No.115148

真・恋姫✝無双 仙人で御遣い 序章

虎子さん

はじめまして
突発的に書いてしまいました。
しかも、オリ主人公で
後悔はしています。でも、反省はしていません!
初めての作品です。皆様よろしくお願いいたします。

2009-12-29 14:40:20 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10586   閲覧ユーザー数:8253

 

漢王朝、それは高祖劉邦が開き光武帝劉秀が復興させた約400年長きに渡り栄えてきた国。しかし今、その漢も末期。官の専横、民への重税、賊の横行により国は疲弊し衰退の一途を辿っていた。

そんな中、ある占い師の占いが噂となって国中に広まっていた。

 

〈世が乱れし時、天より流星と共に天の御遣いが舞い降りる。

遣わされし者、白き獣と己が武を以て民が敵を討つ。

遣わされし者、黒き衣を纏い己が智を以て民を導く〉

 

官は言う、世は乱れてなどおらんと

民は言う、今こそ御遣い到来の時と

 

その様子を見て管路は後ろにある影に呟いた。

「今回は北郷一刀ではないようだな。・・・そうか、陳の小僧の秘蔵っ子とな?さてさて、いったいどのような者やら・・・楽しみにしておこう」

 

新たなる外史の物語がここに始まりを迎えようとしていた

 

 

 

~日本 富士の樹海~

一人の異様な青年が肩に白き子虎を乗せ森の中をさ迷っていた。

何が異様かといえば、まず服装。森を歩くにも関わらず、鼠色の着物を着用し、その上から黒光りするロングコートを纏っている。

つづいて荷物。森を歩くにしては荷物が小さすぎる。右肩にリュックを背負っているが、容量は2ℓペットボトルが2本入れれば一杯になってしまう程度の大きさ。

さらにつづいて背にあるもの。全長2mを超える野太刀を背負っている。その刀の身幅は30㎝を超え重さも50㎏はあり、もはや刀と呼べる代物では無い。

最後に極めつけは

「なあ朔夜(サクヤ)。いったいいつになったら仙人の祠とやらに着くんだ?」

「あたしが知るわけがないでしょ」

青年の問いに肩に乗る子虎、朔夜が喋るのだ。

「あの爺は何考えてんだよ、ったく」

「うるさいですよ、豪臣(ヒデミ)。あたしは寝るから黙って歩いて下さい」

「ったく、冷てえなぁ」

朔夜に冷たくあしらわれた豪臣と呼ばれた青年は、溜息をつき、今こうしている理由、もとい原因である陳(チン)老人とのやり取りを思い出す。

 

【回想・始】

~2週間前の夕食の時間 陳老人宅~

「なあヒデ。お前の実力はもうわしを越えておる。そこでじゃ、お前、ちょっと富士の樹海にある祠に行って来い」

白髪短髪の老人、陳は笑顔でそう切り出した。

「・・・はぁ?何言ってんだ老師?」

(樹海?んな莫迦な)

豪臣は呆れた表情のまま聞くと、陳老人は話を進めていく。

「あそこの森ん中にな、仙人の祠っつうのがある。その祠に行って、祀ってある鏡に触れて来い」

(嫌だ、なんて言っても無駄なんだろうなあ)

と思いながら聞く。

「・・・何のために?」

「簡単に言えば卒業試験じゃ」

「卒業試験?」

「そうじゃ。さっきも言った通り、力の上では、お前はわしを越えておる。が、未だ仙人にはなっとらん。言わば仙人見習いじゃ。それは何故か?」

「・・・なんでだ?」

豪臣は表情を変えず聞く

「それは、未だ試練を受けておらんからじゃ」

「試練?」

豪臣は初めて聞かされるそれに眉を顰める。

「ヒデ、驚くな、とは言わんが表情に出し過ぎるな」

「ああ、すまん。で?その祠の鏡に触れる、ってのが試練なのか?」

陳老人は頷いてつづける。

「うむ。少し違うの。触れれば試練を受ける資格が有るか否かが分かる、ということじゃ」

「触ってどうなったら資格があるんだ?」

「言ったら楽しみが無くなるじゃろ?自分で確かめて来い。ちなみに明日の朝には出ろよ」

そう言って、陳老人は箸を置き席を立つ。

「ってオイ!明日ってなんだよ!」

「ん?準備してさっさと寝ろよ。後、場所は忘れてしもうた。流石に400年以上前のことでな。詳細なことは覚えておらんから自力で探せ。行くときは一声掛けてから行きな」

そう言って陳老人は食堂を出て行ってしまった。

「ちょっ・・・」

豪臣が引き留めようとすると

「ああ、そうじゃった」

陳老人が顔だけ見せ

「一応武器は持っていけ。あそこは何が出るか分からんからの。お休み~」

そう言って、今度こそ行ってしまった。

「おいおいマジかよ。朔夜、俺はどうすりゃいい?」

テーブルの下で猫飯を喰っていた朔夜に聞いてみた。

「行きたきゃ行けばいいでしょ。あたしはあんたについて行くだけですから」

「・・・・・・」

豪臣は脱力感で一杯になった。

【回想・終】

 

