なぜか息子が憤慨している。訳を訊ねると、駐車場に停めてある自分のバイクに『バイクを４万円で売りませんか』というメモ書きが挟んであったという。息子は バイクの不具合を金と手間隙をかけて修理しながら、大切に乗っていた愛車が たったの４万円と値ぶみされたことに怒っていたのだ。連絡先は0120で始まる電話番号だから業者と思われる。　この辺りは 駐車場の車のワイパーにチラシやメモ書きが挟まっている事も多い。ゴミが増えるだけで 別に被害はないが、不特定多数の他人が敷地内に出入りしている事実は気分が悪い。調べてみると、建造物侵入罪（刑法130条）が検討されるようだ。建造物侵入罪は「人の住居、人の看守する邸宅・建造物・艦船」に無断で立ち入る事だ。「建造物」には囲繞地（いにょうち）も含まれる。この囲繞地とは、建物に接してその周辺に存在する付属地であり、管理者が門塀などを設置することにより、建物の附属地として建物利用のために供されるものであることが明らかなものをいう。建造物侵入罪は、正当な理由なく人の住居や建造物などに侵入する犯罪のことで（刑法第130条前段）、いわゆる「不法侵入」を取り締まる法律だ。建造物侵入罪は「他人の管理する建物内に侵入してやろう」という明確な侵入の意識をもつときだけに成立するわけではなく、痴漢目的で駅構内をうろついたり、ストーカーをするために被害者が居住しているマンションの敷地内に立ち入ったりしたときにも、迷惑防止条例違反やストーカー規制法違反とは別に建造物侵入罪に問われる可能性がある。　アパート等は許諾権者（住居権者・管理権者）の意思・推定的意思に反する立ち入りは、すべて建造物侵入罪の実行行為であり、「侵入」に該当すると扱われる。したがって、『大屋さんに無許可で、バイクに書き置きを残していった行為は重要な建造物進入の証拠になる』のだ。　建造物侵入罪の法定刑は、「3年以下の懲役刑または10万円以下の罰金刑」だ（刑法第130条）。　このことを先方に伝えて、ちょっと脅してやろう。建造物進入罪を４万円で示談にしようと思い電話してみた。しかし、もう３回も電話しているが 誰もでない。　もしかすると 今流行りの高額バイトの下見か？