。

ジュウゴロウ「俺はあいつの倒し方を知っている」

エビス「・・・何やて?」

ジュウゴロウ「だから、俺はあいつを倒せる方法を知ってるんだよ」

一同は驚く。

ジュウゴロウ「咲夜、確かお前は時間を操れるんだよな?」

咲夜「はい、確かに」

ジュウゴロウ「ならばあいつを最短距離で近づけ。時間を止めてな」

なんだかよく分からなかった咲夜だが、言うとおりに時間を止めてシールドの前に移動。次の瞬間にシールドは瞬間移動で別の場所へ離れてしまう。

ジュウゴロウ「まだだ!追い続けろ!」

もう一回時間を止めて移動、そして瞬間移動しては時間を止めて移動して・・・と繰り返していく。

妹紅「おいおい、こんなんで大丈夫なんか!?」

ジュウゴロウ「いや、チェックメイトだ。エビスも永琳もシールドをよく見てみろ」

3人は言うとおりにシールドを見た。そこに見えていたのは、今まで黒かったシールドが赤くなっているのだ。

エビス「会長はん、これはいったい・・・?」

ジュウゴロウ「ようは人間の息と同じ要素だ。動き続ければエネルギーが消費され、限界に近くなると赤くなる。その時がシールドが弱まるチャンスというわけさ。咲夜、俺の前まで誘い込め!」

咲夜「はい!」

今いる場所と予想できる移動先を考えもちながらシールドに近づいたところ、見事に俺の前へ近づいた。

ジュウゴロウ「今だオーダイル!!ダークリムーブ!!」

口から紫色の液体が発射。シールドに付着した瞬間になんと解けてしまい、デオキシスはとうとう隙を見せてしまった。

止めに俺は『M』と書かれた紫色のモンスターボールを取り出してデオキシスへ投げる。デオキシスはボールに吸い込まれ、俺の手に渡った直後にパチンと音がなる。

咲夜「・・・封印した?」

咲夜の他、妹紅と永琳も何が起きたのかを己の目で見た。俺はボールをしまうと同時にエビスが大喜びで駆けつける。

エビス「やりましたで会長はん!マスターボールならどんなポケモンもイチコロやでな!」

ジュウゴロウ「昔から持っていたボールだから残ってて良かったぜ。・・・お前達は喜ばないのか?戦いに勝ったんだぞ?」

その瞬間に喜びが広がった。そうとなれば中にいる奴等にも知らせようと、俺はすぐに門の中へ入る。するとそこには鈴仙の姿が見えていた。

鈴仙「ジュウゴロウ・・・あの化け物は?」

暗そうな声で問いかける。

ジュウゴロウ「俺がやっつけた。幻想郷の平和は守られたさ」

俺は笑って答える。と、次の瞬間に鈴仙はいきなり俺に抱きつく。慌てた俺だが払い除けようとする手を止め、そのまま彼女を見つめた。

 

泣いている。

 

鈴仙はその恐怖が体にたくさん取り付いてるせいで泣いているのだ。

ジュウゴロウ「・・・元はといえば、お前のおかげで勝てたからな」

鈴仙「・・・?」

涙を流しながら俺の顔を見る。

ジュウゴロウ「あの時感じた。ドクンと来る熱い鼓動が・・・助けてと誰かを呼んでるように感じたんだ・・・だから俺は、彼女を守ろうと思って、戦った・・・」

鈴仙「・・・ジュウゴロウ・・・」

泣き止んだ鈴仙は俺に向かって言う。

鈴仙「・・・ありがとう・・・」

俺は少しだけ照れてしまった。女からこんな暖かい感謝を受けるのは初めてだと俺は感じながら、その礼として鈴仙を抱きしめる。

このまま夕日が沈むまで・・・

第28話と第29話でした。

大長編でお送りしまたがいかがでしたでしょうか?最後はうまくハッピーエンドになれた・・・かと思いますが、まだまだジュウゴロウの物語は続きます。

そして何よりも言わなければならないのは・・・

 

うどんげのファンの皆様。申し訳ありませんorz

 

まさかの恋愛シーンを入れてしまいました。けどこれもジュウゴロウの成長の一環ということで、先でも期待ができるかもしれません。

どうぞ皆さん、これからも見守っていただくよう、応援をお願いします。

 

 

そして皆さん、2010年もよろしくお願いします!!


 
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