~日本 富士の樹海~

意識を今に戻し、豪臣は本日何回目かの溜息をつく。

(あれから樹海をさ迷うこと2週間。ホントにあんのかよ、その祠は)

豪臣はほとんど諦めかけていた。そんな時、目の前が開けた場所に出る。

「・・・あれか」

豪臣の視線の先に小さな祠らしき物かあった。

豪臣は身体に気を巡らせ周囲を警戒する。

「朔夜、起きろ。着いたみたいだ」

「んん?・・・・・・ああ、あれですか」

「たぶんな」

そう言いながらも周囲への警戒は解かない。

何故なら、陳老人がわざわざ武器を持って行け、と言ったのだ。にも拘らず、未だに何者とも遭遇していない。ならば、祠を発見した時、又は鏡に触る時が武器が必要になる可能性が高い、そう考えたからだ。

そんなこんなしていたら、祠の前に辿り着いてしまった。

(何も起きないのか?)

豪臣は訝しがりながらも手を伸ばす。

そして

「・・・触るぞ」

「さっさとして下さい。こんなことで一々緊張する玉じゃないでしょう?」

「うるせえ」

そう言って鏡に掌を触れさせ、次の瞬間

「「・・・な!!」」

全てが白に染まった。

 

 

~幽州涿郡~

三人の少女が空を見ていた。

「ああ!あれ見て愛紗(アイシャ)ちゃん!」

「む!日の高い内から流星が!」

「鈴々(リンリン)知ってるのだ!天の御遣いが、流星と一緒にやって来るって邑の人が言ってた!」

鈴々という小柄な少女に言われ、二人はハッとなる。

「桃香(トウカ)様。いかがいたしましょう?」

「天の御遣い様なら、きっと私たちと同じ考えだろうしね。一緒に頑張りたいな~」

「はい、きっと桃香様のお考えに賛同して頂けるでしょう」

流星が落ちていった方を見つめる桃香に愛紗が同意する。

「そうだよね!きっと仲間になれるよね!よ~し、頑張るぞ~!」

「おー!なのだ!」

「はい!」

 

~兗州陳留~

二人の少女が政務室で、山積みされた大量の政務に追われていた。そんな時

・・・ドドドドドド!・・・バン!!

と急に扉が開き、慌てて入って来たのは黒髪長髪の少女。

「あら春蘭(シュンラン)。どうしたのかしら?」

「はい華琳(カリン)様!たった今、北の方に流星が落ちて行くのが見えました!」

春蘭と呼ばれた少女は嬉しそうに答える。

「・・・・・・」

華琳と呼ばれた少女は無言。

「・・・?秋蘭(シュウラン)、どうしたのだ?」

「・・・姉者」

春蘭は訳が分からず双子の妹である秋蘭に尋ねる。

秋蘭は、小さく溜息をつく。

「・・・姉者、机の上を見てみろ。これだけ雑務が溜まっているといるのだ。流星などに構っていられる程の暇が「春蘭」・・・華琳様?」

秋蘭の言葉を、途中で華琳が遮る。

「?はい、何でしょう?華琳様」

「星はどのあたりに落ちたのかしら?」

「??詳しくは分かりません。ただ、州内では無いと思われます」

春蘭が訳も分からずにそう言うと、華琳は少し残念そうに

「そう・・・なら仕方ないわね」

 

~荊州長沙~

二人の女性が空を、北の方を見ていた。

「見ましたか祭(サイ)?」

「見ましたぞ青蓮(ショウレン)殿。御遣い・・・というやつだったか?」

祭と呼ばれた女性が青蓮と呼んだ女性に聞く。

「ええ、いったいどんな方かしら。今すぐにでも会いに行きたいわ」

青蓮は笑みを深めた。

それを見て嫌な予感がした祭は釘をさす。

「青蓮、行かんで下されよ」

「あら、今すぐなんて行かないわよ」

「・・・今すぐでなければ行くつもりであると?」

祭が呆れて聞くと

「さあ?行く前に会えたら行かないわよ」

「・・・・・・」

祭は天を仰いだ。

 

~陳老人宅~

「今、行ったわよぉぉおん」

煙管を吹かしていた陳老人の後ろから声を掛ける大男。

「そうか、行ったか。・・・どうなると思う、貂蝉(チョウセン)?」

「そうねぇ~。うまくやってくれるんじゃないかしら。なにしろ陳ちゃんの愛弟子だしねぇ」

貂蝉と呼ばれた大男は、腰を捻りながら笑顔で答える。

「ほっほっほ、そうかそうか。・・・お前がどう成長するか楽しみにしておるぞ、莫迦弟子」

 

 

今、新たなる外史の物語がここに始まりを迎えた

 

 

あとがき

 

皆様はじめまして。虎子です。

どうしても出してみたいキャラクターがおりまして、衝動的に書いてしまいました。

お見苦しい文章ですが、読んでいただけたら幸いです。

 

先に記した通り、出したいオリキャラが居るのですが、別にメインヒロインにしようと思っている訳でもなく、ただただ出したいだけなんです。

どのルートでいくのか、ヒロインは誰なのか、全く決まっていません(考えて無いわけではないのですよ?)。

しかし、頑張って書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

文章中に誤字脱字等ありましたら、コメントにガンガン書いてやって下さい。

 

最後に、この作品の主人公とその相棒のプロフィールを載せてみましたのでよろしかったらご覧になって下さい。

 

ではでは、虎子でした。

 

 

主人公 

 

紫堂 豪臣 (シドウ ヒデミ)

 

身長 178㎝ 体重 72㎏ 年齢21歳

 

 紫堂一刀流師範である紫堂 辰臣(シドウ タツオミ)の孫。両親共にラブラブで、子供ながらにウザいと感じ祖父に懐いていた。

「刀の腕は秀才ではあるが、あの莫迦息子にも及ばん」と祖父に言われ、しかし、「気の才能は未だかつて見たことも無いほどの才気を感じる」と祖父の旧知の仲であった自称仙人の陳老人宅に、7歳から長期休みの間中預けられ修行と陳の営むなんでも修理屋の手伝いをさせられていた。

修行中に「二刀ならば眼を見張るものがある」と陳老人に言われ、独自の小太刀術二刀流を編み出す。

高校卒業後は陳老人の店に就職。陳老人の強さに憧れ、自称仙人になるために奮闘。今回、卒業試験と称して富士の樹海の祠探しを行い、その結果、恋姫の世界に誘い込まれる。

 

外見

黒髪で肩甲骨位までのばしてあり、若干癖っ毛。整った顔立ちをしている。体型はスラっとして見えるが筋肉質の細マッチョ。肩には小型化した朔夜をよく乗せている。

 

服装

 鼠色の着物を着用。その上から羽織ではなく黒光りするロングコートを羽織っている。

 

性格

適応能力が高く、その場その場で切り替えが出来る。敵と判断した者には老若男女容赦しない。仙人になるために甘さを捨てるようにしてはいるが、まだまだ、甘さが残る。長期休み、高校卒業後は陳老人の家に世話になっていたので、あまり色恋沙汰には免疫が無く、また疎い。ただ、祖父から女子供は護るものと教えられて育てられたため無自覚に愛情を以て接する(ただし、上記の通り敵には容赦はしない)。

 

口調

 自身を俺と呼ぶ。基本的に同年代以下には敬称を付けて呼ぶことはない。

 

趣味

 絡繰いじり・ピアノ・月見酒・昼寝・歴史(三国志演義・日本の戦国時代が好き)

 

武器

 

① 新月(シンゲツ) 柄30㎝ 刃渡り180㎝ 元身幅35㎝ 峰5㎝ 片刃

仙術によって高められた豪臣の膂力を最大限発揮させる野太刀。すでに刀と呼べる大きさではない。気を込めれば名刀、込めなければただのなまくらとなる。

 

② 上弦(ジョウゲン) 柄20㎝ 刃渡り60㎝ 元身幅3㎝ 峰0.7㎝ 片刃

豪臣が基本的に右手に持つ大脇差。陳老人が鍛え、豪臣が気を込めて作った大業物。常に腰の後ろに挿している。

 

③下弦(カゲン) 柄20㎝ 刃渡り50㎝ 元身幅3㎝ 峰0.7㎝ 片刃

豪臣が基本的に左手に持つ中脇差。陳老人が鍛え、豪臣が気を込めて作った大業物。常に腰の後ろに挿している。

 

④三日月(ミカヅキ) 雁首・羅宇・吸い口鋼鉄製。全長30㎝ 羅宇の直径4㎝

二十歳の誕生日に陳老人からプレゼントされた喧嘩煙管。常に分解せずに腰帯に挿してある。豪臣が使わなくても本気で殴れば頭蓋骨を粉砕できる一品。豪臣がヘビースモーカーになった原因の品。

 

 

オリキャラ

 

朔夜(サクヤ) ♀

 豪臣の相棒である白い虎。掌に乗る小型(最小約15㎝)サイズから豪臣を乗せて疾走できる大型(最大約500㎝)サイズまで任意で変身できる。毛は(某ゲームのムッ○ルのように)硬く一兵卒では傷つけることすら出来ない。豪臣からの気で出来た幻獣であるため気が減ると小型化、下手をすると消滅してしまう。知能が高く喋ることも出来る。

 

性格

気紛れで、機嫌の良し悪しで相手への態度が変わる。

 

趣味

日光浴をしながらの昼寝。お気に入りの場所は豪臣の頭、肩、腹、膝の上。

 

口調

自分のことは、あたし、と呼ぶ。誰であろうとも基本的に呼び捨て。一応、です・ますを語尾に付けるも、口調がぞんざいであるため慇懃無礼であると取られてしまうことも

 

 

 
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